WordPress以外のおすすめCMS|特徴やメリット・デメリット、費用相場を解説
世界シェアトップの製品として、CMSの導入時に有力候補となる「Wordpress」。しかし、この他にも優れたCMSは数多く存在します。本記事では、WordPress以外のおすすめCMSについて、特徴やメリット・デメリット、費用相場を詳しく解説します。
目次
そもそもなぜWordpressは人気なのか?
CMSのなかでWordPressが世界シェアトップである理由は、導入のハードルが低いことに加え、自由度の高いカスタマイズ性を持つためです。
原則として無料で導入できるうえ、数多く提供されているプラグインやテーマを活用することで、自由自在にWebサイトをカスタマイズできます。
また、初心者でも使いやすい管理画面を備えており、技術的な知識がなくても高品質なWebサイトを簡単に作成できることも人気の理由です。
▷【2024年最新】おすすめのCMS16選比較|種類や機能・選び方を解説
▷CMSとWordPressの違いとは?それぞれのメリット・デメリットや歴史を解説
近年はWordpress以外のCMSにも注目が集っている
長年にわたり圧倒的なシェアを誇ってきたWordpressですが、近年は他のCMSにも注目が集まっています。
なぜなら、オープンソースであるWordPressは無料で利用できる反面、公式のサポートが得られない、セキュリティの脆弱性を狙われやすいといった欠点があるためです。
最近は、EC専門のCMS、クラウド型でセキュリティ対策の負担のないCMSなど、独自の強みを持つCMSが続々とリリースされており、利用者のニーズを実現しています。
▷【初心者向け】CMSとは?メリット・デメリットや種類、機能をわかりやすく解説
WordPress以外のCMSの特徴
CMSは大きく分けると、オープンソース型、パッケージ型、クラウド型の3種類があります。種類ごとの特徴について、以下に詳しく説明します。
オープンソース型CMSの特徴
オープンソース型のCMSは、ソースコードが一般に公開されていることから、ほぼ制限のないカスタマイズ性の高さを強みとしています。
有志のコミュニティが活発であることも多く、ユーザー同士で情報交換やサポートを行うことができる点も大きな魅力です。しかし、ソースコードが公開されているためにセキュリティ面でのリスクが高く、安定した運用には一定の技術力が求められます。
オープンソース型CMSのメリット
オープンソース型CMSの最大のメリットは、無料で利用できるため、導入・運用費用を抑えられることです。
また、豊富なプラグインが用意されており、必要な機能も簡単に追加できます。さらに、世界中に多くのユーザーがいる製品を選べば、問題が発生した際にも解決策を見つけることは容易でしょう。このような特徴から、オープンソース型CMSは初心者から上級者まで、幅広い層に利用されています。
オープンソース型CMSのデメリット
オープンソース型CMSの最大のデメリットは、公式ベンダーからのサポートを受けられない点です。
また、ソースコードが公開されているため、必然的にセキュリティリスクが高くなります。自分でWebサイトのセキュリティ対策に責任を持つ必要があるため、技術的な知識が求められる性質がデメリットとして挙げられます。
オープンソース型CMSの費用相場
ほとんどのオープンソース型CMSは、無料で利用できます。
ただし、Webサイトを実装して公開するためには、レンタルサーバー代やドメイン代が別途発生しますが、これらの費用は、月額数百円から数千円程度とごく少額です。技術力が担保できるなら、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。
▷無料で使えるおすすめのCMS10選を比較|無料製品の選び方やメリット・デメリット
パッケージ型CMSの特徴
パッケージ型CMSとは、ライセンスを購入したうえ、自社サーバーにソフトウェアをインストールして利用するタイプのCMSです。
自社サーバーに設置するという特性上、外部からのアクセスを限界まで排除できるセキュリティの高さが強みです。ただし、初期導入コストや運用コストが比較的高額であるため、大企業に向いたサービスと言えるでしょう。
また、パッケージ型CMSは特定の業界向けに特化していることが多く、複雑な機能を搭載しているケースも多く見られます。
パッケージ型CMSのメリット
パッケージ型CMSのメリットは、企業向けに開発された背景を持つため、大規模サイトの構築が可能であることです。
また、トラブルが発生した際にはベンダーの手厚いサポートを受けることができ、迅速に問題を解決できます。さらに、自社サーバーを利用するため、セキュリティが性が高く、不具合が発生した際の対処もスピーディーに行える点も大きな利点です。
パッケージ型CMSのデメリット
パッケージ型CMSのデメリットは、高い機能やセキュリティ性と引き換えに、費用が高額になる点です。
また、Webサイトの作成や公開に時間がかかる場合があり、迅速な立ち上げを求める場合にも適していません。さらに、ライセンスの更新やサーバーの維持管理など、継続的なコストも発生するため、長期的なコスト管理が必要となります。そのため、中小企業にとっては導入のハードルが高い場合があるでしょう。
パッケージ型CMSの費用相場
パッケージ型CMSの費用相場は、製品によって異なるため一概には言えませんが、一般的には50万円以上です。
この金額には、ライセンス料、インストール費用、カスタマイズ費用、さらには年間の保守費用などが含まれています。ただし、大企業向けの高機能CMSの場合、さらに高額になることもあります。
しかし、その分だけ豊富な機能とサポートが提供されるため、資金力のある企業にとってはコストパフォーマンスが高いと評価されることもあるでしょう。
クラウド型CMSの特徴
クラウド型CMSは、ベンダーが提供するサーバーで動くCMSに、インターネットを経由してアクセスするタイプのCMSです。
インターネット接続さえあれば、どこからでも自由にサイト管理が行える点が最大の特徴です。また、インストールやメンテナンス、バックアップなどの運用作業を一任することができるため、常に最新の状態でCMSを利用できるほか、技術力に自信のない企業でも安心して導入できます。
クラウド型CMSのメリット
クラウド型CMSの最大のメリットは、短時間でWebサイトを構築できる点です。
初期設定やインストールが不要なため、導入にかかる時間や手間が大幅に削減されます。また、必要に応じて機能を着脱できるため、将来的な拡張にも安心して備えることができるでしょう。さらに、パッケージ型に比べて導入・運用費用が安価で済むことも魅力的です。
クラウド型CMSのデメリット
クラウド型CMSのデメリットは、機能やデザインの制限が強く、カスタマイズ性が低い点です。
また、技術サポートをベンダーに依存するため、トラブルが発生した際には迅速な対応が期待できないケースがあります。さらに、もしベンダーが倒産してしまうと、サービスの継続そのものが不可となる構造的なリスクを抱えています。
クラウド型CMSの費用相場
クラウド型CMSの費用相場は製品によって大きく異なりますが、月額1万円ほどから利用できるプランが主流となっています。
中にはフリープランが提供されている製品が存在し、基本的な機能だけなら無料で試すこともできます。ただし、ビジネス向けの高機能なプランを利用する場合には、月額数万円のコストがかかることもあるため、コストと機能のバランスをよく考慮して選択しましょう。
▷クラウドCMSとは?特徴やメリット・選び方やおすすめの製品を比較!
WordPress以外のおすすめCMS
2024年7月時点における世界シェアを参考に、WordPress以外のおすすめしたいCMSをピックアップしました。それぞれの特徴を理解して、最適なCMSを選択してください。
[参考:W3Techs「Usage statistics and market shares of content management systems」]
Joomla!
Joomla!はWordPressと並んで人気のオープンソース型CMSです。
Webサイト全体の9%となる、約200万のアクティブなWebサイトに導入されており、世界中の中小企業、政府、非営利団体にて、大規模組織のコンテンツを構築するために活用されています。カスタマイズ性とセキュリティの高さにより、多くのユーザーから信頼性を高く評価されているCMSです。
提供元 | Open Source Matters, Inc. |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
導入実績 | ダウンロード数1億4,300万回以上 |
機能・特徴 | 拡張やカスタマイズが簡単・柔軟なシステム、検索エンジン最適化、永久無料のオープンソフトウェア、セキュリティ重視の開発など |
URL | 公式サイト |
Drupal
Drupalは、強力なコンテンツ管理機能を備えたオープンソース型CMSであり、エンタープライズ市場向けのハイエンド製品として最も成長しています。
多言語化やカスタマイズの柔軟性、極めて高いセキュリティ性などの特徴から、世界的な大企業や大学、政府などを中心に数多く導入されています。また、オープンソース型にもかかわらず有償で技術サポートを受けられるため、充分なセキュリティを手軽に担保することが可能です。
提供元 | Drupal.org |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 | コンテンツ作成、マーケティングオートメーション、パーソナライゼーション、多言語、アクセシビリティ、パフォーマンスとスケーリングなど |
URL | 公式サイト |
Adobe Experience Manager Sites
Adobe Experience Manager Sites(AEMS)は、企業向けに提供されるクラウド型CMSとして、高度なマーケティング機能を備えています。
生成AIを取り入れたコンテンツ生成に強みを持ち、設定したペルソナに合わせて、コンテンツを細かくパーソナライズすることができます。また、コンテンツを部位ごとに分析し、パフォーマンスを産む項目の特徴をAIに学習させるフィードバック機能を備えています。こうした機能をうまく活用すれば、コンテンツの作成コストを大幅に下げることが可能となるでしょう。
提供元 | Adobe Inc. |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | サイトパフォーマンス、コンテンツ制作、テストと最適化、迅速な制作、オムニチャネルエクスペリエンス、ヘッドレスCMSなど |
URL | 公式サイト |
Shopify
Shopifyはその使いやすさと機能性から、世界170か国以上のユーザーから支持されているECサイト向けCMSです。
Shopifyの魅力の一つは、豊富なデザインテンプレートとカスタマイズオプションです。ブランドに合わせたユニークなWebサイトを作成することが可能となるほか、バックオフィスの効率化にも優れたサポートを提供してくれるでしょう。また、販売チャネルの統合、多言語対応など、国際的な販売をサポートする機能も充実しています。
提供元 | Shopify Inc. |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ■月払い
■年払い
※年1回請求 |
導入実績 | 数百万マーチャント |
機能・特徴 | 何千種類ものテーマ、アプリ、統合機能、商品を販売するためのサイトを作成、99.99%のアップタイム率、チェックアウト機能、AIによる記事生成など |
URL | 公式サイト |
Wix
Wixは、どんな「作りたい」も叶えるクラウド型CMSです。
最高水準のセキュリティを備えたサーバーを格安で利用できるほか、900種類を超える豊富なデザインテンプレートと高度なカスタマイズ機能を備えています。初心者向けのシンプルな操作性が突き詰めているため、コーディングの知識が一切なくても美しいWebサイトを作成できるでしょう。さらに、ECや予約システムを含む、集客に必要なツールが幅広く取りそろえられています。
提供元 | Wix.com, Inc |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ■無料版サイト:無料 ■Wixプレミアムプラン
■Wixエンタープライズプラン:要問い合わせ ※支払いは購入時に選択した利用期間分の料金全額を一括払い |
導入実績 | 登録ユーザー数2.5億人以上 |
機能・特徴 | マーケティングツールパッケージ、独自ドメイン、サイト分析機能、E コマース機能、カスタマーケア(日本語)、請求・支払管理、Eコマースなど |
URL | 公式サイト |
Squarespace
Squarespaceは、デザイン性に圧倒的な強みを持つクラウド型CMSです。
用意されたデザインテンプレートの質が非常に高く、デザインにこだわりたい状況では最適な選択肢となるでしょう。加えて、基本的な機能はすべて揃っているため、美しいサイトを最短距離で構築したいケースには選択肢に入れておきたいCMSです。日本語対応はまだ未実装ですが、2週間の無料トライアルが用意されており、気軽に試すことができます。
提供元 | Squarespace Inc |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ■月払い
■年払い
|
機能・特徴 | モバイルに最適化されたWebサイト、あらゆるニーズに応えるテンプレート、無料のカスタムドメイン、請求書を無料で送信、Webサイトへの予約追加など |
URL | 公式サイト |
ホームページ・ビルダー22
ホームページ・ビルダー22は、日本国内で広く利用されているパッケージ型CMSです。
使いやすいインターフェースと多様なテンプレートにより、初心者でも簡単にWebサイトを作成できます。また、SEO対策機能やスマートフォン対応のサイト作成機能も搭載されており、技術力を問わずに要求通りのホームページを実現することができるでしょう。国産CMSであるため、手厚い技術サポートを期待できる点も魅力的です。
提供元 | 株式会社ジャストシステム |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ■ホームページ・ビルダー22 ビジネスプレミアム ・通常版
・バージョンアップ版*1
■ホームページ・ビルダー22 スタンダード ・通常版
・バージョンアップ版*1
・アカデミック版*2:12,980円(税込) ■法人ライセンス ・新規購入
・バージョンアップ*1
|
機能・特徴 | 初めてでも直感的にレイアウト・編集、豊富なテンプレート最大352種類、多彩な写真素材やフォント、公開後の更新・集客も強力に推進、テンプレート集など |
URL | 公式サイト |
Movable Type
Movable Typeは、長い歴史に裏打ちされた安定性に定評があるパッケージ型CMSです。
企業向けの高機能なコンテンツ管理システムとして、アメリカを中心に多くの大規模サイトで利用されています。特筆すべきはその精密なユーザーマニュアルであり、作業ごとのポイントが非常に事細かに整理されているため、技術力のない担当者であっても無理なく導入できるでしょう。また、個人使用であれば無償でインストールすることも可能です。
提供元 | シックス・アパート株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 個人無償版:無料 ■通常ライセンス
|
導入実績 | 5万サイト以上 |
機能・特徴 | 入力フィールドを設計できるコンテンツタイプ、独自のテンプレートタグ、分かりやすい編集画面を設計可能、デザイン要素の分離を図るブロックエディタなど |
URL | 公式サイト |
WordPress以外のCMSを選ぶ際のポイント
WordPress以外のCMSを選ぶ際には、いくつかのポイントを考慮することが必要です。以下に、ポイントを詳しく解説します。
目的に合った機能が搭載されているか
CMSを導入する際は、なぜCMSを導入したいのか、どのようなWebサイトにしたいのかを明確にしましょう。なぜなら、目的に応じた機能が搭載されたCMSを選ぶことが、効果的なWebサイト構築に直結するためです。
例えば、オンラインショップなら決済機能や在庫管理機能、写真共有サイトなら余裕のある容量を持ったCMSが適しているでしょう。最適なCMSを選ぶには、まずは目的を正しく認識することが成功のカギです。
操作性や利便性が高いか
システムの操作性、利便性の高さも重要なポイントです。
日々のサイト更新や維持管理がスムーズに行えるかどうかは、業務効率を大きく左右します。ITの専門知識のない人でも使いやすいよう、直感的なインターフェースを持つCMSを選ぶように心がけましょう。
費用対効果が高いか
CMSを選ぶ際には、ランニングコストを含めた費用対効果を考慮することが重要です。
初期費用だけでなく、月額費用や追加機能の費用なども含め、トータルコストを注意深く見積ることが大切です。自社に必要な機能をよく考慮すれば、安価なプランでも十分なケースもあるため、最初の段階で慎重に検討することが大切です。もし、長期的な予想が難しいようであれば、乗り換えが容易なクラウド型CMSから導入するとよいでしょう。
セキュリティやサポート体制が充実しているか
セキュリティ対策が十分であるか、そして、手厚い技術サポートが受けられるかにも注意を払いましょう。
とりわけ、個人情報や顧客情報を扱うWebサイトでは、セキュリティ対策が万全であることが必須条件となります。また、トラブル時に迅速に対応してもらえるサポート体制が整っていることで、安心してCMSを運用できるでしょう。
他システムと連携できるか
外部サービスとの連携ができるCMSを選ぶことで、既存データを有効活用することが可能になります。
例えば、顧客管理システムやメール配信システムとCMSを連携できれば、マーケティング活動がスムーズに行えます。また、ソーシャルメディアとの連携が容易なCMSも、運用負担を大きく減らしてくれるでしょう。
▷自社に適したCMSの選び方!選定のポイントや注意点を詳しく解説
おすすめを参考にWordpress以外のCMSも利用してみよう
今回ご紹介したWordPress以外のCMSは、それぞれ独自の強みを持っています。
自社のニーズや目的をよく理解し、目的に見合ったCMSを選ぶことに成功すれば、より効果的なWebサイト運営が可能となるでしょう。無料で試せる製品も多いため、実際に使ってみて操作性や機能を確認してみることもおすすめです。自社に適切なCMSを賢く選び、自社のWebサイト運用に役立ててください。
CMSの記事をもっと読む
-
ご相談・ご質問は下記ボタンのフォームからお問い合わせください。
お問い合わせはこちら