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VPNは本当に必要?個人・企業別に必要なシーン・活用事例を紹介

2024/07/23 2024/07/24

VPN

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VPNの必要性

データ通信の安全性を高める「VPN」。インターネットがビジネスや日常生活に欠かせない現代において、VPNの導入を検討しているものの、本当に必要なのか疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。本記事では、VPNは本当に必要なのか、個人・企業別に必要なシーンや活用事例を紹介します。

VPNとは?

VPNとは「Virtual Private Network」の略称で、日本語では「仮想プライベート・ネットワーク」と訳されます。

VPNは、2拠点間でインターネット上に仮想的なトンネルを形成し、データを安全に送受信する技術です。データが「カプセル化」と呼ばれる方法で処理され、外部からの不正アクセスや盗聴から保護されるため、本社と支社のような異なる場所にある拠点同士を安全に接続できます。

このように、VPNはインターネットを経由しても安心してデータをやり取りできる仕組みです。

【2024年最新】VPNのおすすめサービス14選を比較!個人向け・安さなどの選び方を解説

VPNは本当に必要?導入しない場合のリスク

株式会社東京商工リサーチによると、2023年には上場企業などで公表された個人情報の漏えい・紛失事故が175件(前年比6.0%増)に達し、漏えいした情報は前年の約7倍の4090万8,718人分と大幅に増加しました。

デジタル化の進展に伴い、ネットワークを対象としたサイバー攻撃も巧妙化し、被害件数は年々増加しています。

インターネットは公衆回線を利用しているため、回線上のデータは誰でも盗み見ることが可能です。機密性の高いデータをサイバー攻撃から守り、安全にやり取りするためにはVPNの導入が不可欠といえるでしょう。

[出典:株式会社東京商工リサーチ「2023年の「個人情報漏えい・紛失事故」が年間最多 件数175件、流出・紛失情報も最多の4,090万人分」]

VPNで守れる情報

VPNを導入することで、プライバシーに関わるさまざまな情報を守ることができます。具体的に見ていきましょう。

閲覧履歴

VPNを導入することで、誰がどのWebサイトを閲覧したかなどの利用履歴を隠すことが可能です。

通常、インターネットを利用すると、アクセスしたWebサイトの履歴がプロバイダーや第三者に記録される可能性があります。しかし、VPNを使うことで、インターネット接続が暗号化されるため、閲覧履歴は見えなくなり、外部からの監視や追跡を防止できます。

特に企業内では、従業員のプライバシー保護とともに、機密情報の漏えいを防ぐためにも、VPNの導入が求められます。

IPアドレス・現在地

VPNを導入すれば、実際のIPアドレスの代わりにVPNサーバーのIPアドレスが表示されます。

IPアドレスが特定されると、インターネットに接続している場所も特定されるリスクがあります。実際のIPアドレスを隠せれば、現在地を特定されることなく安全にインターネットを利用できるでしょう。

特に企業においては、従業員が外出先やリモートワークをする際のセキュリティ向上に役立ちます。

VPN接続では固定IPアドレスが必要?関係性やメリット・デメリットを紹介

個人情報

VPNを利用することで、メールの内容やクレジットカード情報などの個人情報を暗号化することが可能です。

通常、インターネットを通じて送受信されるデータは、第三者から傍受されるリスクがありますが、VPNはこのデータを暗号化し、不正アクセスから守ります。

特に、オンラインショッピングやインターネットバンキングを利用する際には、個人情報の保護が重要です。企業においても、顧客情報や社内の機密情報を安全に取り扱うために、VPNの導入は必須と言えます。

個人でVPNが必要なシーン

個人でもプライバシーやセキュリティを守る必要がある場面が多くあります。特に以下のようなシーンではVPNの活用が欠かせません。

フリーWi-Fiで安全にネットを利用したいとき

旅行などで外出先のフリーWi-Fiを利用する際、VPNは非常に役立ちます。

フリーWi-Fiは便利ですが、セキュリティは必ずしも万全ではありません。多くの場合、暗号化されていないため、悪意のある第三者にデータが盗まれるリスクがあります。

VPNを使用すれば、通信内容が暗号化されるため、安全にインターネットを利用できます。例えば、カフェや空港、ホテルなどでフリーWi-Fiを利用するときでも、安心してネットサーフィンをしたりメールの送受信をしたりすることが可能です。

Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンに情報を渡したくないとき

VPNを使うことで、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンにIPアドレスや検索内容、履歴などの情報を渡さずに済みます。

IPアドレスの匿名化によりプライバシーが保護され、検索エンジンがユーザーの行動を追跡することを防げます。特に、個人情報を第三者に知られたくない場合や、プライベートな検索を行う際にVPNは有効です。個人の検索履歴が追跡されることなく、安全にインターネットを利用できます。

海外のローカルコンテンツにアクセスしたいとき

VPNを利用すれば、その国でしか利用できない海外のローカルコンテンツにアクセスすることが可能です。

例えば、日本からアメリカのNetflixや英国のBBC iPlayerを視聴する場合、VPNを通じて現地のサーバーに接続することで、現地にいるかのようにコンテンツを楽しめます。同様に、旅行や出張中でも、自国のコンテンツや他国の限定コンテンツにアクセスできるのです。

アメリカで利用できるおすすめのVPNサービス|無料製品や安全性について紹介

自宅Wi-Fiのセキュリティを高めたいとき

自宅Wi-Fiもサイバー攻撃の標的にされます。特に、IoT家電が普及し、インターネット回線を利用する機会が増えたことで、そのリスクが高まっているのです。

例えば、玄関の施錠を遠隔操作する場合、サイバー攻撃によって犯罪に巻き込まれる危険性があります。自宅Wi-Fiのセキュリティを強化し、不正アクセスから家庭内のデバイスや個人情報を守るためにはVPNの導入が必要です。VPNを導入することで、安心してIoT機器を利用できるようになるでしょう。

VPNのセキュリティは安全?理解しておきたい仕組みやセキュリティリスク・被害事例について

企業でVPNが必要なシーン

企業活動においてもVPNの導入は不可欠です。情報セキュリティ対策やコスト削減、業務効率化の観点から、次のようなシーンで活躍します。

安全なリモートワーク環境を構築したいとき

リモートワークが一般化した昨今、社員が社外からでも安全に社内システムにアクセスできる環境が必要不可欠です。

VPNを利用すれば、インターネット経由でも情報漏えいの心配なく業務が行えます。機密データのやり取りも安心して行えるでしょう。

離れた拠点間で費用を抑えてネットワークを構築したいとき

VPNは公衆回線を利用するため、専用線を引く必要がありません。そのため、遠隔地の拠点間でもローコストでネットワークを構築できます。

通信コストを大幅に削減できるメリットがあり、経営の面にも良い影響を与えるでしょう。

出張などで情報規制のある国で仕事をするとき

特定のWebサイトの閲覧が制限されている国でも、VPNを利用すれば自由に情報にアクセスできます。出張や海外支店での仕事で、 インターネットを制約なく使いたい際におすすめです。

インターネット回線を利用したIP電話を安全に使いたいとき

IP電話はインターネット回線を使うため、通話内容が盗聴される危険性があります。しかしVPNで通信を暗号化すれば、社内の重要な情報が漏れることなく、安心して通話が可能です。セキュリティ面の心配が軽減できるでしょう。

クラウド環境を利用するシステムへの接続セキュリティを強化したいとき

クラウド環境を利用する企業にとって、システムへの接続セキュリティは非常に重要です。VPNを利用すれば、クラウドシステムへのアクセスが暗号化されるため外部からの不正アクセスを防止でき、クラウド上のデータやシステムが安全に保護されます。

特に、企業の重要なデータや機密情報をクラウド上で扱う場合、接続セキュリティを強化するためにはVPNの導入が必要です。

VPNの活用事例

VPNはさまざまな企業で活用されています。その利用方法は多岐にわたり、リモートワークの促進やセキュリティの強化など、企業の業務効率向上につなげているようです。

ここからは、具体的な活用事例をご紹介していきます。

三菱電機株式会社

三菱電機株式会社は、電機製品やシステムの製造・販売などを幅広く行う大手企業です。

VPN導入のきっかけは、社会インフラなどを提供していることからサイバー攻撃の標的になりやすく、セキュリティの強化、各拠点のITシステムの統一の必要性が高まったことでした。

導入したことで、通信の暗号化により情報漏えいリスクが低減され、どこからでも安全に利用できるIT環境の実現に近づいたということです。

[参照:NTTコミュニケーションズ株式会社「導入事例 三菱電機株式会社」]

三井物産株式会社

三井物産株式会社は、幅広い事業分野でグローバルに展開する総合商社です。

VPN導入のきっかけは、世界中の拠点間での安全なデータ通信の必要性でした。国によって通信品質のレベルに差があり、世界均質のITサービスが求められたためです。

VPNを利用することで、世界各国でクラウドとデータセンターをセキュアかつシームレスに接続できるようになりました。これにより、国際的な事業展開においても高い安全性を維持しながら新しいイノベーションの創出に向かえます。

[参照:NTTコミュニケーションズ株式会社「導入事例 三井物産株式会社」]

綾羽株式会社

綾羽株式会社は、ホームセンターやゴルフ場、繊維製品の製造など幅広い事業を展開する企業です。

VPN導入のきっかけは、急増したリモートワークへの対応として、自宅と社内システム間でのデータ通信のセキュリティ強化の必要性が高まったことでした。導入により、閉網域に直接接続するためリスクがないうえ、使用は簡単で高速なため、セキュリティの向上と業務の効率化が図られました。

[参照:株式会社オプテージ「導入事例 綾羽株式会社様」]

株式会社コープムービング

株式会社コープムービングは、7つの拠点を持ち物流サービスを提供する企業です。

VPN導入のきっかけは、物流管理システムの進化にあたり、本社と各拠点を結ぶネットワークのセキュリティを万全にする必要性が生じたことでした。

IP-VPNを導入したことで、パフォーマンス、セキュリティ、コストのバランスよく、閉網域のサービスであるためデータ通信の安全性の確保が可能になりました。

[参照:株式会社オプテージ「導入事例 株式会社コープムービング様」]

インターネット利用におけるVPNの必要性は高い

近年のサイバー犯罪の増加やプライバシー意識の高まりを受け、VPNの需要は急速に高まっています。

個人情報の保護や安全な通信の確保、リモートワーク環境の整備など、多くの場面で役立つVPN。企業における拠点間の通信やクラウドサービスの利用などを含め、VPNは、個人・企業を問わず、安全なインターネット利用に欠かせない存在です。VPNはセキュリティを強化するための必須ツールといえるでしょう。

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