稟議書と伺い書の違いとは?書き方や例文・テンプレートを紹介

2024/07/03 2024/07/04

ワークフローシステム

稟議書と伺い書の違い

組織の意思決定をスムーズにする「稟議書」。自身の権限では決定できない事案について、上層部からの承認を得るために作成する書類です。混同されやすい書類に「伺い書」がありますが、双方に違いはあるのでしょうか。本記事では、稟議書と伺い書の違いについて、書き方や例文とともに詳しく紹介します。

稟議書・伺い書に必要な主な項目

稟議書や伺い書には必ず記載しなければならない項目があり、記載漏れがあると、稟議が通らなくなってしまいます。記載が求められる項目について説明します。

作成日

稟議書・伺い書には、作成した日付を明記しなければなりません。企業によっては、「起案日」を項目として設けている場合がありますが、起案日は稟議書の提出日を指します。西暦と和暦のどちらを用いるかは、社内の規定を確認してください。

起案部署・起案者氏名

起案者の氏名と起案者が所属している部署名も忘れずに記載しましょう。部署によっては、普段は略称を使用しているケースもあるかもしれませんが、稟議書・伺い書には正式な名称を記載してください。

件名・タイトル

稟議書・伺い書には、件名・タイトルも載せます。件名は稟議内容がすぐに分かるように、簡潔かつ具体的に記す必要があります。

例えば「タブレット端末の追加購入について」など、稟議書・伺い書を手にした人が内容をイメージできるものが望ましいでしょう。緊急度が高くても、件名から内容が推測できないと優先順位を判断できず、後回しにされる恐れがあります。

稟議の目的

稟議書・伺い書には、稟議の目的も記載してください。目的を書かなければ、承認者に稟議の意図が伝わらず、承認に至りません。「業務改善」や「生産性向上」、「社員の定着率の向上」など必要性が伝わるように書きましょう。

稟議の理由

稟議書・伺い書には、申請理由を書く必要があります。すでに問題が生じており、解決のために手立てを講じる必要があるのであれば、現状の問題を記載しましょう。記載する際は、定量的な説明を心がけると、理由がより伝わりやすくなります。資料があれば添付しましょう。

承認を得たい事項の詳細

承認者が判断できるように、承認を得たい事項の詳細を書きましょう。物品やサービスを購入するケースなら、発注先や商品名、数量や金額、支払い条件などを記載します。見積書や製品カタログなどを基に、可能な限り正確に記してください。出張の場合は、訪問先・宿泊先とスケジュール、それに伴う費用などを示します。箇条書きを用いるなど、読みやすさにも気を配りながら記載してください。

得られるメリット

稟議を通してもらうには、会社にもたらされるメリットも記載しなければなりません。新規の取引を行うのであれば、見込まれる売上を具体的な数字を用いて記載します。根拠となる資料があれば、添付してください。

想定されるリスク

メリットが得られるだけではなく、リスクの発生が考えられる場合は、リスクについても載せるようにしましょう。サービスを導入する場合、初期費用だけではなく、ランニングコストがかかる可能性があります。人材を採用する場合は、教育コストと業務負担が増えることもあるでしょう。

リスクを記載せずに稟議書を作成し、承認されたあとにリスクが発覚すれば、起案者の信用は失われ、会社に損害を与える恐れが考えられます。

稟議書とは?書き方や必要な項目・目的別のテンプレート・例文を紹介

稟議書・伺い書の書き方

承認者に承認してもらえるような稟議書・伺い書の具体的な書き方とポイントを解説します。ぜひご一読ください。

不要な情報は省き簡潔に分かりやすくまとめる

稟議書・伺い書に目的や理由を書く際、承認を得たいために長文になってしまいがちですが、できるだけ不要な情報は省きましょう。不要な情報を記載すると、承認者が何を承認すればよいのかが判断しにくくなるためです。

具体的な数値などのデータを使ったり、箇条書きや図を用いたりして、簡潔に分かりやすくまとめることを重視してください

専門用語は避けて分かりやすい用語を使う

稟議書・伺い書を作成する際は、専門用語は避け、誰が読んでも分かるような用語を使ってください。起案者が所属する部署では日常的に使っている用語でも、他部署の社員には馴染みのない用語もあります。どうしても専門用語を使わなければ説明できない場合は、注釈をつけるとよいでしょう。

想定されるリスクよりも得られるメリットが際立つように工夫する

稟議書・伺い書には、承認者が適正に判断できるように、メリットだけではなく想定されるリスクも隠さずに記載する必要があります。その際、想定されるリスクよりも得られるメリットの方が大きいと感じてもらえるように工夫しましょう。

リスクの解消につながる方法があれば、忘れずに記載してください。例えば、デメリットとして高額な初期投資が考えられたとしても、半年で元が取れると予測できれば、承認される確率が高まるはずです。解消方法は、客観的なデータを用いて記載すると説得力が増します。

稟議メールの書き方とは?状況別の例文や注意点・メール以外で効率化する方法

稟議書・伺い書の例文テンプレート

会社で使われる頻度が高い備品購入稟議、契約締結稟議、採用稟議の稟議書・伺い書の例文をご紹介します。稟議書や伺い書を書く際の参考にしてください。なお、作成日、起案部署・起案者氏名は省き、件名以降を例文テンプレートとして示します。

備品購入稟議

高額な備品を購入する場合、社員一人では判断できないため、稟議書や伺い書を作成します。作成する際は、購入の必要性が伝わるように工夫しましょう。購入予定の備品の金額や数量は、必ず具体的に載せます。製品パンフレットがあれば、一緒に提出するとよいでしょう。

①件名

経費精算システムの購入について

②目的

  • 在宅勤務者の経費精算の効率化
  • 経理部の残業時間の削減

③理由

これまで経費精算を行う際は、書類に記載したうえで領収書の原本と一緒に経理部に提出していました。しかし、当社の全社員のうち、在宅勤務者が全体の7割を占めるようになりました。出社しなければ経費精算ができないため、経費精算を目的に出社する社員が出てきています。また、書類の記入ミスによる差し戻しが経理部の残業につながっています。

④詳細

購入予定の経費精算システム

  • 品名:「経費精算システム△△」
  • 利用料:月額〇円/1ユーザー
  • 利用ユーザー数:△△人(〇年〇月〇日時点の社員数)
  • 見積金額:月額××円(〇年〇月〇日時点の社員数で計算)
  • 発注先:××社
  • 商品のサービスサイト:〇〇〇
  • 導入予定日:△年△月△日

「経費精算システム△△」はユーザー1人あたりの利用料が他社より安価なうえ、導入の無料サポートを利用できます。

⑤効果

  • 自宅から経費精算が可能となるため、経費精算を目的とする出社を減らせます。
  • 社員の出社に対する交通費の支払いを、ひと月あたり〇〇円減らせる見込みです。
  • 経理部の残業時間をひと月あたり〇時間減らせる見込みです。

導入にあたっては、社員に対する説明会を業務時間に開催する必要がありますが、事前に操作マニュアルを配付し、説明会の時間短縮を図ります。

契約締結稟議

新規取引先と契約を結ぶ場合に必要なのが、契約締結稟議です。取引の目的に加え、取引を行うメリットも載せなければなりません。加えて、信用できる取引先であると伝えるため、客観的な情報も記載してください。

①件名

△△社との新規取引の承認について

②取引を開始する目的

部品〇〇を低コストで仕入れるため

③取引を行う理由

部品〇〇は、××社より仕入れていたが、××社の部品は1ロットあたり〇円とコストがかかっていました。△△社は1ロットあたり×円で仕入れることが可能です。△△社は部品〇〇を製造する機械を×台保有しているため、大量発注にも対応できます。

④△△社について

  • 住所:東京都~~
  • 電話番号:03-~~
  • 資本金:〇円
  • 設立:△年
  • 社員数:×人

△△社の過去〇年分の財務諸表を分析した結果、経営状態は良好であると判断しました。財務諸表分析を別添資料として添付します。

⑤取引条件

  • ひと月あたりの仕入れ数:〇ロット
  • 返品の条件:~~
  • 支払い方法:~~
  • 当社担当者:〇〇

⑥効果

△△社と契約し部品〇〇を×円で仕入れることで、利益率が〇%となる見込みです。確保した利益を製品開発費に回すことで、市場競争力のある新商品の開発につなげられます。

採用稟議

求人の募集開始や採用の決定など、採用活動を行う際に用いられるのが、採用稟議です。求人を募集する際は、必要性や採用候補者の具体像を記載しましょう。また、採用活動にかかるコストも明記してください。採用を決定する場合は、採用予定の人材の職歴や経験、スキルなどが承認者に伝わるように記載します。

①件名

営業部の求人募集について

②採用する目的

商材××の営業を担当する人員を採用するため。

③採用する理由

〇年〇月〇日より新規商材△△の販売を開始します。それに伴い、既存の商材××を担当していた営業部の人員のうち1名を新規商材△△の担当に異動する予定です。既存の商材××の営業担当者が1名減るため、人員の補充が必要です。

④詳細

  • 採用部署:営業部
  • 職種:営業
  • 採用人数:1名
  • 採用条件:中途採用。営業経験3年以上。正社員。想定給与〇円
  • 採用コスト:〇円(内訳:求人媒体への出稿〇円、人材紹介会社への紹介料〇円、人件費〇円)
  • 採用方法:求人媒体△△への出稿
  • 求人開始:〇年〇月〇日

⑤効果

商材××の売上は前年比105%と好調です。△年△月△日より新規キャンペーンを実施するため、さらなる売上が見込めます。営業部に十分な人員を配置することで、新規顧客の獲得につなげ、今期の売上〇〇円の達成を見込みます。

⑥懸念事項と対策

新規キャンペーン開始までに、商材××を営業・販売できるノウハウを採用した人員に身に付けてもらう必要があります。営業部では、営業マニュアルの刷新を行うとともに、教育体制を構築します。

【例文つき】採用稟議書とは?必要性や承認される書き方と作成のポイント

稟議書・伺い書に大きな違いはないが企業のルールに従って使いわけよう

企業で頻繁に使われる稟議書と伺い書には、明確な違いはありません。いずれも社員一人の権限では決定ができない事項について、承認を得るのに必要な書類です。企業によっては、基準を設け稟議書と伺い書を分類しているところもあるので、自社のルールに則って使い分けるようにしてください。

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ビズクロ編集部
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