4分で丸わかり!ISO30414の要点をわかりやすく解説

企業の「ヒト」に対する姿勢がわかる人的資本情報開示ってナニ?

公開日:2024/07/04
4分で丸わかり!ISO30414の要点をわかりやすく解説

「 ISO30414」とは、企業の自社の人材に対する考え方や姿勢を、国際規格に則った情報にして社内外に発信するための世界共通の“ものさし”のことです。この記事では、最近、人的資本といったキーワードとセットで見聞きする機会が増えた「ISO30414」について、まずはここだけ知っておけば大丈夫!の、キホン知識をわかりやすく解説します。

ISO30414とは:人的資本経営の新たな基準

ISO30414は、2018年にISO(国際標準化機構)によって策定された、企業の人材マネジメントに関する取り組みを社内外のステークホルダーに向けて報告するための世界共通の指針(ガイドライン)のことです。

ISO30414にて策定された、ヒトに対する取り組みをデータで表すための指標には、人材採用・開発におけるコストや一人当たりの生産性のほか、従業員の満足度や、上司に対する信頼度といった組織に対するエンゲージメントの状態を測る項目なども含まれています。

そのため、さまざまな角度からの、企業の「ヒト」に関する情報を、世界共通の基準にそって可視化および情報開示できるのが特徴です。

今儲かってる?だけでは判断が難しいからこその人的資本

人的資本経営とともに、ISO30414による情報開示が重要視されるようになったのは、VUCAと呼ばれる「物事の不確実性が高く、将来の予測が困難」な現代のビジネス環境を含む時代背景が深く関わっています。

将来の予測が難しい今、投資家にとって「今、儲かっているから」だけで、投資先を選ぶのは、高リスクであると考えられるようになりました。

そこで注目されるようになったのが、「持続的な成長の可能性」と、それを支える「人材」と企業のあり方です。

ISO30414の基準は、まさに企業が「ヒト」を持続的な企業価値の向上へとつなげるマネジメント・経営ができているかどうかを判断するための重要な情報源となったのです。

そもそも「人的資本経営」とは?

人的資本とは、企業における「ヒト」を使えば減る「資源」としてではなく、投資することで価値を高めることができる「資本」として捉える経営の概念です。

この「ヒト」への投資には、スキルアップのための研修や福利厚生の充実、労働環境の改善など、従業員がパフォーマンスを向上させるための、あらゆる取り組みが含まれます。これは、従業員の価値を最大化させることで、企業価値も高まり、最終的には利益につながると考えられているからです。つまり「人的資本」に投資する経営が、企業の持続的な成長と発展に欠かせないとされるようになったのです。

ISO30414が定める11領域58項目

ISO30414では、人的資本に関する情報を評価する11領域・58項目が定められています。それぞれの領域と項目の例についても見てみましょう。

領域項目例
1.コンプライアンスと倫理苦情の件数、懲戒処分の件数
2.コスト人件費、採用コスト
3.ダイバーシティ年齢、性別
4.リーダーシップ上司に対する信頼度、管理者1人あたりの部下の数
5.組織文化従業員の満足度、従業員の定着率
6.健康・安全・福祉 労災の件数、健康や安全に関する研修の受講率
7.生産性従業員1人あたりの売上・利益
8.採用・異動・離職採用にかかる平均的な日数、離職率
9.スキルと能力人材開発の費用、研修への参加率
10.後継者計画内部継承率、後継者の準備度
11.労働力総従業員数、欠勤率

企業が「ISO30414」を取得するメリット

ISO30414の認証を取得するには、認証機関の審査をクリアする必要があり、費用も発生します(費用は、企業規模などにより異なる)。

では、手間と費用をかけても、企業がISO30414の認証を取得するメリットはあるのでしょうか?企業内部のメリットと対外的なメリットに分けて見てみましょう。

企業内部のメリット

透明性の高いデータをもとにした人材戦略が立てやすくなる

自社の人材マネジメントにおける課題が可視化される

事業戦略にマッチした人材育成ができる

人事評価の透明性や満足度を高められる

対外的なメリット

「人材を大切にしている会社」とアピールできる

投資家に対して適正な企業価値を提示できる

優秀な人材を確保しやすくなる

透明性の高い情報開示で社会的な信頼度を高められる

「ISO30414」についての今後をまとめると?

今後、ISO30414が広まることで、企業間の「人材戦略」が比較しやすくなれば、投資家は投資の判断材料として、求職者は就職先選びの指標として、より透明性の高い具体的な情報を得られるようになるでしょう。

ISO30414の11領域58項目にそった分析は、企業にとっても、自社の人材マネジメントを客観的に評価し、改善点を見出す貴重な機会となります。特にグローバル企業では、世界各地の拠点で一貫した人材戦略を展開するうえで、重要な指針となるはずです。

ただし、データ収集や分析など、導入には課題も存在します。課題を克服しながら、いかにISO30414を人的資本経営に活かしていくかが、企業の競争力を左右する重要な要素となっていくでしょう。

ビズクロ編集部
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