昭和OKでも令和はNGです!職場のハラスメント行為
思わず悲鳴もの...今では完全アウトな職場の常識
昭和時代には、許されてしまっていた職場での言動も、令和時代では厳しく批判されるのはもちろん、就業規則に懲戒事由として定められていれば、懲戒処分の対象となることもあります。今回は、今となっては思わず悲鳴をあげてしまいそうな、7つのハラスメント行為を具体例とともに紹介します。
1.パワーハラスメント:「おい!もう帰るのか?」
寝ずに働くサラリーマン戦士こそできるビジネスパーソンとばかりに、「24時間戦えますか?」のフレーズを流行させたCMが話題になったのは昭和の終わり頃。
かつては「残業=やる気」と考えられていましたが、今では、非合理に残業を命じることや、残業を強制するなんて絶対NGです。
休日も休まないことをアピールして長時間労働を美化したり、仕事最優先のスタンスを部下に強要したりするのもパワハラ。無意識にしてしまわないよう注意しましょう。
2.セクシャルハラスメント:「綺麗な髪だね。」
虫唾が走りますね...。これが許されていたの?と、今では、耳を疑うような言葉も聞き流されていた昭和時代。同僚の外見に対する発言も「(褒めているのに)何が悪い」と許容されがちでした。
もちろん、今では明確なセクハラです。相手の身体的特徴を性的関心の対象とし、ましてや「触れたい」などと口にするなんて言語道断。相手に強い不快感や恐怖心を与えます。
3.モラルハラスメント:「本当に使えない。給料ドロボー!」
どんな言葉も「愛のムチ」として正当化されていた上司の叱責。昭和時代を経験した社会人の皆さんは、幾度となく不機嫌な上司の顔色を伺った経験もあるのではないでしょうか?
しかし今、そんな上司がいたら、悪い意味で周囲の視線が集中すること間違いなしです。
暴言や嫌がらせはもちろん、「使えない」「こんなこともできないの?」といった人格を否定する言葉や嫌味のほか、不機嫌な振る舞いも立派なモラハラです。
「え?△△が趣味なの〜?気持ち悪い(笑)」などと、趣味を笑ったり、バカにしたりするような行為も"完全アウト”ですので、お気をつけて。
4.マタニティハラスメント:「妊娠?で、退職はいつ?」
昭和時代、妊娠=退職という会社は少なくありませんでした(泣)。
しかし現代では、妊娠や出産を事由に退職を迫ったり、解雇したりするのは、マタハラであり、不当解雇として違法行為となります。
表向きはおめでとうと祝福しながら、実際には妊娠した従業員を厄介者扱いし、心理的に追い詰めるなどの嫌がらせ行為もマタハラです。マタハラは、第三者の目の届かない環境で行われていることも多いため、組織全体での防止策が求められます。
5.パタニティハラスメント:「男のくせに育休?時短?」
通称「パタハラ」は、育児時短や育休を求める男性社員に対するハラスメント行為のこと。
人それぞれ、家庭それぞれの多様性の概念などなく、一律に「男は仕事、女は家事・育児」の構図が幸せの象徴でもあるとされた昭和時代。当然、男性の育児参加は、一般的ではありませんでした。
しかし現代社会では、男性の育児参加を否定し、それを理由に不利益な扱いをするような行為はパタハラです。性別に関わらず育児に参加する権利が認められており、企業にはそれを支援する義務があります。
6.ジェンダーハラスメント:「女のくせに」「男のくせに」
「男は仕事、女は家庭」の時代が過ぎ去り、女性の社会進出が促進されると、今度は「女のくせに」「男のくせに」を枕詞にしたハラスメントが増えていきました。
とりわけ昭和世代がやりがちなジェンハラは、女性社員にばかりお茶汲みやコピーなどの雑務をお願いしたり、男性にばかり外回り営業を命じたりする行為です。
今や、性別は関係なく、個人の能力・志向を重視する時代。性別による仕事の振り分けは、時代遅れでありハラスメント行為ですので、心当たりがある方は、早急に改めましょう。
7.エイジハラスメント:「これだから、ゆとり世代は...」
合理的な理由もなく、極端な解釈で年齢や年代を一括りにして相手を不快にさせたり、年齢を理由に揶揄するような言動をとったりするのはエイハラです。
そこで、ついやりがちな気をつけたいエイハラは、年下や若い社員を、ちゃん付けやニックネームで呼んでしまうこと。これらは、呼ばれた本人が不快に思っていなければOKですが、関係性によって「イヤ」とは言えないのがハラスメントです。
絶対NGではないものの、しっかりと相手の性格や関係性を見極めたうえで呼ぶようにしましょう。
また、「そろそろ結婚?」などと言ったり、「若手だから」を理由に意見を軽視したりするのもNGですので、ご注意ください。
「昭和OK」なんて言い訳は通用しない!改めてご注意を
ハラスメントは、被害者の心身に深刻な影響を与えるだけでなく、職場全体の生産性低下や企業イメージの悪化にもつながります。
昔はOKだった、なんて言い訳は、絶対に通用しません。ハラスメントの基準は、昭和時代から大きく変わっていることを認識し、誰もが安心して働ける職場を実現しましょう。