SNS疲れにスマホ依存を防ぐデジタルウェルビーイングとは?
5分で学ぶ、ウェルビーイングなデジタル社会の新潮流
インターネットの普及とともに、スマホやSNSが私たちの生活に欠かせないものとなった今日、便利さの裏で新たな問題も浮上しています。SNS疲れやネット依存、スマホ依存など、デジタル社会の弊害に悩む人が増えているのです。今回は、これらの問題に対処するための新しい考え方、「デジタルウェルビーイング」について解説します。
情報社会への“沼落ち”で、デジタル疲れを感じる人が急増中?
「スマホ1つで、何でもできる時代」。デジタル技術の進化は、社会を豊かにしたり、日常の利便性を向上させたりする一方で、新たな“悩みのタネ”にもなっています。
寝ても覚めても一日中スマホを手放せない「スマホ依存(ネット依存)」をはじめ、SNSでの人とのつながりがストレスになる「SNS疲れ」は、現代のデジタル疲れの代表的な例と言えるでしょう。
これらはまさに、デジタル技術が進化したことで生まれた情報社会の“沼”ですが、とはいえ、現代社会において、デジタルによる便利さを完全に手放して生活するのは容易ではありません。
だからこそ、デジタル社会と上手に付き合う方法を学ぶことが大切であり、そこで注目されているのが「デジタルウェルビーイング」という考え方です。
デジタルウェルビーイングってなに?
デジタルウェルビーイングとは、簡単に言えば、デジタル機器と上手に付き合って、心身ともに健康な生活を送ること。
例えば、寝る前や食事中はスマホを見ない。これもデジタルウェルビーイングの一つです。
そのほか、デジタル機器を一定期間使わないことで、現実世界の人とのコミュニケーションや、自然とのつながり、自分の五感で感じることにフォーカスするデジタルデトックスもデジタルとの「共存」を、より良いものにするための取り組みと言えるでしょう。
デジタル社会における、脳と心、そして、体の疲れを軽減するためのデジタルウェルビーイングは、デジタル疲れを感じる現代人が、ぜひ取り入れたい新しい生活習慣として注目されつつあるのです。
あなたは大丈夫?まずは依存度テストをやってみよう
ここでご自身のスマホやパソコンの使い方を振り返ってみませんか?
「使いすぎかも...」と感じている方は、チェックリストを試してみてください。ほんの数分で、あなたのデジタルライフが健康的かどうかが分かりますよ。
インターネット依存度テスト
20項目のインターネット依存度テストのチェック項目は、一概に「長時間使用=依存状態」とするものではありません。正常な範囲、つまり、現代社会においては一般的であると考えられる使い方と、病的であるとする使い方の、2つの観点での判定項目が設けられています。
[出典:国立病院機構久里浜医療センター「IAT : Internet Addiction Test (インターネット依存度テスト)」]
スマートフォン依存度テスト
次にスマホ依存度がチェックできるテストです。これらのテストで高得点が出た場合、デジタルウェルビーイングを意識した生活改善が必要です。
[出典:国立病院機構久里浜医療センター「スマートフォン依存スケール(短縮版)(SAS-SV)」]
ネット依存にスマホ依存、これらのテストで高得点が出た場合は、デジタルウェルビーイングを意識したデジタルとの付き合い方の見直しが必要かもしれません。
企業も注目!デジタルウェルビーイングの今後
昨今では、企業や自治体を対象とした、デジタル利用と心身の健康の両立を心理学の力で支援するサービスが登場するなど、ビジネスの現場でもデジタルウェルビーイングへの関心が高まっています。
こういったサービスの登場は、デジタルウェルビーイングが単なる個人の問題ではなく、企業の生産性や人材育成にも直結する、マネジメント上の課題として認識され始めた兆候であり、働き方改革の新たなトレンドとなるかもしれません。
米国では、「デジタル麻薬」と呼ばれる電子機器中毒が問題化するなど、デジタル技術と人間の健全な共存は、もはや避けて通れない課題となりつつあります。
社会全体でのデジタルウェルビーイングの実現。今後の展開に注目です。