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2024年10月から教育訓練給付金制度の給付率が最大80%に

自己都合退職者への制限緩和も!新制度について5分で解説

公開日:2024/10/21
2024年10月から教育訓練給付金制度の給付率が最大80%に

スキルアップや資格取得にかかる費用の一部が支給される教育訓練給付金制度が2024年10月から段階的に拡充されます。給付率アップに加え、自己都合退職時の制限が緩和され、新たな給付金も登場。今回は、教育訓練給付金の制度改革をわかりやすくお伝えします。

教育訓練給付金制度とは

教育訓練給付金制度は、働く人々の自主的な能力開発とキャリア形成を支援する制度です。厚生労働大臣が指定した教育訓練を受講・修了した場合、その費用の一部が支給されます。この制度は、雇用の安定と就職促進を目的としており、労働者の主体的なスキルアップを後押しするために設けられました。

対象となる教育訓練は約16,000講座あり、国家資格取得を目指す講座から、英会話スクールの受講費用まで、多種多様な講座が対象となっています。

制度は3種類に分類され、それぞれに給付率が異なるのも特徴です。

[出典:厚生労働省「教育訓練給付制度のご案内」]

教育訓練給付金制度の種類

教育訓練給付金制度は以下の3つの種類に分類されます。

  • 専門実践教育訓練
  • 特定一般教育訓練
  • 一般教育訓練
    • それぞれの特徴と対象となる講座について見ていきましょう。

      専門実践教育訓練

      専門実践教育訓練は、労働者の中長期的なキャリア形成に特に資する教育訓練を対象としています。これらの訓練は、高度な専門知識や技能の習得を目的とし、就職や転職、キャリアアップに直結する内容となっています。

      対象講座の具体例
      • 介護福祉士
      • 看護師・准看護師
      • 社会福祉士
      • 保育士
      • 第四次産業革命スキル習得講座(経済産業大臣認定)
      • ITSSレベル3以上の情報通信技術関係資格
      • 専門職大学院の課程(MBA、法科大学院など)
          [出典:厚生労働省「教育訓練給付制度のご案内」]

          特定一般教育訓練

          特定一般教育訓練は、労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練を対象としています。この訓練は、比較的短期間で習得可能な専門的スキルや資格の取得を支援し、即戦力となる人材の育成を目指しています。

          対象講座の具体例
          • 介護支援専門員実務研修
          • 介護職員初任者研修
          • 特定行為研修
          • 大型自動車第一種・第二種免許
          • ITSSレベル2の情報通信技術関係資格
          • 短時間の職業実践力育成プログラム(文部科学大臣認定)
          • 短時間のキャリア形成促進プログラム(文部科学大臣認定)
          [出典:厚生労働省「教育訓練給付制度のご案内」]

          一般教育訓練

          一般教育訓練は、雇用の安定と就職の促進に資する幅広い教育訓練を対象としています。この訓練は、基礎的な職業スキルの習得や、特定の業界で求められる資格の取得を支援しています。

          対象講座の具体例
          • 大型自動車免許
          • 建設機械運転免許
          • 税理士
          • 社会保険労務士
          • Webクリエイター
          • TOEIC
          • 宅地建物取引士
          [出典:厚生労働省「教育訓練給付制度のご案内」]

          2024年10月には給付率が引き上げられる

          2024年10月から、教育訓練給付金制度の給付率が引き上げられます。この改正は、技術革新やビジネスモデルの変化に対応したリ・スキリングを促進することを目的としています。

          訓練の種類項目2024年9月30日まで2024年10月1日以降
          専門実践教育訓練最大給付率70%80%
          賃金5%上昇時の追加給付なし10%(年間上限8万円)追加
          特定一般教育訓練最大給付率40%50%
          資格取得・就職時の追加給付なし10%(上限5万円)

          [出典:厚生労働省「令和6年10月から教育訓練給付金を拡充します」]

          専門実践教育訓練では、給付率が70%から80%にアップ。また、訓練修了後の賃金が受講開始前と比較して5%以上上昇した場合、さらに10%(年間上限8万円)が追加支給されます。

          特定一般教育訓練の場合、給付率が40%から50%に引き上げられ、資格取得や就職を果たした場合、追加で10%(上限5万円)が支給されます。

          2025年4月・10月にも制度が拡充される

          2025年には教育訓練給付制度がさらに拡充されます。4月と10月に導入される新制度について詳しく見ていきましょう。

          [参考:厚生労働省「雇用保険制度の改正内容について(これまでの制度改正の概要)」]

          【2025年4月~】自己都合退職による失業手当の給付制限が緩和される

          2025年4月から、自己都合退職者への失業手当給付制限が大幅に緩和されます。最も注目すべき点は、離職前1年以内または離職後に教育訓練を受講した場合、給付制限が完全に解除されることです。これにより、7日間の待機期間後すぐに失業保険を受給できるようになります。

          教育訓練を受けていない場合でも、給付制限期間が2カ月から1カ月に短縮されます。この制度改正は、労働者が自身のキャリアを主体的に設計し、必要なスキルを獲得しながら新たな挑戦をする機会を広げることにつながるでしょう。

          【2025年10月~】教育訓練休暇給付金が創設される

          2025年10月から、在職中の労働者が教育訓練のために休暇を取得する際に受給できる「教育訓練休暇給付金」が新設されます。この制度では、教育訓練のための休暇中、90日、120日、150日のいずれかの期間、失業手当と同等の給付を受けることが可能です。

          この給付金により、収入が減るのを心配することなく、長期的な教育訓練に参加できるようになります。将来のキャリアプランを考える時間や、新事業のアイデアを練る機会としても活用できます。特に起業を考えている人にとっては、準備期間中の生活を支える重要な支援となるでしょう。

          主体的なキャリア形成を後押しする制度改革

          教育訓練給付金制度は、2024年10月と2025年の4月、10月に大きな拡充が予定されています。特に、自己都合退職時の給付制限の緩和や教育訓練休暇給付金の新設は、キャリアチェンジや長期的な能力開発を促進する画期的な施策です。

          これらの改正により、労働者が自身のキャリアを主体的に設計し、社会の変化に適応しながら成長していけるようになるのではないでしょうか。

ビズクロ編集部
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