キャリアの分岐点は40代、約7割が現状に不満
年代別の意識調査から見えた傾向とは?
株式会社ビズリーチが運営するWorkTech研究所が、会員1,290名を対象に実施した年代別キャリア意識調査。約7割のビジネスパーソンが「現在所属している企業で希望のキャリアを築いていけない」と回答し、現状のキャリアに対する不満が浮き彫りとなりました。
現状のキャリアに不満を持つビジネスパーソンの実態
調査結果によると、「現在所属している企業で希望のキャリアを築いていけない」と考えるビジネスパーソンは66.6%に達しています。
[参照:株式会社ビズリーチ 「キャリア観や転職に関するアンケート」PR TIMES(2024/11/26)掲載]
「希望のキャリアを築いていると思うか」の質問に対して、「そう思わない」が29.5%、「どちらかといえばそう思わない」が37.1%となっており、多くの人が現状に不満を抱えていることが分かります。
20代は経験重視、40代で管理職か専門性の選択へ
さらに、年代によって目指すキャリアの方向性に傾向が見られることも明らかになりました。20代は幅広い経験を重視し、30代で専門性を磨き、40代以降は管理職やスペシャリストとしての道を選択する傾向が見られます。
20代は幅広い経験を重視する期間
20代では「幅広い経験を身に付ける」が73.5%と最も高く、次いで「専門性を磨く」が60.7%となっており、自分が目指すべき職種や身につけるべきスキルを見つけ出す探索期間として位置づけられていることが分かります。
[参照:株式会社ビズリーチ 「キャリア観や転職に関するアンケート」PR TIMES(2024/11/26)掲載]
30代は専門性を身につける時期
30代になると「専門性を磨く」が63.4%と最も高くなり、キャリアの方向性を定め、専門性を高めることに注力する傾向が強まります。また、「複数の高い専門性を身に付け、希少性を高める」も50.9%と高い水準を示しています。
[参照:株式会社ビズリーチ 「キャリア観や転職に関するアンケート」PR TIMES(2024/11/26)掲載]
40代はキャリアの重要な分岐点
40代では「管理職として経験を積む」が63.8%と最も高く、次いで「複数の高い専門性を身に付け、希少性を高める」が51.0%となっています。この年代がキャリアの重要な分岐点となり、管理職として組織を率いるか、専門性を極めるかの選択を迫られる時期となっています。
[参照:株式会社ビズリーチ 「キャリア観や転職に関するアンケート」PR TIMES(2024/11/26)掲載]
50代はスペシャリストとしての経営層を目指す傾向へ
50代になると、回答の傾向が40代とは異なります。「管理職として経験を積む」が49.3%と最も高い回答を維持しながらも、「スペシャリストとして組織の責任者を務める(例:CXO)」が38.8%と、40代と比べて13.4ポイント上昇しています。
[参照:株式会社ビズリーチ 「キャリア観や転職に関するアンケート」PR TIMES(2024/11/26)掲載]
65%以上が「転職」でキャリアを築く意向
多くのビジネスパーソンが現状のキャリアに不満を抱える中、では具体的にどのような方法でキャリアを築いていこうと考えているのでしょうか。調査では、「転職をする」と回答した人が65.2%と過半数を大きく超える結果となりました。
[参照:株式会社ビズリーチ 「キャリア観や転職に関するアンケート」PR TIMES(2024/11/26)掲載]
一方で、現在の会社に留まりながらキャリアを築くことを選択した人は比較的少数派です。「現在の会社に勤めながら副業する」(10.0%)や「現在の会社に勤め続ける(本業のみ)」(7.0%)との回答を合わせても、全体の2割にも満たない結果となっています。
これは、先に見た「現在所属している企業で希望のキャリアを築いていけない」と考える人が7割近くいることと一致する結果といえるでしょう。多くのビジネスパーソンが、キャリアの可能性を広げるための選択肢として、転職を重要視していることが浮き彫りとなりました。
企業における社内キャリア支援策の強化が急務に
7割近くのビジネスパーソンが現状に不満を感じ、65%以上が転職を検討している現状は、企業側の対応の必要性を示唆しています。
企業には従業員のキャリアパスの透明性向上と、成長機会の提供を通じた、社内でのキャリア構築を支援する体制づくりが求められているといえるでしょう。