CDPとは?マーケティングにおける意味や目的・導入メリットをわかりやすく解説
あらゆる顧客データを収集・分析するためのツール「CDP」。複数デバイスの同時利用の一般化や、パーソナライズされた広告やマーケティングの必要性が求められる昨今では、その必要性が増しています。本記事では、CDPとは何かをはじめ、賢い選び方や注意点を解説します。
目次
CDPとは?
CDPとは「Customer Data Platform」の略称であり、顧客に関するあらゆるデータを企業が一元管理するためのプラットフォームです。
例えば、Webサイトの利用履歴や購買情報、問い合わせ内容など、さまざまなチャネルから集めたデータを統合し、顧客一人ひとりを深く理解するために活用されます。
昨今では顧客データの収集により、個人にパーソナライズされた広告やビッグデータの分析に対するニーズが伸びているため、企業が適切なマーケティングを行うための基盤として注目されています。
CDPとDMP・DWHの違い
CDP、DMP、DWHは似た役割を持つように見えますが、それぞれの目的や特徴は異なります。その性質の違いについて、以下に解説します。
DMPとは?
DMPは「Data Management Platform」の略で、主にインターネット上から集めた膨大なデータを整理・管理するためのツールです。
DMPはCDPとよく混同されますが、DMPは個人情報が含まれないビッグデータを扱うのに対し、CDPは自社の顧客のみのデータを扱う点が異なっています。
なお、DMPには「プライベートDMP」の「オープンDMP」の2種類があり、プライベートDMPはCDPと近い性質を持っていますが、あくまでも属性の情報のみを蓄積するため、やはり個人情報の管理は行いません。
次の項目にて解説します。
プライベートDMP
プライベートDMPとは、自社専用に構築されたDMPであり、企業が独自に収集したビッグデータを一元管理する仕組みです。
例えば、自社のWebサイトやアプリの利用状況、顧客の購買履歴や行動履歴など、自社内で得られる情報を集約することを目指したシステムです。
ただし、基本的にはこれらのデータにユーザーを特定する情報は含まれておらず、統計的なデータ分析を自社単体で行うことが目的となっています。つまり、CDPのように個人情報を扱うことはありません。
パブリックDMP
パブリックDMPとは、第三者機関が集めた年齢や性別などの一般的なデータを管理し、企業に広く提供するための大型DMPです。
いわゆる「ビッグデータの提供元」として、広告配信やマーケティング戦略を支えるために、多くの企業に利用されています。
言い換えると、CDPが個人を特定できるデータを管理できるのに対し、パブリックDMPは個人を識別できる情報は扱いません。そのため、匿名性を保った広範なデータを活用することで、セグメント単位の販売戦略などを練ることに適したツールといえます。
▷DMPとCDPの違いとは?機能や活用例・注目されている背景を簡単に解説
DWHとは?
DWHは「Data Warehouse」の略で、多種多様な企業データを集めて整理・保存するためのデータベースを指します。
CDPが顧客データの扱いに特化しているのに対し、DWHは売上データや在庫情報、業務データなど、企業活動全般にわたるデータを対象とします。
つまり、DWHがCDPを内包することはあっても、その逆はないと捉えられます。
CDPのマーケティングにおける意味・目的
CDPがマーケティングに果たす役割は、顧客ごとの特性を深く理解し、そのデータを販売計画に活用することです。
例えば、ECサイトでは「購買履歴から好みを推測したおすすめ商品」のPRが一般化していますが、こうした機能の実現にはCDPが必要です。
つまり、ただ売り上げを伸ばすだけではなく、顧客満足度を高め企業と顧客との信頼関係を強化することにも、大きく貢献するシステムと言えるでしょう。
CDPが必要とされている背景
デジタル化が進む現代では、顧客データを適切に解釈する重要性が増しています。なぜCDPがこの状況で強く求められているのか、以下に解説します。
複数のデバイスを保有・活用するユーザーが増えたため
スマホやタブレット、PCなど複数のデバイスを使い分けるユーザーが増えたことで、分散した顧客データを集約する仕組みが必要となっています。
収集したデータが一部に孤立し、必要な時に活用できない状況は「情報のサイロ化」と呼ばれ、顧客の全体像の把握を妨げる原因の一つです。
CDPは、この分散したデータを統合し、一貫性のある顧客理解を実現するために不可欠なツールとして注目されています。
顧客ニーズに沿ったマーケティング活動が必要になったため
市場の競争が激化する昨今において、競争力あるマーケティングを実現するには、顧客一人ひとりのニーズを理解する必要性が高まっています。
CDPは、このようなきめの細かいマーケティング施策を支えるデータ基盤として、多くの業界やサービスで重要な役割を果たすでしょう。
また、個人の特性にアジャストするアルゴリズムを開発するうえでも、質の高いCDPの存在が大前提となっています。
顧客データを安全かつ効率的に管理する必要があるため
顧客との信頼関係を維持するためには、顧客データを機密情報として管理する必要があります。
つまり、データ漏洩や不正利用のリスクを防ぐセキュリティの高いシステムとして、CDPの適切な運用が求められています。
もし、大規模な情報漏洩などの事故を起こせば、マーケティングの対象となる顧客そのものが企業から逃げて行ってしまうため、細心の注意が必要です。
CDPの主な機能
CDPには、顧客データの収集や統合、分析、活用を支えるさまざまな機能があります。具体的な機能について、以下に見ていきましょう。
データの収集機能
CDPにはデータ収集機能が備わっており、顧客の属性情報や好み、購買履歴、Webサイトやアプリでの行動履歴など、多様なデータを効率的に収集してくれます。
さらに、店舗におけるオフラインの情報を収集してアップロードできる機能も備わっているため、オンラインとオフラインの垣根を超えた情報取集にも効果的です。
データの統合機能
CDPのデータ統合機能は、収集したさまざまなデータを顧客IDに紐づけ、一人ひとりの顧客データとして整理・統合してくれる仕組みです。
この機能は、複数デバイスの同時使用などにより分散していた情報の一元化に役立ち、顧客の全体像を正確に把握することを可能とします。
例えば、購買履歴や行動データ、問い合わせ情報などを結びつければ、顧客のニーズをうまくくみ取ったカスタマーサポートの実現につながるでしょう。
データの分析機能
CDPのデータ分析機能は、収集・統合されたデータを基に、顧客の行動特性や興味の傾向を分析する能力に長けています。
顧客の好みや購入パターン、将来のニーズを予測できれば、リピート購入の可能性が高い顧客を特定したり、顧客層に合うキャンペーンの告知などに活用できるでしょう。
この機能は、データを「ただの情報」から「売り上げを伸ばす資産」へと変える役割を果たします。
CDPを導入するメリット
CDPを導入することで顧客理解が深まり、マーケティングや顧客対応が効率化されます。その具体的な利点を、以下に見ていきましょう。
顧客データをまとめて管理できる
CDPを活用すると、さまざまなデバイスやチャネルに散在している顧客データを、一元管理することが可能です。
つまり、PCからのWebサイトの行動履歴、スマホアプリの利用状況、クレジットカードの購買履歴、コールセンターへの問い合わせ履歴などを、スムーズに統合することが可能です。
その結果、顧客の行動特性を把握しやすくなり、より的確なマーケティング施策が実現するでしょう。
顧客のことを深く理解できる
CDPは、社内に散在するさまざまな顧客データを自動で収集・分析することで、顧客一人ひとりをより深く理解する手助けをします。
購買履歴や行動データなど、個別のニーズや嗜好を把握できるため、パーソナライズされた提案や顧客対応に応用が効きます。
サービス業を運営する企業にとっては、競争力を高める重要な土台となるはずです。
情報の共有がしやすくなる
CDPによる顧客データの一元管理は、社内での情報共有を格段にスムーズにします。
マーケティング部門、営業部門、カスタマーサポートなど、異なる部署間が顧客情報を迅速かつ正確に共有できるため、ユーザエクスペリエンスの向上に大きく貢献するでしょう。
また、社内の企画や経営管理を支援する効果も見込めるため、あらゆる観点でビジネスを加速させてくれるはずです。
CDPの選び方
CDPを導入する際には、自社の目的に合ったものを選ぶことが重要です。選び方のポイントについて、以下に解説します。
スムーズに導入できるか
CDPを選ぶ際には、誰でも簡単に操作できるかが重要です。
複雑な操作が必要なツールでは、活用が進まず効果を十分に発揮できない可能性があります。また、導入時や運用中のトラブルに対応できるサポート体制も欠かせません。
つまり、技術的な知識に自信がない企業では、初期設定や従業員へのトレーニングを支援してくれるサービスを選ぶと安心でしょう。
リアルタイムの施策を実施できるか
CDPを選ぶ際には、分析されたデータと連動したリアルタイムの施策を実施できるかにも注目してください。
例えば、Webサイトを訪れた顧客に最適な広告を即座に表示したり、購入の意思が高い顧客に限定したキャンペーンをおすすめするといった機能は、CDPのデータをリアルタイムで処理しなければ実現できません。
ECサイトなどの即時性が重視される分野においては、欠かせない機能となるはずです。
既存のシステムと連携できるか
CRMやMAといったシステムが稼働している場合には、CDPとスムーズに連携できるかを確認しておきましょう。
せっかく収集・分析したデータも他のシステムと連携できなければ、その有用性を十分に享受することができなくなります。
また、今後も新しいシステムやツールの導入が予想される以上は、CDPが連携できるシステムが多いに越したことはありません。
顧客IDはどのように統合するのか
CDPを選ぶ際には、散在する顧客IDをどのように統合するのか、そもそも顧客IDの統合が可能かどうか、をよく確認してください。
散在していた情報を統合するカギが顧客IDである以上、異なるデータソースから集まるIDを正確に紐づけ、一人の顧客としてデータを整理できる仕組みが最低条件となります。
新たに収集するデータだけを管理する場合は別ですが、過去に蓄積したデータを活用したい状況においては、ID統合の精度はCDPの性能を判断する重要ポイントです。
顧客データは安全に管理できるか
CDPを選ぶ際には、セキュリティの堅牢性にも注意を払いましょう。
CDPは個人を特定できる機密情報を扱うため、データ漏洩のリスクが最も高いシステムの一つです。データの暗号化やアクセス権限の管理などが、適切に行えるか否かを徹底的にチェックしてください。
万が一の被害額を想定しておくなら、セキュリティが万全なCDPに費用を費やすことも、決して無駄にはならないはずです。
CDPを導入する際の注意点
CDPを導入する際には、運用コストや既存システムとの相性、効果的な活用方法などを事前に確認することが大切です。具体的な注意点について、以下に解説します。
CDPを導入する目的を明らかにする
CDPを効果的に活用するためには、導入の目的を明確にしましょう。
例えば、顧客データをどのように活用して、どのようなマーケティングアクションを起こしたいのかを事前に整理しておかなければ、質の高いデータ収集ができなくなります。
目的を決めずCDPを導入しても、ただ無用なデータを集めるだけのツールとなってしまい、顧客理解を進めることはできません。最初に目的を定めて、そこから逆算したシステム導入を意識してください。
長期的な視点で取り組む
CDPの導入効果は、短期間で現れることは稀です。じっくり取り組みましょう。
例えば、初年度はデータの収集と統合に集中し、次年度以降に分析やマーケティング施策を本格化させるといった段階的なアプローチも効果的です。
また、導入当初はデータの蓄積が甘く、実用的な知見を取り出せない可能性もあります。焦らず継続的に取り組むことが重要です。
顧客データを事前に整理しておく
CDPを導入する際には、顧客データを事前に整理しておくことが重要です。
クリーニング(整理)されていないデータは、高性能CDPをもってしても正確な解釈ができません。漏れや重複、誤りが生じるリスクが高まり、効果的なデータ分析が難しくなります。
導入と並行しての整理は労力がかかりますので、IDやフォーマットの統一、重複データの削除、最新情報への更新といった基本的なデータクリーニングを済ませておくことをおすすめします。
部署間で連携して導入をすすめる
CDPの導入を成功させるためには、顧客データを保有する全ての部署が協力し、連携を図ることが必要不可欠です。
例えば、マーケティング部門や営業部門、カスタマーサポート部門などが持つデータを統合するためには、それぞれの部署のデータを一定のフォーマットに整える必要があるはずです。
そのためには、CDPの導入効果を事前にPRしておき、データを一元管理した際の相乗効果のイメージを共有しておくことが肝心です。決して特定部署の独断で進めることがないように気を付けましょう。
CDPで顧客ニーズに沿ったマーケティング戦略を策定しよう
CDPは、顧客データを一元管理し、質の高い分析を行うための強力なツールです。
顧客一人ひとりのニーズに応じた的確なマーケティング戦略を策定できるようになり、ユーザーエクスペリエンスの向上に大きく貢献するはずです。その導入の際には、目的を明確にし、データを整理した上で、全社的な連携を図ることが成功の鍵となります。
CDPを活用して、顧客との信頼関係を築きビジネスを成長させてください。
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