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DWH(データウェアハウス)とは?機能やメリット、活用例をわかりやすく解説

2024/09/20 2024/10/04

DWH

DWH

DWHとは

データの倉庫を意味する「DWH(データウェアハウス)」。経営判断や経営戦略の策定におけるデータ活用の重要性が増す昨今、効率的・効果的なデータ分析に課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。本記事では、DWHとは何か、機能やメリットをわかりやすく解説します。

DWH(データウェアハウス)とは?

DWH(データウェアハウス)とは、目的に応じて大量のデータを整理し、効率的に管理・分析するためのデータベースのことを指します。通常のデータベースと異なり、過去のデータや他部門のデータを統合して保存するため、データ分析や意思決定を支援する役割を持つのが特徴です。

これにより、企業はさまざまなデータを一元管理し、迅速にビジネス上の判断を下せるようになります。

DWHとデータベース・データレイクの違いとは?

DWH・データベース・データレイクは、いずれもデータを保管するものですが、目的や使い方が異なります。ここでは、それぞれの違いについて見ていきましょう。

データベース(DB)

データベースは、DWHと同様にデータを保管するシステムですが、保管方法や目的に違いがあります。DWHが分析しやすいようにデータを整理・統合するのに対し、データベースは単純にデータを蓄積しただけの集合体です。

データベースは日々の業務で生成される情報を迅速に保存し、必要に応じて取り出すために利用されますが、データ分析や集計向けに処理されていないため、データ活用での利用には向いていません。

データレイク(Data Lake)

データレイク(Data

データレイク(Data Lake)は「データの湖」を意味し、あらゆる種類のデータを一箇所に集めて保存するシステムです。DWHやデータベースと同様にデータを集めますが、非構造化データも扱える点が異なります。

データレイクはメールや画像、動画のようなデータベース化が難しいデータも保存できるため、多様なデータの格納に適しています。保管できるデータが決められたDWHやDBとは異なり、データレイクはより幅広いデータを取り込むことが可能です。

DWHが注目される理由

DWHが注目される理由は、企業経営においてデータ活用がますます重要になっているためです。大量のデータを効率的に管理・分析することで、迅速な意思決定や業務改善が可能となります。

企業では業務効率化のためにさまざまなシステムを導入していますが、各部門ごとに管理されており、取得したデータを活用するには多くの時間と労力がかかります。そのため、各部門やシステムで発生するデータを統合して一元管理できるDWHの必要性が高まっているのです。

DWHの主な機能

DWHには、データを効率的に管理・活用するための4つの機能があります。それぞれの機能について詳しく解説します。

データ項目を整理する機能

DWHには、各システムに分散して存在する同一のデータ項目を整理する機能があります。企業では複数のシステムで同じデータを扱うことが多く、散在するデータをまとめて1つのデータとして扱えるようにする必要があるのです。

例えば「商品」のデータを整理する場合、各部門にある商品のデータをまとめて出力することが可能です。これにより、包括的な分析が行えるようになります。

データの形式を統一する機能

DWHには、保存されているデータの形式を統一し、重複した情報を整理する機能があります。複数のシステムから収集されたデータは、情報の内容や保存形式が統一されておらず、データの重複が発生することもあるのです。

DWHは、データの表現方法を統一し、重複したデータを削除することで、正確かつ効率的な分析を可能にします。この機能により、企業は一貫性のあるデータを使用し、的確な意思決定が行えるようになります。

データを時系列で整理する機能

DWHには、古いデータから最新データまでを時系列で整理する機能があります。企業においては、過去のデータも重要な意思決定に役立つことが多いため、データを時系列で整然と管理することが求められます。

この機能により、時間の経過に伴うトレンドやパターンを容易に把握でき、将来の予測や戦略立案に役立てることが可能です。

データを長期的に保管する機能

DWHには、データを長期的に保管する機能があります。そのため、基本的に一度保存されたデータは更新や削除されることなく保管されます。

ただし、DWHは無限にデータを保存できるわけではありません。容量やコスト的に限界を迎えた場合は、不要なデータを削除する必要があります。

DWHの活用例

DWHは、企業のさまざまな場面で活用されています。ここでは、具体的な活用事例を見ていきましょう。

株式会社アージュ

株式会社アージュは、デイリーファッション事業を展開する企業です。関西エリアを中心に86店舗を運営している同社は、取り扱うデータ量が膨大になり、分析のためのデータ抽出に多くの時間を要していました。

そこで同社は、DWHを活用した分析ツールを導入することで、企業内の膨大なデータを一元管理し、効率的なデータ分析を実現しています。これにより、多角的な商品分析が可能となり、発注や在庫の精度向上につながっています。

[出典:三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社「株式会社 アージュ様」]

株式会社外林

株式会社外林は、広島県福山市でお菓子の卸売業を展開する企業です。同社は過去の実績データを基幹システムのデータベース上で保管していたため、データの量が膨大になり基幹システムのパーフォーマンスにも影響していました。

DWH導入後は、基幹システムと連携して定型帳票が出力できるツールや、項目を自由に追加して分析できるツールなど、幅広いツールの開発を行っています。また、同社のグループ会社の営業部門・管理部門・物流部門のほか、12社の卸売企業で形成されたグループの会員企業にもデータ分析が行える環境を提供しました。

[出典:三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社「株式会社 外林様」]

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループは、国内外のビジネス分野における金融サービスを提供する企業です。同社は企業変革のテーマとしてDXを掲げており、データを利活用するためのプラットフォームの構築を検討していました。先行して三菱UFJ銀行へ導入することを決めたものの、利用しているシステムが20ほどあり、個別にデータを集める必要があったそうです。

そこで同社は、DWHとデータレイクからなるビッグデータ基盤を構築し、さらにその後データを可視化するBIツールをリリースしました。その結果、データの加工や集計作業が削減され、よりセールス業務に集中することが可能になったそうです。

[出典:Amazon Web Services, Inc.「MUFG、4,000 万の口座情報などの各種データを活用する基盤を構築。 データドリブンの実現により銀行ビジネスの変革を推進」]

DWHを活用するメリット

最後に、DWHを活用することで得られるメリットを紹介します。

スピーディなデータ分析が可能になる

DWHは、データを時系列順に整理して保管するため、必要なデータを迅速に取り出して分析できる点が大きなメリットです。整理されたデータを活用することで、複雑な分析もスムーズに行えるため、スピーディーなデータ分析が可能になります。

結果として、企業は迅速な意思決定が行えるようになり、競争力を高めることができます。特に市場の変化に迅速に対応することが求められるビジネス環境においては、重要なツールと言えるでしょう。

データの収集・管理がしやすくなる

DWHを活用することで、一貫性と関連性のあるデータを効率的に収集・管理できるようになります。異なるシステムから収集されたデータがDWH内で統合されるため、各部門でバラバラに管理されていたデータも一元化されます。

統一されたデータ管理により、データの重複や欠落を防ぎ、信頼性の高い情報を基に分析や意思決定を行うことが可能です。その結果、企業全体のデータ活用がスムーズになり、業務の効率化が進みます。

DWHを活用し経営の意思決定に役立てよう

DWHは、企業が膨大なデータを一元的に管理し、迅速かつ正確な意思決定を行うためのツールです。データの整理や分析、保管機能によって、業務の効率化や競争力の向上が期待できます。DWHを活用することで、より効果的な経営戦略を立てられるようになり、ビジネスの成功につなげられるでしょう。

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ビズクロ編集部
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