次長とは?部長・課長との違いや役割・昇進する秘訣を解説
管理職の中でも上級管理職に位置する「次長」。組織によって役割や地位は異なりますが、次長とはどのような役職を指し、また次長職を目指すにはどうすれば良いのでしょうか。本記事では、次長と部長・課長の役割の違い、次長へ昇進するための秘訣等を詳しく解説します。
目次
次長とは?
次長とは、企業や組織における中堅役職の一つで、部門や課の運営を支援し、課長や部長の補佐に位置づけられることの多いポジションです。
次長の一般的な役割は、課長や部長が抱える広範な管理業務の中から、具体的な業務進行やプロジェクトの管理を担当しています。部長や役員などのサポートを行いながら、課長以下の役職を引っ張る役割を担うなど、いわゆる中間管理職と言われるポジションです。
民間企業における次長の立ち位置
以下に、民間企業における一般的な職階を記します。
- 会長(取締役会長)
- 社長(代表取締役社長)
- 副社長(取締役副社長)
- 専務(取締役専務)
- 常務(取締役常務)
- 監査役
- 本部長(事業部長)
- 部長(室長)
- 次長
- 課長
- 係長
- 主任
- 一般社員
民間企業における次長の立ち位置は「課長以上、部長以下」であることが多いようです。
行政機関における次長の立ち位置
行政機関における次長の立ち位置は、国家公務員と地方公務員によって大きく異なります。
以下に、行政機関における一般的な職階を記します。
国家公務員
- 事務次官
- 省名審議官
- 官房長、局長、政策統括官
- 部長、統括審議官
- 次長、審議官
- 官房三課長
- 課長、参事官
- 室長、企画官、調査官
- 上席○○専門官、課長補佐、専門官
- 係長、主査、専門職
- 主任
- 係員
地方公務員
- 次長、本部長、技監、理事
- 部長、担当部長
- 統括課長
- 課長、担当課長、専門課長
- 課長補佐
- 係長、主査、担当係長、次席
- 主任
- 主事
国家公務員では上から5番目の役職であるのに対して、地方公務員ではトップの役職です。
このように「次長」というポジションは、同じ役職名でも組織によって立ち位置が大きく異なります。
次長と部長・課長の違いとは?
次長、部長、課長という三つの役職は混同されがちですが、それぞれ異なる責任と役割を持っています。
これらの役職がどのように異なり、いかに連携して業務を進めているのか、具体的な違いを解説します。
部長とは
部長とは、部門全体の運営と成果責任を担う役職です。経営層の一部として扱われ、担当部門の戦略立案、目標設定、人材管理など、幅広い業務を監督する責任を担っています。
次長との主な違いは、責任の範囲と権限にあります。次長は部長の直下で働き、具体的なプロジェクトや日々の業務の管理を行います。部長は、次長よりもさらに広い視野で部門全体を見渡し、意思決定を行う能力が求められています。
課長とは
課長は、特定の課やチームのリーダーとして、日常的な業務の管理やチームメンバーへの指導を行います。主な役割として、業務の効率化、チーム内の問題解決、目標達成に向けた戦略の実施などが挙げられます。また、上司である部長や次長に対して、業務の進捗報告を行う責任も担っています。
次長との主な違いは、課長が主に自身の課やチーム内の業務に集中しているのに対し、次長は複数の課やプロジェクトを横断的に支援し、より広範囲の調整やサポートを行う点にあります。
次長の役割
次長の役割は、部門内のスムーズな運営を支えることにあります。具体的にはどのような業務をしているのか、詳しい職務内容と責任範囲について説明します。
部長のサポート
次長の主要な役割の一つは、部長の業務全般のサポートです。
上長である部長が部門全体の戦略立案や目標設定に集中できるよう、次長は具体的な実行計画の策定や、日々の業務管理をサポートします。例えば、プロジェクトの進捗管理、部門内の問題解決、必要に応じて部長の代理として会議に出席することも含まれます。
次長は部長の補佐として、部門の戦略的な方向性を支える役割を果たしています。
部長と部下の調整役
次長に期待される役割として、部長と部下との間で橋渡し役を担うことがあります。
部下にとって、立場の離れた部長に直接意見を伝えるのはハードルが高いため、間を取り持ってくれる次長は頼もしい存在です。逆に、部長が部下に直接伝えることが難しい話があった際にも、次長が仲介することで、円滑にコミュニケーションを行うことができます。
こうした調整スキルは、部門全体のパフォーマンス向上に必要不可欠です。
部下のマネジメント
部下のマネジメントも次長の重要な役割です。
直属の部下を持たない特殊なケースを除けば、次長にも部下のマネジメントが期待されています。部下のスキルを適切に評価し、それに基づいて適切な業務を割り当てたり、部下のモチベーションを高めて部門全体の効率と生産性の向上を図る必要があります。
▷マネジメントとは?意味や目的・必要なスキル、仕事内容を簡単に解説
次長に必要なスキル
次長レベルの役職者として仕事を遂行するには、特定のスキルセットが必要です。
具体的な内容を詳しく説明していきます。
コンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルとは、抽象的なアイディアや事象の本質を見抜き、具体的な戦略や行動に変換する能力のことです。
特に企業活動においては、予期しない環境の変化やトラブルなど、さまざまな問題が発生します。その際、起きた事象の裏側にある本質を見抜き、適切な対応を行う能力は、次長クラスの管理職には、必須とも言える能力です。
テクニカルスキル
テクニカルスキルとは、仕事に必要な商品知識や業界知識、専門スキルなどを指します。
テクニカルスキルは、直接的な業務実行だけでなく、部下の技術的な問題解決をサポートする際にも必要となるでしょう。また、次長がテクニカルスキルを持っていることで、部下からの信頼性も高まります。
ヒューマンスキル
ヒューマンスキルとは、良好な人間関係を築くための能力です。
高いヒューマンスキルを持つ次長は、チーム内の信頼関係を強化し、問題の早期解決、モチベーションの向上に寄与します。また、ヒューマンスキルは外部のステークホルダーとの関係構築にも役立つため、組織全体の外交力を高めるためにも必要不可欠です。
次長は現場・経営それぞれの視点が求められる重要なポジション
次長は、上司のサポートを通じて部門の戦略的方向性を理解し、具体的な業務遂行に責任を持つポジションです。上司と部下の橋渡しとなることが求められるため、コンセプチュアルスキル、テクニカルスキル、ヒューマンスキルなどをバランス良く持ち合わせる必要があります。次長職は部門や組織の目標達成に貢献し、組織を成長させるためのキーパーソンと言えるでしょう。
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