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固定資産とは?償却対象の資産や税額の計算方法を簡単な例で解説

2024/12/25 2025/01/10

固定資産管理システム

固定資産とは

企業が保有する固定資産は、事業運営や管理において重要な役割を担う要素です。しかし、固定資産について、正しく理解できているか不安な方も多いのではないでしょうか。本記事では、固定資産とは何かを償却対象となる資産、税額の計算方法などと併せて解説します。

固定資産の定義とは?

固定資産とは、企業が流通や販売を目的とせず、長期間にわたって保有している資産を指します。以下では、流動資産や繰延資産との違いを解説します。

[出典:総務省「固定資産税」]

流動資産との違いは現金化のしやすさ

固定資産と流動資産の最も大きな違いは、現金化のしやすさです。

流動資産は1年以内に現金化することを目的とした資産のことで、主に現金・売掛金・商品などが該当します。一方、固定資産はそもそも現金化を目的としておらず、長期間の保有・使用を目的としています。

加えて、流動資産は短期的な財務管理の対象となるのに対し、固定資産は長期的な経営戦略の一部として扱われるのが一般的です。

繰延資産との違いは収益効果の期間

固定資産と繰延資産の違いは、収益効果が及ぶ期間にあります。

固定資産は、土地や建物など長期間にわたり継続的に収益を生み出す資産を指します。一方で、繰延資産は、広告宣伝日や創立費など、1年以上にわたる支出効果を持つものの、短期的な目的で計上される資産です。

このように、固定資産は長期的な収益性が見込まれているのに対し、繰延資産は費用としての性質が強く、経営資源の活用期間がそれぞれ異なっています。

固定資産は性質ごとで3つに分類できる

固定資産はその性質によって、「有形固定資産」「無形固定資産」「その他の資産」の3つに分類されます。

有形固定資産

有形固定資産とは、建物・土地・機械設備・車両など、具体的な形があり、目に見える資産のことを指します。

また、有形固定資産は物理的なものであるがゆえに減価償却の概念があり、時間経過や使用頻度にともなって徐々に価値が減少するのが特徴です。会計上もこの減価率が細かく定められており、ルールに従って計上する必要があります。

無形固定資産

無形固定資産とは、形が存在しない資産のことを指します。

具体的には、特許権・商標権・著作権・ソフトウェアライセンスなどの知的財産権やそれに付随する権利などが該当します。これらの資産は物理的な形状を持たないものの、企業にとって重要な経済的価値があり、企業の事業運営や競争力、独自性などに大きな影響を及ぼすのが特徴です。

会計上は、一定の使用期間に応じて償却を行いますが、その内容は無形固定資産の種類によって異なります。

その他の資産

その他の資産とは、有形固定資産や無形固定資産のいずれにも該当しない資産です。

例えば、長期前払費用・敷金・保証金などが挙げられます。一般的にこれらの資産の多くは流動性が低く、短期的な収益を直接的に生み出すものではありません。

主に企業の運営を補完する役割を果たすものであり、企業の長期的な信用力や財務安定性を維持するうえで重要な要素と位置づけられています。

固定資産の減価償却について

固定資産の減価償却とは、時間の経過や使用にともなって資産の価値が減少するという考え方のもと、減少する価値を費用として計上する手続きです。以下に詳細を説明します。

[出典:国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」]

償却対象はいくらから?

取得価額が10万円以上の場合は減価償却の対象となり、価額に応じて償却のルールが細かく設定されています。

取得価額が10万円以上20万円未満の資産については「一括償却資産」として3年間で均等償却が可能です。また、取得価額が20万円以上30万円未満の場合は、「少額減価償却資産」として扱われ、企業が定める一定の条件下で特例的に償却が行えます。

償却対象となる資産の分類表

以下は償却対象となる資産の分類例です。

有形減価償却資産
  • 建物
  • 車両(運搬具)
  • 機械設備
  • パソコン など
無形減価償却資産
  • 特許権
  • ソフトウェア
  • 商標権
  • 実用新案権 など
その他
  • 長期前払費用
  • リース資産 など
  • 有形無形いずれにも分類されない資産

減価償却費の計算方法

減価償却費の計算には「定額法」と「定率法」の2つの方法があります。

定額法は毎年一定額を減価償却費として計上する方法で、「減価償却費=取得価格×定額法の償却率」で算出します。ここで用いる償却率は耐用年数ごとに法令で決められており、耐用年数が長くなるほど低くなるように設定されています。

一方の定率法は、毎年残存価額に一定の率を掛けて減価償却費を計算する方法で、「減価償却費=(取得原価-減価償却累積額)×定率法の償却率」で算出します。定額法と同様に、法令で定められており、耐用年数が長くなるほど低くなります。

固定資産にかかる主な税金と計算例

固定資産にかかる主な税金は、固定資産税と償却資産税です。それぞれの概要と計算例を紹介します。

固定資産税

固定資産税は、土地や建物などの固定資産に対して課される税金で、固定資産評価額に基づいて計算され、地方自治体に納付します。

固定資産税は「固定資産税評価額(課税標準額) × 1.4%」の式で算出できます。例えば、評価額が1000万円の土地であれば、その1.4%にあたる14万円が年間の固定資産税となります。

ただし、地域によって特例措置や軽減措置が適用される場合があるため、正確な金額を知りたい場合は各自治体の窓口で確認しましょう。

[出典:株式会社クレディセゾン「法人の固定資産税を計算する方法を紹介!シミュレーションをもとに算出してみよう」]

償却資産税

償却資産税は、減価償却資産に課される税金です。固定資産税の一種であり、工場の設備や事業用機械、工具などが該当します。

償却資産税は「償却資産評価額 × 1.4%」の式で算出できます。例えば、評価額が500万円の設備の場合、その1.4%にあたる7万円が年間の償却資産税となります。

償却資産税は地方自治体が独自に課税するもので、固定資産の種類や評価額にもとづいて計算されます。なお、償却資産評価額が150万円未満の場合は課税されません。

[出典:東村山市「償却資産の税金の算出例」]

個人事業主における固定資産

個人事業主が固定資産を保有する場合、法人と異なるルールが適用されます。ここでは、特に代表的な3つの例を紹介します。

減価償却の扱いが法人と異なる

個人事業主における固定資産の減価償却は、法人の場合とは計算方法や申請手続きが異なります。

法人の場合は、減価償却対象によって定額法・定率法のどちらを用いるかが決められていますが、事前に税務署に届け出ることで一部計算方法の変更が可能です。

一方の個人事業主は、原則的にすべて定額法を用いて計算しますが、建物・建物附属設備・構築物・ソフトウェア以外は事前に税務署に届け出ることで定率法でも計算できることになっています。

このように、個人事業主と法人では減価償却の扱いが異なるため注意が必要です。

固定資産税は経費計上できる

個人事業主が固定資産を保有している場合は、固定資産税を経費として処理できます。

これは、土地・建物・設備などにかかる税金を事業所得の計算上で控除できることを意味します。例えば、事務所として使用している建物に課される固定資産税は、その全額を経費として申告可能です。

ただし、住居と事業所を兼用している場合は、事業用途の部分に限り経費計上が認められるため、事業用途の床面積とそれに応じた税金の按分を別途計算する必要があります。

パソコンも償却資産に該当する

個人事業主は、仕事に使用しているパソコンも償却資産に該当するため、固定資産税が発生する場合がありますが、取得価額によってその扱いが異なります。

例えば、取得価額が10万円以上の場合は固定資産として減価償却が必要となる一方、取得価額が10万円未満の場合は消耗品費として処理します。

パソコンはほかの資産に比べて耐用年数が短いため、減価償却費の計上を正確かつ計画的に行うことが重要です。

固定資産を正確に管理するためのポイント

固定資産を正確に管理するためのポイントを3つ紹介します。

社内ガイドラインを制定する

固定資産を適切に管理するためには、社内ガイドラインを制定して管理ルールを統一するのがポイントです。

ガイドラインに固定資産の取得・運用・廃棄に関する具体的な手続きや基準を明記しておき、各自がこのガイドラインに沿って処理するよう徹底しましょう。こうすることで個人間や部署間によるばらつきを防止できるうえに、業務の効率化も期待できます。

ただし、税法などのルール改正に対応する必要もあるため、定期的にガイドラインの見直しを行うことが重要です。

現場の資産把握を心掛ける

固定資産の正確な管理を実現するには、現場での資産把握を心掛けることが大切です。

日頃から資産の状況や使用状態を確認したり、定期的な棚卸しを実施したりすることで、資産の不適切な使用や管理漏れを防止できます。

また、現場の担当者と連携し、資産の更新・廃棄が必要なタイミングを把握することも重要です。現場で実際に資産を把握することで、ミスの防止や運用上の効率化を両立できるでしょう。

専用システムの導入を検討する

固定資産管理の効率化を図るために、専用の管理システムを導入するのもひとつの方法です。

専用システムを導入することで、資産の取得日・耐用年数・減価償却状況などを一元管理できます。また、導入するシステムによっては法定耐用年数の変更や資産の廃棄時期の管理がある程度自動化できるため、人的ミスの防止にもつながります。

ある程度のコストはかかるものの、システムを導入することで固定資産管理の負担軽減と正確性の向上が実現できるため、資産規模によっては導入を検討してみると良いでしょう。

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固定資産とは販売目的でない企業が長期保有する資産

固定資産とは、販売や流通を目的とせず、企業が長期間にわたり保有する資産を指し、土地・建物・機械設備などの有形固定資産、特許権やソフトウェアなどの無形固定資産、どちらにも該当しないその他の資産に分類されます。

固定資産には原則的に税金が課されますが、資産の種類や、保有者が法人か個人事業主か、などによって計算方法やルールが異なることを覚えておきましょう。

自社が保有する固定資産を正確に把握し、それぞれ適切な対応をすることが大切です。

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