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固定資産管理とは?目的や業務フロー、エクセルで行う方法を解説

2024/12/17 2025/01/11

固定資産管理システム

固定資産管理

企業が所有する固定資産を正しく把握・管理することを指す「固定資産管理」。固定資産が多いほど管理が煩雑になりやすいため、効率的かつ適切に行う方法を模索している企業も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、固定資産管理の目的や業務フロー、管理する際のポイントなどを解説します。

固定資産管理とは?

固定資産管理とは、企業が保有する固定資産を正確に把握し、適切に運用・管理することです。

固定資産とは、取得価額が10万円以上で、販売を目的とせず、自社で使用することを前提とした資産であり、1年以上の長期にわたって保有しているものを指します。

資産の保有状況を正確に管理することで、資産の入れ替えや活用方法を検討しやすくなる効果や、財務状況の透明性を高める効果が期待できます。

固定資産の種類

固定資産は、その性質に応じて「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他の資産」の3つに分類されます。それぞれどんな内容なのか解説しましょう。

有形固定資産

有形固定資産とは、物理的な形状を持ち、企業が長期的に保有・使用する資産を指します。

具体的には、土地・建物・機械装置・車両・工具・備品などが挙げられ、取得価額が10万円以上のものに限られます。

無形固定資産

無形固定資産とは、物理的な形状を持たないものの、財産的価値が認められる資産を指します。

具体的には、営業権・商標権・特許権・実用新案権・漁業権・ソフトウェア・のれんなどが該当します。形こそないものの、企業が製品・サービスを提供する根幹となるノウハウや、競争力、信頼性など、事業を行ううえで非常に大きな影響力を持つことが無形固定資産の特徴です。

投資その他の資産

投資その他の資産とは、企業が長期的に保有する資産のうち、有形固定資産・無形固定資産のいずれにも該当しないものを指します。

具体的には、有価証券・出資金・長期貸付金など、企業の流動資産に該当しないものが挙げられます。長期的なリターンを見越した投資目的の資産や、対外的な取引関係を維持するために長期間保有する資産なども該当します。

固定資産と流動資産の違い

固定資産と流動資産は、その保有期間や現金化の難易度に大きな違いがあります。

流動資産とは、概ね1年以内に現金化が可能な資産を指し、現金・預金・商品・売掛金・受取手形などが挙げられます。

一方の固定資産はそもそも販売を目的とせず、長期にわたって保有・使用する前提であるため、流動資産よりも保有期間が長く、現金化の難易度が高い傾向にあります。

固定資産管理の目的とは?

ここでは、固定資産管理を行う主な目的を3つ解説します。

紛失や損壊を防ぎ固定資産を適切に利用するため

固定資産管理は、購入した固定資産の紛失や損壊を防ぎ、適切かつ効果的に利用することを目的として行います。

例えば、高額な機械設備が損壊すると業務に大きな支障をきたし、機密情報を含む機器の不具合によって重要な情報が漏えいすると、企業の信用問題に関わります。

固定資産を適切に管理し、企業の財産価値を守ることで、このようなさまざまなリスクを低減でき、事業の持続性・安定性を向上させることにもつながります。

節税や正確な財務状況を把握するため

節税や正確な財務状況を把握することも、固定資産管理を行う目的の一つです。

例えば、固定資産管理を行うことで、正確な減価償却が可能になります。減価償却費は毎年の経費として計上できるため、その分法人税や所得税の負担を軽減できる点がメリットです。

また、財務状況を正確に把握できていれば経営判断もスムーズに行えるようになり、資産の活用率向上や収益性の向上も期待できるでしょう。

固定資産税を適切に計算するため

固定資産税を適切に計算するためにも、固定資産管理は欠かせません。

例えば、使用していない設備や建物があったとしても、適切に廃棄・売却していない場合、固定資産税が課されてしまいます。

固定資産管理を行うことにより、このような見落としや無駄な税金の支払いを防止できるだけでなく、課税基準となる資産の評価額や固定資産税の適正化も図れます。

固定資産管理はどの部署が行うのか?

固定資産管理は、企業規模や管理対象の資産によって担当部署が異なります。ここでは特に多く見られる2つのパターンを紹介します。

総務部・経理部が管理するケースが多い

固定資産管理は、総務部や経理部が行うケースが多く見られます。

社内の備品管理を総務部が担当するのが一般的であり、その延長で固定資産管理の管理も行っているケースが多いようです。

一方で、経理部は会計処理を専門とする部署のため、固定資産の取得価額や減価償却費の計上など、数字面の管理を担っています。

この2つの部署が連携することで、固定資産の物理的な利用状況と会計上の処理を効率的に管理できるのです。

固定資産の種類によっては総務部以外が管理することも

固定資産の種類によっては、総務部以外の部署が管理する場合もあります。

例えば、オフィスの什器類は総務部が管理する一方、パソコンやサーバーなどのIT機器は情報システム系の部署が管理するといったケースです。製造機械や研究設備がある場合は、生産部門や研究開発部門が直接管理する場合もあるでしょう。

固定資産管理は資産の特性や利用状況、各社の組織状況などに応じて管理体制が異なることがあるのです。

固定資産管理に役立つ資格

固定資産管理に役立つ資格として、「固定資産業務管理士」が挙げられます。

固定資産業務管理士は、固定資産の取得・運用・会計処理・廃棄に至るまでの一連の管理プロセスを適切に行うための専門知識と実務能力を証明する資格です。

この資格の取得を目指す課程では、減価償却や税務対応、資産の適正な管理など、固定資産管理に必要なスキルを体系的に学ぶことができます。

特に、企業の総務部門や財務部門で固定資産の管理業務を担当する人などにとっては、実務に直結する有用な資格といえるでしょう。

固定資産管理の業務フロー

固定資産管理の業務フローを5つのステップで解説します。

固定資産の会計処理をする

固定資産管理の基本となるのが会計処理です。

固定資産を購入した際は、請求書を基に支払いを記録し、取得価額を正確に計上します。その後、資産の価値が時間とともに減少していく分を減価償却費として、一定期間継続的に会計帳簿に反映する手続きを行わなければなりません。

固定資産管理台帳を作成する

固定資産管理台帳は、資産を取得してから処分するまでの履歴を記録する帳簿です。固定資産管理台帳には、資産管理に必要な以下のような情報を記載するのが一般的です。

  • 資産の名称
  • 固定資産管理番号
  • 取得年月日
  • 事業供用開始日・撤去日
  • 設置・使用場所
  • 管理部門・担当者
  • 資産の用途
  • 取得価額
  • 数量
  • 償却方法
  • 耐用年数

これらの情報を一元管理することで、資産の管理状況を多面的かつ正確に把握できるようになります。資産の紛失や管理漏れを防ぎ、資産運用の効率化を実現するためにも、適切な運用ルールを設けて台帳を活用しましょう。

固定資産管理番号などが記載されたラベルを貼る

固定資産管理では、数ある資産を識別しやすくするために、可能なものに対しては管理ラベルを貼るのが一般的です。管理ラベルに記載する項目としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 資産の名称
  • 固定資産管理番号
  • 取得年月日
  • 管理者名
  • 購入先・保守契約先
  • 型式(必要に応じて)

これらの情報を記載したラベルを貼っておくことで、資産を迅速かつ正確に把握できるようになり、利便性が向上します。特に、設備や機器の数が多い場合や、種類が同一の資産が複数ある場合は、紛失防止や管理精度の向上も期待できるでしょう。

なお、管理上の混乱が生じないよう、ラベルに記載する内容と固定資産台帳に記録する内容は常に一致させておくことが重要です。

固定資産の棚卸しをする

続いて、年に1〜2回程度は固定資産の棚卸しを行いましょう。台帳上のデータと実際の資産状況が一致しているかどうか、廃棄や交換が必要なものはないかなどを確認・照合するためです。

定期的な棚卸しを行うことで、資産の紛失や損壊、誤った会計処理などを未然に防止できます。また、棚卸し結果を固定資産台帳に反映させることで、固定資産台帳の信頼性と実用性を保つことができるでしょう。

固定資産管理に関するマニュアルを作成する

固定資産管理の体制が整ったら、運用の標準化を図るためにマニュアルを作成しましょう。担当者によって認識や手法が異なると、固定資産管理の精度や正確性が損なわれるおそれがあるためです。

固定資産管理のマニュアルには、資産取得時の記録方法、減価償却費の計算手順、台帳の記入方法、棚卸しの実施方法などを明記する必要があります。また、このマニュアルが適切に機能するよう、社内共有を徹底することも大切です。

担当者間で共通認識を持ち、管理ルールを統一することで、さまざまなトラブルを防止できるでしょう。

固定資産管理をエクセルで行う方法

固定資産管理をエクセルで行う場合、既存のテンプレートを活用するのがおすすめです。エクセルのテンプレートがあれば管理台帳を一から作成せずに済み、必要に応じて容易にカスタマイズすることができます。

エクセルを使って固定資産管理を行う場合は、以下の手順で進めていきましょう。

  1. 自社に必要な管理項目を決める
  2. 固定資産管理台帳のテンプレートをダウンロードする
  3. 必要に応じてテンプレートをカスタマイズする
  4. テンプレートに資産状況を入力する
  5. 棚卸しの都度内容を更新する

実際に運用を行うなかで新たに管理が必要な項目や不要な項目が出てきた場合は、その都度反映して最適化を図ることが大切です。

エクセルによる管理は初期費用がかからないため、コストを抑えたい場合や中小企業などに適していますが、すべて手作業で行う必要がある点には注意しましょう。

固定資産管理をする際のポイント

ここでは、適切な固定資産管理を行うために特に重要なポイントを3つ解説します。

全社で固定資産管理の重要性についての意識を高める

固定資産を効率的に管理するためには、固定資産管理に対する全社的な理解と、重要性に対する意識を高めることが重要です。実際の固定資産は現場や業務で使用されている場合が多いため、管理の精度を高めるためには社員全員の協力が欠かせないのです。

マニュアルの整備はもちろんのこと、固定資産とその管理の目的や重要性を全社的に教育する研修などを実施するのが理想といえます。全社的な協力体制を構築できれば、紛失や損壊などのリスクの軽減、資産活用の効率化、財務状況の正確性の向上など、管理体制の底上げが期待できるでしょう。

新しい税法や会計基準を理解し対応する

固定資産管理においては、常に新しい税法会計基準を理解することと、その基準に沿って対応方法をアップデートしていくことが求められます。

税法や会計基準は比較的頻繁に改正されるため、毎回の把握ができていないと、固定資産を適切に管理できないばかりか、罰則やペナルティを受けるリスクが高まります。また、企業の信用問題にも発展しかねません。

固定資産管理に関連する法案の代表例として、減価償却の計算方法や固定資産税の算定基準などが挙げられます。常に最新情報を把握することに加え、運用ルールの更新・変更も忘れずに行いましょう。

固定資産管理システムを導入する

固定資産管理の効率化を図りたい場合は、専用のシステムを導入するのも一つの方法です。

機能は導入するシステムによって多少異なりますが、固定資産の取得・耐用年数・減価償却計算などをある程度自動化し、手作業によるミスを防げる機能が備わっています。また、自社の資産運用状況に合わせた柔軟なカスタマイズが可能なシステムもあり、最新の税法や会計基準にも容易に対応できるでしょう。

導入や運用にコストはかかりますが、管理する資産の規模や数が多い場合や、既存の固定資産管理フローが煩雑になっている場合などは、導入を検討してみるとよいでしょう。

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テンプレートやシステムを活用し適切な固定資産管理を行おう

固定資産管理は、企業が保有する資産を正確に把握し、効率的に運用するために必要不可欠な業務です。管理する資産の内容・規模などは企業によって異なるため、最適な管理方法も若干異なります。自社の状況に合った方法を選択し、適切な固定資産管理体制を構築しましょう。

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