プレッシャー世代とは?年齢や特徴・他の世代との違いについても解説
プレッシャー世代とは、氷河期世代とゆとり世代の間の世代を指します。スポーツ選手を始め、世界的に活躍している人が多い優秀な世代です。本記事では、そんなプレッシャー世代の年齢や特徴、優秀と言われている理由まで詳しく紹介していきます。
・プレッシャー世代とは、1982年~1987年に生まれた世代のことであり、さまざまな社会変化を経験し、忍耐力や冷静な判断力があることからプレッシャー世代と呼ばれている
・プレッシャー世代の前や氷河期世代であり、後がゆとり世代とされている
目次
プレッシャー世代の特徴とは?
プレッシャー世代とは、1982年~1987年に生まれた世代のことです。
氷河期世代とゆとり世代の間に位置しており、バブル崩壊後の不景気や就職難といったさまざまな社会変化を経験しているため、プレッシャーに強いと言われている点が特徴です。
また、「忍耐力」や「冷静な判断力」など備わっていることも特徴としてあげられます。「団塊世代」や「ゆとり世代」などの比較的メジャーな呼び名とは異なり、「プレッシャー世代」の認知度はやや低い傾向があります。
プレッシャー世代の年齢
プレッシャー世代は、2024年現在で37歳~42歳の人を指し、「世代」の位置付けとしては、氷河期世代とゆとり世代の間に位置する世代です。
ただし、バブル崩壊後の就職氷河期を経験した氷河期世代と、ゆとり教育を受けたゆとり世代は広く知られている反面、プレッシャー世代は社会的に注目される機会がなかったため、プレッシャー世代の当事者でさえも「知らない」という人は多いでしょう。
しかし、プレッシャー世代が過ごした時代も、携帯電話やパソコン、テレビゲームなどが普及し始めるなど、社会に新しいものが次々と登場しています。そのため、プレッシャー世代はライフスタイルに大きな変化が訪れた時代でもあるのです。
プレッシャー世代の由来
プレッシャー世代という呼び名の由来は、あらゆるプレッシャーを耐え抜いたことからきています。
プレッシャー世代は、バブル崩壊後の不景気や就職氷河期の名残を体験し、また、阪神・淡路大震災やアメリカの同時多発テロ、東日本大震災など、規模の大きい災害や事件を、多くの人が幼少期から20代にかけて目の当たりにしました。
決して平穏とはいえない時代背景の中で、「自分の力だけではどうにもならない現実」のプレッシャーを受けながら育ったことから「プレッシャー世代」と呼ばれるようになったと言われています。
プレッシャー世代の前と後の世代
プレッシャー世代の前後には、「氷河期世代」と「ゆとり世代」があります。ここからは、それぞれの世代の特徴を詳しく解説します。
プレッシャー世代の前:氷河期世代
氷河期世代はプレッシャー世代の前の世代で、1970年~1982年に生まれた人を指します。氷河期世代が過ごした時代ではバブルが崩壊し、日本はかつてない不況に陥りました。
そのため、雇用枠が大幅に減少するとともに正規雇用での就職が困難になり、いわゆる「就職氷河期」の影響で就職活動に非常に苦労した背景があります。こういった理由から、氷河期世代はバブル崩壊の影響を大きく受けた世代といっても過言ではありません。
プレッシャー世代よりも不況によって受けた影響は大きく、倹約家で忍耐力がある人が多い点が特徴です。
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プレッシャー世代の後:ゆとり世代
ゆとり世代は1987年~2004年に生まれ、豊かな人間性を育むために施行されたゆとり教育を受けて育った世代です。ゆとり世代は、ワークライフバランスを重視する人が多く、仕事よりプライベートを充実させたいという考え方を持っています。
そのため、競争よりも周囲との調和を好み、コミュニケーション能力に長けている点が特徴です。一方で、仕事においては主体性や能動性が低い傾向があり、失敗を恐れるばかりに「指示待ち」と批判されることも少なくありません。
ゆとり世代も不況を経験しており、現実的で物欲や出世欲が少ないと言われています。
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プレッシャー世代の特徴
プレッシャー世代は、自力ではどうすることもできない社会の変化と困難を経験していることから、生きる上でプレッシャーがあることは当たり前と考える傾向があります。
ここからは、プレッシャー世代の特徴を5つ紹介します。
現実的な考え方を持っている
プレッシャー世代は、バブル崩壊後の不況の中を生きているため、現実の厳しさを理解しています。不況だけではなく、就職難や大規模な災害・事件なども目の当たりにしており、現実的な視点で着実に生きていく考えを持つ人が多い点が特徴です。
また、バブル期のように浮かれているとしっぺ返しがあることを理解しているため、堅実な生き方やライフスタイルを好む人が多いとされています。
プレッシャーに対して耐性がある
プレッシャー世代は、バブル崩壊や大規模な災害など、個人では抗えない物事や困難があることを深く理解しています。そのため、予期せぬ展開にも耐える力があり、いざという時のプレッシャーを乗り越えるための強さを持っているのです。
プレッシャーに強いという特徴は、プレッシャー世代という呼び名の通り、最大の特徴と言ってもよいでしょう。また忍耐力もあり、諦めるのではなくコツコツと成果に向けて努力する傾向がある点も特徴です。
同年代のつながりを重視する
プレッシャー世代は、同世代とのつながりを重視する傾向があります。生まれてからさまざまな社会変化や困難を経験しているため、「同年代と助け合いたい」という意識がある点が特徴です。
横のつながりを大切にして、同年代とさまざまな困難を乗り越えながら共に成長したいと考える人が多いと言われています。
無理をせずリスクを背負わない
プレッシャー世代が過ごした時期は、バブル崩壊によって大企業でさえも倒産の危機に直面するような経済状況にありました。そのため、リスクを背負い、無理をして頑張っても失敗することがあると知っています。
こういった状況を目の当たりにしていたプレッシャー世代は、無理をしてまで大きな挑戦をする必要はないと考え、自分の現状に満足し、現状の範囲内でベストを尽くそうとする傾向があるのです。
仕事や恋愛、子育てなども無理をせず、マイペースにこなしている人が多い傾向があります。
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物事への対処が冷静
プレッシャー世代は、幼少期から不況の中で苦労をする両親を目の当たりにし、就職難といった困難を自ら経験した世代です。そのため、困難に直面しても焦ることなく、今の自分にできることを冷静に判断できる一面もあります。
共働き世帯で育った背景や、バブル崩壊によって「大企業に就職しても永遠の安定はない」ことを知っていることから、自立心が鍛えられている人も多く、失敗しても長く落ち込んだり、感情的になったりせず問題を解決していこうとする傾向があるのです。
プレッシャー世代が優秀と言われている理由
プレッシャー世代には、優秀な人材が多いと言われています。これにはどのような理由があるのでしょうか。ここからは、プレッシャー世代が優秀と言われている3つの理由を紹介します。
仕事での柔軟性が高い
プレッシャー世代は、不景気による社会の変化、デジタル化によるライフスタイルの変遷、詰め込み教育からゆとり教育への移行といった、あらゆる変化を経験しています。そのため、変化に対する柔軟性や適応力が高いことが特徴です。
消費者のニーズが目まぐるしく変化する現代のビジネス環境においては、それらの変化に対応できるスピード感と柔軟性はビジネスパーソンにとって必要不可欠な要素となります。
そのため、柔軟性に優れた人材に対する組織の評価は高く、プレッシャー世代が優秀といわれる理由のひとつであるといえます。
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強靭なメンタルを持ち忍耐力が高い
プレッシャー世代は、バブル崩壊で不況に陥った現実を幼少期から目の当たりにしています。そのため、失敗や予期せぬ展開は当たり前と考え、成功するまで何度も挑戦する強靭なメンタルを持っているのです。
また、プレッシャー世代は理想を追い求めないという特徴があります。つまり、現実とかけ離れた夢や目標を目指すこともないため、深く落胆することが少ないのでしょう。途中で投げ出さずにやり遂げる力があり、精神的に強い点が評価されています。
データ収集能力やリサーチ力に長けている
プレッシャー世代が育った時代は、携帯電話やパソコン、テレビなどが広く普及した時代でもあるため、情報収集をするための環境が整っていました。
自発的な情報収集を若い頃から積極的に行っていたため、情報収集能力やリサーチ力が自然と養われたと考えられています。また、自ら新しい情報を収集しようと行動していたことから、新しいものを取り入れることに抵抗が少ないとも言われています。
プレッシャー世代の著名人
高い忍耐力や冷静な判断力を持ち合わせたプレッシャー世代には、国内外で活躍する著名人が多いです。
そこで、ここからはさまざまな業界で活躍するプレッシャー世代の著名人を紹介します。(敬称略)
スポーツ選手
プレッシャー世代には、世界的に活躍するスポーツ選手が多い傾向です。
プレッシャー世代特有の適応力や忍耐力の高さ、強靭なメンタルなどを活かして世界的に活躍していると言えるでしょう。
- 北島康介/平泳ぎ(100m・200m)で日本人唯一となる五輪での2種目2連覇達成
- 吉田沙保里/女子レスリング・フリースタイルにて五輪3連覇、世界選手権13連覇を達成
- 五郎丸歩/元ラグビー選手。2005年〜2015年までの間、日本代表として57試合に出場
- ダルビッシュ有/MLBでアジア人史上2人目の最多勝利(日本人初)と最多奪三振を獲得
- 村田諒太/ロンドン五輪にてボクシングミドル級金メダル獲得
- 高橋大輔/バンクーバー冬季五輪にてフィギュアスケート男子シングル銅メダル獲得
- 宮里藍/世界ランク1位にも君臨した元女子プロゴルファー。日米通算24勝を記録
俳優
プレッシャー世代は2024年現在で30〜40代であることから、現役でテレビや映画で活躍している俳優も多くいます。一例として、下記のような方々が挙げられます。
- 松田翔太
- 綾瀬はるか
- 石原さとみ
- 蒼井優
- 松山ケンイチ
- 沢尻エリカ
- 井上真央
ミュージシャン
プレッシャー世代のミュージシャンには、デビュー当初から現在も活躍し続けている人やモデルと歌手の兼業をこなすなど、多彩な才能を持った人が多いといわれています。
プレッシャー世代のミュージシャンの一例として、下記のような方々が挙げられます。
- 宇多田ヒカル
- 木村カエラ
- 鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)
- 平原綾香
- 越智志帆(Superfly)
- 倖田來未
- 大塚愛
お笑い芸人
プレッシャー世代は、個性的な観点を持ち、挑戦を惜しまないマインドを持った人が多い傾向があります。
現役で活躍されているお笑い芸人には、以下の方々が挙げられます。
- 渡辺直美
- イモトアヤコ
- もう中学生
- 藤森慎吾(オリエンタルラジオ)
- たかし(トレンディエンジェル)
- 駒場孝(ミルクボーイ)
- りんたろー。(EXIT)
プレッシャー世代はさまざまな場所で活躍できる優秀な世代
経済不況や大規模な災害やテロ事件など、世界的にも厳しい環境を生き抜いたプレッシャー世代は、困難に立ち向かう強靭なメンタルや、変化に対応する柔軟性を持ち合わせていることが特徴です。
適応力、能動性、情報収集力といったプレッシャー世代の能力は、まさに現代のビジネス環境にマッチした能力でもあります。
本記事でご紹介した特徴を、組織内のプレッシャー世代とコミュニケーションをとる際の参考として活かしてみてはいかがでしょうか。
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