第5回「アトツギ甲子園」開始!若手後継者の熱き挑戦に注目!
中小企業の若手後継者が「新規事業」で競い合うピッチイベント
日本の企業数の99.7%を占める中小企業(中小企業庁発表)。その数は、なんと336万5000者にも上ります。そんな中小企業の未来を担う後継者たちが、自らのビジネスプランで夢の実現に挑む「アトツギ甲子園」が今年もスタートしました!
後継者の未来への挑戦を応援する「アトツギ甲子園」
2024年で第5回目の開催となるアトツギ甲子園は、中小企業庁が主催する中小企業の若手後継者たちの挑戦を後押しするためのピッチイベントです。
もちろん、参加者たちが競い合うのは、野球の勝敗ではなく、「経営資源を活かした事業アイデア」。アトツギ甲子園は、従来の事業を継承しつつ、新たな“実現したい未来”に挑戦する中小企業の若手後継者たちにスポットライトを当てるコンテストなのです。
エントリー資格は、39歳以下の中小企業の後継者。参加者たちは、4分間のプレゼンと6分間の質疑応答のわずか10分間で自社の未来を左右する新規事業プランを審査員たちへとアピールします。
コンテストの流れ
アトツギ甲子園は、エントリーから始まり、書類選考、地方予選、決勝大会の流れで進みます。それぞれの段階で専門家による厳正な審査が行われ、地方予選では、6ブロックに分かれた地方ブロックでプレゼンによる審査を行い、それぞれ3名を選出。決勝大会では、ファイナリスト18名が、審査員に向けてプレゼンを行い、グランプリを決定します。
参加者には優遇措置も
また、アトツギ甲子園の魅力は、ビジネスプランを競うだけではありません。ファイナリストおよび準ファイナリストには、さまざまな特典が用意されています。
例えば、ファイナリストは、ピッチイベントで発表した新規事業アイデアの事業化に向けて、上限200万円・補助率2/3を補助する持続化補助金への申請が可能に。さらに、地方予選大会出場者に対しても、ものづくり補助金や事業再構築補助金等の審査における優遇措置が予定されています。
過去大会で各賞を受賞したビジネスプラン
2024年のエントリーが8月に開始した第5回目となるアトツギ甲子園ですが、過去の大会では、どのようなビジネスプランが、審査員たちの心を動かしたのでしょうか。
直近2回の大会レポートより、グランプリとなる「経済産業大臣賞」を獲得した注目のビジネスプランや、そのほか、受賞例を2つ紹介します。
第3回中小企業庁長官賞|株式会社グリーンエルム・西野 文貴さん
テーマ:植生調査から植樹までの森づくり、誰もが参加できる“新しい里山シェア”のカタチ
西野文貴さんは、日本の森林文化を活かした新しい森づくりビジネスを提案しました。
放置された人工林を買い取り、地域に適した樹種を植えることで、災害に強く生き物も集まる多様性豊かな森を創出。このビジネスをB2BとB2Cの両面で展開し、企業のCSR活動と連携した森づくりや、間伐材商品の販売で収益を上げ、さらに、地元の子どもたちへの無償植樹体験提供など、教育的側面も重視。経済と生態系の循環の両立を目指す点が高く評価されました。
第4回経済産業大臣賞|マルキ建設・堀 貴紀さん
テーマ:公共残土で地域と食卓を豊かに
堀貴紀さんは、公共残土問題と耕作放棄地の課題を同時に解決する革新的なビジネスモデルを提案しました。
残土を耕作放棄地に活用し、そこで米を栽培。その米を米粉に加工して販売することで、地域の食卓を豊かにする事業です。グルテンフリー市場の成長や米粉の希少価値に着目し、自社の建設業・運送業・農業の経験を活かした一気通貫の事業モデルを構築。社会課題の解決と事業の収益性を両立させる点が高く評価されました。
今年も中小企業の「新たな物語」が始まる
第5回大会「アトツギ甲子園」のエントリーは2024年12月9日まで。決勝大会は2025年2月20日に開催を予定しています。
若手の後継者たちが、自社の新たな可能性を切り開こうと果敢に挑むアトツギ甲子園は、まさに中小企業の「新たな物語」が始まる場所。今年も、社運をかけて挑む参加者たちの熱き戦いに注目です!