自転車利用者は要注意!「罰則強化」と「違反行為」をおさらい
2026年からは113の違反行為が反則金の対象に
警察庁の統計によると、2023年の自転車関連事故は7万2,339件で、全交通事故の23.5%を占め、増加傾向が続いています。こうした背景から、2024年11月1日より自転車の「ながらスマホ」と飲酒運転への罰則が強化されました。
さらに2026年からは反則金制度も導入されます。そこで今回は、罰則強化のポイントと、意外と知られていない自転車の違反行為を解説。通勤で自転車を利用する人は特に要注意です。
[出典:政府広報オンライン「2024年11月自転車の「ながらスマホ」が罰則強化!「酒気帯び運転」は新たに罰則対象に!」]
11月1日~|ながらスマホと酒気帯び運転が厳罰化!
[出典:警察庁「令和6年改正道路交通法(自転車運転中の新たな罰則)」]
11月1日から始まった自転車の罰則強化。気をつけたい2つの重要な変更点は、「ながらスマホ」と呼ばれるスマートフォン(以下、スマホ)を操作しながらの運転と、飲酒運転の厳罰化です。命に関わる重大な事故を防ぐため、罰則内容を詳しく見ていきましょう。
スマホを見ながら運転「ながらスマホ」が厳罰化
走行中のスマホ操作がついに厳罰化されました。これまでの5万円以下の罰金から、大幅に引き上げられています。スマホを手に持っての通話や画面注視が運転中は禁止。違反すると6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。さらに、事故を起こした場合は1年以下の懲役または30万円以下の罰金と、より重い処罰の対象となります。
自転車は「車の仲間」飲んだら乗るな!飲酒運転の罰則も強化
自転車の飲酒運転に対する罰則も、これまで以上に強化されています。違反すると3年以下の懲役または50万円以下の罰金という厳しい処罰が。そのほか、飲酒運転を助長する行為も処罰対象になります。飲酒した人に自転車を貸したり、お酒を提供した飲食店も罰則の対象となり、自動車と同様の厳しい取り締まりが行われます。
2026年からは自転車の違反にも反則金が科される!
2024年5月に成立した改正道路交通法により、自転車の交通違反にも「青切符」による反則金制度が導入されることになりました。信号無視はもちろん、イヤホン装着での運転や傘さし運転などを含む113種類の違反行為が対象です。
改正法の対象者は16歳以上の利用者で、反則金は5,000円から12,000円程度になる見込みです。
実はNG!やりがちな自転車の違反行為4選
違反行為への罰則が強化された自転車の利用ですが、実は意外と知られていないのか、街中で、「違反行為」を見かけることも少なくありません。
知らず知らずのうちに「違反していた!」ということがないように、改めて、特に気をつけたい5つの違反行為を紹介します。
右側の路側帯を逆走する
※歩道は「自転車通行可」の標識がある場合や、子どもや高齢者であれば通行可。自転車は「軽車両」として車の仲間に位置付けられているため、歩道と車道の区別があるところでは、車道を走行するのが原則です。また、「軽車両」として、左側通行が原則。歩道と車道の区別のあるところで、道路の右側の路側帯を走行すると3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金の対象となります。
一時停止の標識で止まらない
一時停止の標識がある場所では、自転車も必ず停止する必要があります。「自転車だから大丈夫」という認識は誤りです。停止線の手前でしっかりと止まり、安全確認をしないと3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金の対象に。特に見通しの悪い交差点では、重大な事故につながる可能性があります。
2台以上で並走する
通勤や通学時によく見かける並走は、道路交通法違反です。並進可の標識がある場所を除き、2万円以下の罰金または科料の対象になります。他の車両の通行の妨げになるだけでなく、接触事故の危険性も高まるため、必ず一列で走行しましょう。
ベルをむやみに鳴らす
歩行者に道を開けてもらおうと、安易にベルを鳴らしていませんか?実は、危険を防止する目的以外でベルを鳴らすのは違反です。例えば、目の前の歩行者をどかそうとする目的でのベル使用は、2万円以下の罰金または科料の対象となる場合があります。ベルは緊急時の警告としてのみ使用しましょう。
交通ルールを守って安全運転を
2024年11月からの罰則強化に加え、2026年からは反則金制度も導入され、自転車への取り締まりは一層厳格化します。特に通勤時は時間に追われがちですが、一瞬の判断ミスが重大な事故につながる可能性があります。今一度、交通ルールを確認し、安全な自転車運転を心がけましょう。