エクセルでイベント管理する方法|作成手順や必要な項目・メリットとデメリット
イベント運営の成功には、適切なタスク管理が必要不可欠です。しかし、イベント運営は業務の割り振りが多岐にわたるため、効率良く管理できる方法を探している方も多いのではないでしょうか?本記事では、エクセルを使い低コストでイベント管理する手順や、その注意点を詳しく解説します。
目次
イベント管理とは?
イベント管理とは、企業などがイベント開催のために必要な業務を管理することを指します。例えば、会場の予約、参加者の管理、スケジュールの調整などが一般的なイベント管理業務です。これらを円滑に進められるか否かがイベント成功のカギを握っています。
近年では、専用のイベント管理システムを導入するケースが増えていますが、基本的な表計算ソフトだけでも十分なイベント管理を行うことが可能です。そこで、本記事ではエクセルを使用したイベント管理の方法について解説します。
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エクセルでイベント管理する方法
エクセルを使ってイベントを効率的に管理する方法について、以下に詳しく解説します。
ガントチャートを作成する
イベント開催に関するスケジュールの進行状況は、ガントチャートを作成することで視覚的に把握しやすくなります。
エクセルはガントチャートの作成に適しており、各タスクの開始日と終了日をわかりやすく管理することができます。具体的な手順としては、まずタスクの一覧を作成し、それぞれのスケジュールを入力します。その後、セルの配色などでバーの長さが視覚的に認識できるように整えてください。
また、エクセルの条件付き書式を活用すれば、さらに視認性に優れたガントチャートを作成することも可能です。
▷ガントチャートとは何?意味やプロジェクト管理におけるメリット・デメリット
テンプレートをダウンロードしてイベント管理をする
エクセルのテンプレートを活用すれば、イベント管理がより一層スムーズになります。
エクセルには、あらゆる状況に流用できるテンプレートが整っているため、イベント管理の用途にもすぐに応用することができます。例えば「日程管理テンプレート」や「参加者リストテンプレート」などは、実用的に整備されているため非常にオススメです。
他にも多種多様なテンプレートが用意されているため、詳しく知りたい方は参考URLをチェックしてみてください。
[参考:Microsoft 365「テンプレート集」]
イベント管理表とは?必要な項目について
イベント管理表とは、イベント開催に必要な業務を管理するために役立つツールであり、エクセルでも簡単に作成できることが強みです。
イベント管理表の作成に必要となる主な項目について、以下に解説します。
イベントの事前業務
まずは、イベント実施に必要な事前業務を洗い出しましょう。
例えば、会場の選定から予約、必要な機材の確保、イベント告知や宣伝といった、当日までの「やることリスト」をスケジュールにまとめておくことが大切です。
また、各タスクの期限や担当者をできる限り明確にしておくと、イベント管理表での進捗管理がスムーズになります。初期段階で全体の作業内容を整理できているほどに、その後の負担も軽くなるはずです。
設営に必要な備品・参加者に配るイベント景品
イベントの設営にあたり、必要な備品や配布用の景品を整理しましょう。
多くのイベントでは参加人数分の椅子やテーブル、音響設備、プロジェクターなどが必要となります。また、参加者に配るパンフレットやロゴ入りのグッズが大量に必要となるため、購買や搬入のスケジュールを細かく定めておくことが重要です。
イベント当日・終了後の業務
イベント当日は、入場者の受付や誘導はもちろん、最後の撤収に多くの手間が発生するため、事前に工程をスケジュール化しておきましょう。
こうしたスケジュールは、各セッションの進行状況を把握し、適切なタイミングで次のセッションに誘導することにも力を発揮します。また、イベント終了後には会場設備の撤収を迅速に行う必要があるため、作業項目と必要人数などを割り振っておくと万全です。
イベント参加者の情報
イベントには来場者、出展者、スポンサー、スタッフなどの多くの関係者が関わるため、関係者リストとその属性をイベント管理表に記しておきましょう。
なぜなら、現場の全スタッフが関係者の役割を把握しておけば、何か問題があった際の対処がスムーズになり、イベントの円滑な進行を助けてくれるためです。また、関係者に配布したIDカードや名札などを回収する際にも役立つはずです。
アンケート項目
イベント終了後に実施する参加者アンケートは、次回のイベント企画時に大いに役立つため、イベント管理表を起こす段階から意識しておくとよいでしょう。
イベントの企画段階から事後のアンケート項目を用意しておき、それらで高評価を受けることを目標にイベントを準備しておくことが理想的です。
具体的には、イベントの内容や運営に関する評価、参加者の満足度はもちろん、講演の内容が理解しやすかったか、会場の設備への評価、スタッフの対応への評価などのアンケート項目を想定しておきましょう。
エクセルでイベント管理表を作成する手順
エクセルを使ってイベント管理表を作成する手順について、以下に詳しく解説します。
イベント開催の目的を明確にする
イベントを成功させるためには、まずはその目的を明確化しましょう。
なぜなら、イベントを通じて何を達成したいのかを具体的に洗い出せば、とるべき行動が目標から逆算して見えてくるためです。
例えば、新商品のプロモーション、顧客との関係強化、業界内での認知度向上などの目的が明確であるほどに、その計画や準備がスムーズに進むうえ、関係者のモチベーションを高める効果も生まれるはずです。
イベントの詳細を整理する
イベントの成功率を高めるためには、緻密なスケジュール作成が欠かせません。
まず、参加者の都合を考慮し、最適な開催日時を決定します。次にアクセスが良く、イベントの規模に合った会場を選定します。そして当日の具体的なプログラムを組み立て、各セッションの内容や休憩時間などを明確にしていきます。
このように、詳細を一つずつ整理していけば、イベント全体の準備がより円滑に進行するでしょう。
イベント開催に必要な業務を一覧にする
イベントの詳細が定まった後は、当日までに必要な作業を一覧表にまとめましょう。
例えば、招待状の送付や会場の予約、イベント当日の受付や進行管理、終了後の片付けや参加者へのお礼メールの送信などを、ひとつ残らずリスト化しておきます。
作業リストをエクセルにまとめる具体的な方法としては、縦軸に各業務を、横軸に日付や曜日を設定し、ガントチャートの形でまとめることを推奨します。こうすることで、各タスクの進捗状況を誰もが一目で把握できるため、作業の漏れが発生しにくくなるでしょう。
スタッフの役割を明確にする
イベント開催に必要な作業リストが完成したら、各スタッフに作業を割り振っていきましょう。
ここで重要となるのは、それぞれの作業に適した人員を的確に配置するスキルです。例えば、受付担当、会場設営担当、進行管理担当、トラブル対応担当など、各役割を明確にしつつ、スタッフの能力や希望を考えた配置が求められます。
適切な采配が行われれば、各自が自分の役割に専念できるため、チーム全体の連携が強まりイベントの成功を大きく引き寄せるはずです。
エクセルでイベント管理するメリット
エクセルを使ってイベント管理を行うメリットについて、以下に詳しく解説します。
最適なイベント管理表を手軽に作れる
エクセルでイベント管理表を作る最大のメリットは、その手軽さにあります。
エクセルをはじめとした表計算ソフトは、業務で扱った経験を持つスタッフが多いため、特別な研修を行わなくても、十分に実用的なイベント管理表を設けることが可能です。
また、一度作成したドキュメントは次のイベントでも流用できるため、チームとしてのノウハウを蓄積することにも適しています。
イベント管理費用を抑えられる
エクセルを活用すれば、イベント管理費用を大幅に抑えることができます。
なぜなら、既にPCにエクセルがインストールされている場合には、新たな管理ツールを購入する必要がないため、追加費用が発生しないためです。また、エクセルの豊富な機能を活用するスキルさえあれば、専用ソフトに匹敵する管理が行うことも十分に可能です。
さらに、カスタマイズ性が高いため、イベントの規模や内容に応じた最適な管理表を簡単に作成できます。これらの特性は、コストパフォーマンスを重視したイベント運営を実現してくれるでしょう。
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スタッフ間の情報共有を円滑化できる
エクセルによるイベント管理表を共有フォルダに格納すれば、スタッフ全員がいつでも必要な情報を確認することができます。
また、変更点や追加情報がすぐに反映されるため、コミュニケーションや情報伝達の効率性を高める効果を見込むこともできるでしょう。
エクセルでイベント管理するデメリット
エクセルを使ったイベント管理には、一定のデメリットも存在します。以下に詳しく解説します。
スマホでの管理がしにくい
エクセルは基本的にPC表示を前提としているため、スマホでの閲覧や操作には適していません。
とりわけ、大量のデータや大きなスケジュール表などを扱う場合には、スマホの小さな画面では全体を把握するのが難しくなり、外出先や会場でのリアルタイムな確認や更新が困難になるケースがあります。
つまり、エクセルによるイベント管理表を導入する場合には、必要に応じて他のツールを併用したり、スケジュールなどの細かい表は印刷して携帯させるなどの工夫が求められるケースがあるでしょう。
データの同時編集ができない
PCにプリインストールされたエクセルでは、複数のスタッフが同時に作業を進めることができません。
なぜなら、一般的なエクセルによるイベント管理表の共有では、原則として排他制御(一度に一人しか編集できない)がかかってしまうため、他のスタッフが編集が終わるのを待つ必要があります。エクセルを同時編集するためには「Microsoft 365 サブスクリプション」を購入することが求められています。
データの同時編集ができないという特性は、作業人数によっては業務を滞らせる可能性があります。必要に応じてクラウドベースの別ツールを併用することや、サブスクリプション版の購入を検討するとよいでしょう。
[参考 : Microsoft「Excel ブックの共同編集を使用して同時に共同作業を行う」より]
情報漏洩のリスクが高い
エクセルファイルは簡単にコピーできるため、一定の情報漏洩リスクを抱えています。
パスワード保護が設定されていないエクセルファイルは、誰でもアクセスできる状態となるため、とりわけ機密性の高い情報を扱う場合には、セキュリティ対策が必要となるでしょう。
このような情報漏洩を防ぐためには、エクセルファイルに適切なセキュリティ対策を施すか、気密性の高い情報のみを別ファイルで管理する、といった工夫が求められます。
エクセルでイベント管理する際の注意点
エクセルでイベント管理を行う際の注意点として、スケジュール、予算、リソースなどの必要な情報や業務に「抜け漏れがないようにする」ことが極めて重要です。
なぜなら、エクセルは専用ソフトとは異なり、作業内容のリストアップを全て自力で行う必要があるためです。つまり、専用のイベント管理ソフトを採用した場合にある「この項目を忘れていませんか?」といったリマインド機能は期待できないことを理解しておきましょう。
対策としては、こまめに関係者とのミーティングを行うことや、イベント管理に深い知見や経験を備えた人物からチェックを受けることなどが挙げられます。
イベント管理にエクセルの活用を検討してみよう
エクセルを活用したイベント管理には多くのメリットがあり、専用ソフトに頼らない管理スタイルを確立することも十分に可能です。もちろん、エクセルの活用には一定のデメリットもありますが、その性質を理解したうえで適切な工夫を施せば、十分な機能性を引き出すことが可能なツールです。多くの方が慣れ親しんできたエクセルを上手に使いこなして、効率的なイベント管理を実現するために役立ててください。
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