イベントの集客方法|成功させるアイデアや仕掛け・成功事例を紹介
イベント開催をするうえで課題となる集客方法。イベントの企画に不慣れな場合には、集客のアイデアが湧いてこないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、イベントの集客方法やその種類について、成功事例とあわせて紹介します。
目次
イベントを開催する前に理解しておくべきポイント
イベントの成功には、なによりも事前準備が重要です。イベントを開催する前に理解しておくべきポイントについて、以下に詳しく紹介します。
イベント開催の目的・ゴールを決める
イベントを成功させるために、まずはイベントの明確な目的やゴールを定めましょう。「ブランド認知度の向上」「見込み顧客を1,000人獲得」「既存顧客1万人に接触して関係強化を図る」といった具体的な目的やその達成条件を決定してください。
目的やゴールを明確化することで、イベントの方向性がまとまり、スタッフの一体感も高まるでしょう。
ターゲット層・種類を決める
イベントの成功には、ターゲット層の設定が必要不可欠です。イベント企画者が知っておくべきターゲット層の種類や特徴について、以下に詳しく解説します。
潜在顧客
潜在顧客とは、具体的なニーズをまだ認識できていないものの、将来的に自社の商品やサービスに興味を持つ可能性が高い人々を指します。
潜在顧客へ効果的なアプローチをするためには、潜在顧客が無意識に抱えているニーズや興味を想像し、そこに響く情報やコンテンツを提供することが大切です。
無料のセミナーや商品提供などを行い、自社サービスが役に立つことを伝えることも効果的でしょう。
新規顧客
新規顧客とは、初めて自社の商品・サービスを利用した人々を指します。新規顧客に対しては、リピーターとして継続してサービスを利用してもらえるようなアプローチが重要となります。
また、新規顧客の獲得を狙うイベントでは、自社の商品・サービスの魅力を余すところなく伝えながらも、参加者が気軽に楽しめる体験を提供するように努めましょう。初回限定割引や、期間限定オファーを提供することで、初めての利用を促す施策もよいでしょう。
見込み顧客
見込み顧客とは、すでに自社の商品やサービスに興味を持ち、購入や利用を検討している人々を指します。
見込み顧客の購入を後押しするためには、自社の商品・サービスの魅力を余すところなく伝え、顧客のニーズを満たす商品・サービスであることを印象付けることが重要です。製品のデモンストレーションなどを実施することで、疑問や不安を解消して購入に踏み切れるようになるでしょう。
既存顧客
既存顧客とは、すでに自社の商品・サービスを購入したことのある人々を指します。
既存顧客に次なる購入を促すためには、信頼関係の維持や強化が重要です。例えば、イベントを通じて、新商品の情報や限定オファーを提供することで、顧客の関心を維持したり、特別感を演出したりすることができます。
また、イベントなどで得た既存顧客からのフィードバックは、サービスの改善や新商品の開発にも役立つ重要な情報源となります。
最適な会場・日時を設定する
イベントの集客率を高めるためには、ターゲットが参加しやすい会場や日時の設定が不可欠です。
イベントの開催に適した環境であることはもちろん、アクセスが良く快適に過ごせる会場を選ぶことが重要です。また、ターゲットの生活スタイルや業界の繁忙期を考慮し、足を運びやすい日時を決定することが求められます。
例えば、ビジネスパーソン向けのイベントであれば、平日夜や週末に開催することで、集客率を高められるでしょう。
参加者が得られる利益を明確にする
イベントを成功させるには、参加者が得られる利益を明確に伝えましょう。
例えば、「最新の業界トレンド情報を入手できる」「専門家から直接アドバイスを受けられる」「子どもと一緒に楽しく参加できるといった」などの利点を分かりやすく提示することで、参加意欲を高める効果が期待できます。
ただし、ターゲットに響く訴求ポイントを特定するためには、事前の調査を丁寧に行う必要があります。
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主なイベントの集客方法・種類
具体的なイベントの集客方法や種類について、以下に詳しく紹介します。
SNS・YouTubeでの告知
SNSやYouTubeを活用した告知は、イベントの集客に非常に効果的です。
SNSの広告は拡散力が高く、イベントに興味がなかった潜在顧客にまで情報が届く可能性があります。またコストもさほどかからないため、あらゆるイベントに向いた集客方法とも言えるでしょう。
SNSはプラットフォームによってユーザー層や好まれる内容が異なるため、よりターゲットとの相性が良いSNSや表現方法を考慮できると、さらに高い集客効果を期待できるはずです。
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Web広告での配信
リスティング広告などのWeb広告でも、効果的な集客を実現できるでしょう。
リスティング広告とは、特定のキーワードを検索したユーザーに対して優先的に広告を表示し、広告がクリックされた時にだけ費用が発生する広告です。この仕組みは、特定のキーワードに関心を持つユーザーに、広範囲かつピンポイントで情報発信をする際に適しています。
イベントのキーワードや収益能力によっては、極めて高い費用対効果を期待できるため、他の広告との併用も検討すべき広告手法です。
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自社サイト・オウンドメディアでの告知
自社サイトやオウンドメディアを活用した告知は、自由度の高い発信を低コストで継続できる点が強みです。
まずは、イベント専用のランディングページを作成し、詳細情報や申し込みフォームを設置しましょう。同時にブログ記事やニュースセクションにて、イベントの魅力や参加するメリットを伝えることも重要です。
他の媒体からの流入顧客を自社のファンに変えていく仕組みが構築できれば、さらに費用対効果が高まるはずです。
メルマガやご案内メールの配信
メルマガやご案内メールを利用した集客は、見込み顧客と既存顧客向けにイベント告知する際におすすめの方法です。
自社のLINEやメルマガに登録済みの顧客に絞った発信であるため、他の媒体では扱えないような細かい内容をPRすることができます。また、定期的にイベントの情報に触れてもらうことで、記憶に残りやすくなる効果が期待できます。
さらに、フォローアップやリマインダーを送信することで、参加率の向上が見込めるでしょう。
ポータルサイトへの掲載
イベント情報をポータルサイトへ掲載することでも、幅広いユーザーにリーチすることが可能です。
ポータルサイトとは、特定のテーマに対する情報を他サイトから収集し、ユーザーがアクセスしやすいように整理して提供するWebサイトのことです。多くのユーザーが訪れるポータルサイトへの情報掲載は、自社サイトやSNSからではリーチできない潜在顧客にアプローチできることが大きなメリットと言えます。
また、検索エンジンからのアクセス流入も増加するため、より多くの人にイベント情報を知ってもらうことができるでしょう。
プレスリリースでの告知
プレスリリースとは、メディアに対して企業のニュースやイベント情報を提供する告知スタイルです。
プレスリリースを活用することで、新聞、雑誌、オンラインニュースなどに一斉に情報発信することが可能となり、メディア媒体にニュースの題材として取り上げられる可能性が高まります。
また、プレスリリースを通じて記者やメディア関係者との関係を築くことができれば、今後の広報活動にも役立つパイプとなるでしょう。
ポスティング・テレアポ
チラシやはがきを利用したポスティングやテレアポは、地道ながらも効果的な集客手段です。
ポスティングではWeb広告とは異なり、特定の地域に向けてイベント情報を届けることができるため、実店舗による地域密着型のイベントなどでは定番の集客方法です。また、地域内でつながりのある企業同士では、テレアポを通じてイベントの告知を行う場面も多く出てくるでしょう。
ポスティングやテレアポはどちらも古典的な集客手法ですが、対面でのコミュニケーションが減少している時代においても、有効な手段として活用されています。
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イベントの集客を成功させるポイント
イベントの集客を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。具体的なノウハウについて、以下に詳しく紹介します。
イベント参加のハードルを下げる
イベントの集客を成功させるためには、参加のハードルを下げることが重要です。
例えば、参加費を無料にしたり、事前予約なしで参加できる制度にしておけば、通りすがりの人物が顧客に変わる可能性が生まれます。あるいは、オンライン参加のオプションを設けることで、遠方に住む方でも気軽に参加できるようになるでしょう。
イベントの魅力を高める
イベントの魅力を高めるためには、他にはない特色を設けることが重要です。
例えば、著名な登壇者を招いたり、思い出に残る特別な体験を提供するなど、そのイベントでしか手に入らない経験や情報があることを強くアピールしましょう。多くの人々の関心を引きつけることに成功すれば、自然とSNS等で拡散が起こり集客を底上げしてくれるはずです。
イベントの内容をわかりやすく伝える
イベントの成功には、内容を一目で理解できるようなPRが重要です。
例えば、イベントの内容を端的に示すキャッチコピーをつけることで、顧客がイベントの内容を瞬時に把握できるようになるでしょう。また、ターゲットによっては、専門用語を使用しない、分かりやすい単語を使用するなどの配慮が必要です。
ターゲットにあった集客方法を選ぶ
イベントの集客を成功させるためには、ターゲットにあった集客方法を選ぶことが重要です。
例えば、若年層にはSNS広告やYouTubeを活用したWeb系の集客方法が効果的です。一方で、高齢者層にははがきやテレアポなどの直接的なアプローチが、現在においても有効です。
ターゲットに応じた集客戦略を細かに立てることは、より多くの参加者を確保するために大切です。
オンラインイベントを同時開催する
イベントの集客率を高めるためには、オンラインイベントを同時開催することも効果的です。
遠方に住む人のためにオンライン参加の選択肢を提供できれば、より多くの参加者にリーチすることが可能となるでしょう。また、録画したイベント内容を後日配信することで、リアルタイムで参加できなかった人々にも情報を届けることができます。
オンラインとオフラインを組み合わせることは、より多くの参加者を集めるために極めて効果的です。
集客に成功したイベントを参考にする
集客に成功したイベントの手法を参考にすることは、効果的な戦略を立てるために有効です。
例えば、過去に成功したイベントではどの媒体で告知を行ったのか、どのようなプロモーションを行ったのかを詳しく調査し、それらの知見を自社イベントに応用できないか考えるとよいでしょう。同業他社を中心にリサーチすると、何かしらの収穫を見込めるはずです。
イベントの集客を成功させるアイデア・仕掛け
イベントの集客を成功させるためのアイデアや仕掛けについて、以下に詳しく紹介します。
季節イベントを開催する
イベントに季節性を取り入れることは代表的な手法です。
例えば、春にはお花見、夏にはビアガーデンや花火大会、秋にはハロウィンパーティーや七五三のお祝い、冬にはクリスマスマーケットや忘年会などが季節イベントの具体例として挙げられます。
その時期特有の魅力や雰囲気を活かすことで、多くの人々の関心を引くことができるでしょう。
顧客同士の交流会を開催する
顧客同士の交流会を開催することも、効果的な集客手段です。
具体例としては、ユーザーグループ間のミーティング、ファンイベント、顧客感謝パーティーなどが挙げられます。このような交流会を開催して、顧客同士が意見や情報を共有できる場を提供すれば、顧客は自社の製品やサービスに対する理解を深め、より強いロイヤリティを築くことができるでしょう。
さらに、交流会で得られたフィードバックから、サービスの改善や新しいアイデアを生み出すことも可能です。
展示会・体験会を開催する
展示会や体験会の開催には多くのメリットがあります。
自社の商品やサービスを顧客に体験してもらえば、顧客の購入意欲を高めることが期待できるうえ、サービスへの反応を直接確かめられる機会にもなります。
また、他企業と合同で大規模な展示会や体験会を開催すれば、より多くの顧客を会場に呼び込むことが可能となるでしょう。さらには、ライバル企業の動向やサービスレベルを調査し合う場としても機能するため、業界全体の活性化にもつながります。
無料イベントを開催する
無料イベントを開催することは、最も基本的な集客手段の一つです。例えば、新商品の無料配布イベントを実施すれば、多くの人々に自社の商品を知ってもらう機会を提供できます。
無料であることから参加者の満足度も自然と高くなり、SNSによる拡散やリピート率の向上を促しやすいことも特徴です。
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イベント集客の成功事例
イベント集客の成功事例について、その手法を以下に詳しく紹介します。
一般社団法人国際建築住宅産業協会
一般社団法人国際建築住宅産業協会(現:一般社団法人国際住宅建築都市産業協会)は、新型コロナウイルスの感染拡大の最中、中高層木造建築物をテーマにした国際イベントの開催に成功しました。
主な工夫として、防疫の観点から海外講演者はオンライン登壇とする、大会終了後には講演のオンデマンド配信を実施する、渡航制限等により来場できなかった参加者のアピール機会創出のため、大会のダイジェスト動画をWebサイトに公開する、といった取り組みがなされました。
結果として、日本を含む18か国から約800名もの参加を記録するなど、主催者からも参加者からも「満足度の高い国際交流を実現できた」との評価を受けるイベントとなりました。
[出典:株式会社JTB「突発的な環境変化にも、迅速かつ柔軟に対応!コロナ禍にワンストップ(運営~ツアー)対応で実現した、関係者全員の想いを繋ぐリアルな国際交流」]
AGC株式会社
商業空間のデザイン・ディスプレイを扱うAGC株式会社は、新製品の認知度向上と市場拡大を目的に、大規模な体験イベントを開催し、見込み顧客の数を当初予定の4倍に増やしました。
イベント開催のための専門チームを結成し「人のココロを動かす“空間価値”を提供する」というテーマを引き出すために「move the heart」というコンセプトを立案。また、従来は木工で作っていた展示ブースをガラス製にリニューアルしつつ、来場者が歩きやすいゾーニングやレイアウトを考案し、顧客体験のクオリティを整えました。
そして、展示商品である低反射率ガラスの美しさをアピールするために、商空間デザン・ショーケースの中に実際にマネキンを設置し、マネキンに着せる洋服に工夫を加えたところ、当初目標の約4倍の見込み顧客数を獲得することに成功しています。
[出典:株式会社JTB「展示会のブース出展をトータルサポート!準備から当日まで、スピーディーに対応!」]
富士通Japan株式会社 沖縄支社
AIやクラウドサービスを活用したDXビジネスを扱う富士通Japan株式会社沖縄支社は、地域密着型のビジネス拡大を目的にワーケーション企画を実施し、様々な地域課題解決や地域との事業共創につながる第一歩を踏み出しました。
同社は2つの自治体や地域企業と連携し、3種類のワークショップを実施したところ、社内他部署や地域とのつながりが生まれたのみならず、参加者が自分自身と向き合う時間が創出され、自己成長への意欲が高まる効果が得られました。
この事例では、具体的なアクションや成果を観察することはできなかったものの、イベントの目的を集団内に深く周知し、次の展開への足掛かりへとすることへ向けた着実な成果を挙げました。
[出典:株式会社JTB「地域との共創を目指して、県外社員のワーケーションを活用!まずは社内から「地域ファン」を増やす」]
目的・ターゲットを明確にしイベント集客を成功させよう
イベント集客を成功させるためには、目的とターゲットを明確化し、よく分析したうえで最適な集客方法を選択するのが重要です。
さらには、過去の成功事例を参考にして創意工夫を凝らせば、想像以上の効果が生まれることもあるでしょう。本記事を参考にイベント集客方法の理解を深め、効果的な集客を実現するために役立ててください。
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