生成AIのプロンプトとは?作成するステップやコツ・参考例文を紹介
生成AIの能力を最大限に引き出すには、適切なプロンプトの作成が重要です。より正確かつ魅力的なコンテンツを生成できるように、プロンプトの仕組みや作成ステップを把握しておきましょう。本記事では、優れたプロンプトの例文や作成するコツ、その重要性を詳しく解説します。
目次
生成AIにおけるプロンプトとは?その重要性
生成AIとは、ユーザーから与えられたプロンプト(指示文)から文章・音声・画像・動画などのコンテンツを生成できるAIのことです。
プロンプトの具体例としては「〇〇のような絵を書いて」や「以下の文章を要約して」などが挙げられます。ただし、生成AIからの回答の質は、プロンプトの質に大きく左右されます。なぜなら、生成AIは「指示されたことしかできない」という性質を持っているためです。
AIの処理能力の向上やディープラーニングなどの新技術によって、生成AIの回答精度は飛躍的に高まっているものの、プロンプトの作成スキルは今後も重要視されるでしょう。
プロンプトの内容は回答の精度に影響する
生成AIの回答精度は、プロンプトの内容や質によって大きく変わります。したがって、求める回答を得るためには、状況や目的に応じた最適なプロンプトを与えることが重要です。
プロンプトを設計・最適化するスキルは「プロンプト・エンジニアリング」とも呼ばれており、生成AIを使いこなすためには欠かせないスキルです。
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生成AIのプロンプトを作成する4ステップ
生成AIが理解しやすいプロンプトを作成するためには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。プロンプトを作成する4つのステップについて、以下に解説します。
生成目的を明確にする
まずは、生成AIからどのような回答・コンテンツを得たいのか、生成目的を明確にすることが大切です。
生成目的から逆算して、生成AIに求めている回答・こなしたいタスク・欲しいアドバイスなどを事前に洗い出してみましょう。目的を十分に具体化し、プロンプト作成に必要な設計図として整理することが重要です。
具体的な指示を作成する
生成目的が明確になったら、具体的なプロンプトの作成に移りましょう。
曖昧な表現を避けて主語や目的語を明確にし、数値なども利用しながら誤解のない指示に落とし込むことが大切です。
また、プロンプトは簡潔にまとめることが重要です。長文や複雑なプロンプトを与えると、回答の生成に長い時間がかかったり、一部の指示が実行されないなどのリスクが高まります。場合によっては、生成AIが指示の内容を理解できず、使い物にならない回答が生成されてしまうこともあるでしょう。
なお、プロンプトを考える際は、すでに実績のあるテンプレートやフォーマットを活用するのも有効です。質の高いテンプレートがあれば、必要な情報を埋めるだけで効果的なプロンプトを作成できるはずです。
構造化を行う
タスク完了までの具体的な手順を示したり、前提条件を提示することを、プロンプトの「構造化」と呼びます。構造化したプロンプトを用意すれば、生成AIが指示文を理解しやすくなり、回答の精度が向上します。
以下はその一例です。
【タイトル】美味しい卵焼きの作り方 |
見出しを設定する「#」や、箇条書きを設定する「*」などを活用したマークダウン記法を取り入れたり、入力の異なる部分を「【】」などで区切ったりすることで、より質の高い構造化を実現してくれます。
調整して精度を高める
最初のうちは求める回答が出なくとも、結果を見ながらさまざまなプロンプトを繰り返し試すことで、回答の精度を高めることができます。
はじめのうちはシンプルな指示に留め、徐々に情報や要素を加えていくことで、複雑な指示をプロンプトにまとめるコツを掴めるでしょう。
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生成AIに最適なプロンプトを作成するためのコツ
生成AIに最適なプロンプトを作成するためには、どのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。具体的なコツについて、以下に解説します。
最新版のAIを利用する
より精度の高い回答を得るには、最新版の生成AIを利用することが大切です。
最新版の生成AIは最新のデータを学習していたり、日本語での入出力に高いレベルで対応していたりするなど、より高い性能を備えています。
プロンプトの質だけではなく、利用する生成AIが最新のものかどうか確認することも重要です。
細かい部分まで指示する
プロンプトは細かい部分まで、具体的に記述することが大切です。
生成AIは、人間のように行間を読んだり、指示の背景や意図を推測することが苦手です。したがって、プロンプトには5W1Hや、必ず含めてほしい要素、回答の条件などを細かく定め、出力内容を明示するように心がけましょう。
抽象的な表現を避ける
プロンプトには、抽象的な表現を避けることも重要です。
抽象的で曖昧な表現を入れてしまうと、求めている回答が得られなかったり、無難な回答しか得られなかったりすることがあります。
プロンプトを作成する際は、どのような回答を出力してほしいのか、条件や文体などを具体的に指定するようにしましょう。また、自身の期待する回答例をプロンプトに含めるのも有効です。
繰り返し修正を行う
生成AIを使用する際は、1回で完璧な回答を得ようとするのではなく、プロンプトを繰り返し修正しながら精度を高めていきましょう。
プロンプトは情報が少なすぎても多すぎても、求めている回答は得られません。必要な情報を過不足なく入れることが大切です。最初はシンプルなプロンプトを作成し、回答を見ながら修正を重ねていく進め方がおすすめです。
専用ツールを活用する
プロンプトの作成を補助する、専用ツールを活用するのもおすすめです。
専用ツールには、選択形式でキーワードやテーマを選んだり、対話方式でプロンプトを作成したりするものがあります。また、無料で利用できるものもあるので活用してみましょう。
ただし、専用ツールはあくまで補助的なものとして捉えることが大切です。専用ツールで作成したプロンプトは生成AIに入力する前に必ず見直し、適宜修正を加えるようにしましょう。
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必要に応じて専門家に相談する
必要に応じて、専門家に相談することも一つの手です。なぜなら、高度で複雑なプロンプトを作成するためには、専門の知識やノウハウが必要となるためです。
自力では対応できないと感じる際は、専門家に相談してアドバイスをもらったり、プロンプトの作成を依頼したほうが、トータルコストが安く済む場合もあるでしょう。
生成AIにおすすめのプロンプト参考例文
最後に、生成AIにおすすめのプロンプト参考例文を紹介します。
メールの本文作成
生成AIでメールの本文作成を行う場合には、宛先・目的・背景を明確にしましょう。プロンプトの具体例は、以下の通りです。
【プロンプト例】
「取引先」に送る「謝罪メール」を作成してください。 ##前提条件:
##用件
##伝えたい内容:
##作成指針:
|
文章の要約・校正
生成AIに文章の要約・校正をしてもらう場合には、プロンプトに続けて要約・校正をして欲しい文章を記載しましょう。プロンプトの具体例は、以下の通りです。
【プロンプト例】
以下の文章を要約してください。 ##文章: 要約して欲しい文章 ##条件:
また「文章の校正をしてもらう場合のプロンプト」の具体例を以下に記載します。 【プロンプト例】 以下の文章の誤字・脱字を見つけ、修正点を全て書き出してください。 その上で、修正後の文章案も作成してください。 — ##文章: 校正して欲しい文章 |
キャッチコピーの作成
生成AIにキャッチコピーを作成してもらう場合には、案を複数個出してもらい、その中から良いものを選ぶようにしましょう。おすすめのプロンプトは、以下の通りです。
【プロンプト例】
Aという商品のキャッチコピーを10本作成してください。 ##条件:
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表の作成
生成AIは表の作成にも対応しています。プロンプトの具体例は、以下の通りです。
【プロンプト例】
以下の指示に従って、商品を比較する表を作成してください。 ##商品情報
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画像の作成
生成AIを用いて画像を作成する際には、必要な要素を具体的かつ簡潔にまとめるようにしましょう。プロンプトの具体例は、以下の通りです。
【プロンプト例】
以下の条件に基づいた画像を作成してください。 ##条件:
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生成AIの精度を高めるには良質なプロンプトの作成が重要
生成AIの回答精度は、プロンプトの内容や質によって大きく変わります。良質なプロンプトを作成するためには、生成目的を明確にしたうえで、具体的かつ簡潔な指示にまとめることが大切です。本記事で解説した作成手順や例文などを参考にして、よりよいプロンプトの作成に役立ててください。
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