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企業における適切なマイナンバー管理方法について|流れやシステム導入のメリット

2024/12/25 2025/01/10

マイナンバー管理システム

マイナンバーの管理方法

日本に住民票を持つすべての人に付与される「マイナンバー」。社会保障・税・災害対策に関する手続きに利用されますが、企業が取り扱うためには厳しい管理体制が必要です。本記事では、企業におけるマイナンバーの適切な管理について、流れや方法、システム導入のメリットを解説します。

マイナンバーとは?

マイナンバーとは、日本に住民票を持つすべての人に割り当てられている12桁の番号です。個人番号とも呼ばれ、行政の効率化を目的に発行されています。不正使用の恐れがある場合を除き、基本的に番号が変更になることはありません。

マイナンバーが記載された通知カードもしくは個人番号通知書を受け取った個人が申請することで、マイナンバーカード(個人番号カード)が交付されます。マイナンバーカードは顔写真付きで、身分証としても利用可能です。

マイナンバーの利用範囲

マイナンバーの利用範囲は、社会保障・税・災害対策に関する手続きと定められています。社会保障の分野では、毎年6月に児童手当の現況届を行う際に市町村にマイナンバーを提示しなければなりません。

税の分野では、証券会社や保険会社などが、顧客から提示を受けたマイナンバーを支払調書に記載し、税務署に提出します。

マイナンバーは、マイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)で定められているケース以外での利用・提供は認められていないため、注意が必要です。

企業におけるマイナンバー管理の必要性

企業は、従業員や取引先から収集したマイナンバーを厳重に管理しなければなりません。マイナンバー法では、企業がマイナンバーを収集・利用する目的は、源泉徴収票や支払調書の提出、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の手続きなどに使用するために限定されています。これらの目的以外での利用は認められていません。

収集したマイナンバーの情報を外部に流出させた場合、マイナンバー法に違反したと見なされ、4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれらの両方が科されます。故意による流出ではないケースでも、改善命令などの指導を受けるかもしれません。

さらに、情報を流出させた場合、企業はその事実を公表しなければならず、社会的信用を失うことは避けられないでしょう。取引自体が取りやめになったり、損害賠償を請求されたりする可能性もあります。

さらに、自分のマイナンバーが流出した従業員や取引先は、悪用されないように番号を変更し、カードの再発行をしなければなりません。再発行には費用が発生します。

こうしたリスクを回避するためにも、企業にはルールに則った管理が求められます。

企業における適切なマイナンバーの管理の流れ・方法

ここからは、企業がマイナンバーを管理する際の具体的な流れについて解説しましょう。データの流出を防ぎ、適切に管理するためにも、ぜひご一読ください。

従業員のマイナンバー情報を集める

最初に、企業は従業員からマイナンバー情報の収集を行います。入社が決定し、雇用契約を結んだタイミングがおすすめです。

正社員だけでなく、パートやアルバイト、従業員の扶養家族からも収集します。この際、マイナンバーの使用目的を明確に説明するようにしましょう。

マイナンバー法第16条では、マイナンバー収集時の本人確認措置が定められています。他人によるなりすましを防ぐため、必ず本人のマイナンバーであることを確認してください。

従業員が顔写真つきのマイナンバーカードを所持している場合は、マイナンバーカードのみで番号確認と本人確認が可能です。マイナンバーカードを所持していない従業員については、マイナンバーがわかる書類(通知カードあるいはマイナンバーの記載がある住民票)と本人確認書類(運転免許証やパスポート)を組み合わせて本人確認を行います。

従業員の扶養家族については、本人確認は必要ありません。

利用したマイナンバー情報を記録する

従業員から収集したマイナンバー情報は、社会保障と税に関する書類を作成する際に利用します。記載が必要な書類は、源泉徴収票・支払調書・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届・雇用保険被保険者資格取得届などです。

これらの書類にマイナンバーを利用したら、そのことを記録しておく必要があります。

また、マイナンバー情報は、同じグループの企業であっても別法人となっている場合は共有できません。従業員を出向させている企業は、特に注意してください。

派遣社員のマイナンバーについては、派遣元企業が収集・利用することとされています。派遣先の企業が取得することはできません。

マイナンバー情報をシステムで管理する

収集したマイナンバー情報は、流出しないように厳重に保管する必要があるため、システムを用いて管理するのがおすすめです。ただし、システムでの保管には利用料などの費用が発生します。書類での管理・保管も可能なため、自社に合った運用方法を選んでください。

システムを利用する場合は、データの暗号化だけでなく、ウイルス対策を施したシステムを選びましょう。また、システムにアクセスできる従業員は最小限にし、データ流出のリスク低減に努めてください。

退職した従業員のマイナンバー情報を破棄する

従業員が退職した際は、その従業員のマイナンバー情報を速やかに破棄しなければなりません。

書類で管理している場合は溶解処理し、データで保管している場合は復元できない方法で削除してください。削除や廃棄を行った記録も残す必要があります。削除や廃棄を外部事業者に委託する場合は、委託した外部事業者に証明書などを発行してもらいましょう。

マイナンバーを記載した書類に関しては、保管期間が法律で定められているものは、その期間確実に保管します。保管期限が過ぎたら溶解処理などの方法で破棄しましょう。

保管する必要がないマイナンバー情報をいつまでも保管しておくと、データ流出などの危険性が高まるため、迅速な処理が重要です。

企業における適切なマイナンバー管理のための措置

企業がマイナンバーを適切に管理するために取るべき措置についてお伝えします。自社のマイナンバー管理体制などを見直す際にお役立てください。

マイナンバー情報を取り扱うための基本的な方針を決める

マイナンバーを適切に管理するために、企業は基本的な指針を定めるとよいでしょう。方針の策定は任意ですが、組織としてマイナンバーを厳重に管理する姿勢を示すためにも重要です。基本的な指針には、以下の内容を盛り込んでください。

  • 事業者名
  • 関係法令・ガイドラインの遵守
  • 安全管理措置に関する事項(従業員の適切な監督など)
  • 質問および苦情処理の窓口(担当者・電話番号など)

マイナンバー情報の取り扱いに関するルールを決める

続いて、マイナンバー情報の取り扱いに関するルールを策定します。マイナンバー情報の取得・利用・保存・廃棄までの取り扱い方法を定め、担当者が適切に対応できるようにしてください。

この際、併せて情報漏洩の対策も立てておくとリスクを減らせます。さらに、マイナンバーの担当者と監督を行う責任者を任命しましょう。

企業がマイナンバーを適切に管理するには、組織的安全管理措置・人的安全管理措置・物理的安全管理措置・技術的安全管理措置についても留意してください。それぞれの内容について、具体的に解説します。

組織的安全管理措置

組織的安全管理措置とは、マイナンバー情報を安全に管理できるように組織体制を整備することです。

具体的には、マイナンバー情報を取り扱う責任者と事務作業を担う担当者を定め、役割や責任を明確化します。システムでマイナンバー情報を管理している場合は、利用状況を定期的に確認するため、ログイン実績やアクセスログなどを記録してください。取扱規程に違反する行為を発見した場合の連絡体制も整えておきましょう。

また、情報漏洩が発生した場合に備え、対応体制も整備しておく必要があります。事実関係の調査方法や、マイナンバー情報が漏洩した本人への連絡手段など、具体的に決めておきましょう。

マイナンバー情報の流出を防ぐには、他部署や外部組織に監視役を担ってもらうのも有効です。

人的安全管理措置

人的安全管理措置とは、マイナンバー情報を適切に取り扱うための人員体制を整備することで、故意や過失による流出を防ぐためには欠かせません。

責任者は、マイナンバー情報を取り扱う担当者に対して適切に監督・指導を行う必要があります。万が一マイナンバー情報が漏洩した場合、漏洩させてしまった本人だけでなく、企業自体も処罰される可能性があるため、しっかりと監督してください。

過失による情報流出を防止するためには、取り扱いを行う担当者に定期的に研修などを行うとよいでしょう。マイナンバーに関する秘密保持契約を就業規則に盛り込むことも検討してください。

物理的安全管理措置

物理的安全管理措置とは、マイナンバー情報を保管・管理するシステムからの情報漏洩を防ぐ措置のことです。マイナンバー情報を管理している機器については、セキュリティワイヤーなどで固定したり、施錠できるロッカーに保管したりして盗難を防ぎましょう。書類は施錠できる書庫などに保管し、鍵を厳重に管理してください。

機器や書類のあるエリアには入室制限をかけ、入退室の際は必ず記録を残すルールとしましょう。入室時に持ち込める機器も制限し、作業に必要な物品は外から中身が確認できる透明な袋に入れてもらうと、盗難防止につながります。

技術的安全管理措置

技術的安全管理措置とは、システムを利用してマイナンバー情報を管理する際のセキュリティーの管理を指します。ユーザーアカウントによってアクセス制限を行い、特定の従業員以外がマイナンバー情報にアクセスできないようにしましょう。さらに、二段階認証機能を導入すれば、不正なアクセスを防止できます。

また、外部からの不正アクセスを防ぐため、システムは定期的にアップデートし、ウイルス対策ソフトの導入やファイアウォールの構築によってセキュリティレベルを上げます。マイナンバー情報を送信する必要がある場合は、必ずデータを暗号化してください。

企業におけるマイナンバー管理の注意点

マイナンバー情報が外部に流出すれば、企業は大きな損害を被ります。企業がマイナンバー情報を管理する際の注意点について確認しておきましょう。

マイナンバー情報への不要なアクセスは控えるよう意識付けする

マイナンバー情報を漏洩させないための初めの一歩として、情報への不要なアクセスを控えるように従業員に意識付けしましょう。これは管理者の役割です。従業員が必要以上にアクセスを行っていないか、ログイン情報から定期的に確認してください。

業務上必須ではないにもかかわらず頻繁にログインを繰り返している従業員がいれば、注意をしましょう。

紙で管理する場合は施錠できる環境で保管する

マイナンバー情報を紙で管理する場合は、必ず施錠できるロッカーや書庫を利用して保管してください。マイナンバーが記載された書類を簡単に持ち出せない環境を構築することで、流出を防ぐことができるでしょう。鍵は管理者が保管し、貸し出す際は従業員名や日時を記録してください。

退職者のマイナンバー情報は迅速かつ完全に破棄する

流出リスクを低減するためにも、退職者のマイナンバー情報はできる限り迅速に破棄してください。完全に破棄するために、焼却や溶解処理、データ削除専用ソフトなどの使用がおすすめです。

いつまでも保管し続けていると、情報漏洩のリスクが高まります。取扱規程に退職者のマイナンバー情報の取り扱いについても記載し、担当者に破棄の手順や注意点を教育しましょう。

企業のマイナンバー管理にシステムを導入するメリット

マイナンバー情報を紙で保管・管理している企業もありますが、可能であればシステムの導入をおすすめします。ここでは、コストや手間の削減など、システムを導入するメリットについてご紹介しましょう。

マイナンバー情報を安全に管理できる

システムを利用すると、紙で扱うよりも安全に情報を管理できます。

従業員数が多い企業では、紙で管理すると多くの保管スペースが必要になります。施錠できる書庫などに入りきらなくなれば、物理的安全管理措置を講じるのが困難になるでしょう。

その点、システムであれば情報が増えても物理的なサイズは増えず、物理的安全管理措置が講じやすいといえます。また、ウイルス対策などを適切に行えば、技術的安全管理措置も講じることができるでしょう。

万が一情報漏洩が発生した場合でも、システムへのログイン履歴から流出させた人を見つけ出しやすく、被害を最小限に留められる可能性があります。

マイナンバー情報管理にかかる負担を減らせる

システムの導入は、担当者の負担軽減にもつながります。

例えば、システムを通じてマイナンバーの利用目的の周知や提出依頼を行うことが可能です。さらに、必要な書類をシステムにアップロードしてもらえば、情報入力の手間も削減できるでしょう。

特に複数の支店や営業所を抱える企業においては、書類を郵送する手間やコストを減らせるメリットがあります。

未提出者に対してリマインドメールを送付する機能が搭載されているシステムもあるため、担当者が一人ひとりに直接催促する必要もありません。

法改正に柔軟に対応できる

マイナンバーに関しては、今後、取扱方法や利用方法について変更が生じるかもしれません。システムで管理・保管していれば、システムをアップデートすることで、法改正に迅速かつ柔軟に対応できます。

将来を見据えると、システム導入には大きなメリットがあるといえるでしょう。

マイナンバー管理システムおすすめ13選比較|費用やオンプレミス・クラウド製品を紹介

マイナンバー管理の流れや方法・注意点を理解しよう

マイナンバー情報が漏洩しないように、企業は適切に管理しなければなりません。そのためにも管理方法や注意点を理解する必要があります。漏洩を防止し、効率的に管理を行うためにも、マイナンバー情報を管理するシステムの導入を検討してください。

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ビズクロ編集部
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