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データベースサーバーとは?構築手順や基本性能・ファイルサーバーとの違いを解説

2024/09/27 2024/10/02

データベースソフト

データベースサーバーとは

現在主流になっている3層構造のWebシステムにおいて、最下層に位置する「データベースサーバー」。ここでは、DBMS(データベース管理システム)を使い、効率的にデータの保存・検索・更新・削除などの管理を行います。本記事では、データベースサーバーとは何か、構築手順や基本性能をファイルサーバーとの違いなどとあわせて解説します。

データベースサーバーとは?

データベースサーバーとは、Webシステムの中で最も基盤となる部分です。3層構造が主流となった近年のWebシステムの最下層に位置し、データの保管や管理を行うデータベース管理システム(DBMS)が稼動しています。

このサーバーがなければ、情報の保存や取り出しができません。また、データベースサーバーは、アプリケーションサーバーやWebサーバーと連携し、システム全体の効率と安定性を支えています。

次に、各階層がどのように連携しているのかを詳しく見ていきましょう。

ウェブサーバー

ウェブサーバーは、私たちが普段インターネットを利用する際に直接触れる部分です。このサーバーは、ウェブサイトのページを表示させる役割を持っています。

例えば、ニュースサイトを開くとき、その内容がスムーズに表示されるのはウェブサーバーのおかげです。

また、このサーバーは次に解説するアプリケーションサーバーを介して、データベースサーバーとも連携しています。ユーザーの操作に応じて必要なデータや動作を提供する、いわば店頭窓口のような役割です。

アプリケーションサーバー

アプリケーションサーバーは、ウェブサーバーからのリクエストを受けて動的なコンテンツを生成する場所です。

具体的には、ウェブページをただ表示するだけでなく、ユーザーの操作に基づいてリアルタイムで情報を更新したり、パーソナライズされた内容を提供したりします。このサーバーはデータベースサーバーと密接に連携することで、必要なデータを取得して処理しているのです。

例えば、オンラインショッピングをする際に商品検索を行うと、アプリケーションサーバーがそのリクエストを受けて適切な商品データをデータベースから引き出し、ユーザーに表示します。このように、アプリケーションサーバーはサイトの機能性と対話性を高める重要な役割を果たしているのです。

データベースサーバー

データベースサーバーは、アプリケーションサーバーからのリクエストに応じて、データベース内の情報を選択し、必要に応じて加工する役割を果たします。このサーバーがなければ、私たちが日常的に使用する多くのアプリケーションは、必要なデータを瞬時に提供することができません。

例えば銀行のアプリで残高を確認する際は、データベースサーバーがそのリクエストを受けて関連するデータを検索し、ユーザーに提供します。

このプロセスがいかに迅速に、また正確に処理されるかでシステム全体のパフォーマンスが決定されるため、データベースサーバーの性能は非常に重要です。

データベース管理システム(DBMS)とは?機能や種類、エクセルとの違いをわかりやすく解説

データベースサーバーとファイルサーバーの違いとは?

データベースサーバーとファイルサーバーは、その役割と管理するデータの種類に大きな違いがあります。

ファイルサーバーは、テキストや画像などの非構造化データを保存し、ネットワークを通じて多くのユーザーとそのデータを共有することが可能です。一方、データベースサーバーは、顧客情報や取引記録といった構造化されたデータを効率的に管理するために設計されています。

このサーバーの主な役割はデータベース管理システム(DBMS)を利用して、データの保存・検索・更新・削除などを行うことです。これにより、企業や組織は大量のデータを迅速かつ正確に処理することができ、効率的なデータ管理が実現されます。

データベースソフトおすすめ13選比較|選び方やメリット・無料製品も紹介

データベースサーバーの基本性能

データベースサーバーの基本性能として、CRUDという操作があります。これはデータを「作成、読み取り、更新、削除」する基本的な機能を指します。ここでは、これらの基本動作について詳しく解説していきます。

データの作成(Create)

データベースでの「データの作成(Create)」は、新しい情報をシステムに加える基本的な操作です。このプロセスは、ブログの新記事を作成する際や、新規顧客の情報、社員情報の登録に利用されます。

例えば、企業に新しい社員が加わった際は、その人の個人情報や職務データをデータベースに入力し保存します。

データベースサーバーでは、これらのデータを表のように整理して管理するため、複雑なデータを参照しやすい形で保存することが可能です。

データの読み出し(Read)

データベースの「データの読み出し(Read)」は、保存された情報を取り出す操作です。この機能は、例えばブログの記事一覧を表示したり、オンラインストアで商品を検索したり、顧客データベースから特定の顧客情報を閲覧したりする際に使用されます。

前述のようにデータベースは表のように整理されており、検索クエリを通じて迅速にデータを提供できます。

データの更新(Update)

データベースでの「データの更新(Update)」は、常に最新の状態で情報を保存するための重要な操作です。

これはブログ記事の内容を修正したり、顧客や社員の情報に変更があった場合にそれをデータベースに反映させる際に利用されます。例えば顧客の連絡先や取引情報が変わったとき、その新しい情報を迅速に更新することができなくては、その後のコミュニケーションに重大な齟齬をきたすかもしれません。

同様に、社員が部署を移動するなどの職務変更があった場合も、これを正確に更新することが求められます。データの更新を通じて、企業は常に最新の情報を基に運営を行うことが可能となり、効率的な管理を実現できるのです。

データの削除(Delete)

データベースの「データの削除(Delete)」は、必要のない情報を整理し、データベースを最適な状態に保つための操作です。この操作は、例えばブログから古い記事を削除したり、顧客が退会した際の情報をクリアしたり、退職した社員の情報をデータベースから除去する場面で使用されます。

データの削除を適切に行うことで、データベースを整理し、不要な情報が溜まることを防ぎます。また、セキュリティの面から見ても、古くなった情報を適切に管理することは、情報漏洩のリスクを減少させるうえで重要です。

データの削除により、データベースのパフォーマンスを向上させると同時に、情報の安全を保つことができます。

データベースサーバーの導入・運用の手順

ここでは、データベースサーバーを新たに導入・運用するための手順を解説していきます。

目的に適したサーバーを選ぶ

データベースサーバーを導入する際には、目的に合ったタイプを選ぶことが非常に重要です。一般的に、サーバーはクラウド型とオンプレミス型の2種類があります。

クラウド型はインターネットを通じてサービス提供者の設備を利用する形式で、初期投資が少なく、柔軟に拡張が可能です。一方、オンプレミス型は自社で物理的なサーバーを所有し管理する形式で、カスタマイズの自由度が高く、データのコントロールがしやすいという利点があります。

他にも細かな違いがあり、予算や社内SEの有無によって適切な選択をしなくてはいけません。以下の表を参照して、自社に合ったサーバーを選びましょう。

クラウド型オンプレミス型
サーバークラウドサービスを介し、オンライン上に設置サーバー機器やネットワークを社内に設置
接続社内ネットワーク内でのみ可能インターネットを経由してどこからでも可能
初期費用ほぼかからない設置に高額の費用がかかる
運用コストクラウドサーバーの月額使用料などがかかるが、メンテナンスやアップデートはサービスに含まれる社内で保守管理や定期的なアップデートをする必要がある
カスタマイズ自由度が低くカスタマイズに制限がある柔軟にカスタマイズでき、既存システムとの併用も可能
セキュリティ公共インターネットを使用するため注意が必要適切に管理すればリスクは少ない

データベースサーバーを構築する

運用目的や管理体制に合わせてサーバーの種類を選んだら、データベースサーバーを実際に構築します。構築にはいくつかの手順があり、時間や人員が必要になるため、運用開始まで余裕を持って準備を進めるようにしましょう。

データベースサーバーの構築手順は以下の通りです。

  1. ソフトウェアの選定:データベース管理システム(DBMS)とオペレーティングシステム(OS)を選定します。
  2. インストールと設定:1で選択したソフトウェアに加え、必要に応じてセキュリティ対策ソフトをインストールします。
  3. データ移行:既存のシステムからデータベースサーバーへデータを移行します。
  4. テストと修正:動作確認を行い、必要に応じて修正を行います。
  5. 本稼働:修正が完了したら、本番環境で稼働します。

データベースサーバーを運用する

データベースサーバーを効果的に運用するためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

まず、定期的なバックアップの実施が不可欠です。これにより、データの損失や障害時に迅速に復旧することが可能になります。

次に、セキュリティ対策を強化し、外部からの不正アクセスやデータの漏洩を防ぐことが重要です。また、サーバーのパフォーマンス監視を行い、システムの遅延や停止を未然に防ぐための対策を講じることも必要です。

さらに、データベースの定期的なアップデートとメンテナンスを行うことで、常に最新の機能を利用し、システムの安定性を保つことができます。

これらのポイントをしっかりと管理することで、データベースサーバーの運用はよりスムーズかつ効率的になります。クラウド型の場合は上記の多くがサービスに含まれていますが、オンプレミス型を選択した場合はしっかり社内での管理体制を整えるようにしましょう。

データベースの種類一覧!主要なサービスやDBMSとの違いを紹介

データベースサーバーの役割を理解しよう

データベースサーバーは、データを安全に保存し、必要な情報を迅速に提供するための中核的な役割を果たします。重要なデータを適切に管理・運用するために、自社の体制に合ったデータベースサーバーを選択しましょう。

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