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請求書処理の流れとは?課題や自動化するためのポイントを解説

2024/07/30 2024/07/30

請求書受領サービス

請求書処置の流れ

請求書の受領から支払いまで多くの作業が発生する「請求書処理」。承認フローが複雑で作業が煩雑になりやすく人的ミスも起こりやすいため、対策が必要です。本記事では、請求書処理の流れについてと、請求書処理の課題や自動化する方法についてポイントを解説します。

請求書処理とは?

請求書処理とは、取引先から発行された請求書の内容を確認し、仕訳や支払い業務を行うことです。

具体的には、請求書の金額や項目を確認した後、経理システムに入力し、適切な会計科目に仕訳します。最終的に、支払期限を守って取引先に対する支払いを行うまでが処理の流れです。

企業においては、この一連の作業を効率的かつ正確に行うことが求められます。

請求書処理の主な流れ

ここからは、請求書処理の主な流れについて詳しく説明します。スムーズに処理を行うためのポイントを1つずつ見ていきましょう。

請求書を受領する

請求書処理の第一ステップは、担当者が請求書を受領することです。

通常、取引先からの郵送やメールで請求書が届きます。担当者は、受け取った請求書が正しいかどうかを確認し、内容が契約や注文内容と一致しているかを厳重にチェックすることが必要です。この確認作業は、後の仕訳や支払いをスムーズに進めるために重要な役割を果たします。

請求内容を確認する

請求内容を確認する際には、抜け漏れがないよう注意しましょう。具体的な確認項目は以下のとおりです。

  • 宛名
  • 発行事業者名
  • 請求書発行日
  • 取引年月日
  • 取引内容・金額
  • 消費税
  • 支払期限
  • 振込口座・振込手数料
  • 添付資料

最近ではインボイス制度の影響もあり、請求書の正確性が一層重要になっています。

支払依頼書を作成する

請求書の確認が済み、内容に抜け漏れや問題がなければ、支払依頼書を作成します。支払依頼書は、支払いの承認を各部門の上長へ正式に依頼するための重要な書類です。

この書類には、請求書の内容や支払額、支払期日などの詳細を記載し、納品書や検収書の控えを添えて申請します。

取引き内容を記帳する

経理部門の担当者は、会計システムなどを活用して取引内容を正確に記帳します。帳簿に入力する具体的な項目は、請求書に記載された取引先名、金額、支払期日、銀行名や口座番号などです。

記帳を行うことで、企業の財務状況が正確に把握できるようになるとともに、後の決算や監査の際にもスムーズに対応できるようになります。

支払いの承認を受ける

各部門の上長から支払いの承認が得られたら、財務部門が実際の支払いを実行します。

不正防止のためには、原則として起票や取引内容の記帳を行った担当者とは別の人が行い、支払いの詳細を定期的に監査する方法が有効です。

支払い完了分の消込作業をする

支払いが完了したあと、経理部門は買掛金や未払金の残高と照らし合わせて、支払い完了分の消込作業を行います。消込作業とは、支払いが確実に反映されているかを確認し、帳簿上の残高を調整することです。

支払消込の際には、金額や支払先の一致を細かくチェックすることが重要です。ミスが発生すると、後の財務報告に影響を及ぼす可能性があるため、慎重に行う必要があります。また、ミスを防ぐためにも支払い完了後できるだけ早めに行いましょう。

請求書の原本を保存する

支払いが完了した請求書の原本は、適切にファイリングして保存する必要があります。

法人の場合、請求書の保存期間は法人税法により7年間と定められていますが、赤字が出た事業年度の請求書は10年間の保存が必要です。したがって、すべての請求書を10年間保存しておくと安心でしょう。

[参照:国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」]

請求書の保存方法

請求書の保存方法には、紙による保存方法と電子データによる保存方法の2つがあります。

紙による保存では、紙の請求書をファイルにまとめて保管します。紛失や盗難を防げる安全なキャビネットなどに整理し、必要に応じて簡単に取り出せるようにしておかなければなりません。

電子データによる保存では、スキャナーで請求書をデジタル化し、クラウドや社内サーバーに保存します。スペースを節約し、迅速にアクセスできる点がメリットです。

自社に合った保存方法で適切に管理しましょう。

請求書処理の課題

請求書処理の課題について、以下の項目で詳しく解説します。

請求書の受領方法が統一されていない

請求書の受領方法が統一されていなければ、紙、FAX、電子データ、Web請求書など、さまざまなフォーマットで提出されるため、取りまとめに手間がかかります。

多様なフォーマットの各請求書を確認する際に適切な形式に変換する必要があり、効率が低下します。また、情報の漏れやミスが発生しやすくなるため、管理が複雑になることも課題です。

請求書の保存に手間がかかる

電子データで発行・受領した請求書は、そのまま電子データとして保存する必要があるため、改ざん防止措置を講じたり、検索環境を整えたりする対応が欠かせません。

さらに、取引先ごとに請求方法が異なるため、紙と電子データの両方を保存しなければならず、煩雑な管理に手間がかかります。

請求書の承認プロセスに時間がかかる

請求書の承認プロセスには、受領、金額確認、承認、支払いといった複数のステップがあり、時間がかかります。

特に日本では押印文化が根強く残っており、多くの場合、承認を得るために複数の担当者の押印が必要です。このため、承認プロセスが遅延しやすくなります。

請求書処理に人的ミスが発生する

請求書処理では、計算間違いや記入の抜け漏れ、未払いなどの人的ミスが発生することがあります。このようなミスは、特に手作業が多い場合に顕著に発生します。

未払いが発生すると、取引先との信頼関係に悪影響を及ぼし、場合によってはペナルティが発生するリスクもあります。

属人化しやすい

経理業務は専門知識が必要なため、特定の担当者に任せきりになり、属人化しやすいという課題があります。

属人化すると、その担当者が不在時や退職時に業務が滞るリスクが避けられません。また、ノウハウが共有されにくく、他の社員がフォローしづらい状況が生まれます。

内部不正が発生する可能性がある

請求書処理には、請求書の架空発行や金額の水増しなどの内部不正が発生する可能性があります。これらの不正行為が起きると、企業の財務状況に悪影響を及ぼし、信頼性が損なわれるでしょう。

また、内部不正が明るみに出ることで、企業の評判が低下し、取引先や顧客からの信用を失うリスクもあります。

請求書処理の課題解決には「自動化」がおすすめ

請求書処理の課題を解決するには、請求書管理システムを導入した自動化がおすすめです。ここからは、自動化のメリットについて詳しく解説します。

請求書処理業務を効率化できる

請求書処理業務を自動化することで、承認フローが大幅に改善されます。請求書の受領から承認、支払いまでの各ステップがオンライン上で進められるため、紙の手渡しや押印といった手間が省け、処理速度が向上するのです。

また、経理担当者は煩雑な作業から解放され負担が軽減することで、より重要な業務に集中できるようになるでしょう。

請求書処理の人的ミスを防げる

請求書管理システムを導入することで、リマインド機能などにより、出金漏れや出金ミスなどの人的ミスを防げます。自動で支払期限が通知されるので、重要な期限を見逃すことがありません。

また、入力ミスを防ぐためのチェック機能も備えており、請求書処理において最も重要である正確な処理が可能です。

働き方の多様化を推進できる

請求書管理システムを導入することで、オフィスにいなくてもWeb上で請求書の閲覧や編集、承認が可能になります。そのため、リモートワークなどの働き方の多様化を推進できるでしょう。

従業員のワークライフバランスの向上や生産性の向上にもつながり、請求書処理の自動化は企業の働き方改革に大きなメリットをもたらします。

請求書処理を自動化する方法

請求書処理を自動化する方法を3つご紹介します。自社に適した方法を見つける際の参考にしてみてください。

請求書管理システムを導入する

請求書管理システムを導入することで、請求額の計算、請求書の発行、送付、入金消込などの業務を自動化できます。このシステムは、手作業で行っていた煩雑なプロセスを一元管理し、効率的に処理することが可能です。

システムの機能の活用により、経理担当者の負担が軽減されミスも減少します。さらに、迅速な処理が実現し、取引先との信頼関係も強化されるでしょう。

システム導入による自動化は、企業全体の生産性向上に加え、人件費を含むコスト削減にも大きく貢献します。

請求書処理代行会社に依頼する

請求書処理代行会社は、企業の請求書処理業務を専門的に代行するサービスを提供しています。請求書の発行から送付、入金確認、督促まで請求に関わるさまざまな業務に一括して対応し、ミスの防止や迅速な処理が可能です。

代行会社に依頼すれば、経理部門の負担を大幅に軽減できるだけでなく、企業全体の内部リソースの最適化や、正確性の担保から信頼性の向上が実現するでしょう。

エクセル・スプレッドシートのマクロを活用する

エクセルやスプレッドシートのマクロは、定型業務を自動化するためのツールです。データ入力や集計、計算などの作業をボタン一つで行えるため、請求書処理のような繰り返しの多い業務において、その効力を発揮します。

マクロの活用は、手作業でのミスを減らしたい、処理時間を短縮したい場合などにおすすめです。コストをかけずに簡単なスクリプトで大幅な効率化が図れるため、導入を検討する価値があるでしょう。

請求書処理の流れを理解し課題解決のため自動化を検討しよう

請求書処理はフローが複雑であり、かつ、正確性が求められる業務です。請求書処理を自動化することで業務効率が向上し、経理担当者の負担も軽減されます。請求書処理の流れをしっかり理解したうえで、請求書処理の課題を解決するために自動化を検討しましょう。

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