無料で使えるIT資産管理ツールを比較|有料との違いや選ぶ際のポイントを紹介
企業のセキュリティ対策として重要なIT資産管理。効率よく安全にIT資産を管理するには、IT資産管理ツールがおすすめです。本記事では、無料のIT資産管理ツールを厳選し、有料との違いや選ぶポイントを紹介しています。
目次
IT資産管理ツールとは?
IT資産管理とは、企業が所有するハードウェアやソフトウェアなどITに関する資産を管理することです。IT資産管理ツールは、企業が所有するパソコンやタブレット、USBメモリなどのIT機器を一元的に管理するためのツールを指します。IT資産管理ツールを利用すれば、各デバイスの利用状況や保有状況を簡単に把握できるため、無駄なコストや情報漏洩のリスクを抑えながら、IT資産を効率的に運用することが可能です。
デジタル化が進む現代において、IT資産管理は企業のセキュリティや運営効率を左右する重要な役割を果たすといえるでしょう。
管理対象となるIT資産の種類
IT資産管理の対象には、ハードウェア・ソフトウェア・ライセンスの3つがあります。各資産は、さらに以下の種類に分類されます。
- ハードウェア:パソコン・スマホ・タブレットなどのデバイス、ネットワークやネットワーク接続するための機器、USBメモリ・外付けHDD/SSD・プリンタやスキャナなど
- ソフトウェア:業務で利用するデバイスにインストールされているOSやソフトウェア
- ライセンス:ソフトウェアのライセンス
これらに加え、企業で開発した独自の基幹システムや専用の業務システムもIT資産に含まれます。
IT資産管理ツールが必要とされる理由
IT資産管理ツールが求められる背景には、シャドーITの増加やマルウェアの脅威、情報漏洩防止といったリスクの増大があります。
シャドーITとは、社員が会社の認可を得ずに利用するIT機器やアプリのことです。シャドーITが増えると、管理が難しくなり、セキュリティのリスクが高まります。そのため、マルウェア感染や不正アクセスを防ぐには、IT資産の使用状況をしっかり把握し、管理することが欠かせません。こうしたリスクを軽減し、安心・安全な運用を支えるのがIT資産管理ツールの役割なのです。
▷IT資産管理とは?必要性や管理対象・ツールを活用するメリットや選び方を解説
無料のIT資産管理ツールを導入するメリット
無料のIT資産管理ツールを導入することで、コストを抑えながらIT資産を効率的に管理できます。初期費用を抑えつつ、運用管理を強化する手助けとなるでしょう。ここでは、無料のIT資産管理ツールを導入する4つのメリットを紹介します。
組織内コストの最適化
IT資産管理ツールを活用することで、自社が保有しているIT資産を正確に把握できるため、機器やライセンスの必要度が明確になります。無駄な機器の購入や、使われていないソフトウェアのライセンスにかかるコストを削減できるため、経費の最適化につながるでしょう。
また、IT資産の稼働状況や寿命を把握することで、必要なタイミングでの更新やメンテナンスを計画的に行えます。
コンプライアンス違反の防止
IT資産管理ツールには、ライセンスの更新期限や保証期限が近づくと自動でアラートが表示される機能が備わっています。そのため、期限切れによるライセンスの不正使用や保証の切れた機器の使用といったコンプライアンス違反のリスクを未然に防ぐことが可能です。
アラート機能を用いて必要な更新手続きやメンテナンスをタイムリーに行うことにより、企業としての信頼性を守りつつ、安心してIT資産を運用する環境を整えられるでしょう。
セキュリティリスクの軽減
IT資産管理ツールを導入することで、PC端末の脆弱性を狙った外部からの攻撃や、内部の人物による情報漏洩のリスクを軽減できます。
例えば、定期的にセキュリティ更新が適用されているかを確認し、不正アクセスの隙を減らすことが可能です。また、管理者が各端末の使用状況を把握できるため、組織内での不正なデータアクセスや情報の持ち出し、予期せぬセキュリティインシデントを未然に防ぎ、安心できるIT環境を保てます。
導入・運用が容易
無料のIT資産管理ツールは、コストを気にせず導入できるため、手軽に始められる点が大きな魅力です。また、自社の業務やニーズに合わせて機能の拡張ができるため、運用しながら必要に応じて柔軟にカスタマイズできる点も大きなメリットです。運用に慣れながら徐々に機能を増やせるため、長期的な資産管理においても安心して活用できるでしょう。
無料で使えるIT資産管理ツールを比較
無料で使えるIT資産管理ツールにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは、無料で使えるおすすめのIT資産管理ツールを紹介します。
Snipe-IT
Snipe-ITは、Webインタフェース上で資産を管理するためのオープンソースソフトウェアで、IT資産以外の管理にも応用することができるサービスです。登録情報の自由度が高く、独自で開発した「Snipe-PCView」を連携させることで、WindowsPCの構成情報を取得することもできます。
通常版と同じ機能を体験できる30日間のお試し機能も付いているので、気になる方はデモ版で使用感を確かめてみてはいかがでしょうか。
提供元 | 株式会社 デージーネット |
初期費用 | 要問合せ |
料金プラン | 要問合せ |
サービス内容 | 登録情報の自由度の高さ、消耗品やライセンスの管理、LDAP連携・日本語対応、画像による登録、QRコードの発行・監査機能など |
URL | 公式サイト |
Zoho creator
Zoho Creatorは、独自で開発したカスタムIT資産トラッカーアプリでIT資産を管理できるサービスを提供しています。IT資産の所在を常に把握できるだけでなく、ハードウェアとソフトウェアを一度に追跡することも可能です。
また、スマホに最適化できるネイティブアプリが付いているため、いつでもどこでも、状況を確認できることも大きな強みです。こちらにも15日間の無料トライアルが用意されているので、気になる方は試してみるとよいでしょう。
提供元 | Zoho Corporation |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
|
サービス内容 | IT資産トラッカーアプリ、カスタマイズ、モバイルへの移行、Google Workspace、Zapier、Salesforceなどとの統合など |
URL | 公式サイト |
無料のIT資産管理ツールを選ぶ際のポイント
無料のIT資産管理ツールを選ぶ際には、自社のニーズに合った機能や操作のしやすさを考慮することが重要です。ここでは、選定時のポイントをご紹介します。
OSやデバイスが適合するツールを選ぶ
IT資産管理ツールを選ぶ際は、まず自社で使用しているOSやデバイスに対応しているか確認することが重要です。例えば、WindowsやMacなど複数のOSが混在している場合、それぞれの端末でスムーズに使えるツールであることが望ましいでしょう。
また、パソコンだけでなく、タブレットやスマホといったデバイスも管理する必要がある場合は、それらにも対応するツールを選ぶと利便性が向上します。対応範囲を確認しておくことで、管理の手間を大幅に減らせるでしょう。
導入目的に適した機能が搭載されたツールを選ぶ
自社が解決したい課題に適した機能が備わっているか確認することも大切です。例えば、ライセンス管理に課題があるなら、ライセンス更新や使用状況の追跡が簡単にできる機能が役立ちます。また、複数の端末やデバイスを一元管理したい場合は、全デバイスのステータスを容易に把握できるダッシュボードが便利です。目的に合った機能を備えたツールを選ぶことで、日々の業務が効率化されるでしょう。
セキュリティ・サポートが充実したツールを選ぶ
自社のセキュリティポリシーに適合しているか、また、トラブルが発生した際に迅速なサポートを受けられるかも確認しましょう。
例えば、アクセス制限やデータ暗号化といったセキュリティ機能が充実しているツールを使えば、機密情報を守るうえでも安心です。また、万が一の不具合や疑問に対応してくれるサポート体制が整っていることも確認しておくとさらに安心です。こうした条件を満たしたツールを利用すれば、安全かつ安定したIT資産管理が実現するでしょう。
無料のIT資産管理ツールを導入する場合の注意点
無料のIT資産管理ツールを導入する際には、機能制限やサポート体制などに注意が必要です。ここでは、導入時に気をつけるべきポイントを解説します。
ツールを使いこなすITスキルが求められる
無料のIT資産管理ツールを効果的に活用するためには、基本的なITスキルが求められます。
例えば、ツールの設定変更やデータの入力・管理といった操作を正確に行う必要があり、場合によってはトラブルシューティングの対応を求められることもあります。そのため、導入時には、ツールに慣れるためのトレーニングやサポート体制についても考慮すると良いでしょう。
無料ツールだと機能機能が制限される場合がある
無料版のIT資産管理ツールはコストがかからない反面、機能に制限が設けられている場合が多く、利用できるユーザー数に制限がある、詳細なレポート機能が使えない、サポートが限られている、などが一般的です。そのため、有料版にどのような追加機能があるかを事前に確認しておくことが大切です。
無料版で試用してみて、必要であれば有料版への移行を検討することで、スムーズに導入が進むでしょう。
有料のIT資産管理ツールを検討すべき企業の特徴
有料のIT資産管理ツールは、より高度な管理が必要な企業にとって有効な選択肢です。ここでは、有料版の導入を検討すべき企業の特徴について解説します。
保有するIT資産の種類が多い企業
IT資産の種類が多い企業の場合、無料版のツールでは一元管理や整理に限界があります。有料版のIT資産管理ツールなら、管理範囲が広く機能も柔軟であるため、担当者の負担が軽減され、効率的な管理が実現します。
資産管理が複雑化している場合には、有料版の利用をおすすめします。
より正確にIT資産を管理したい企業
IT資産の移動先や廃棄状況まで正確に把握したい企業には、有料版のIT資産管理ツールが向いています。
セキュリティ強化の観点からも、どの資産がどこにあり、どのように使用され、適切に廃棄されているかを管理することは重要です。無料版ではこうした細かい管理が難しい場合が多く、対応範囲が限られることがあります。資産のライフサイクル全体をきちんと追跡して万全の管理体制を整えたい場合は、有料版がおすすめです。
IT資産のパフォーマンスを分析したい企業
IT資産のコストや効果を分析し、より効率的な運用や最適化を目指す企業には、有料版のIT資産管理ツールが適しています。
有料版では、資産の使用状況や稼働率を詳細に把握し、パフォーマンスデータをもとに資産の効率性を評価する機能が充実しています。これにより、どの資産がコストに見合った価値を提供しているか、改善が必要な領域はどこか、といった情報を得ることが可能です。戦略的な資産管理を行いたい企業にとって、有料版は強力なサポートツールとなるでしょう。
無料で使えるIT資産管理ツールの導入には比較検討が重要
無料で使えるIT資産管理ツールは、導入コストを抑えつつIT資産の管理を効率化できるため、多くの企業にとって魅力的な選択肢です。しかし、機能制限やサポート体制の違いがあるため、導入前は自社のニーズに最適なツールを見極めるための比較検討が欠かせません。
ツールの特徴や対応範囲を確認し、実際の業務に適しているかを見極めることで、IT資産管理の効果を最大化できます。本記事を参考に自社に合ったツールを選び、IT資産運用の質を向上させましょう。
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