アクセス解析におけるセッションとは?リセットされるケースやPV・UUとの違い
アクセス解析において「セッション」とは、Webサイトを訪れてから離れるまでの行動をまとめた単位を指します。このデータを分析することで、サイトのパフォーマンスやユーザー動向の把握に有効です。当記事では、セッションとは何か、リセットされるケースやブラウザ解析との関係と併せて解説します。
目次
アクセス解析におけるセッションとは?
セッションとは、ユーザーがWebサイトに訪れてから離脱するまでの一連の行動の単位です。例えばページを閲覧したり、リンクをクリックしたりする操作をまとめて、そのWebページでの1つのセッションと数えます。
セッションは、ユーザーの活動をアクセスごとの動作で捉えるため、サイトの利用状況を把握するのに役立つのです。
これに対して、UU(ユニークユーザー)やPV(ページビュー)、IMP(インプレッション)などの用語は異なる視点からのデータ測定を表します。それぞれの違いについては、次の項で詳しく解説します。
ユニークユーザー(UU)
ユニークユーザー(UU)とは、特定の集計期間中にWebサイトを訪れた固有のユーザーを示す数値です。複数回サイトを訪れた場合でも、同じユーザーであれば1UUとしてカウントされます。
例えば同じユーザーが同じ日に2度サイトを訪れると、セッションは2とカウントされますがUUは1とカウントされます。これにより、サイトにどれだけの人数が訪れたのか、また再訪問したのかを把握できるのです。
ページビュー(PV)
ページビュー(PV)とは、Webサイトの特定のページがブラウザで表示された回数を表す数値です。ユーザーが同じページを何度も閲覧した場合や、同じサイト内の複数のページを開いた場合でも、ページが表示されるたびに1PVとしてカウントされます。
この数値は、サイト内の各ページがどれだけ見られているかを把握するために使われ、ユニークユーザー(UU)やセッションとは異なる視点でアクセス状況を分析できます。いわゆる「閲覧数」としてカウントされる数値で、コンテンツの質をよく反映するため、サイト管理者が最も気にするポイントです。
インプレッション(IMP)
インプレッション(IMP)とは、広告がユーザーのブラウザやアプリ上に表示された回数を示す指標です。ユーザーが広告をクリックしたかどうかに関わらず、表示された時点で1インプレッションとしてカウントされます。
広告の露出度や認知度を測るために重要な数値であり、広告収入の規模にも直結します。
アクセス解析においてセッションがリセットされるケース
セッションは、一定の条件下でリセットされることがあります。ここでは、具体的なリセットのケースとその影響について、わかりやすくご紹介します。
日付が変わったタイミング
セッションは、ユーザーの行動に関わらず、日付が変わる0時を迎えると自動的にリセットされます。これは、アクセス解析ツールが1日のデータを区切って記録するためです。
例えば、ユーザーがサイトを訪問中でも、0時を過ぎると新しいセッションとしてカウントされます。23時30分から翌日の0時30分までサイトに滞在していたユーザーがいた場合、セッションは各日付で1カウント、合計2カウントとして集計されるのです。
これは、日ごとの訪問者数などを計測する際に、データが日付をまたがないようにするためです。
ユーザーが30分間操作を行わない
セッションは、同じブラウザでの操作が30分以上行われないと、自動的にタイムアウトしてリセットされます。このタイムアウトは、ユーザーが一時的にサイトを離れた場合や長時間操作がない場合に、正確なセッションデータを保つための仕組みです。
例えば30分以上の動画が再生されるページの場合、再生中には一般的にユーザーは操作を行いません。そうすると、動画の再生前後で1度ずつサイトを訪問したとして、2セッションとカウントされます。
サイトへの流入経路が変わる
サイトへの流入経路が変わると、セッションがリセットされます。
例えば、検索エンジン経由でサイトに訪れた後、他のサイトを経由して再度アクセスした場合、新しい流入経路として扱われ、セッションが切れて再カウントされます。サイト内のリンクから別のサイトへ訪問し、再び元のサイトへ戻った場合も同様です。
この仕組みにより、異なるアクセス経路からのユーザー行動が正確に把握できるようになっています。
セッション数とブラウザの関連性について
セッション数は、ユーザーが使用するブラウザの状態とも深く関わっています。ここでは、ブラウザの動作がセッションにどのように影響するかを解説します。
複数のタブを開いている
同じブラウザで複数のタブを使って同じサイトを開いている場合も、まとめて1つのセッションとして扱われます。同一ユーザーが計測時間内にそのページに滞在していることが問題になるため、実際にページを閲覧しているかは無関係です。
この場合は、一番初めに開いたページを起点として30分間のセッションがカウントされます。
複数のウィンドウを開いている
ユーザーが複数のウィンドウを開いている場合は、そのウィンドウに関わるクッキーの違いがポイントです。
例えばひとつのサイトをGoogle Chromeで開き、同じサイトを別のGoogle Chromeウィンドウで開いた場合は、同一クッキーが使用されているため1セッションとカウントされます。
しかし、Google ChromeとMicrosoft Edgeなど、異なるクッキーを使用するブラウザの場合は、ユーザーの紐づけができないため2セッションとカウントされます。
ブラウザやタブを閉じた
ブラウザやタブを一度閉じたとしても、30分以内に再び同じサイトを閲覧すれば、セッションはリセットされず、同一セッションとして扱われます。つまり、短時間の間に再度サイトに戻る場合、別のセッションとしてカウントされることはありません。
ただし前述のように、異なるアクセス経路から再訪問した場合は2セッション目としてカウントされるため、注意が必要です。
開いているデバイスが異なる
同じサイトにアクセスしていても、デバイスが異なる場合は別セッションとしてカウントされます。
例えば、スマホでアクセスした後にパソコンで同じサイトを開くと、それぞれ別のセッションが記録されるのです。30分間の計測も、それぞれのデバイスで計測されます。
これは、ユーザーがどのようなデバイスからよく訪問するかを把握することで、サイトUIの設計などに役立つためです。
アクセス解析を通してセッション数を改善するポイント
セッション数を効果的に改善するためには、アクセス解析のデータを活用し、ユーザー行動を把握することが重要です。ここでは、具体的な改善ポイントをご紹介します。
数値を参考に分析を行う
セッション数の改善を目指すためには、アクセス解析で得られる数値を定期的に分析することが重要です。数値の変動から、ユーザーの訪問状況や行動パターンを把握でき、改善すべきポイントを明確にできるためです。
セッション数が増加している時期や減少しているタイミングを比較することで、効果的な改善を図りましょう。
定期的にコンテンツを見直す
セッション数を増やすためには、サイトのコンテンツを定期的に見直し、質や量を充実させることが効果的です。ユーザーにとって有益で新鮮な情報を提供することで、リピーターを増やし、サイトへの滞在時間を伸ばせばセッション数は増加します。
また、コンテンツが増えることで、さまざまな検索ニーズに応えることができ、結果としてアクセス数の向上につながります。セッション数が増えたタイミングとサイトの改修内容を比べれば、どのようなコンテンツがユーザーを惹きつけるかの指標にもなるでしょう。
SEO対策を実施する
セッション数を増加させるためには、SEO対策を行い検索順位を改善することが有効です。検索エンジンでの順位が上がることで、より多くのユーザーがサイトを訪れやすくなります。
特に、検索結果の上位に表示されることで、自然なアクセスが増加し、セッション数の向上につながります。定期的にキーワードを見直し、内部リンクやメタタグの最適化を行うことで、より効果的なSEO対策を実現し、長期的なアクセス増加を目指しましょう。
SNSやWeb広告を活用する
SNSやWeb広告を活用することで、サイトへの流入経路を増やし、セッション数の改善を図ることができます。
特に近年では、SNSを通じた広い層へのアプローチが注目を集めており、ぜひ取り入れたいポイントです。また、Web広告を使ってターゲット層にリーチすることで、確実に関心のあるユーザーをサイトに誘導できます。
これにより、アクセスの多様化が進み、セッション数の増加につながります。SNSや広告の活用を積極的に行いましょう。
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アクセス解析ではセッション数が興味を測る指標となる
セッション数は、サイトに対するユーザーの関心を測る重要な指標です。セッション数を定期的に分析することで、ユーザーの行動やサイトへの興味を把握し、改善点を見つけ出すことができます。
また、SEO対策やコンテンツの見直し、SNSの活用などでセッション数を効果的に増加させることが可能です。正確なアクセス解析を行い、継続的にサイトのパフォーマンスを向上させていきましょう。
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