EFOとは?重要性や効果的な施策・対策するメリット、注意点を簡単に解説
ユーザーの利便性や入力完了率を高めるために実施する「EFO」。EFOは申し込みや資料請求のための入力フォームを最適化する手法でWebサイトを運営するうえでは欠かせない対策の一つです。本記事では、EFOとは何か、重要性や効果的な施策、対策するメリットを解説します。
目次
EFO(入力フォーム最適化)とは?
EFOとは「Entry Form Optimization」の略で、入力フォームを使いやすく改善し、完了率を高めるための施策を指します。
入力中にたびたびエラーが発生したり、入力項目数が多くて手間が増えたりすると、ユーザーはストレスを感じてしまいます。
そこで、会員登録や資料請求のフォームで入力項目の簡素化や、エラーメッセージを分かりやすく表示したりすることで、スムーズに申し込みを進めることが可能です。
フォーム途中での離脱が減るため、EFOはビジネスにおいて顧客獲得の効率を上げるために非常に重要な取り組みといえます。
入力フォームから離脱する理由
株式会社ニュートラルネットワークスの調査によると、入力フォームから離脱した経験がある人は全体の約75%にのぼります。
離脱した主な理由は「入力項目が多い」「個人情報の入力に不安を感じた」「入力方式が面倒だった」などでした。
そのため、企業がフォームを最適化する際は、これらの離脱理由をしっかりと理解し、ユーザー目線で改善を図ることが重要です。
▷【2024年最新】EFOツールおすすめ9選比較!選び方や導入で離脱防止につながる理由
EFOの重要性
検索アルゴリズムが日々進化するなか、従来のSEO対策だけでは成果を上げにくい現状にあります。そこで注目されている対策が、EFOです。
サイトに訪れたユーザーが離脱せず、コンバージョンにつながるかどうかは、フォームの使いやすさに大きく左右されます。EFOは、訪問者を顧客につなげる効果的な手法として、欠かせない要素となっています。
EFO対策をするメリットとは?
EFO対策を行うことで、入力の手間を省き、より短時間で正確に入力を完了させることが可能です。ここでは、EFOの具体的なメリットについて詳しく解説します。
少ない工数で成果向上が期待できる
EFOは、Web広告やSEO対策よりも少ない工数で成果向上を目指せる施策です。
フォームの項目の簡素化や、エラーメッセージの改善だけで、ユーザー体験を大きく向上させられるため、早く効果を得られます。特に、既存の顧客獲得チャネルを活かしながらコンバージョン率を高められる点は、時間やコストを節約したい企業にとって大きなメリットといえるでしょう。
Cookie規制の影響を抑えられる
Cookieとは、ユーザーの行動履歴を記録し、広告や分析に活用されるデータのことです。しかし、近年の規制強化により、Cookieを使ったマーケティングの精度が低下しています。
そこで役立つのがEFO対策です。フォーム最適化を行うことで、ユーザーが直接入力するデータを有効活用でき、Cookieに依存しないマーケティングができるようになります。
このように、規制の影響を抑えつつコンバージョン率を維持できる点もEFOの大きな利点です。
EFOの効果的な施策
EFOを成功させるためには、いくつか意識すべきポイントがあります。EFOでユーザー体験を向上させるためのポイントを以下で詳しく解説します。
入力を促す施策
まず、EFOの基本ともいえるフォームの入力をスムーズに進めてもらうための具体的な工夫をご紹介します。
LPと入力フォームを1つにまとめる
LP(ランディングページ)と入力フォームを一体化させたデザインは、ユーザーがスムーズに行動を起こせるため、効果的な施策の一つです。
フォームが別ページに分かれていると、移動に手間を感じて離脱するリスクが高まります。しかし、一体型のLPを活用すれば、情報提供から入力完了までをシームレスに行え、ユーザーの心理的負担を軽減します。結果として、コンバージョン率の向上も期待できるでしょう。特に、スマホ利用者には利便性が高く、有効なアプローチといえます。
一問一答形式の入力フォームにする
一問一答形式の入力フォームは一度に入力する項目を減らし、自然な流れで進めるため、心理的な負担を軽減します。
また、チャットボットを活用すれば対話型のインターフェースを提供できるため、さらに親しみやすい印象を与えられるでしょう。これらの工夫によりユーザーはストレスを感じることなく入力を完了できます。
入力項目は必要最低限にする
フォームでの入力項目が多すぎると、ユーザーの意欲を削いでしまう可能性があります。そのため、入力項目は本当に必要な情報だけに絞り込むことが重要です。
特に初回の接触時には、取得する情報を最低限にすることで、ユーザーはストレスなく入力を進められます。また、後日、追加情報を求める方法を検討することで、最初のハードルを下げることが可能です。
特典や入力にかかる時間を提示する
フォームの入力をスムーズに進めてもらうためには、ユーザーの意欲を高める工夫が必要です。例えば、入力完了後に得られる特典や、入力にかかるおおよその時間を事前に提示することが効果的です。
「入力は1分で完了」や「完了後に〇〇をプレゼント」といった具体的な情報を示すことで、ユーザーは心理的な負担を感じにくくなり、進んで行動を起こしてくれます。このような工夫は、コンバージョン率の向上に直結します。
情報の取扱いに関する安全性の高さをアピールする
ユーザーがフォーム入力に不安を感じる主な理由の一つが、個人情報の安全性に対する懸念です。よって、この不安を解消するためには、情報漏洩対策が十分に取られていることや、データが安全に管理されていることを明記することが重要です。
「SSL暗号化通信を使用」「プライバシーポリシーに基づき厳重に管理」といった具体的な表記を加えることで、ユーザーに安心感を与えられます。このような透明性のある対応が、入力完了率の向上につながるでしょう。
レスポンシブデザインにする
レスポンシブデザインとは、スマホやタブレット、PCなど、さまざまなデバイスに応じて画面表示を最適化する設計のことです。
特にスマホからのアクセスが増えている現代では、入力フォームがデバイスに合わないとユーザーにストレスを与えてしまう可能性があります。
しかし、レスポンシブデザインを採用することで、どのデバイスでも快適に操作できる環境が整うため、フォームの入力完了率を高めることが期待できます。
入力中の離脱を防ぐ施策
入力途中での離脱を防ぐためには、ユーザーをサポートする工夫が必要です。その具体的な方法を以下で詳しく解説します。
復元機能を活用する
入力内容の復元機能は、途中で操作を中断した場合でも再度最初から入力し直す必要がなく、ユーザーの手間を大幅に軽減します。
特に長いフォームや複数ステップの入力が求められる場合、この機能は離脱を防ぐ有効な手段です。例えば、自動保存機能やブラウザでの入力データ保持を利用することで、再開時にもスムーズに作業を進めることが可能です。
これらの工夫により、ユーザーにストレスを与えず、入力完了率の向上につながります。
入力例を表示する
入力例を表示することは、ユーザーが迷うことなく正確に情報を入力できるようにするための重要な施策です。
例えば、「氏名(例:山田 太郎)」や「メールアドレス(例:example@example.com)」といった具体的な例を提示することで、入力内容がわかりやすくなり、エラーの発生や入力途中での離脱を防げます。特に複雑な項目や形式が求められる場合には有効です。
入力している項目の色を変える
入力フォームで現在入力中の項目の色を変えることは、ユーザーがどの部分に集中すればよいかを直感的に理解できるようにする効果的な方法です。この工夫により、入力の進行状況が視覚的にわかりやすくなり、どこまで完了しているのかが一目で確認できます。
例えば、入力中の項目をハイライトしたり、背景色を変えたりすることで、ユーザーの注意を引きつけ、作業がスムーズに進みます。
自動入力できるようにする
SNSアカウントとの連携や入力補助機能を活用することで、フォームに情報を手入力する手間を省くことが可能です。例えば、GoogleやFacebookなどのアカウントを利用したログイン機能を導入すれば、基本情報を自動で入力でき、入力時間を大幅に短縮できます。
また、住所や名前の自動補完機能を取り入れることで、入力ミスの削減にもつながります。
項目に最適なキーボードに自動で切り替わるようにする
入力フォームで項目ごとに最適なキーボードが自動で切り替わる機能は、ユーザーの操作性を大幅に向上させます。例えば、電話番号の入力欄では数字専用キーボード、メールアドレスの入力欄では「@」や「.com」が簡単に入力できるキーボードに切り替えることで入力ミスを減らし、作業をスムーズに進めることが可能です。
このような細かな配慮は、特にスマホ利用者にとって大きな利便性を提供します。
ラジオボタンを活用する
ラジオボタンの活用は、ユーザーの入力回数を減らします。例えば、「性別」「希望する連絡方法」など、選択肢が限られている質問にラジオボタンを使用すれば、入力の手間を省き、選択ミスも防げます。
また、視覚的にも選択肢がわかりやすく、直感的に操作できるため、特にスマホやタブレットからの入力時に効果的です。
関連商品の情報訴求はしない
入力フォーム内で関連商品の情報を訴求することはユーザーの注意を分散させ、入力途中での意欲減退につながる可能性があります。
フォームの目的は、あくまで情報の入力を完了してもらうことです。そのため、不要な情報を排除し、シンプルで集中しやすい環境を提供することが重要です。
関連商品の提案は、フォーム完了後に行う方が効果的であり、ユーザー体験を損なうことなく商品訴求につなげることができます。
入力完了を促す施策
最後に、ユーザーに最後まで入力を完了してもらうための具体的な施策を詳しく解説します。
確認画面を省略する
確認画面を省略することで、ユーザーの迷いや手間を減らせるため、入力が完了しやすくなります。
特に、シンプルなフォームや入力項目が少ない場合、確認画面を設けると逆にユーザーが慎重になり、入力完了までの流れが滞る可能性があります。そこで、送信後の編集機能を提供すれば、確認画面がなくても安心して送信できる環境が整います。
入力ミスや操作ミスは都度知らせる
入力フォームで、全項目入力後にミスが発覚すると、ユーザーは大きなストレスを感じてしまいます。そのため、入力中にミスや操作ミスがあった場合は、リアルタイムで知らせる仕組みが重要です。
例えば、必須項目が未入力の場合にエラーメッセージを即時表示することや、形式が正しくない場合に警告を出すことで、ユーザーはスムーズに修正できます。
また、誤りがある状態では送信ボタンを無効化する「サブミットブロック機能」を活用することでエラーを未然に防ぐことが可能です。
離脱を抑制するアナウンスを入れる
入力フォームの途中でユーザーが離脱しそうになった際に、ポップアップやメッセージでアナウンスを入れることは有効な離脱防止策です。
例えば、「あと少しで完了します」や「今送信すれば限定特典が受け取れます」といった具体的なメッセージを表示することで、ユーザーの意欲を維持することができます。
また、保存機能を案内することで、後から再開しやすい環境を提供するのも効果的です。
ステップナビゲーションを表示させる
ステップナビゲーションとは、フォーム入力の進行状況を視覚的に示す機能です。入力の全体像や現在の位置、残りのステップ数をユーザーに伝えることで、途中での離脱を防ぐ効果があります。
例えば、「ステップ1/3」と表示することで、入力完了までの道のりが明確になり、ユーザーのストレスを軽減します。また、進行状況も一目で分かるため、ゴールが見えやすくなり、入力を最後まで続けてもらいやすくなります。
EFO対策をする際の注意点
EFO対策を成功させるためには、以下2つの注意点を押さえることが重要です。
ユーザーの目線にたって考える
EFO対策を行う際には、ユーザーの行動心理を理解し、その目線にたって施策を講じることが重要です。「どの部分でつまずきやすいのか」「どのような工夫があれば入力がしやすくなるのか」を具体的に考えたうえで施策計画を立てましょう。
難しい言葉や複雑な手順は避け、ユーザーが直感的に操作できる設計を心がけることで、入力完了率が向上します。小さな配慮が、ユーザー体験を大きく左右することを常に念頭に置くことが大切です。
施策の優先順位をつけ改善する
EFO対策では、すべての施策を一度に実行するのではなく、優先順位を明確にして取り組むことが重要です。
特にユーザーへの影響が大きいポイントから優先的に改善を進め、一つずつ施策を検証することで、効果を正確に測定できます。入力項目の簡素化やエラーメッセージの改善など、直感的に操作性が向上する施策から着手しましょう。
このように段階的に改善することで無駄が省かれ、効果的なフォーム最適化が実現します。
EFO対策の成功事例
EFO対策を実施したことで、フォームの入力完了率が大幅に向上した成功事例があります。最後に、具体的な成功事例を詳しくご紹介します。
株式会社足利銀行
株式会社足利銀行は、地域密着型の金融サービスを提供する地方銀行です。同社はWebサイトの資料請求フォームでEFO対策を実施し、大きな成果を上げました。
具体的には、入力フォームの項目を簡素化し、リアルタイムエラーチェック機能を導入することで入力完了率が25%向上しました。また、フォームをスマホ対応に最適化することで、モバイルユーザーの利便性も向上。
これらの工夫により資料請求件数が増加し、新規顧客獲得につながる結果を得ています。
参照元:KAIZENPLATFORM「フォーム改善で申込み率は最大173%増に。」
株式会社タカラレーベン
株式会社タカラレーベンは、不動産開発や分譲マンションの販売を行う企業です。同社はEFO対策として、物件情報請求フォームの改善に取り組みました。
入力項目を最小限に削減し、必要な情報だけに絞ったことでユーザーの入力負担を軽減。また、エラー表示をわかりやすくする工夫を取り入れることで、途中離脱率が大幅に減少しました。
これにより、フォーム完了率が30%以上向上し、新規顧客へのリーチが拡大。シンプルで効率的なフォーム設計が成功の鍵となりました。
参照元:KAIZENPLATFORM「最大167%のCVR改善を実現。」
株式会社ユーティル
株式会社ユーティルは、法人向けサービスの比較・紹介を行う企業です。同社は、フォームの入力項目を最適化し、一問一答形式を採用することでユーザーのストレスを軽減しました。
また、入力内容の自動補完機能を導入し、入力時間を短縮したことで、問い合わせ完了率が40%以上向上しました。これらの施策により顧客との接点が増加し、売上拡大にもつながる結果を得ています。
参照元:SHOWCASE「項目数3つのシンプルな入力フォームでも、フォーム入力完了率20%改善に成功!!」
株式会社オークローンマーケティング
株式会社オークローンマーケティングは、テレビ通販事業を中心に多角的な販売活動を展開する企業です。同社は、スマホ対応のレスポンシブデザインを導入し、入力ミスをリアルタイムで知らせる機能を追加することで、ユーザーのストレスを軽減しました。
その結果、フォーム完了率が35%向上し、購入件数の増加にも成功しました。
参照元:SHOWCASE「ABテストに基づいてフォームやレイアウトを改善し、お客様の購入率がアップしました。」
▷EFOの成功事例|CVR改善・離脱率防止を実現した参考となる事例を紹介
EFO対策を実施し成果につながる入力フォームにしよう
EFO対策は、入力フォームを使いやすく最適化することで、ユーザーのストレスを減らし、コンバージョン率を大幅に向上させる効果的な手段です。
入力項目の簡素化やリアルタイムエラーチェック、視覚的な工夫を施すことで、ユーザー体験を向上させ、成果につながるフォームを構築できます。小さな改善が大きな効果を生みます。継続的な見直しと改善を行い、使いやすさを追求しましょう。
EFOツールの記事をもっと読む
-
ご相談・ご質問は下記ボタンのフォームからお問い合わせください。
お問い合わせはこちら