eラーニングは意味ない?従業員が無駄に感じる原因と解決策を解説
ネットの普及に伴い導入企業が増えている「eラーニング」。人材育成や研修に活用されていますが、学習者の間では「意味がない」という声もあがっているようです。本記事では、eラーニングは意味ないのか、学習者がeラーニングを無駄に感じる原因と解決策を詳しく解説します。
目次
eラーニングは意味ない?従業員が無駄と感じる理由
多くの従業員がeラーニングを無駄だと感じる背景には、さまざまな原因があります。具体的にどのような理由があるのか見ていきましょう。
視聴したい学習項目にたどり着くまでに時間がかかる
eラーニングは、一般的に30〜60分に設定されていますが、前提知識がある場合は不要な項目も多く、視聴したい学習項目にたどり着くまでに時間がかかります。
このような場合、得られる知識と視聴時間が釣り合わないため、eラーニングが無意味と感じることもあるでしょう。
監視がないため飛ばし見や流し見ができてしまう
1人で学習するeラーニングは、上司や講師の監視がありません。そのため、学習者は飛ばし見や流し見ができてしまい、集中力を欠いた状態で学習を進めてしまうことがあります。飛ばし見や流し見が行われると、コンテンツ提供者の意図した学習効果が得られず、結果的にeラーニングが無駄だと感じてしまうことがあるのです。
コンテンツが実務に直結せず学びを活かせない
eラーニングのコンテンツが古かったり、実際の業務に適していなかったりすると、学んだ知識を実務に活かすことが難しくなります。学習内容が現場のニーズに合わない場合、せっかく学んでも実際の業務でアウトプットできないため、学習効果は実感しにくいでしょう。このような理由から、従業員がeラーニングに対して不満を持つこともあります。
モチベーションがあがらず知識が身につかない
eラーニングは、基本的に業務時間外に受講することが多く、受講者のモチベーション維持が難しいものです。プライベートの時間を使って学習を進めることは、従業員にとって大きな負担となるだけでなく、集中力も欠けて学習効率が悪くなります。
その結果、学んだ内容が頭に入らず、知識が身につかないと感じてしまうのです。このような状況では、eラーニングの効果が十分に発揮されず、無駄に思えてしまうことがあるでしょう。
質疑応答の時間がなく理解が深まらない
eラーニングは、動画などのコンテンツを視聴して学習するのが基本です。パソコンやスマホさえあれば、自分のスケジュールに合わせて学習を進められることは利点ですが、講師に質疑応答をできる時間はありません。
そのため、受講中に生じた疑問や不明点を解消することが難しく、学習内容の理解が浅くなってしまいます。対面式の研修では質問ができ、理解を深めることができますが、eラーニングではその機会がないため、従業員が学習の効果を実感しづらいのです。この点も、eラーニングに意味を見出せない理由のひとつとなっています。
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意味ないeラーニングになる原因
効率よく従業員の教育が行えるとして、多くの企業で取り入れられているeラーニングですが、ただ導入するだけでは期待する効果は得られません。ここでは、eラーニングが無意味になってしまう原因について解説します。
eラーニングを導入するだけになっている
eラーニングを導入した後、受講を学習者任せにしてしまうことがあります。個々の受講状況や学習の進捗、知識レベルを管理しなければ、学習者に合わないコンテンツが視聴されてしまったり、学習意欲が減退して受講されないこともあるでしょう。
このような状況では、eラーニングによる導入効果は得られません。従業員の主体性や学習意欲に任せきりにするのではなく、適切な管理とフォローが必要となります。
インストラクショナルデザインを取り入れていない
インストラクショナルデザインとは、教育の場で高い学習効果を得るために、教育内容をシステム的に設計する手法です。学習意欲の動機づけや目標設定、学習効果の分析評価などを行い、教育効果を最大化するために取り入れられています。
eラーニングでは、受講者の反応を直接見ることなく学習が進むことから、客観的な評価を行うためにもインストラクショナルデザインを意識した教育設計を行うことが大切です。
意味のないeラーニングにならないための解決策
ここでは、eラーニングを意味のあるものにするための解決策について紹介していきます。
短時間で視聴できるようにする
eラーニングの効果を高めるためには、受講者の知識レベルに合わせて学習項目を絞り、短時間で視聴できるコンテンツを提供することが重要です。これにより、学習者は必要な情報だけを効率的に学ぶことができ、集中力を保ちながら効果的に知識を吸収できます。
5〜10分程度で視聴できるコンテンツであれば、忙しいビジネスパーソンでも受講しやすく、モチベーションの維持がしやすくなるでしょう。
実務をイメージできるようなコンテンツにする
eラーニングの効果を高めるためには、実務をイメージできるようなコンテンツを提供することも大切です。たとえば、アニメーション教材やストーリー型の教材を取り入れるのもよいでしょう。これにより、学習者は学んだ知識を実際の業務に応用しやすくなります。
また、コンテンツが最新であるかを確認することも忘れてはいけません。とくに、コンプライアンスに関連する内容には注意し、定期的に見直す必要があります。
不正受講を防ぐ機能があるLMSを導入する
eラーニングの効果を最大化するためには、不正受講を防ぐ機能があるLMS(学習管理システム)を導入することが重要です。eラーニングは個々で自由に学習を進めるため、飛ばし見や流し見をしてしまうことが考えられます。読み飛ばし防止機能などが搭載されたLMSを使用することで、学習者の集中度を高め、真剣に学習に取り組む環境を整えられるでしょう。
その結果、学習内容を確実に理解でき、効果的に知識を身につけることが可能になります。
学習者の管理・サポートをする
LMSには、学習時間などを管理する機能も備わっています。LMS(学習管理システム)の管理機能を活用すれば、学習者一人ひとりの進捗状況を把握し、適切なフォローアップを行うことが可能です。学習者が困難に直面した際にはサポートを提供し、学習意欲を維持することで、eラーニングをより効果的に活用できます。
OJTや集合研修など他の学習方法と組み合わせる
eラーニングで得た知識を実践できるように、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)や集合研修など他の学習方法と組み合わせることも大切です。これにより、学んだ理論を実際の業務に応用し、理解を深めることができます。また、対面での研修では質疑応答やディスカッションが行えるため、eラーニングだけでは得られない視点や知識を補完することにもつながるでしょう。
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理解を深めるためフィードバックできる仕組みをつくる
学習者の理解を深めるためには、進捗や理解度に応じてフィードバックを提供できる仕組みを作ることが重要です。たとえば、テストの作成やアンケートが実施できるLMS(学習管理システム)を活用するのもよいでしょう。これにより、習者の理解度を把握できるため、適切なフィードバックを行えるようになります。
人事評価と結び付け学習者のモチベーションをあげる
eラーニングへの積極的な姿勢や良い成績を人事評価と結び付けることで、学習者のモチベーションを向上させることができます。この際、評価基準や評価方法を設定し、受講者に伝えることも忘れてはいけません。このような取り組みによって、受講者が自分の成長を実感しやすくなり、eラーニングの効果を最大限に引き出すことができます。結果として、企業全体のスキル向上にもつながるでしょう。
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業務時間内に学習できるよう導入体制を整える
業務時間外に学習を行うと、疲労や他の予定などの影響により、学習意欲が減退しがちです。そのため、業務時間内にeラーニングを行えるように導入体制を整える必要があります。具体的には、定期的な学習時間を業務スケジュールに組み込み、学習者が集中して学べる環境を提供すると良いでしょう。これにより、従業員は効率的に学習でき、習得した知識をすぐに業務に活かせるようになります。
eラーニングを導入する際の注意点
ここでは、eラーニングを導入する際の注意点について見ていきましょう。
eラーニング導入の目的を明確にする
eラーニングを導入する際には、まず経営や業務の課題など企業の現状を把握し、何を解決したいのか導入の目的を明確にすることが重要です。たとえば、社員のスキル向上や業務効率の改善など、具体的な目標を設定することで、eラーニングの効果を最大化できるでしょう。目的がはっきりしていると、適切なコンテンツの選定や学習の進捗管理が容易になり、導入後の成果も測りやすくなります。
長期的な視点で導入・運用する
eラーニングの効果はすぐには現れないため、長期的な視点で運用することが大切です。時間をかけて学習者が新しい知識を身につけ、実務に応用する過程で、徐々に効果が見えてきます。導入してすぐに効果を判断するのではなく、継続的な改善やフィードバックを行いながら、長期的な成果を目指して運用しましょう。
コンテンツや管理体制を改善しeラーニングの効果を最大化しよう
本記事では、eラーニングが意味ないと言われる理由や、その解決策などについて解説しました。eラーニングの効果を最大化するためには、コンテンツの質を高め、学習者の進捗管理やサポート体制を整えることが重要です。今回紹介したポイントを参考にし、eラーニングの導入や運用を成功させましょう。
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