医療向けのeラーニングシステム10選を比較!選び方や導入時の注意点

インターネットを利用したオンライン学習方法「eラーニング」。ネットの普及に伴い導入する企業が増えていますが、医療現場においても最新技術の習得や研修内容の理解促進などに役立っています。本記事では、医療向けのeラーニングシステムを比較し、選び方や注意点について解説します。
目次
医療向けのeラーニングとは?
eラーニングとは、パソコンやスマホを使い、インターネット経由で学習する方法のことです。eラーニングには、場所や時間を選ばずに自分のペースで学習できる利点があり、企業や教育機関で導入が進んでいます。
eラーニングの中には、医療向けに特化した種類があります。医療現場は、最新の知識や高度なスキルが求められるため、継続的な教育が欠かせません。しかし、夜間や休日に出勤が求められるため、集合研修を実施しにくいという課題があります。そのため、時間や場所の制限がなく教育を受けられるeラーニングは、医療機関で注目されているのです。
医療向けのeラーニングは、基本的な医学知識から疾患や治療に関する知識、医療安全、医療経営まで幅広い内容を扱っています。自院に合った教材を選んで教育を行うことで、安全かつ適切な医療を提供できるでしょう。
医療向けのeラーニングシステムの選び方
自院に合った医療向けのeラーニングシステムを選ぶ際のポイントをお伝えします。導入する前に、ぜひご一読ください。
教材が実際の業務に合っているかで選ぶ
導入する前に必ず確認しなければならないのは、教材の内容です。一口に医療向けのeラーニングシステムと言っても、医療全般・看護・介護向けなど教材は多種多様です。
また、急性期病院と慢性期病院では、診る患者や求められる治療が異なるため、教育内容も当然違います。
さらに、外科や内科など標榜している診療科目によっても、必要とされる知識は異なるでしょう。同じ内科でも、高齢患者が多い医療機関と若年の患者が多い医療機関では、診る頻度が高い疾病は異なるので、習得すべき知識やスキルは変わってきます。
自院が必要とする知識やスキルの内容やレベルを明らかにしたうえで、合致する教材を提供しているeラーニングシステムを選ぶようにしてください。
管理機能が充実しているかで選ぶ
学習進捗や学習履歴などの管理機能の充実度も、eラーニングシステムを選ぶうえでは欠かせないポイントです。医療機関は多忙な職場であり、医療従事者によって勤務形態が異なるため、学習の進捗は人によって差が生まれやすいという課題があります。
管理者が個々人の進捗状況や学習履歴を把握できる機能があれば、学習が遅れている医療従事者に個別に連絡し、受講を促せるでしょう。結果的に、医療機関全体の底上げにもつながります。
医療現場の導入実績の豊富さで選ぶ
eラーニングシステムを選択するにあたっては、医療現場の導入実績も必ずチェックしてください。導入実績が豊富なeラーニングシステムは、ユーザーからの要望を反映し、改良されている傾向があります。
医療従事者にとって使い勝手がよく教材の質が優れている可能性が高いので、導入後も自院の教育に役立つでしょう。
【無料トライアルあり】医療向けのeラーニングシステム5選
医療向けのeラーニングシステムの中には、無料トライアルが用意されているものがあります。本格導入の前に無料トライアルで操作性などを試せば、自院に合うかが分かるでしょう。無料トライアルがあるeラーニングシステムをご紹介します。
学研ナーシングサポート
「学研ナーシングサポート」は、看護師向けのeラーニングシステムです。「基礎習得コース」「認知症・高齢者コース」など対象に合わせて細かくコースが分かれているうえ、配信コンテンツのテーマは年度ごとにリニューアルされています。
講義資料やテスト問題、ワークシートはダウンロードや印刷ができるので、研修担当者の負担を軽減できるでしょう。視聴用IDは育休中の看護師にも発行可能なので、復職支援にも寄与します。
提供元 | 株式会社学研メディカルサポート |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
アイリックeラーニングシステム
「アイリックeラーニングシステム」は、Webサイトにアクセスするだけで利用ができるため、初期費用を抑えられるのが特徴です。教材の利用費用はコンテンツごとに異なりますが、自院で必要な教材のみを厳選して利用すれば、低コストで学べるでしょう。
教材は「ISO9001」「医療安全」「感染対策」「個人情報保護」の各シリーズがあり、自院で作成した教材も利用できます。各レッスンは約10分で完結するので、隙間時間を活用できるうえ、レッスンごとにテストが用意されているので、理解を促進できるでしょう。
提供元 | 株式会社アイリック |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
S-QUE
「S-QUE」のeラーニングでは、「看護師向け」「全職員向け」「看護学校向け」「救急救命士向け」の教育研修サービスを用意しています。新人看護職員研修は、厚生労働省「新人看護職員研修ガイドライン」に忠実に沿っているので、新人看護職員に必要な知識や技術がしっかり身につきます。
看護技術が学べる技術動画に加え、科学的根拠などが学習できる講義動画、理解度を測れる確認テストも用意されているので、理解を深められるでしょう。
提供元 | ヴェクソンインターナショナル株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
Waculba
「Waculba(ワカルバ)」は医療介護福祉業界を専門とするコンサルティングファームが制作したeラーニングシステムです。教材自体も、現役コンサルタントが作成しているので、各階層に役立つ内容となっています。
特徴は、アウトプットの場「Waculbaゼミ」が用意されている点です。ユーザーであれば誰でも申し込みが可能で、オンラインで勉強会を行います。そのため、学んだ知識をより深められるでしょう。
提供元 | 株式会社日本経営 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
病院・医療業界向けeラーニングシステム(徳洲会インフォメーションシステム)
2016年にリリースされた徳洲会インフォメーションシステム株式会社の「病院・医療業界向けeラーニングシステム」は、病院からの要望を受けて開発されました。開発時に重視したのは、JCI認証に向けた院内教育と受講結果の出力です。
院内で開催した研修会の動画をアップできる機能に加え、学習効果を確認するためのテスト実施機能も備えています。受講依頼メールやリマインドメールが用意されているので、受講を促しやすいのが特徴と言えるでしょう。
提供元 | 徳洲会インフォメーションシステム株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
▷無料で使えるeラーニングシステム5選比較!選び方や無料版の注意点を解説
医療向けのeラーニングシステム5選
編集部で厳選した医療向けに特化したeラーニングシステムをご紹介します。特徴や料金などを比較し、自院で導入する際の参考にしてください。
メディカルナイスナレッジ
「メディカルナイスナレッジ」は、医療・介護での集団研修をeラーニング化したシステムです。院内ネットワーク版とクラウド版が用意され、自院に合ったタイプを選択可能です。クラウド版は無料体験版があり、電子マニュアル機能やオンラインテストが試せます。
動画や画像を盛り込んだマニュアルをアップし、受講者に基準や手順を確認しながら学習してもらえるだけではなく、テスト機能により受講者の習熟度が確認できるので、ラダー評価に活かせるでしょう。
提供元 | スキルインフォメーションズ株式会社 |
初期費用 |
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料金プラン | ■院内ネットワーク版:要問い合わせ ■クラウド版(1年契約標準プラン)
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
SafetyPlus
「SafetyPlus」は、医療安全研修用のeラーニングシステムです。「基礎シリーズ」「事例シリーズ」「動画講義シリーズ」から成り、体系的に知識を身につけられます。「基礎シリーズ」では、ドラマ形式で医療安全に必要なテクニックを学べるうえ、業務で実践できるような演習も用意されているので、着実に知識や技術を習得できるでしょう。
受講者数やテスト結果は、部門や個人ごとに確認可能です。さらに、集合研修に役立つ「ファシリテーションマニュアル」も付いています。
提供元 | エルゼビア・ジャパン株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
Baritess
「Baritess」は、病院グループウェア「CoMedix」やインシデント管理システム「ファントルくん」など同社製品と一体型として動作するeラーニングシステムです。
オンプレミス型で、電子カルテネットワークを使います。全体や部署単位で受講率を把握できるので、受講率の低い部署に受講を促すことも可能です。受講者へのアンケートの作成から収集、集計まで簡単にできるので、管理者の負担が軽減できるでしょう。
提供元 | 株式会社メディシステムソリューション |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
Smart-CME.jp
「Smart-CME」は医学会・医療機関向けの生涯教育サポートシステムです。医学系学会がオンライン生涯教育をスムーズに実施できるよう、受講申し込みから決済、合格者への修了証のPDF発行まで行います。
オンデマンド動画配信とライブセミナーの両方に対応しているうえ、資料配布やアンケ―トの実施も可能です。動画の収録や編集、原稿作成支援など、コンテンツ作成もサポートします。
提供元 | 株式会社協和企画 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
SafeMaster
株式会社セーフマスターの「SafeMaster」のeラーニングシステムは、eラーニングの受講履歴に加え、集合研修の出欠データも取り込んで、研修の一元管理ができる特徴があります。
同社が作成した教材だけではなく、自院で作成した教材や動画もアップロード可能です。教材ごとにテストやアンケートを設定できるので、学習の理解度などを把握できるでしょう。同社の教材の一部は、Webサイトでサンプルを確認できます。
提供元 | 株式会社セーフマスター |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
医療向けのeラーニングシステムを導入するメリット
医療向けのeラーニングシステムを導入すれば、さまざまなメリットが得られます。代表的なメリットをご紹介するので、ご一読ください。
場所・時間を選ばず学習できる
eラーニングの最も大きなメリットは、場所や時間を選ばずに学べる点が挙げられるでしょう。インターネット環境とパソコンやタブレット端末などのデバイスがあれば、どこでも好きな時間に教材を視聴できます。
そのため、多忙な医療従事者も空き時間を利用して学習を進められます。自分のペースで学べるので、医療従事者の負担を減らせるでしょう。
繰り返し視聴・学習できる
eラーニングシステムの場合、不明な箇所や苦手な箇所を何度も視聴できる利点があります。
集合研修の場合、分からない点があっても周囲の学習ペースを合わせなければならず、不明点をそのままにしてしまう恐れがあるでしょう。繰り返し視聴すれば、疑問が解消されるだけではなく、知識の定着が図れるので学習効果が期待できます。
スキルに合わせさまざまなタイプの授業を受けられる
医療向けのeラーニングシステムは、新人や中堅、ベテランなど受講者の経験や知識レベルに合わせて細分化された多様なコンテンツが用意されています。
小規模で医療従事者の人数が少ない医療機関の場合、それぞれのレベルに合わせた集合研修を開催するのは、教育担当者の負担が大きいでしょう。eラーニングシステムを使えば、個々人に合ったコンテンツを受講できるので、無駄がなく、確実なスキルアップが見込めます。
学習進捗が分かりやすい
eラーニングの管理機能を利用すれば、各医療従事者の学習の進捗状況を把握できます。
さらに、テスト機能を有するeラーニングシステムの場合、テスト結果もフィードバックされ確認できるので、理解度も即座にチェックすることが可能です。学習につまずいている医療従事者を早期に見つけ、教育担当者が介入することで、学習の遅れなどを防止できるでしょう。
研修内容の理解を促進できる
集合研修とeラーニングを併用すれば、受講者の理解度が高まる効果が期待できます。
仮に一度の研修では理解が難しい高度な内容であっても、研修後にeラーニングで再度学習すれば、理解できるようになるでしょう。eラーニングは同じ講座を繰り返し受講できるので、理解できるまで復習してもらうことで、知識の定着を図れます。
最新の技術を身につけられる
医療向けのeラーニングシステムを活用すると、医療従事者は最新の技術を身につけられます。
医療従事者は、診療や看護で忙しい日々を送っています。そうした状況で、日進月歩の医療技術を身につけるために、まとまった時間を捻出し研修会などに参加するのは難しいものです。
そこで、eラーニングシステムを利用すれば、隙間時間にさまざまなコンテンツ・カリキュラムから最新の技術や知識をスピーディーに習得できます。医療従事者にとってはスキルアップに、医療機関にとっては治療成績の向上につながるでしょう。
▷eラーニングシステムおすすめ16選を比較|個人・法人向けや選び方を解説
医療向けのeラーニングシステムを導入する際の注意点
医療向けのeラーニングシステムには多くのメリットがありますが、注意点をふまえて導入しなければ効果が出ません。
eラーニングは医療従事者が自分で時間を確保し、一人で学ぶため、集合研修への参加に比べると強制力がありません。学習へのモチベーションが低い人は学習スピードが遅くなる傾向が見られ、受講者の意欲によって学習進捗に差が出てしまいます。
こうした事態を防ぐため、管理者や教育担当者はシステムの管理機能を使い、学習の進捗状況を定期的に把握するようにしましょう。学習が進んでいない人がいれば、本人の学習意欲や仕事の忙しさなどを確認し、改善を図ってください。
医療向けのeラーニングシステムを導入し知識・技術を身につけよう
最新の知識や技術が求められる医療現場において、医療向けのeラーニングシステムは医療従事者のスキルアップに欠かせないツールです。自院の診療内容や教育課題に合致したeラーニングシステムを導入し、医療従事者の知識や技術の習得につなげてください。
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