eラーニングとは?目的やメリット・デメリット、導入事例を簡単に解説

2024/08/04 2024/08/05

学習管理システム

eラーニングとは

インターネットを利用したオンライン学習方法「eラーニング」。社員教育にかかる費用を削減できる、教育の質を均質化できるなどのメリットから導入する企業が増えています。本記事では、eラーニングとは何か、目的やメリット・デメリットを導入事例と併せて簡単に解説します。

eラーニングとは?

eラーニングとは、インターネットを利用したオンライン学習方法であり、パソコンやスマホを使っていつでもどこでも学習できる便利な手段です。通学する必要がなく、自分のペースで学べるため、忙しいビジネスパーソンにも適しています。

eラーニングは、動画講義やオンラインテストなどを通じて、効率的かつ効果的に知識を習得することが可能です。まさに、現代の技術を駆使した新しい学びのスタイルと言えるでしょう。

eラーニングの目的

eラーニングの目的は、業務に必要な知識やスキルを効率的に身につけることです。

現代のビジネス環境では、新しい情報や技術が次々と登場し、常に学び続けることが求められます。eラーニングは、社員が自分のペースで学習できるため、業務の合間や自宅でも無理なくスキルアップが可能です。そうすることで、企業は競争力を維持し、社員の専門性を高められます。

eラーニングの歴史

eラーニングの歴史は、1950年代に登場したコンピュータ支援教育(CAI)に始まります。1990年代にはコンピュータベーストレーニング(CBT)やウェブベーストレーニング(WBT)へと進化し、2000年代に「eラーニング」という言葉が誕生しました。

さらに2000年代後半からは、スマートデバイスを用いたeラーニングが普及し、いつでも学習できる環境が整いました。このように、eラーニングは技術の進化とともに発展してきたのです。

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eラーニングのトレンド「実践型eラーニング・アクティブラーニング」

eラーニングのトレンドとして、「実践型eラーニング」「アクティブラーニング」が注目されています。

動画教材の増加により、接客や作業手順など、動作を伴う業務スキルを学べる実践型eラーニングが普及してきました。また、学習者が主体的に学ぶアクティブラーニングも広がりを見せています。実践型eラーニングやアクティブラーニングは、学習の効果がより高まり、実際の業務で即戦力として活躍できる人材育成が可能になっているのです。

eラーニングを導入するメリット

eラーニングを導入することには、学習者側にも企業側にもさまざまなメリットがあります。ここからはその具体的なメリットについて解説します。

学習者側のメリット

学習者側のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。以下の項目で詳しく見ていきましょう。

好きな場所で学習できる

eラーニングの大きなメリットの一つは、ネット環境さえあれば好きな場所で学習できることです。

自宅やカフェ、さらには移動中でも、時間や場所に縛られることなく学ぶことができます。eラーニングであれば、通勤や通学の時間を有効に使え、ライフスタイルに合わせた柔軟な学習が可能です。

忙しいビジネスパーソンにとって、eラーニングはまさに理想的な学習方法と言えるでしょう。

繰り返し視聴・学習できる

eラーニングのもう一つの大きなメリットは、聞き逃した箇所や苦手な箇所を何度でも繰り返し視聴できることです。

自分のペースで学習を進められ、理解が不十分な部分もじっくりと学び直せます。また、繰り返し学習することで知識が定着するため理解が深まり、実際の業務での応用力も向上するでしょう。

学習進捗が分かりやすい

学習進捗が分かりやすいこともeラーニングのメリットの一つです。

進捗状況やテスト結果などのフィードバックを即座に確認できるため、どの部分が理解できていて、どこに課題があるのかがひと目で分かります。これにより、効率的に学習計画を立て直し、次に取り組むべき内容を明確にできるのです。

ビジネスパーソンにとって、eラーニングは自己管理を効率化し、学習効果を最大化するための強力なツールとなります。

企業側のメリット

eラーニングには、企業側にも多くのメリットがあります。管理者側のメリットについて詳しく解説します。

担当者の負担を削減できる

eラーニングの導入により、企業の担当者の負担を大幅に削減できます。

一度作成した教材は何度も利用できるため、毎回新たに教材や資料を作成する手間がかかりません。また、会場などの手配が不要であり、場所の確保や準備にかかる労力や費用も削減できます。

eラーニングであれば、研修や教育にかかるコストを削減し、効率的に社員のスキルアップを図ることが可能なのです。

授業の質を均質化できる

従来の対面授業では、講師のスキルや経験により授業の質が変わることがありますが、eラーニングではその心配がありません。同じ教材を全学習者に配信できるため、授業の質を均質化することが可能です。

統一された高品質な教材を使用することで、すべての学習者が同じレベルの知識を習得でき、結果として企業全体の教育水準を向上させられます。

学習者の学習状況の確認や進捗管理がしやすくなる

eラーニングシステムを導入することで、学習者の学習状況の確認や進捗管理がしやすくなります。

eラーニングシステムは、すべての学習データを一元管理するため、どの学習者がどの程度進んでいるのか、どこでつまずいているのかを簡単に把握できるのがメリットです。個々の学習者に適したフォローアップやサポートが可能となり、効果的な教育を実現できます。

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eラーニングを導入するデメリット

eラーニングには多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。ここからは、その具体的な問題点について詳しく解説します。

学習者側のデメリット

eラーニングには便利な面が多いですが、学習者にとって問題となる点もあります。学習者側のデメリットについて見ていきましょう。

学習中に質問ができない

eラーニングのデメリットの一つは、コンテンツを視聴するスタイルであるため、学習中にその場で質問ができない点です。

対面授業とは異なり、講師に直接質問して即座に回答を得られないため、疑問点が解消されにくい場合があります。質問があれば後でメールや専用フォームを通じて問い合わせる必要があり、迅速な対応は難しいと言えるでしょう。

実技を伴う学習には向かない

eラーニングのもう一つのデメリットは、座学中心であるため、実技を伴う学習には向かない点です。

例えば、料理や機械の操作など、実際に手を動かして学ぶ必要があるスキルは、オンラインだけでは十分に習得しにくい場合があります。そのため、実技を必要とする分野では、eラーニングだけでなく、対面での実技訓練も併用することが重要です。

ネット環境とパソコン・スマホなどの端末が必要

eラーニングの受講には、安定したネット環境とパソコンやスマホなどの端末が必須です。これらの設備が整っていない場合、学習自体ができないという問題があります。

また、ネットの接続が不安定だと、動画が途中で止まったり、資料が正しく表示されなかったりしやすいでしょう。特に、インターネット環境が整っていない地域や、機器を十分に揃えられない学習者にとっては、eラーニングの利用が難しいことが課題となります。

企業側のデメリット

eラーニングには企業側にもデメリットがあります。管理者側の課題について解説しますので、参考にしてください。

導入にはITの知識が必要

eラーニングを導入するには、教材配信や学習管理システム(LMS)が必要です。これらを効果的に運用するためには、一定のIT知識が求められます。

システムの設定やメンテナンス、トラブルシューティングなどは、ITリテラシーが不足している企業や担当者にとって大きなハードルとなるかもしれません。適切なサポート体制を整えたり、専門知識を持つスタッフを配置したりすることが重要です。

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フォローが不足すると学習意欲が低下するリスクがある

eラーニングは基本的に一人での学習となるため、企業側が適度にフォローしないと学習意欲が低下するリスクがあります。学習者が孤立しやすく、疑問点や理解不足がそのままになりやすいのです。

管理者は、定期的なチェックインや進捗状況の確認、フィードバックを行うよう心がけましょう。適切なサポートを提供することで、学習意欲を維持し、効果的な学習を促進することが可能です。

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eラーニングの導入に成功した企業事例

eラーニングの導入に成功した企業の具体的な事例をご紹介します。どのようにして成功を収めたのか、そのポイントを詳しく見ていきましょう。

エフエムジー & ミッション株式会社

エフエムジー & ミッション株式会社は、化粧品や栄養補助食品などの製造・販売を行う企業です。

同社では、社員の育成や会社方針の理解促進のため社内研修のニーズが高まり、eラーニングを導入しました。特に、会社方針に関しては自社オリジナルのコンテンツが求められ、eラーニングが適していると判断されたためです。

eラーニングの導入により、社員は自社課題の対応への興味が高まるとともに、セルフラーニング・自己学習の習慣が身につきました。企業全体に「自主学習」の習慣・風土を醸成したことも今後につながる大きな変革となったのです。

セガサミーホールディングス株式会社

セガサミーホールディングス株式会社は、ゲームや遊技機事業を中心とした総合エンタテインメント企業グループです。

同社は、研修の際に社員が時間と場所を選べることや、通常業務が滞らないこと、運営側の煩雑な事務処理の軽減などを目的にeラーニングを導入しました。導入のきっかけは、従来の対面式の研修では社員が参加しにくく、開催者側も多大な労力と時間がかかっていたことです。

eラーニングの導入により受講しやすい環境が整い、海外勤務の社員も受講可能に。また、対面研修にかかっていた講師や運営側の手間がすべて解消され、負担軽減が実現しました。さらに、確認テストがあり見直しができるため学習効果の向上についても成果として挙げています。

株式会社三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ

株式会社三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズは、三越伊勢丹グループの人材サービスを提供する企業です。

同社は、社内向けとは別に、派遣人材向けに教育コンテンツを提供することを目的にクラウド型のeラーニングを導入しました。

導入のきっかけは、社内ですでに活用していたeラーニングシステムでは、セキュリティポリシーにより社外からのアクセスができず、また、全国の派遣社員に向け集団研修を行うことには限界があったためです。

eラーニングの導入により、派遣人材がそれぞれの端末で好きな時間に好きな場所で学習できるようになり、資格試験への対策にも成果を上げています。運営側としても、百貨店ならではのナレッジを組み込んだ独自のコンテンツを作り、提供できるようになりました。

eラーニングの導入を成功させるポイント

eラーニングの導入を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここではその具体的な方法を詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。

自社の課題を把握しeラーニングの導入目的を明確にする

eラーニングを導入する際には、まず自社の課題を正確に把握することが重要です。そのうえで、eラーニングを導入することで何を解決したいのか、導入の目的を明確に設定することが成功の鍵となります。

例えば、研修コストの削減や、社員のスキルアップ、教育内容の均質化など、具体的な目標を持つことで、効果的なeラーニングの活用が可能となるでしょう。

eラーニングの学習者を明確にする

eラーニングを成功させるためには、まず対象がどのような学習者なのかを明確にすることが重要です。学習者の属性・特性やニーズによって、教材やカリキュラムの内容が左右されます。

例えば、新入社員向けの基礎教育と中堅社員向けのスキルアップ研修では、必要とされる内容が大きく異なるでしょう。学習者の役職や経験、業務内容に応じたカリキュラムを設計することで、より効果的な学習が可能となり、eラーニングの導入効果を最大化できます。

eラーニングの教材の質を高める

eラーニングを効果的にするためには、教材の質を高めることが重要です。動画や小テスト、ドリルなど、さまざまな形式の教材を用意することで、学習者が飽きずに学び続けられるでしょう。

特に、実践的な内容を含んだ動画や、理解度を確認するための小テストを組み合わせることで、教育の質が向上します。また、定期的に教材を更新し、最新の情報や技術を取り入れることも大切です。質の高い教材を提供することで学習効果が高まり、eラーニングの導入が成功します。

eラーニングの利用を促進するための体制を整える

eラーニングを学習支援の一環として導入する場合、学習者に継続的に利用してもらうためには、実際の業務課題と教材がリンクするような工夫が必要です。

例えば、日々の業務で直面する問題を解決するための具体的な教材を用意することで、学習者の関心を引きつけ、学習意欲を維持できます。

また、学習進捗をサポートする社内体制を整えることも重要です。定期的なフィードバックやフォローアップを行い、学習者が迷わずに学び続けられる環境を作ることが成功の鍵と言えます。

eラーニングを導入し質の高い教育を提供しよう

eラーニングは、企業・社員の両者にとって効率的かつ柔軟な教育手段です。

導入にあたり、自社の課題を把握し、目的に沿った質の高い教材を用意することが重要です。また、学習者が継続的に利用できる体制を整えることで、効果的な学習環境を提供できます。これらのポイントを押さえ、社員のスキル向上や業務効率の向上につながる質の高い教育を提供するために、eラーニングの活用をぜひ検討してみてください。

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