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EMMとは?MDM・MAMとの違いやメリットとデメリットを解説

2024/09/13 2024/09/13

MDM

MDM

EMMとは

モバイル端末の利用によって場所や時間を選ばず業務遂行できる現代。利便性や業務スピードが向上する反面、情報漏洩などのセキュリティリスクがあると懸念されています。本記事では、モバイル端末を一元管理できる「EMM」とは何かについて、導入のメリットとデメリットを解説します。

EMMとは?

EMMとはEnterprise Mobility Managementの略称で、企業がモバイル端末を総合的に一元管理するためのシステムです。EMMを導入することで、従業員が使うスマホやタブレットのセキュリティリスクを大幅に低減し、情報漏洩を防ぐことが可能になります。

また、業務効率の向上も期待され、従業員がどこからでも安全に業務を行える環境が整備されます。企業にとって、EMMは現代のモバイルワークに欠かせない重要なツールです。

EMMを構成する要素

EMMは、MDM、MAM、MCMの3つの要素を兼ね備えたシステムです。それぞれの役割について詳しくご紹介します。

MDM

MDMとは、Mobile Device Managementの略でモバイルデバイス管理を意味します。企業が使用するノートパソコンやスマホ、タブレットなどのモバイル端末を一元的に管理するためのシステムです。

このシステムを導入することで、企業は端末のセキュリティや運用を効率的に管理できます。主要な機能としては、以下が挙げられます。

  • 端末のリモートロック・ワイプ
  • アプリの一括インストール
  • OSやアプリの更新管理
  • デバイスの紛失対策と追跡

MAM

MAMとは、Mobile Application Managementの略でモバイルアプリケーション管理を意味し、モバイル端末内のアプリケーションを管理するためのシステムです。

企業で利用されるアプリケーションの配布や更新、アクセス制御を効果的に行えます。MAMの活用により、業務に必要なアプリが安全かつ適切に使用され、データの漏洩リスクが低減されるでしょう。主要な機能は以下のとおりです。

  • アプリのリモート配布・更新
  • アプリのアクセス制限設定
  • アプリの利用状況のモニタリング
  • アプリごとのVPN接続設定

MAMの意味とは?仕組みや機能・MDMとの違い、導入時の注意点

MCM

MCMとは、Mobile Contents Managementの略でモバイルコンテンツ管理を意味します。モバイル端末で扱う社内ファイルや資料などのデータを安全に管理し、コンテンツを一括で配信するためのシステムです。

このシステムにより、企業内の重要なデータが適切に管理され、従業員が必要な情報に迅速にアクセスできるようになります。主要な機能としては、以下が挙げられます。

  • コンテンツのリモート配信と更新
  • コンテンツの編集や閲覧の制限
  • データの暗号化による保護

EMMが誕生した背景とは

EMMが誕生した背景には、働き方の多様化やビジネスツールの進化といった、ビジネス環境の急速な変化があります。リモートワークやモバイルデバイスの普及により、企業はいつでもどこでも安全に業務を遂行するためのシステムが求められるようになりました。

EMMは、これらのニーズに応えるために、モバイル端末やアプリケーション、コンテンツの管理を統合し、企業が安全かつ効率的・確実に運営を続けるために必要不可欠な存在となっています。

EMMを導入するメリット

EMMを導入することで、企業はセキュリティの強化や業務効率の向上など、さまざまなメリットを享受できます。これらのメリットについて詳しくご紹介します。

業務用モバイル端末の一元管理ができる

EMMを導入することで、業務用モバイル端末の一元管理が可能となり、管理業務の効率化が大幅に向上します。従来、個別に行っていた端末の設定やセキュリティ対策を統合的に管理できるため、IT担当者の負担が軽減され、ミスや抜け漏れも防ぎやすくなります。

また、リモートでの管理や制御ができることで、複数の拠点やリモートワーク環境でも円滑な運用が実現するため、企業全体の運営効率が向上するのです。

セキュリティリスクを低減できる

EMMを導入することで、盗難や紛失による情報漏洩などのセキュリティリスクを大幅に低減できます。企業のモバイル端末が紛失した場合でも、リモートロックやデータの遠隔削除が可能なため、機密情報が不正にアクセスされるリスクを最小限に抑えられるでしょう。

また、端末のセキュリティポリシーを一括で適用することで、全社的に統一されたセキュリティ対策が可能となり、常に最新の脅威に対応できるのが強みです。これにより、企業の情報資産を確実に守れます。

BYODを導入できる

EMMを導入することで、従業員所有のモバイル端末を業務で利用するBYOD(Bring Your Own Device)の導入が可能になります。

従業員が自分の慣れ親しんだ端末で業務を行えるため、使い勝手が向上し、業務効率が高まるのがBYODのメリットです。また、企業にとっては端末の購入や管理コストの削減にもつながります。

さらに、EMMによって業務データと個人データを分離し、セキュリティを確保しつつ、柔軟な働き方を支援できます。

テレワークを推進できる

EMMを活用すれば業務用モバイル端末を遠隔から管理できるため、テレワークの推進が容易になるでしょう。

企業は、従業員に安全に業務を行える端末を配布し、どこにいても端末の設定やセキュリティ管理を一括で行えます。リモート環境でもスムーズな業務運営が可能となり、柔軟な働き方を支援する企業の体制が整うのです。

結果的に、テレワークの普及に伴い、効率的な働き方と従業員の満足度向上にもつながるでしょう。

EMMを導入するデメリット

EMMを導入する際のデメリットについても考慮が必要です。ここからは、知っておくべきこれらのデメリットについて詳しく解説します。

導入・運用に費用・手間がかかる

EMMを導入する際には、初期費用や運用費用が発生するため、コスト面での負担が大きくなることがあります。さらに、適切な製品の選定や導入に伴う業務プロセスの見直し、新しいルールの策定が必要です。

また、従業員に対する教育や研修も欠かせないため、導入と運用には相応の手間がかかります。これらの準備を怠ると、期待される効果が十分に発揮されない可能性があるため、慎重な計画と実行が欠かせません。

セキュリティ対策を完璧にできるわけではない

EMMを導入しても、セキュリティ対策が完璧になるわけではありません。例えば、遠隔操作ができないエリアに端末がある場合や、トラブルが発生してから実際に対処するまでに時間がかかるため、迅速な対応が難しく、セキュリティリスクが残る場合があります。

また、技術的な制約やシステムの限界から、すべての脅威に対応することは難しいため、追加の対策や準備が必要です。EMMには、万全な対策とは言えない部分も存在することも理解しておきましょう。

EMMを導入する際のポイント

スムーズに適切なEMMを導入するには、いくつかの重要なポイントがあります。その具体的なポイントについて詳しくご紹介します。

従業員への教育を行う

EMMを導入する際には、従業員へのセキュリティ教育を必ず行いましょう。個人のデバイスが会社によって管理されることに対して、不満や抵抗を感じる従業員も少なくありません。そのため、事前にEMMの目的やメリットを丁寧に説明し、従業員が納得したうえで導入を進めることが重要です。

十分なコミュニケーションをとることでセキュリティ意識が高まり、EMMの運用がスムーズに進むだけでなく、従業員との信頼関係も強化されます。

自社に合ったEMMを導入する

導入するEMMが、自社のモバイル端末やクライアントPCのOSに対応しているかどうか、そしてセキュリティレベルが自社の要件に合っているかを確認することが重要です。

すべての端末で一貫して管理ができるEMMを選ぶことで、管理の効率が向上し、セキュリティの抜け穴を防げ、導入後の運用もスムーズに進むようになります。

EMMを導入しセキュリティレベルを上げよう

EMMを導入することで、モバイル端末やアプリケーションの一元管理が可能になるため、情報漏洩リスクを最小限に抑えられます。また、テレワークやBYODの導入を支援し、効率的な業務運営と柔軟な働き方を促進することも可能です。

EMMは、現代のビジネスにおいて必要不可欠なセキュリティツールと言えます。導入して、企業全体のセキュリティレベルを大幅に向上させましょう。

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