無料で利用できるVPN6選!リスクや安全性・有料VPNサービスとの違いを解説
安全なデータ通信環境を構築する「VPN」。需要の高まりから多くのサービスが誕生していますが、どのような基準でサービスを選定すればよいのでしょうか。本記事では無料で利用できるVPN6選を紹介し、無料サービスのリスクや安全性、有料サービスとの違いを解説します。
目次
VPNとは?
VPNとは「Virtual Private Network」の略で、仮想専用ネットワークのことを指します。これは、2つの拠点間に仮想的なトンネルをネットワーク上に形成し、そのトンネルを通じてデータを送受信する技術です。
具体的には、送受信するデータを「カプセル化」「暗号化」によって保護し、利用者を「認証」して制限することで、セキュリティを向上させます。情報化社会の現代において、インターネット上でのデータ通信を安全に行うための重要な手段と言えるでしょう。
▷VPNとは?必要性や仕組み、利用するメリット・デメリットをわかりやすく解説
無料のVPNを選ぶ際のポイント
無料のVPNを利用する際には、いくつかの重要なポイントに注意が必要です。ここでは、具体的な選び方について詳しく見ていきましょう。
完全無料で利用できるか
無料のVPNと聞くと、一切費用がかからないと思われがちですが、実は全てがそうとは限りません。実際には無料期間が限定的であったり、返金保証期間を実質的な無料期間としている場合があり、無料版では機能や速度が制限されている場合も多いです。
特にビジネスパーソンにとっては、VPNの利用中に突然料金が発生するのは避けたい事態でしょう。無料のVPNサービスを選ぶ際には、利用規約や条件をしっかり確認することが重要です。
通信速度が遅くないか
無料のVPNを選ぶ際に重要なポイントの一つは通信速度です。無料VPNは多くの場合、データ容量や通信速度に制限がかけられています。そのため、ビジネスで利用する場合、特に大容量のデータを扱う時やビデオ会議を行う際に、速度低下が問題になることがあります。
安定した通信速度を求める場合、有料プランへのアップグレードを検討するか、無料VPNの速度や容量制限を事前に確認することが大切です。
セキュリティ対策に優れているか
無料のVPNは手軽に利用できる反面、セキュリティ対策が十分でない場合があります。したがって、データが第三者に漏れたり、不正アクセスを受けたりするリスクにつながる可能性があります。
特にビジネスでの利用を考える場合、セキュリティ上の危険を見過ごすことはできません。無料VPNを選ぶ際には、暗号化技術やセキュリティプロトコルの導入状況を確認し、信頼できるセキュリティ対策が講じられている製品を選ぶことが大切です。
安心して利用できるVPNを見つけるために、セキュリティ面をしっかりとチェックしましょう。
完全無料で利用できるおすすめのVPN3選
完全無料で利用できるVPNはいくつか存在しますが、その中でも特におすすめの3つを次にご紹介します。
Hide.me VPN
Hide.me VPNは、マレーシアに拠点を置くVPNサービスです。無料プランでも通信料に制限が無いのが特徴で、大きなデータのやり取りにも使用することができます。
また有料プランにも無料体験期間が設けられており、すべてのサーバーを利用した高速通信を体験することも可能です。もちろん、無料プランでも有料プラン同様のセキュリティレベルは確保されています。このVPNは、特に初めてVPNを利用する方や、コストを抑えたいビジネスパーソンにおすすめです。
提供元 | eVenture Ltd. |
初期費用 | 無料プランはカード登録なども無し |
料金プラン |
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機能・特徴 | ボルト-高速プロキシ、IPv6完全対応、マルチホップ、SmartGuard、ステルスガード、IP漏えい防止、ポートフォワーディングなど |
URL | 公式サイト |
Turbo VPN
Turbo VPNは、シンガポールを拠点とする信頼度の高いVPNサービスです。全国111か所にサーバー拠点を持ち、広い範囲でさまざまなネットワークに接続できるのが特徴です。
軍事レベルともいわれる高度な暗号化技術を用いており、無料プランであっても高度なセキュリティが期待できます。またMacOSやWindows以外にandroidOCやiOS、Nintendo Switchなどのゲーミングデバイスにも対応しており、幅広いシーンで利用が可能です。
提供元 | INNOVATIVE CONNECTING PTE. LIMITED |
初期費用 | 無料プランでは初期費用無し |
料金プラン |
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導入実績 | 3億のユーザー |
機能・特徴 | 匿名でのブラウジング、キルスイッチ、AES-256暗号化、ISPスロットル検出装置、ノーログポリシー、プライベートDNSなど |
URL | 公式サイト |
ProtonVPN
ProtonVPNは、スイスに拠点を置くプロバイダーの提供するセキュリティサービスです。簡単な操作で利用できる無料VPNサービスとして広く知られており、PCやモバイルデバイスのほかにルーターにも利用できます。
また、有料版含むすべてのプランでノーログポリシー(ユーザーの情報を保持しない規則)を採用しており、重要なデータの送受信にも使用しやすいのがポイントです。
提供元 | Proton AG |
初期費用 | 無料プランでは初期費用無し |
料金プラン |
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機能・特徴 | セキュアコア、完全な秘匿性、Netshield広告ブロッカー、ログなしポリシー、Tor経由VPN、無制限の帯域幅、高速VPNサーバーネットワークなど |
URL | 公式サイト |
【無料トライアルあり】おすすめのVPN3選
次に紹介するVPNは無料トライアル期間を設けており、短期間のみ利用したい場合や比較検討を行いたい場合に便利です。ここでは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
CyberGhost
CyberGhostは、日本語サポートとユーザーフレンドリーなインターフェースが人気のVPNサービスです。世界100か国以上にサーバーを持ち、高いセキュリティ対策と豊富なサーバーオプションを両立しています。
45日間の返金保証付きトライアル期間があり、機能に満足できなかった場合は解約することができます。また、トライアル期間中でも最大7台のデバイスを接続することができ、無料版と同様の通信環境、セキュリティレベルが保障されているのが大きな特徴です。CyberGhostは、初めてVPNを利用する方からセキュリティ重視のビジネスパーソンまで、幅広いニーズに応える信頼性の高いサービスといえるでしょう。
提供元 | CyberGhost S.R.L. |
初期費用 | トライアル期間はカード登録不要 |
料金プラン |
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機能・特徴 | 高速グローバルサーバー、複数デバイスに対応、堅牢なプライバシーの提供、強力な保護、カスタマーサポート、返金保証など |
URL | 公式サイト |
ExpressVPN
ExpressVPNは、高速な接続と強力なセキュリティを提供するプレミアムVPNサービスです。30日間の返金保証があり、リスクなしで機能を試すことができます。どのプランにも30日間の返金保証期間がありますが、2024年現在12か月プランで半額セールを行っており、これを選べば最も低い初期費用でトライアルが可能です。
また、24時間365日のサポート体制も魅力で、日本語対応も可能なため安心して利用することができます。VPN接続が途切れた際にすべての通信を遮断して保護するキルスイッチ機能や、高速並行通信に対応したトンネルシステムなどの存在も大きなメリットです。
特に重要な情報や大きなデータをやり取りするビジネスパーソンにとっては、試してみる価値のあるVPNサービスといえるでしょう。
提供元 | Express Technologies Ltd. |
初期費用 | 利用開始時に支払情報を登録し、任意のプランで支払いを行う(期間内に解約すれば返金処理が行われる) |
料金プラン |
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導入実績 | アプリダウンロード数5000万以上 |
機能・特徴 | パスワードマネージャー、トラッカーブロック、広告ブロック、105か国にあるVPNサーバー拠点、24時間対応のサポート、超高速な接続スピードなど |
URL | 公式サイト |
Surfshark
Surfsharkは、手頃な価格で高品質なサービスを提供する人気のVPNで、30日間のお試し期間があり、さまざまなプランを体験することができます。1か月、12か月、24か月のすべてのプランで同様のトライアル期間があるため、まずは安価な1か月のプランで機能を確認してみるといいでしょう。
多機能でセキュリティに優れ、ほかではあまり見られないマルウェア対策やデータ漏えいアラートといった機能を備えているのも魅力です。また同時接続台数に制限がなく、テレワークや出張の多いビジネスパーソンにとって強い味方になりえます。
提供元 | Surfshark B.V., KvK |
初期費用 | 利用開始時に支払情報を登録し、任意のプランで支払いを行う(期間内に解約すれば返金処理が行われる) |
料金プラン | ■1か月
■12か月
■24か月
※30日間の返金保証あり |
機能・特徴 | 安全なVPN、広告ブロッカー、Cookie pop-up blocker、個人情報ジェネレーター、マスクメールジェネレーターなど |
URL | 公式サイト |
無料VPN・有料VPNの違い
無料VPNと有料VPNには、それぞれ異なる特徴と利点があります。両者の違いを具体的に比較しながら、用途に合った選び方を確認していきましょう。
データ通信の安全性の違い
有料VPNサービスは、一般的に高度なセキュリティ対策が施されており、安心して利用できます。具体的には、強力な暗号化技術や厳格なノーログポリシー、24時間のサポートなどが含まれます。
一方、無料VPNサービスはこれらの対策が不十分なことが多く、データ漏洩や不正アクセスのリスクが高まる場合があります。特に無料版のみのVPNサービスでは、セキュリティシステムの更新頻度が低いなど、根本的な脆弱性に注意しなくてはいけません。
セキュリティ項目 | 有料VPN | 無料VPN |
暗号化技術 | 強力 | 弱い場合が多い |
ノーログポリシー | 厳格 | 不明確な場合が多い |
セキュリティプロトコル | 最新 | 古い場合が多い |
サポート体制 | 24時間対応 | 限定的 |
データ漏洩リスク | 低い | 高い場合が多い |
▷VPNのセキュリティは安全?理解しておきたい仕組みやセキュリティリスク・被害事例について
通信速度の違い
有料VPNサービスは、大容量データの送受信時でも基本的に安定した通信速度を保つことができます。これは、多くのサーバーオプションや優れたインフラを持つためです。また、有料サービスでは通信速度の制限が少なく、ビジネスにおいても快適な利用が可能です。
一方、無料VPNサービスはサーバー数が限られていることが多く、利用者が増えると通信速度が低下するケースが多々あります。特にビデオ会議や大容量ファイルの転送など、速度が重要な場面では、無料サービスは不向きと言えます。
▷VPN接続で通信速度が遅い理由とは?原因と対策をわかりやすく紹介
利用制限の違い
無料VPNサービスには、データ容量や同時接続できるデバイスの数などに制限があります。例えば、無料サービスでは一定のデータ容量を超えると速度が大幅に低下することがあり、大容量のファイルを送受信する際には不便を感じることがあります。また、同時接続できるデバイスの数が限られているため、複数のデバイスでの利用が難しい場合があります。
一方、有料VPNサービスはこれらの制限が少なく、快適に利用できることが多いです。
無料VPNサービスを利用する際は、1か月に利用できるデータ容量や接続デバイス数などをよく確認してから契約するようにしましょう。
サーバの拠点数の違い
有料VPNサービスは、多くの国にサーバー拠点を持ち、利用者は世界中の様々な地域から接続先を選ぶことができます。これにより、安定した通信速度を確保しやすく、地理的制約を受けにくいのが特徴です。
一方、無料VPNサービスはサーバー拠点の数が限られているため、特定の地域にアクセスが集中しやすく、通信の快適性が損なわれることが多いです。有料プランのトライアル期間でも、使用できるサーバーに制限がある場合もあるので注意しましょう。
特にビジネスでの利用を考える場合、サーバー拠点の多さは重要な要素となります。
専用アプリの有無の違い
無料VPNサービスの多くは専用アプリが提供されておらず、利便性に欠けることがあります。専用アプリがない場合、手動で設定を行う必要があり、技術的な知識が求められることも少なくありません。
専用アプリがあると接続が簡単で、直感的に使えるインターフェースや追加機能も利用できるため、操作が非常に楽になります。有料VPNサービスの多くは専用アプリを提供しており、初心者でも簡単に設定・利用ができるよう配慮されています。
サポートの充実度の違い
有料VPNサービスは、導入や運用時に受けられるサポートが非常に充実していることが多いです。例えば、24時間体制のカスタマーサポートや、問題解決のための詳細なドキュメント、チャットやメールでの迅速な対応が含まれます。
一方、無料VPNサービスでは、サポート自体が提供されていない場合や、提供されていても限定的なケースが多いです。これにより、技術的な問題が発生した際に迅速な解決が難しくなることがあります。
運営会社の信頼度の違い
有料VPNサービスは、運営元の詳細情報やVPNの仕様、セキュリティポリシーを公開している信頼できる運営会社が提供していることがほとんどです。これにより、ユーザーは安心してサービスを利用できます。
一方、無料VPNサービスでは、これらの情報が公開されていないことも多く、信頼性に欠ける場合があります。運営会社の透明性が低いと、データの取り扱いやプライバシー保護に不安を感じることもあるでしょう。
無料のVPNサービスは広告収入で運営費を賄っていることが多く、そのためのログ収集やデータトラッキングの可能性にも注意が必要です。
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無料VPNのリスク
無料VPNには、思わぬリスクが潜んでいることがあります。それぞれのリスクを理解し、安全な選択をするために具体的例を確認していきましょう。
悪意のある運営者によってデータを転売される可能性がある
無料VPNの中には、セキュリティ保証を明記していない悪意のある運営者によって提供されているものがあります。こうしたVPNを利用すると、接続中に個人情報が収集され、それが第三者に転売されるリスクに留意しましょう。
例えば、閲覧履歴や通信の相手や時間といった内容が、知らないうちに悪用される可能性があります。特にビジネスパーソンにとって、重要な情報が漏洩する危険性は大きな問題です。有料プランを設定しておらず、広告も表示されないサービスなどは、どのように運営費を回収しているか注意してみるといいでしょう。
サイバー攻撃・ウイルス感染のリスクがある
無料VPNを利用する際、表示される広告を起点にサイバー攻撃やウイルス感染のリスクがあることに注意が必要です。
多くの無料VPNは収益を広告に依存しており、これらの広告が悪意のあるサイトやマルウェアの拡散を目的とする場合があります。誤って広告をクリックすると、デバイスがウイルスに感染し、データが盗まれる可能性があります。
特にビジネスで使用するデバイスが感染すると、重大なセキュリティリスクとなりうるでしょう。
データ通信の安全性を重視するなら有料のVPNがおすすめ
無料のVPNサービスは、コストを抑えたいユーザーにとって魅力的ですが、セキュリティ面で多くの課題があります。個人情報の漏洩やサイバー攻撃のリスクが高く、データの安全性を確保するのが難しい場合が多いのです。
これに対して、有料のVPNサービスは、高度なセキュリティ対策や安定した通信速度を提供し、信頼性が高いです。特にビジネスで重要なデータを扱う際は、広告以外に収入源を持つ有料のVPNサービスを優先的に利用しましょう。
無料サービスに潜むリスクを知りVPNの選定は慎重に行おう
無料VPNサービスは一見魅力的ですが、個人情報の漏洩やサイバー攻撃など多くのリスクが潜んでいます。通信速度やサポート、セキュリティ対策の面で有料サービスに劣ることも多く、ビジネスでの利用は特に注意が必要です。
安全で快適なインターネット環境を確保するために、しっかりとした情報をもとに、慎重に選定を行いましょう。
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