ウェビナー(Webセミナー)とは?目的やメリット・デメリットを解説

最終更新日時:2024/02/29

ウェビナーツール

ウェビナーとは

Web上で行うセミナーを指す「ウェビナー」。日本では比較的新しい取り組みですが、会場の手配や参加者への対応などの費用が省けることから注目されています。本記事では、ウェビナーとは何か、ウェビナーを開催する手順やメリット・デメリットについて詳しく解説します。

ウェビナー(Webinar)とは?

ウェビナー(Webinar)とは、ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)をかけ合わせた造語であり、その名の通り、インターネットを通じて行われるセミナーのことです。

時間や場所を選ばずに開催、参加できることを最大の強みとして、新型コロナウイルスの影響で多くの人が集まれなくなった時期に注目されるようになりました。セミナー以外にも、会社説明会、社員教育、商品紹介などを自由に配信できるうえ、使用するツールによっては1万人が同時に参加することも可能です。従来の対面型セミナーを大きくアップグレードした取り組みとして、さまざまな分野で活用されています。

ウェビナーとオフラインセミナーの違い

ウェビナーとオフラインセミナー(従来の対面型セミナー)はどちらも情報を伝える場として活用されていますが、開催方法やアプローチできる参加者の範囲に大きな違いがあります。

オフラインセミナーの場合、参加人数に合った会場を手配し、会場の規模に合わせた機材や人員の配置などの準備が必要です。一方のウェビナーは、インターネット上でセミナーを行うため、場所を選ばずに配信することができます。また、参加する側も会場に足を運ぶことなく、好きな場所から視聴することが可能です。

ウェビナーとWebミーティングの違い

ウェビナーとWebミーティングは、どちらもオンラインでコミュニケーションを取る手段として大きな違いはありませんが、一般的に条件や状況の違いにより呼称が分けられることが多い傾向にあります。

双方向のコミュニケーションの場として設定されることの多いWebミーティングに対して、ウェビナーでは、聞き手は画面の表示がオフであったり、発言するには許可を取らなければいけないなどの制限を設けることがあります。

ウェビナーWebミーティング
  • 参加人数が多い
  • 不特定多数の人が参加する
  • 基本的に主催者による一方通行型の情報配信
  • 配信のための機材を要する
  • (ウェビナーに比べ)参加人数は少ない
  • あらかじめ決められた人が参加する
  • 主に主催者と参加者の双方向のコミュニケーションが目的
  • パソコンやタブレットなどで行える

ウェビナーの配信方法|ライブと録画の違いとは?

ウェビナーの配信方法には、ライブ配信と録画配信(オンデマンド配信)の二つの形式があります。それぞれの特徴をみていきましょう。

ライブ配信

ライブ配信の魅力は、リアルタイムで質疑応答の時間を設けられるなど、双方コミュニケーションができる点にあります。また、ライブ配信は参加者が開催時間に一斉に視聴するため、参加者同士の交流やイベントの特別感が満足度を上げる効果も見込めるでしょう。

開催者側にとっては、聞き手の反応がモチベーションにもなりますが、その一方で、万が一にも誤った情報や不適切な発言があった場合、そのまま配信されてしまうといったリスクがあります。

録画配信(オンデマンド配信)

録画配信(オンデマンド配信)は、あらかじめ録画されたコンテンツを好きな時間に視聴できる配信方法です。視聴者は自分のスケジュールに合わせて、繰り返し視聴することが可能です。何度も見たくなるような魅力的なコンテンツや、反復学習が求められる教育関係の配信に適しています。

また、講師は配信内容を事前に準備し、編集することで、より洗練されたプレゼンテーションを提供できるというメリットもあります。一度に多くのコンテンツをまとめて撮影し、編集してから順次公開していくといった方式を取ることも可能です。

ウェビナーのメリット

ウェビナーはまだ比較的新しい取り組みなので、そのポテンシャルが充分に発揮されているとは言えません。正しく使いこなす企業や人物が増えることで、学びやビジネスの在り方を画期的に変えていく力が秘められています。

しかしウェビナーを最大限に活用するためには、その特性をきちんと把握しておくことが前提になります。開催者側と視聴者側それぞれの立場から、メリット・デメリットを詳しく解説していきます。

【開催者側】ウェビナーのメリット

ウェビナーを開催する側の最大のメリットは、世界中のオーディエンスに向けて一度に発信できることです。自動字幕や翻訳機能を持つツールも存在するため、翻訳者を雇わなくても言葉の壁をある程度乗り越えることすら可能です。参加者のパイを限界まで増やし、セミナーの効果を最大限に高めることができます。

大がかりな会場を押さえる必要もないため、準備のコストが劇的に削減されます。さらには、ウェビナーは録画していつでも視聴することができるので、コンテンツの資産として長期的に収益を産み続けることも可能です。

【視聴者側】ウェビナーのメリット

視聴者にとってのウェビナーの利点は、いつでもどこでもデバイスとインターネットさえあればアクセスできることです。子育て中でも、海外に住んでいても、深夜シフトで働いていても、それぞれのペースで新しい知識を吸収することができます。

また、多くのウェビナーではリアルタイムで質問をしたり、議論に参加したりすることが可能です。オフラインセミナーに出席するのと大差ない学びを、よりフレキシブルでアクセスしやすく享受できるようになります。

ウェビナーのデメリット

ウェビナーは多くのメリットを提供する一方で、無視できないデメリットもいくつか存在します。しかし、デメリットの性質を深く理解することで、より巧みにウェビナーを活用できるようになります。

【開催者側】ウェビナーのデメリット

開催者側にとってのウェビナーのデメリットは、全てがインターネットを介することによる不安定さです。例えば停電やインターネットの接続不良、ツールの不具合などがあれば、セミナーが開催直前で中止になることもあります。あるいは中止には至らずとも、通信が混雑すれば参加者が快適にウェビナーに参加できなくなります。

またウェビナーには、参加者が途中退席しやすいという傾向があります。内容がつまらないと感じたり、話の流れを追えなくなってしまうと、ワンクリックで退席することができるためです。このように、利便性とトレードオフとなる弱点が存在するので、入念な準備や参加者を飽きさせない工夫が求められるのがウェビナーのデメリットです。

【視聴者側】ウェビナーのデメリット

視聴者側から見たウェビナーのデメリットは、画面越しのコミュニケーションであるが故に集中力が続かない、どのコンテンツを見ればいいのかわからない、などが挙げられます。

こうした悩みを持つ参加者を想定し、開催者側がコンテンツを見る順番のガイドラインを用意したり、ウェビナー中には参加者にこまめに問いかけたりと対策をとることがあります。オンラインという性質上やむ負えない部分もあるので、デメリットを上手に埋めてくれるウェビナーを選択していくなどの意識が重要です。

ウェビナーの開催手順

ウェビナーを開催するための主要ステップを順番に見ていきましょう。この手順に従えば、あなたもウェビナーをすぐに開催できます。

ウェビナーのコンテンツを作成する

まずはコンテンツを用意しましょう。オフラインセミナーと同じ要領で問題ありませんが、参加者の顔が見えないと講師がやりづらさを感じるケースが多くあります。ウェビナー向けのコンテンツとして、一度録画してから見返すなどの訓練を積んでおくと万全です。

他にも身振り手振りをより大げさにしたり、ハキハキとした簡潔な発言を意識するなどのチューニングが大切です。評判の良いウェビナーを事前に何本か見ておくとスムーズにコツを掴めるでしょう。

ツールを選定する

ウェビナーをスムーズに実施するためには、適切なツールの選定が欠かせません。機能性、使いやすさ、信頼性を基準に、ビデオ会議システムやプレゼンテーションツールを選びましょう。また、参加者とのインタラクションを促進する機能も重要な選定基準です。

コンテンツを用意する目途が立ったら、ウェビナーを行うツールを準備しましょう。近年はスマートフォン一台と無料アプリでもそれなりのウェビナー(ライブ配信)を行うことができますが、質の高いウェビナーを実施するには専用のビデオ会議システムやプレゼンテーションツールが不可欠です。詳しい選び方は後述します。

運営体制・機材を準備する

ウェビナーを行うためのツールを選んだ後は、機材を用意してリハーサルを行いましょう。パソコンに搭載されているようなカメラやマイク、あるいは部屋に常設されている照明では、キチンとしたウェビナーを提供するには不十分な場合がほとんどです。

それなりに性能の高い機材を揃えた後に、試験的なウェビナーを開催してユーザーからの見え方をリハーサルしてください。技術スタッフの動きや、トラブルが起きた場合の対策まで想定しておくと安心です。繰り返しとなりますが、ウェビナーは便利な反面、機材トラブル一つで実施できなくなるリスクがあることを入念に意識しておきましょう。

集客・告知を行う

ウェビナーの成功は集客にかかっています。SNS、メールマーケティング、ウェブサイトを活用してイベントを宣伝し、関心を持つであろうオーディエンスにリーチしましょう。

またウェビナーは参加者がいつでも見れる状態にして公開し続けることも可能です。興味を持った人が見つけやすいようなタイトルをつけ、見つけやすい場所に配置するなどのSEO対策も極めて重要です。

開催のリマインド・視聴URLを案内する

ウェビナー開催前には、参加者へのリマインドが欠かせません。開催日数日前と当日にリマインダーを送り、視聴URLや参加に必要な情報を共有しましょう。

オフラインセミナーとの大きな違いとして、参加者の通信環境やデバイスのOSなどによってはウェビナーを視聴できないことがあります。事前にツールのセットアップが必要な場合にも、あらかじめ丁寧な通知を繰り返しておくことが望ましいです。直接顔を合わせることのないウェビナーだからこそ、参加者へのきめ細かな配慮は競合との差がつきやすい要素です。

ウェビナーツールの選定方法

ウェビナーツールを選ぶ際には、その目的、規模、予算に応じて最適な選択をしましょう。利用者のニーズに合わせたツール選びは、ウェビナーの成功を大きく左右します。ここでは、ウェビナーをスムーズに実施するためのツール選定方法を紹介します。

料金で選ぶ

ウェビナーツールを選ぶ際、最初に考慮すべき点は予算です。無料プランから始まり、機能が追加されるごとに料金が上がるものまで、さまざまな価格帯のツールがあります。

コストパフォーマンスを最大化するためには、実現させたいウェビナーにはどんな機能が必要かをまず理解する必要があります。

一例として、代表的なウェビナーツール「Zoom」の価格帯は以下の通りです(2024年2月時点)。

  • 出席者数~100人(月額:12,375円~)
  • 出席者数~1000人(月額:45,700円~)
  • 出席者数~3000人(月額:334,700円~)

出席者数以外にもさまざまな要素がありますので、予算を決めるためには先にどんなウェビナーを開催するかを決定しておきましょう。

搭載機能で選ぶ

ウェビナーを行うツールには、投票機能やQ&Aセッションのサポート、プレゼンテーション画面の共有、録画機能、参加者管理、自動字幕などさまざまな機能が搭載されています。ツールを購入した後でウェビナーの内容を調整するのではなく、ウェビナーで発信したい内容に最適なツールを選ぶことが大切です。

利用する人数で選ぶ

多くの場合は、ウェビナーを行うツールの価格設定は参加人数によって設定されています。数千人以上が集まるような大規模ウェビナーを実施する場合には、接続最大人数や通信品質の保証機能が条件を満たすツールが求められます。

例えば、より多くの参加者が互いの顔を見てやりとりするウェビナーを開催したい場合には、一度に表示できる画面数がより多い機能をもつツールを選択するとよいでしょう。

サポート体制の充実度で選ぶ

ツールのサポート体制は、問題が発生した際に迅速に対応できるかどうかを左右します。特に複雑な機能を使う際や操作方法に不慣れな場合、充実したサポート体制は心強い味方になってくれます。

24時間サポート、ライブチャット、詳細なFAQやチュートリアルビデオなど、サポートの質と種類を確認して、万全のサポート体制を備えたツールを選びましょう。

【2024年最新】おすすめのウェビナーツール12選を比較!選び方や利用するメリット

ウェビナーを開催し見込み顧客の獲得につなげよう

ウェビナーは企業と消費者のコミュニケーションを根本的に変えるほどの可能性を秘めています。良質なコンテンツを適切に展開すれば、ビジネスを大きく成長させる手段になることでしょう。

成功のカギは、魅力的なコンテンツの作成、適切なツールの選定、効果的なプロモーション、そして参加者の積極的なエンゲージメントの獲得です。ウェビナーへの正しい知識を持ち、あなたのビジネスを世界中の顧客の元へと届けてみてはいかがでしょうか。

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ビズクロ編集部
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