IP電話と光電話の違いとは?共通点やそれぞれのメリット・デメリットも解説
通信インフラを整えることは企業にとってとても重要です。その際にIP電話や光電話の導入を検討している人もいらっしゃると思います。本記事では両者の違いや共通点、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。是非、導入の際に参考にしてください。
目次
IP電話と光電話の違い
IP電話と光電話の違いがよくわかっていない人は多いのではないでしょうか。ここでは、IP電話と光電話の違いについてご紹介します。
IP電話とは
IP電話のIPは「Internet Protocol」の略で、IInternet Protocolという通信方式を利用して音声通話ができるサービスを指します。
従来の基地局を経由する固定電話とは違い、音声がデジタル化されてインターネットを経由することにより、相手に音声が届く仕組みです。
IP電話ごとに固有の電話番号がそれぞれ割り当てられているため、一回の通話につき、一定の通話料がかかります。
▷IP電話の音質は良い?悪い?仕組みと音質の関係や通話品質を改善する対策法
光電話とは
光電話はIP電話の一種で、インターネットの光回線に音声を乗せることで相手と電話ができる仕組みです。
光電話の代表的なサービスは、フレッツ光やNURO光などです。光電話の使用方法や音声品質は、従来の電話と比べても差はありません。
IP電話と光電話の違い
光電話はIP電話の一種であるものの、それぞれで違いがあります。
IP電話は主にプロバイダが提供しているサービスなのに対し、光電話はNTTやKDDIなどの通信インフラを持つ会社が提供しているという点です。
通信形式はIP電話の音声データはパケットというデータ単位に分けられ、光電話は光ファイバーというインターネット回線を利用することで音声データを相手に届けます。
また、IP電話の電話番号は市外局番ではなく「050」から始まるのに対し、光電話は従来の電話と同じ形式の電話番号です。
IP電話と光電話の共通点
IP電話と光回線の共通点は、どちらもインターネット回線を利用した音声通話サービスだという点です。
通話料金が距離に関係なく一律なのも同様で、相手が固定電話の場合は3分8.8円(税込)で通話できます。
IP電話のメリット・デメリットについて
ここからはIP電話のメリットとデメリットについて解説します。
IP電話のメリット
IP電話には以下のようなメリットがあります。
- 通話料金が安い
- 導入が簡単
通話料金が安い
IP電話は固定電話と比較して、基本料金も通話料金も安いのが特徴です。
固定電話は基地局を経由するので、距離が遠くなればそれだけ通話料金が高くなります。
しかしIP電話は相手が固定電話の場合、全国一律3分8.8円(税込)で通話でき、プロバイダが同じIP電話同士は無料で通話できます。
仮に固定電話で100km以上離れた相手と電話すると、通話料が3分88円(税込)かかるため、IP電話は固定電話の10分の1の通話料しかかかりません。
導入が簡単
IP電話はIP電話対応の機器を購入するか、レンタルすることで、元々持っている電話機をそのままIP電話として使えます。
FAXも「G3FAX」という国際規格であれば、引き続き利用可能です。
IP電話のデメリット
一方で、IP電話には以下のようなデメリットがあります。
- 品質や通話速度が不安定
- 利用できない電話番号がある
品質や通話速度が不安定
IP電話の「050番号」は音声品質がクラスA(固定電話並)でなくても販売できるため、品質や通話速度が安定しづらい傾向があります。
またインターネット回線を利用しているため、大容量ファイルが回線を圧迫して音声通話に支障をきたすことがあるのです。
対策としてはインターネット回線の通信速度を強化したり、回線の容量を増やしたりするなどがあります。
IP電話を快適に使うためには、安定して利用できる環境を整える必要があります。
利用できない電話番号がある
IP電話は「0120番(フリーダイヤル)」や「110番(警察)」、「119番(救急)」などに電話をかけることができません。
フリーダイヤルの中には一部IP電話でかけられるものもありますが、有料になります。
そのため、IP電話以外の電話を設置することも検討する必要があるでしょう。
光電話のメリット・デメリットについて
光電話にもメリットとデメリットがありますので解説していきます。
光電話のメリット
光電話には以下のようなメリットがあります。
- 通話料金が安い
- 音声品質が良い
- 電話番号が変わらない
通話料金が安い
光電話は固定電話と比べて月々の基本料金および通話料が安く設定されています。
光電話から固定電話に電話をかける場合、日本国内ならどんなに離れていたとしても、一律で3分8.8円(税込)と非常にお得です。
光電話は遠く離れた相手に頻繁に電話する人に向いてます。
フレッツ光はプランによって料金は異なりますが、月額550円から利用できます。あわせて光電話を使うために必要なルータのレンタル料が毎月約300円かかるものの、合計しても固定電話の月額基本料より安く抑えられます。
音声品質が良い
光電話はインターネットの中でも特に速く、高品質な「光回線」を利用しています。
光回線は現在のインターネット技術の中ではトップクラスの回線速度で、光電話にはその技術が活かされています。
光回線を利用していることで、音が途切れたり、音質が悪かったりといった心配は少なく、固定電話よりも音がクリアで遅延も少ないです。
電話番号が変わらない
固定電話から光電話に切り替えても、今までと同じ電話番号をそのまま引き続き使用できます。
電話機も固定電話と同じものが使えますので、買い替える必要もありません。
IP電話と違って固定電話と機能が同じため、110番や119番などの緊急電話へもかけられます。
光電話のデメリット
メリットが多い光電話ですが、デメリットもあります。
光回線を契約しないと使えない
光電話はインターネット回線を利用した音声通話ですので、インターネット機能の一部です。
つまり、光回線を利用していなければ、先に光回線に加入しなければなりません。
また、光電話は光回線のオプションのひとつなので、光電話だけのプランがなく、光回線の基本料金を含めて月額使用料がかかります。
IP電話と光電話の併用は可能?
ここまで説明してきたとおり、IP電話と光電話にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
そのため、IP電話と光電話を併用すれば、お互いの機能を補完することが可能です。
例えば取引先の多くがIP電話を利用している場合、IP電話を併用することで通話料金が無料になるため、通話のコストを削減できます。
IP電話と比べて通話品質が高い光電話は、快適に安定した通話ができる上、110番などの緊急電話にも発信することが可能です。
IP電話と光電話、双方の特徴をよく理解して、自社に適した電話環境を整えていきましょう。
IP電話と光電話はどんな人におすすめか
IP電話と光電話はそれぞれ異なる特徴があります。それでは、IP電話と光電話ではそれぞれどのような人におすすめなのでしょうか。
IP電話
IP電話は同じプロバイダ同士なら通話料が無料となるため、IP電話を使用している相手との通話が多い場合はIP電話がおすすめです。すでに固定電話を持っており、今より費用を安くしたり他のアプリケーションと統合したりしたい場合はぜひ導入を検討してみてください。
ただし、これまで説明したきたとおり、フリーダイヤルや緊急電話への発信ができないため、企業で導入する場合はIP電話は補助的な役割として考えた方がよいでしょう。
光電話
光電話は固定電話と同じような使い方ができるため、新規で固定電話を導入したい人、できるだけ費用を安くしたい人、長距離電話をよくする人におすすめです。
すでに固定電話があっても、光電話に切り替えることで毎月の電話料金を抑えられます。
携帯電話の普及で家庭で固定電話の利用は減っていますが、企業では固定電話が必要な場合もあります。
電話料金をできるだけ安く抑えたいなら、光電話を検討してみてください。
IP電話と光電話の違いを理解して利用しよう
IP電話と光電話の違いや共通点、メリットとデメリットなどについて解説してきました。
通話する機会の多い企業は、違いを理解することで基本料金や通話料のコストを見直すことができ、経費削減につながる可能性があります。普段の使い方に応じて、IP電話と光電話の導入を検討してください。
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