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危機管理広報とは?必要性や業務内容・事例を詳しく解説

2024/12/12 2025/01/08

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危機管理広報の業務内容

企業がトラブルに直面した際に影響を最小限に抑え、組織の信頼性を守るために行う広報活動「危機管理広報」。インターネットやSNSの普及により情報が瞬時に拡散される現代では企業経営が脅かされるリスクも高まっており、危機管理広報の必要性がいっそう求められています。本記事では危機管理広報とは何か、必要性や業務内容、事例を詳しく解説します。

危機管理広報とは?

危機管理広報とは、企業が突発的な問題やトラブルに直面した際、その影響を最小限に抑え、信頼性を守るために行う広報活動を指します。

例えば、不祥事や製品リコールなど、組織の評判が揺らぐ事態が発生した際に、迅速かつ的確な情報発信を行うことで関係者の不安を和らげ、企業の信用を維持することが可能です。

よって、危機管理広報は単なる情報発信に留まらず、社会や顧客との信頼関係を築く重要な手段でもあるといえます。

企業活動は、自然災害や事件、事故などのリスクにさらされていますが、それらの対策を行っても発生リスクをゼロにすることは非常に困難です。

特にSNSが普及している昨今では、些細な発言が大きな波紋を呼び、企業イメージの低下を招くことも起こり得ます。

このような事態を避けるためにも、危機管理広報は企業にとって必要不可欠な活動なのです。

危機管理広報の必要性とは?

危機管理広報は、企業が直面するさまざまなリスクから守り、経営の安定と発展を支えるために欠かせない取り組みです。ここでは、危機管理広報の必要性について詳しく解説します。

危機管理広報の役割

危機管理広報は、企業が危機的な状況を乗り越え、信頼を守り抜くために重要な「備え」という役割を担っています。以下で、2つの備えについて解説します。

トラブルを防ぐための備え

トラブルを未然に防ぐには、日頃から市場や業界の動向を分析し、企業に関係するステークホルダーの意見や行動を注視することが重要です。そうすることで、潜在的な問題を早期に発見し、リスクを回避するための具体的な対策を講じることができるからです。

企業イメージ・信頼低下回避のための備え

突発的なトラブルが発生した際、迅速かつ的確に対応するための体制を事前に整えることは、非常に重要です。危機的状況でも適切な対応を行うことで、影響を最小限に抑え、企業のイメージや信頼の低下を防ぐことができます。

危機管理広報の事前準備

効果的な危機管理広報を行うためには、平常時からの準備が欠かせません。次に、危機管理広報の事前準備の流れについて解説します。

想定されるトラブルを把握する

危機管理広報の第一歩は、企業が直面し得るトラブルをあらかじめ把握することです。製品・サービスの不具合や情報漏えい、災害、事件、事故など、どのような事態が起こり得るのかを具体的に洗い出し、それぞれに適切な対応を準備しておくことが重要です。

事前に想定しておくことで、トラブルが発生した際も迅速かつ効果的に対応できるため、被害を最小限に抑えられます。

トラブル対応に関するマニュアルを作成する

トラブル発生時に迅速で効果的な対応を行うには、あらかじめ責任者や情報収集のフロー、具体的な対応方針を定め、マニュアルとしてまとめておくことが重要です。

このマニュアルがあれば、混乱を防ぐだけでなく、適切な判断を迅速に下せるようになります。責任の所在を明確にすることで、トラブル対応を円滑に進められる体制を構築することが可能です。

メディアトレーニングを実施する

トラブル時に緊急会見やメディア対応が求められる場面では、企業側の発言や態度がステークホルダーとの信頼関係に大きく影響します。そのため、社員対象のメディアトレーニングを実施しておき、メディア対応に備えておくことが重要です。

適切な話し方や記者からの質問への対応方法を事前に練習することで、冷静かつ的確な発信ができるようになります。企業イメージを守るための準備が整い、トラブルの影響を最小限に抑えられるでしょう。

危機管理広報の業務内容

企業が危機的な状況に直面した際、危機管理広報はどのような業務を行い、状況を収束へと導くのでしょうか。危機管理広報の業務内容を詳しく解説します。

企業の代表者へ報告する

トラブルが発生した際は、速やかに企業の代表者に状況を報告することが最優先事項です。代表者の指示により緊急対策本部が設置されることも多く、ここで情報を一元化し、対応窓口を一本化する体制が整えられます。

初動の正確な報告が、企業全体の信頼を守ることにつながります。

情報収集しトラブル状況を確認する

トラブルが発生した際には、現場に足を運び、状況を直接確認することが欠かせません。また、事情を知る社員へのヒアリングを通じて、詳細な情報を集めることも大切です。

これらの情報を基に問題の原因や責任の所在を明確にすることで、適切な対応策を迅速に講じることができます。正確な状況を把握することで対応の質が向上し、トラブルの影響を最小限に抑えられるでしょう。

今後の対応を考える

トラブル発生後は、情報開示のタイミングや方法、謝罪の仕方、コメント内容などを慎重に検討し、再発防止策を含めた対応策を決定します。

不正や事故のような問題では、組織の立場や見解をまとめた「ポジションペーパー」を作成し、公表することが求められます。

ポジションペーパーは、誠意を伝え、信頼を回復するための重要な手段です。

プレスリリースで情報を開示する

プレスリリースは、企業の重要な情報やニュースを社会に伝える公式文書です。トラブル時には、対応策に基づいて正確な情報を含むプレスリリースを作成し、迅速に配信することが求められます。

また、状況によっては緊急記者会見を開催し、企業の立場や対応を直接説明することも必要です。これらは透明性を示し、社会からの信頼を回復するためにも欠かせません。

誤った情報が拡散されていないか確認する

トラブル時には、誤った情報が拡散されていないかを継続的に確認することが重要です。SNSや報道をモニタリングし、事実と異なる情報が広がっている場合には、速やかに訂正や説明を行いましょう。

誤情報が放置されると、企業イメージの低下や信頼喪失につながる可能性があります。社会からの信頼を守るためにも、正確な情報発信を徹底し、適切な対応を続けることが大切です。

ステークホルダーへ対応する

トラブルが発生した際、企業にとって欠かせないのがステークホルダーとの適切な対応です。取引先や顧客、株主など、関係する各ステークホルダーに対し、トラブルの原因や背景を丁寧に説明するとともに、誠意を込めた謝罪を行うことが求められます。

危機管理広報の成功事例

最後に、危機管理広報が適切に機能した成功事例を2つ紹介するとともに、どのようにしてトラブルを乗り越え信頼を回復したのか解説します。

ジョンソン・エンド・ジョンソン

危機管理広報の成功事例として有名なのが、ジョンソン・エンド・ジョンソンのタイレノール事件です。この事件では、製品に毒物が混入され、消費者に深刻な被害が発生しました。

同社は速やかに全製品を自主回収し、徹底的な原因究明と新たな安全対策を実施。透明性のある情報開示と誠実な対応を行い、消費者からの信頼を取り戻しました。

迅速かつ責任感のある対応が高く評価され、危機管理広報の模範例として知られています。

[参照:株式会社Nexal「企業の危機対応力 ~企業理念と広報の在り方~」]

KDDI株式会社

KDDI株式会社は、2022年に発生した大規模通信障害への対応で高い評価を受けました。このトラブルは、通信サービスの広範囲な停止を引き起こし、多くの利用者に影響を与えたものです。

同社は迅速に謝罪し、原因究明と復旧作業に取り組みました。また、逐次状況を公表し、被害者に対する補償措置を発表しました。

この誠実な姿勢が利用者の信頼回復につながり、危機管理広報の好事例として注目されています。

[参照:株式会社ナノベーション Agenda note「大規模通信障害のKDDI広報対応は、なぜ評価されたのか? 自己保身に走らなかった社長を専門家が分析」]

危機管理広報で企業ダメージを最小限に抑えよう

危機管理広報は、企業がトラブルに直面した際、その影響を最小限に抑え、信頼を維持するために欠かせない取り組みです。

迅速で的確な対応と情報開示、ステークホルダーへの誠実な対応を徹底することで、企業イメージの低下を防ぎ、信頼回復への道筋を作ることができます。

事前準備と柔軟な対応力を備えた危機管理広報を通じて、企業の安定と成長を確保しましょう。

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