VPNを構築する方法とは?費用や注意点・必要な機器を初心者にもわかりやすく解説

2024/08/27 2024/08/27

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VPNを構築する方法

リモートワークの普及やWi-Fi環境の整備によって需要が拡大している「VPN」。安全な通信環境を確保できるVPNは、どうすれば構築できるのでしょうか。VPNを構築する方法について、構築に必要な機器や構築にかかる費用、注意点等を初心者にもわかりやすく解説します。

VPNの種類

VPNにはいくつかの種類があり、通信の方法やセキュリティレベルも様々です。ここでは、代表的な3つのVPNについて紹介していきます。

インターネットVPN

インターネットVPNは、普段使用しているインターネット回線の中に仮想のネットワークを構築する方法です。既存のインターネット回線を使用するため導入コストが比較的安く、利用が簡単である点が特徴です。

ただし、インターネット回線を利用するため、通信が他の利用者と共有されることになります。したがって、セキュリティ強度はさほど高くありません。また、アクセス数によって通信速度が低下する場合もあるため、重要なデータや大きなデータのやり取りには不向きでしょう。

IP-VPN

IP-VPNは、通信事業者と個別に契約した回線を利用してデータ通信を行う方式です。専用回線を使うため、インターネットVPNと比べてセキュリティリスクが低く、通信の品質も高い点が特徴です。したがって、企業や支社間におけるデータのやり取りや、テレワークで本社と外部をつなぐ支店間の安全な通信が求められる場合などに適しています。

インターネットVPNと比べてコストがやや高い点がデメリットですが、信頼性と安全性を重視する企業には最適でしょう。

広域イーサネット

広域イーサネットは、IP-VPNと同様に通信事業者の設置した回線を契約するタイプのVPN方式です。IP-VPNと同様に、高いセキュリティ性能と安定した高速通信が期待できます。

IP-VPNと異なるのは、回線のカスタマイズ自由度が高く、様々な通信プロトコルに対応している点です。ただし、その分ネットワークの設定が複雑であり、運用コストも高い傾向にあります。

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VPN構築に必要な機器

VPN構築にはいくつかの機器やソフトが必要です。ここでは、どのような設備が必要なのか紹介していきます。

VPNルーター

VPNルーターは、VPN通信に対応したルーターのことです。VPN接続機能の付いたルーターで社内や個人用のLANとインターネットを繋ぐことで、暗号通信を行うことができます。

通常のルーターとは異なり、セキュリティ機能が強化されており、外部からの不正アクセスを防ぐことができます。ただし、接続したい拠点すべてに設置する必要があるため、ある程度の初期費用が必要です。

ルーターの種類によってセキュリティ強度や通信速度はさまざまですが、安価でレンタルできるものもあるため、幅広く検討するとよいでしょう。

VPNゲートウェイ

VPNゲートウェイは、インターネットと仮想の社内ネットワークの間に設置される機器です。通信するデータを暗号化・復号化する役割を担い、外部との安全な通信を実現します。

VPNルーターと一体化しているものが一般的で、VPNゲートウェイの機能によってセキュリティなどの品質が決まります。さまざまな種類があるため、通信事業者と相談して用途に合ったものを選定しましょう。

VPNクライアントソフト

VPNクライアントソフトは、社内ルーター以外のものを使用する際に必要になるソフトウェアです。リモートワークなどで安全な接続を確立したいときには、持ち出し用の端末にVPNクライアントソフトを入れるようにしましょう。

ルーターやゲートウェイとセットで使用できるものや、アプリのみでVPN接続できるものもあるため、用途に合わせて検討するのがおすすめです。

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インターネットVPNの構築方法

VPNの中でも手軽に構築できるインターネットVPNの構築方法について、具体的な手順とポイントを詳しく解説します。

VPNルーターを用意する

インターネットVPNを構築するには、まずVPNルーターを用意しましょう。購入前に、使用したいプロトコルに対応しているか確認することが重要です。プロトコルには、PPTP、L2TP/IPsec、OpenVPNなどがあり、対応していないルーターでは、接続の安定性やセキュリティが確保できないことがあります。

購入・レンタルのいずれでも入手することができますが、インターネット接続に慣れていない場合などは、サポートを受けられるレンタルを選ぶのがおすすめです。

接続する各拠点にVPNルーターを設置する

VPNを使用するには、接続する各拠点にVPNルーターを設置する必要があります。これにより、全ての拠点が安全に通信できるようになります。その際、各拠点で同じプロトコルを使用することが重要です。

VPNへの接続設定をする

VPNを利用するためには、パソコンやタブレット、スマホなどの各端末でVPNへの接続設定を行う必要があります。LANをつなぐだけで使用できるもの、VPNクライアントソフトが必要なものなど種類があるため、適切な設定を行いましょう。

ユーザー設定やパスワードを共有し、接続したい端末を登録すればインターネットVPNを使用開始できます。

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IP-VPNの構築方法

次に、IP-VPNの構築方法について紹介していきます。

通信会社とVPNを契約する

IP-VPNを構築するためには、まず通信会社との間でIP-VPNの契約を結ぶ必要があります。契約の際には、必要な帯域幅やサービスの詳細を確認し、自社のニーズに合ったプランを選ぶことが重要です。また、サービスレベルアグリーメント(SLA)も確認しておくと、トラブル発生時の対応が明確になります。

CEルーターを設置する

希望する通信会社と契約できたら、CEルーターを各拠点に設置します。CEルーターは、社内LANと通信会社のネットワークを接続するための設備です。多くの場合は通信会社から提供されるため、アドバイスに従って設置しましょう。通常のルーターをそのまま流用できる場合もあります。

ルーター設置後はインターネットVPNなどと同じように、PCなどの端末を登録し、ユーザー設定やパスワードを共有することで使用開始できます。専用ソフトが必要な場合は、各端末にインストールしておきましょう。

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VPNを構築するメリット

ここでは、VPNを構築することで得られるさまざまなメリットについて紹介していきます。

通信の安全性を高められる

VPNを利用することで、無料Wi-Fiでも安全にインターネットを利用できます。公共のWi-Fiはセキュリティが不十分なことが多く、情報が漏れるリスクがありますが、VPNを使えば通信が暗号化され、データの保護が強化されるためです。

また、VPNを利用することでプライバシーも保護されます。インターネットの利用履歴や個人情報が第三者に見られることなく、安全に通信できるため、安心してインターネットを利用することが可能になります。特にインターネット規制が厳しい海外の拠点などで活動する場合に便利です。

複数の拠点間でも同一のネットワークが使える

VPNを利用すると、専用線ではなくインターネットを利用するため、離れた複数の拠点でも同一のネットワークが使えます。これにより、地理的に離れたオフィスや支店が一つのネットワークとして連携でき、効率的な業務遂行が可能となります。

特に近年ではサテライトオフィスの利用やリモートワークが一般化しており、全国の拠点で同じ回線を使用できればビジネスの信用度や効率アップにつながるでしょう。

専用線を構築するよりも費用を抑えられる

VPNを利用すると、特定の人だけが利用できる専用線を構築するよりも費用を抑えられます。専用線の敷設には高額な初期費用や維持費がかかりますが、VPNはインターネットを利用してコストを大幅に削減できるためです。

さらに、既存のインターネット回線を活用できるため、導入もスムーズです。結果として、セキュリティを確保しながら、効率的に予算を管理することができます。

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VPNを構築する際の注意点

VPNを構築することはビジネスにおいてとても重要ですが、注意すべきポイントも存在します。以下で詳しく解説します。

セキュリティリスクが「0」になるわけではない

VPNを利用した通信では暗号化技術で通信を保護しますが、完全にリスクを排除することはできません。特にインターネットVPNは、公衆回線を利用するためセキュリティリスクが高めです。

また、クローズドVPNでも利用者がセキュリティに関する認識を欠いている場合、対策が不十分になり、思わぬリスクが発生することもあるでしょう。VPNの利用には、常に最新のセキュリティ対策と利用者の意識向上が重要です。

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VPNルーターやゲートウェイの特徴を比較する必要がある

VPNを構築する際には、自社のビジネスモデルに合った選択をしなくてはいけません。使い方に合わない通信方式やセキュリティでは、かえってリスクが増加することも考えられます。

そのため、VPNルーターやゲートウェイの特徴をしっかり比較することが重要です。具体的には、必要なセキュリティ機能が備わっているか、最新のプロトコルに対応しているかを確認する必要があります。また、各機器の性能や価格も比較し、自社のニーズに合ったものを選ぶことが大切です。

通信速度が低下する可能性がある

VPNを利用すると、複雑な暗号化処理によって通信速度が低下する可能性があります。特に、高いセキュリティレベルを維持するための暗号化は、処理に時間がかかるため、速度が遅くなることがあります。通信事業者の提供するIP-VPNなどでは比較的通信が安定しやすいため、必要に応じて検討しましょう。

また、暗号化処理によってデバイスのバッテリー消費も早くなります。これらの点を考慮し、必要に応じて通信環境や機器の設定を調整することが重要です。

VPNの構築方法によって費用が変わる

VPNの構築方法によって、費用は大きく異なります。例えば、インターネットVPNは比較的低コストで構築できる一方、IP-VPNなどのクローズドVPNは専用回線を利用するため、費用が高くなる傾向があります。

自社のニーズや予算に合わせて、最適な方式を選ぶようにしましょう。

VPN構築にかかる費用

VPNの構築にかかる費用は、インターネットVPNとクローズドVPNで異なります。インターネットVPNは初期費用が2万円から5万円程度で、比較的安価に構築できます。また、既存のインターネット回線を使用するため設置後の月額料金などがかからないのもポイントです。

一方、クローズドVPNは初期費用が約3万円かかり、月額費用は5,000円から5万円と幅があります。そのぶんセキュリティレベルが高かったり、トラブル時にサポートが受けられたりするため、運用方針によってはこちらの方がおすすめです。

構築方法初期費用月額費用
インターネットVPN2万円~5万円-
クローズドVPN約3万円月5,000円~5万円

VPNを構築して安全な通信環境を確保しよう

VPNを構築することで、インターネット上の通信を暗号化し、外部からの不正アクセスを防ぐことができます。インターネットVPNは低コストで導入でき、クローズドVPNは高いセキュリティに期待できるなど、それぞれの特徴を押さえることが大切です。自社のニーズに合ったVPNを選び、安全で効率的な通信環境を確保しましょう。

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