自動車保険の等級とは?調べ方や引き継ぎできる条件・等級アップのポイント
事故歴の有無によって保険料の割増・割引が決まる、自動車保険の「等級」。交通事故などで保険を使うと、翌年の等級・割引率が下がるケースがあるため、保険を使うか慎重な判断が必要です。本記事では、自動車保険の等級について、調べ方や等級アップのポイントなどを解説します。
目次
自動車保険の等級とは?
自動車保険(任意保険)の等級とは、一般的に「ノンフリート等級別料率制度」に基づいて、保険料の割引や割増を決定するための区分を指します。
契約者が事故を起こしたかどうかで等級は上下し、同時に保険料も増減する仕組みです。安全運転を促進し、事故の少ないドライバーはお得に保険を利用できるようになっています。
ノンフリート等級別料率制度
ノンフリート等級別料率制度は、個人や企業が所有する9台以下の自動車に対して適用される保険料の割引・割増制度です。
特徴として、1年間無事故の場合は等級が上がり保険料が割引され、事故を起こすと等級が下がり保険料が割増されます。この制度により、安全運転が保険料に反映され、利用者にとって事故のリスクを減らすインセンティブとなる仕組みです。
▷法人向けの自動車保険とは?保険料の相場や個人向けとの違い・安く抑えるポイントを紹介
自動車保険の等級が決まる仕組み
自動車保険の等級は、20段階に区分され、初めて契約する際は6等級からスタートします。
1年間無事故で保険を使わなければ、翌年には等級が1つ上がり、保険料の割引率も上昇する仕組みです。逆に、事故が発生し保険を使った場合は、原則として翌年の等級が下がり、保険料が高くなります。
自動車保険の等級による割増引率
自動車保険の等級による割増引率が決まる基準となるのは、契約者の事故履歴です。等級が高くなると保険料が割引され、最大で約60%以上の割引が受けられる場合があります。
一方、事故を起こし等級が下がると、保険料は割増となり、場合によっては100%以上の割増が適用されることもあります。
自動車保険の等級の調べ方
自動車保険の等級は、保険証券や契約時に受け取った書類に記載されており、保険会社のWebサイトやアプリにログインして確認することも可能です。また、保険会社に直接問い合わせれば、等級を教えてもらえます。
等級は保険料に大きく影響するため、定期的に確認しておくと安心です。
自動車保険の等級を引き継ぎできる条件
自動車保険の等級は、特定の条件を満たす場合に引き継ぐことが可能です。どのような場合に引き継ぎができるのか、次の項目で詳しく説明します。
家族間で引き継ぐ場合
自動車保険の等級は、家族間で引き継ぐことができますが、同居している親族であることが条件です。例えば、同居していれば親から子へや、夫婦間で等級を引き継げます。
この制度は、家族間で保険の負担を軽減し、安全運転を評価する仕組みとして活用されています。
他社から引き継ぐ場合
自動車保険の等級を他社から引き継ぐ場合、保険期間満了日の翌日から7日以内に手続きを行うことが必要です。この期間を過ぎてしまうと、等級を引き継げなくなるため注意しましょう。
新しい保険会社に切り替える際には、この期間内に手続きを完了させることで、これまでの安全運転が評価され、保険料の割引を引き継ぐことができます。
中断していた保険を引き継ぐ場合
中断していた自動車保険を引き継ぐ場合、保険会社に「中断証明書」を提出することが条件です。この証明書がないと、以前の等級を引き継ぐことができません。中断期間中でも、証明書が発行されていて一定期間内であれば再度保険を再開し、以前の等級を保持することが可能です。
中断した保険を再開する際には、この書類が重要な役割を果たしますので、手続きを忘れないようにしましょう。
新しい車へ引き継ぐ場合
新しい車に自動車保険の等級を引き継ぐには、契約車両の変更手続きを行うことで可能です。保険契約を新しい車に適用する際、同じ契約内容で引き継ぎができるため、これまでの等級が維持され、保険料の割引も継続されます。
車を買い替えた際は速やかに保険会社に連絡をして手続きを進めることが大切です。
自動車保険の等級アップのポイント
自動車保険の等級を効率的にアップさせるためのポイントについて、次の項目で詳しく解説します。安全運転を心がけ、保険料をさらにお得にする方法を確認しましょう。
事故を起こさず保険を利用しない
自動車保険の契約期間中に事故を起こさず、保険を利用しなければ、翌年に等級が1つ上がり保険料が割引されます。
保険を利用する場面がないように、日常の安全運転を心がけることが、等級アップのポイントです。結果的に、保険料の負担も減り、家計にも優しい選択となります。
事故を起こしても保険を利用しない
保険を使うと翌年の等級が下がり、保険料が上がりますが、もし事故を起こしても自分で修理費を負担し保険を利用しなければ、翌年の等級には影響がありません。
ただし、等級に影響する事故としない事故があるため、その詳細については種類別に次の項目で解説します。
ノーカウント事故
ノーカウント事故とは、保険を利用しても翌年の等級に影響を与えない事故のことです。例えば、以下のような事故がノーカウント事故に該当します。
- 人身傷害保険のみを使った事故
- 搭乗者傷害保険のみを使った事故
- 弁護士費用特約を使った事故
- 無保険車傷害特約を使った事故
- ファミリーバイク特約を使った事故 ほか
これらの事故は保険を使っても等級が下がらないため、安心して保険を利用できます。
1等級ダウン事故
1等級ダウン事故とは、事故を起こし保険を利用した場合に、翌年度の等級が1つだけ下がる事故のことです。具体的には、以下のような事故が該当します。
- 車両盗難
- 台風や洪水などの自然災害による損害
- 飛び石などによるガラス破損
- 火災による損害 ほか
1等級ダウン事故は、等級への影響が比較的少ないため、大きな保険料の上昇を避けられる特徴がありますが、保険を使うかどうかは慎重に判断しましょう。
3等級ダウン事故
3等級ダウン事故とは、事故を起こして保険を利用した場合に、翌年度の等級が3つ下がる重大な事故のことです。例えば、対人事故や対物事故で相手に大きな損害を与えた場合がこれに該当します。
このタイプの事故では、等級が大きく下がるため、翌年以降の保険料が大幅に上がる可能性があります。事故後の影響が大きいため、特に注意が必要です。
自動車保険の等級が決まる仕組みを理解しよう
自動車保険の等級制度は、保険料に大きく影響する重要な仕組みです。無事故での安全運転が等級アップにつながり、保険料の割引を受けることができます。一方、事故を起こすと等級が下がり、保険料が増加するため注意が必要です。
この制度を理解し、安全運転を心がけることで、保険料の負担を軽減しつつ安心したカーライフを送れるでしょう。
経営の記事をもっと読む
-
ご相談・ご質問は下記ボタンのフォームからお問い合わせください。
お問い合わせはこちら