【無料】おすすめのBIツール10選比較|選ぶポイントや注意点・有料版との違い
企業が持つ大量のデータを分析・可視化する「BIツール」。膨大な企業データを一元的に管理・分析できれば、より効果的な経営戦略やマーケティング戦略の構築に役立つでしょう。本記事では、無料のおすすめBIツール10選を提示し、選ぶポイントや注意点、有料版との違いを詳しく解説します。
目次
BIツールとは?
BI(Business Intelligence)ツールとは、企業が保有する膨大なデータを効果的に分析しつつ、レポートの作成などを支援してくれるシステムです。
例えば、会計システムや販売管理システムなどに蓄積されたさまざまなデータを精密に分析することで、新たなビジネスチャンスを発見したり、業務の効率化を図ることができるでしょう。また、BIツールにおいてデータを自動集計・可視化できるプロセスを設定すれば、リアルタイムでデータを参照することも可能となります。
続いて、BIツールがどのような機能を持っているのかについて、詳しく見ていきましょう。
データ分析
BIツールの中核となる「データ分析」機能は、企業が日々蓄積するさまざまなデータを紐解いて、実用的な情報を抽出するために役立ちます。
人間が処理するには複雑すぎる大規模データでも、BIツールを駆使すれば素早く直感的なグラフやチャートに変換できます。例えば、売上のトレンド分析や顧客の購買パターンの分析などに活用すれば、新商品の企画に役立つ情報など得られるでしょう。また、近年はAI機能を搭載したBIツールも増えているため、専門的な分析スキルがなくてもツールを操作することが可能になっています。
レポート出力
BIツールの「レポート出力」機能は、分析したデータを分かりやすくビジュアル化し、美しいレポートとして出力してくれます。
例えば、四半期ごとの業績評価や年次報告などの定期文書をBIツールで生成できれば、ビジネスの効率性が圧倒的に向上するはずです。また、これらのレポートはカスタマイズが容易であり、異なる部門や利害関係者に合わせた表現形式に調整することもできます。
BIツールを活用すると、レポート作成にかかる時間と労力を大幅に節約できます。そのため、より戦略的な業務に集中できるというメリットも得られるでしょう。
ダッシュボード画面
BIツールの「ダッシュボード画面」は、複数のデータソースからの情報を一目で把握できるように設計されています。
利用者はこのダッシュボードを通じて、売上高、顧客満足度、市場のトレンドなど、重要な情報をスムーズに確認できます。リアルタイムで更新されるデータを視覚化すれば、重要な指標をごく短時間で理解できるでしょう。
さらに、ダッシュボード画面は自由にカスタマイズ可能であり、各ユーザーのニーズに合わせて、表示する情報やレイアウトを変更できます。つまり、ダッシュボードはあらゆる立場の人に最適な情報を提示してくれる、BIツールの要とも呼べる機能です。
無料BIツールと有料BIツールの違い
BIツールには無料の製品もありますが、機能やサポートの範囲が有料版と比べて制限されているケースが多いです。以下に詳しく解説します。
利用制限の有無
無料のBIツールは、利用できる機能の数、同時に接続可能なユーザー数、保存できるデータの総量、連携できるデータベースの種類などが制限されている場合が多いです。一方、有料版BIツールでは、料金プランに応じて制限が解放されていくケースがほとんどです。
導入の際は自社に必要な機能をよく理解し、最適なプランを選択することが求められるでしょう。
受けられるサポート
無料のBIツールでは、導入や運用に関するサポートが限定的である、または全く提供されないケースがあります。IT関連の知識やツールへの活用に不安があるようなら、無料版は避けたほうが賢明かもしれません。
有料版BIツールでは専門のサポートチームから、迅速かつ丁寧な支援が提供されることが多いようです。有料版ではトラブル発生時の不安はほぼ解消されるうえ、より高度な機能を利用したい時でも、安心して運用を進めることが可能となるでしょう。
セキュリティの強度
セキュリティの強度は、BIツール選びにおいて非常に重要な要素です。
有料版のBIツールでは、データの暗号化やアクセス制限、不正アクセス検知システムなど、高度なセキュリティが提供されることが多いです。一方で、多くの無料版のBIツールではセキュリティが制限されており、最低限の機能しか提供されない場合も少なくありません。BIツールは大量の機密データを一元管理するものであるため、自社に最適なセキュリティ強度のツールを選ぶ必要があります。
▷BIツール活用に向けたデータベース設計の基本|設計方法や活用例を解説
無料で利用できるBIツールを選ぶポイント
無料版のBIツールを賢く選ぶポイントを、以下に解説します。
既存のデータにアクセスできるかで選ぶ
無料のBIツールを選ぶ際の最大の注意点は、既存のデータベースや企業が保有するデータに対応しているか否かです。
なぜなら、BIツールが真価を発揮するためには、企業が一元管理するデータに適切にアクセスできる環境が必要だからです。アクセスできるデータの範囲が広いほど、さまざまな側面から分析を得ることが可能になります。したがって、導入の際には既存システムとの互換性をよく確認することが大切です。
データを簡単に可視化できるかで選ぶ
無料BIツールを選定する際、データを簡単に可視化できるかも大きな判断基準です。
複雑なデータもグラフやチャートなどに表示できることで、直感的に理解できるようになります。その際、ドラッグ&ドロップなどの簡単な操作で変換できるツールならば、専門スキルのない人も扱いやすいでしょう。
データを簡単に分かりやすく可視化できるようになることで、意思決定のスピードも高められます。
操作画面は誰が見てもわかりやすいかで選ぶ
無料BIツールを選ぶ際には、操作画面の直感性も重要です。
せっかくBIツールを導入しても、操作性が悪ければ上手く活用できず、BIツールの効果を十分に発揮できない可能性があります。使いたい機能がどこにあるか、どのように操作するかが、画面上ですぐに分かることで、特別な教育を行うことなくBIツールを活用できるでしょう。無料体験期間が設けられている製品も多いので、複数のツールを試してみながら、使いやすいツールを選ぶことがおすすめです。
柔軟な分析機能が搭載されているかで選ぶ
BIツールの選択においては、機能が持つ「柔軟性」にも注目しておきましょう。
例えば、トレンド分析、予測モデリング、クラスタリングなど、ビジネスのニーズに合わせてさまざまな分析オプションを選択できる柔軟性があると、BIツールの分析能力をより効果的に発揮できるはずです。
より多角的な分析オプションを持つBIツールを選ぶことで、マーケティング戦略や経営戦略の構築に役立てやすくなるでしょう。
セキュリティ対策はできるかで選ぶ
無料のBIツールを選ぶ際には、セキュリティ対策ができるかどうかが極めて重要な要素です。
BIツールには企業が保有するほぼ全てのデータが格納されます。もし、そのデータが破損、あるいは流出してしまうと、企業は大きな損失を被ることとなります。無料のBIツールには、無料であるが故にセキュリティ対策が多少甘くなっているケースがあります。完全にネットワークから切り離して運用する、といった特殊な事情がなければ、セキュリティには最大限の注意を払ったうえでBIツールを選択することが賢明です。
十分なサポートが受けられるかで選ぶ
導入段階や運用時に十分なサポートが提供されるかどうかは、特にシステムの扱い慣れてない企業にとって重要なポイントです。万が一トラブルが発生した際も、サポートが受けられると安心でしょう。
提供されるサポート内容はトレーニング、ヘルプデスクの利用、アップデート情報の提供などと多岐にわたります。もし、導入前に不明点があれば、事前に販売元に問い合わせておきましょう。
【無料】おすすめのBIツール10選比較
ここからは、完全無料で利用できる、あるいは無料トライアル版を備えたBIツールのおすすめ10選を紹介します。
各ツールの特徴をよく理解して、最適なツールを見つけてください。
Microsoft Power BI
Microsoft Power BIは、あらゆるデータに接続可能で、毎日使用するアプリにシームレスにビジュアルを組み込むためのBIツールです。
Excelのワークブック、ローカルデータベース、クラウドなどのあらゆる場所から、データを簡単にインポートして分析を行うことができるため、専門知識がなくてもすぐにツールを動かす準備が整うでしょう。
提供元 | Microsoft Corporation |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
|
機能・特徴 | 高度なデータ分析ツール、AI機能、ユーザーフレンドリなレポート作成ツール、すべてのデータを連携利用、毎日使用するアプリへの分析情報取り込みなど |
URL | 公式サイト |
Looker Studio
Looker Studio(旧称 Google Data Studio)は、優れたビジネス意思決定のための比類のない柔軟性を備えたBIツールです。
初心者でも直感的に使いこなせるよう設計されており、レポートエディタのプロパティパネルには、自動整列されたキャンバスによるドラッグ&ドロップオブジェクト機能が用意されています。また、600種類以上のパートナーコネクタを通じて、豊富なデータソースにアクセスできるほか、コーディングなしでほぼすべての種類のデータを即座に接続できます。
提供元 | Google LLC |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
|
機能・特徴 | 容易に使用可能なウェブ インターフェース、レポート テンプレート、データコネクタ、Looker Studio API、レポートの埋め込みなど |
URL | 公式サイト |
Zoho Analytics
Zoho Analyticsは、データ分析と意思決定のためのBIツールです。
巨大なデータを集約し、さまざまな角度から分析・可視化した解析結果を、社内外とスムーズに共有できるでしょう。また、強力なAIアシスタント機能が備わっており、AIとの会話からワンクリックで新たな洞察を生成し、未来のトレンド予測や認知分析、what-if分析を行うことも可能です。
提供元 | Zoho Corporation |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ■クラウド版
月間契約
年間契約 ■オンプレミス版
年間登録 ※最小ユーザー5名、年回払いのみ
無期限 ※最小ユーザー5名 |
機能・特徴 | データ連携、データの準備と管理、データの可視化、拡張分析、ビジネスに関する総合的な洞察、共同分析、データ・ストーリーテリングなど |
URL | 公式サイト |
Metabase
Metabaseは、誰にでも利用できるシンプルなBIツールです。
無料のオープンソースモデルから、強力な従量課金制のProプラン、大企業向けのEnterpriseプランまで、状況に合わせた契約形態が揃えられています。15種類以上の視覚化モデルを駆使すれば、テラバイト規模のデータ分析から日常の運用ワークフローまで、扱いやすいダッシュボードで簡単にグラフを作成して共有できるでしょう。
提供元 | Metabase, Inc. |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ■クラウド
■セルフホスト
|
導入実績 | 50,000社以上 |
機能・特徴 | クエリビルダー、ドリルスルー、使用状況分析、分析ダッシュボード、SQLエディタ、データサンドボックス、権限、CSVアップロードなど |
URL | 公式サイト |
Grafana
Grafanaは「データは特定の運用担当者だけでなく、組織内のすべての人がアクセスできるべきである」という原則に基づいて構築されたクラウド型BIツールです。
バックエンドストアやベンダーのデータベースを取り込む必要はなく、Kubernetesクラスタ、ラズベリーパイ、さまざまなクラウドサービス、Googleシートなど、既存のあらゆるデータを取り込み、自由に可視化することができます。
提供元 | Grafana Labs |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
|
機能・特徴 | パネル、プラグイン、アラート、トランスフォーメーション、アノテーション、パネル・エディターなど |
URL | 公式サイト |
Apache Superset
Apache Supersetは完全無料のオープンソース型BIツールであり、全てのユーザーがあらゆるデータを簡単に探索、および視覚化できるように設計されています。
40種類以上の視覚化フォーマットがプリインストールされているため、どのようなデータ形式でも的確なアプトプットを出力できるでしょう。また、組織のイメージに合わせてダッシュボードをカスタマイズできるCSSテンプレート機能を使えば、初心者でも負担なくデータを理解して応用できるはずです。
提供元 | Apache Software Foundation |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 | ダッシュボード、チャートビルダー、SQLラボ、データセットなど |
URL | 公式サイト |
OpenSearch Dashboards
「OpenSearch Dashboards」とは、母体となる全文検索・分析エンジンである「OpenSearch」に蓄積されたデータを分析・可視化するオープンソースBIツールです。
OpenSearch Dashboardsは複数の端末で構成できるため、大規模なデータの取り扱いにも向いているほか、REST APIを備えている点が特徴です。特に、AWS(アマゾンウェブサービス)で稼働させるBIツールとして、最適な選択肢となるでしょう。
提供元 | Django Software Foundation |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 | データの分析、ダッシュボードの作成、データの視覚化構築、インデックス管理、スナップショット管理、ダッシュボード管理、カスタムブランディングなど |
URL | 公式サイト |
Kibana
Kibanaは、Elasticsearchに蓄積されたデータを視覚化するためのオープンソースのBIツールです。
Webサイトにおけるユーザーの行動データを分析し、顧客とユーザー体験を最適化するための情報を抽出してくれます。例えば、ユーザークエリの傾向と背後にある意図を特定し、検索結果をユーザーの動機に近づけるために役立つでしょう。
提供元 | Elasticsearch, Inc. |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ ※無料トライアルあり |
機能・特徴 | 地理空間分析、データ表、ダッシュボード、グラフ分析、埋込ダッシュボード、通信の暗号化、インデックスライフサイクル管理、ライセンス管理など |
URL | 公式サイト |
Oracle BI
Oracle BIは、クラウド、オンプレミス、ハイブリッドなど、さまざまな種類のデータからより効果的で実用的な分析情報を提供してくれるBIツールです。
Oracle Cloudアプリケーション(ERP、HCM、SCM、CX)における分析ソリューションのポートフォリオが提供されているため、専門的なスキルが無くてもインタラクティブにデータを視覚化してくれます。また、AIを活用した音声指示機能があるため、日常会話のような問いかけから、そのまま高度な分析結果を出力することができるでしょう。
提供元 | Oracle Corporation |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 統合されたクエリ配列、レポート作成、分析、アラート、モバイル分析、データ統合とデータ管理、デスクトップ統合、業務用BIアプリケーション、データウェアハウスなど |
URL | 公式サイト |
Redash
Redashは、接続されたデータからダッシュボードや詳細レポートを出力できるオープンソースBIツールです。
SQLデータベース(MySQL、PostgreSQLなど)、NoSQLデータベース、クラウドサービス(Google BigQuery、Amazon Redshiftなど)、API経由のデータなど、さまざまなデータソースから情報を取得できるうえ、特定のクエリを定期実行しレポート生成を自動化することも可能です。
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 | ダッシュボード、アラート、API、ユーザー管理、ダッシュボードの共有、すべてのデータ ソースをクエリなど |
URL | 公式サイト |
無料版BIツールを利用する際の注意点
無料版のBIツールを導入する際には、適切な運用体制や目的を必ず設定しましょう。
BIツールの存在意義は「蓄積されたデータから役に立つ情報を引き出すこと」にありますが、ただ導入しただけではその目的が果たされずに、放置されてしまうケースも多いです。誰がツールを操作できるのか、どの範囲のデータを扱えるのか、データをどのような目的で活用するのかについて、事前に事細かに決めておくことが肝心です。
また、既存システムとの統合にはそれなりの労力がかかります。ベンダーからのサポートが可能であれば、上手に活用しながら初期設定を進めることが賢明です。
無料版BIツールを駆使しデータ分析・管理を効率化しよう
無料版BIツールを利用すれば、データ分析と管理の効率を手軽に向上させることが可能です。データを適切な体制で管理し、新たな情報を分析することができれば、ビジネスを前進させるための強力な支援となるでしょう。ただし、無料版ツールでは、機能やサポート体制が制限されている場合があるので注意が必要です。本記事で紹介したポイントを押さえ、BIツールでより良いビジネスを実現してください。
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