BIツールの導入手順|要件定義のポイントや失敗事例・成功させるポイント

2024/06/26 2024/06/26

BIツール

BIツールの導入手順

企業の基幹システムに蓄積されたデータを分析する「BIツール」。ビッグデータ活用の重要性が増す昨今、導入に踏み切る企業が増えています。本記事では、BIツールの導入について、要件定義のポイントや失敗事例、成功させるための注意点について、初心者向けに解説します。

BIツールとは?

BIは「Business Intelligence」の略で、BIツールは企業活動で発生するさまざまなデータを分析し、一元的に可視化するためのツールです。

BIツールを使うことで、大量のデータを効率的に分析し、分かりやすいレポートを出力できます。エクセル等を使って手作業でデータ分析をしている企業も多いと思いますが、専門ツールを活用すれば、より手軽に精密な分析を行えるようになるでしょう。

BIツールとは?目的や搭載されている機能・仕組みなどをわかりやすく解説

BIツールを導入するメリット

BIツールを導入するメリットは、膨大なデータを効率的に分析し、迅速かつ的確な意思決定を行えるようになることです。以下にその詳細を説明します。

膨大なデータを可視化できる

BIツールを導入することで、企業が抱える膨大なデータを可視化できます。

分析結果は表やグラフなどでわかりやすく整理されるため、分析結果の共有をスムーズに行うことができます。従来は活用しきれなかった大量のデータも、一目で理解できるように可視化されることで、新たな発見を得られる可能性が高まるでしょう。

迅速な意思決定ができる

BIツールの分析結果を活用することで、自社の課題が明確になり、データに基づいた迅速な意思決定が可能となります。

例えば、売上の低迷が見られた場合、原因をデータから即座に特定し、適切な対策を講じることができるでしょう。また、リアルタイムでデータを把握できれば、経営層の判断スピードが向上し、ビジネスチャンスに敏感な経営体制が構築されます。

分析業務の負担が軽減する

BIツールを導入することで、データの分析作業を自動化でき、従業員の負担を大幅に軽減できます。これまで手作業で行っていたデータ集計や分析作業が不要になれば、ヒューマンエラーのリスクも減少するでしょう。

例えば、売上データや在庫情報を手動で集計していた場合、ミスが発生しやすく、修正にも時間がかかっていたはずです。しかし、BIツールの活用でこれらの作業が自動化されれば、より正確かつ効率的なデータ管理が可能となります。

BIツールの導入手順

BIツールを効果的に導入するためには、着実な手順を踏むことが重要です。ここでは、BIツール導入の基本的なステップを紹介します。

BIツールの目的・目標を明確にする

なぜBIツールを導入するのか、その目的と目標を明確にすることが最初のステップです。導入の目的を明確にし、何を達成したいのか、どのような成果を期待するのかを事前に設定しましょう。

目的・目標が明確になれば、導入するツールも自然と定まるはずです。

BIツールの要件定義をする

要件定義とは、利用するデータの種類や、データを活用する部門や役職、具体的な分析方法などを詳細に定義することです。誰が、どのデータを、どのように分析するのか、要件定義を行いましょう。

要件定義をしっかり行えば、そこから逆算したBIツール選定や機能設計がスムーズとなり、導入後の運用トラブルを防ぐことにつながります。

BIツールを選定する

要件定義が完了したら、自社のニーズに合うBIツールを選定しましょう。

BIツールは多種多様であり、それぞれ機能や強みが異なります。自社の要件に最も適したツールを選ぶことは、導入後の効果を最大化するための土台となるでしょう。具体的には、コスト、操作性、サポート体制、カスタマイズのしやすさなどを基準に選定してください。

BIツールの対象となるデータを準備する

BIツールを選定したら、自社の目的・目標の達成に必要なデータをリストアップし、収集・整備を行いましょう。

具体的な作業として、必要となるデータを正確に収集し、BIツールで利用できる形式に整える準備が必要です。もし可能であれば、BIツールの無料トライアル期間を活用し、収集したデータを実際にツール上で分析してみながらデータの準備を進めるとよいでしょう。

BIツールの設計・設定をする

BIツールの能力を最大限に引き出すために、DWH(データウェアハウス)との接続やダッシュボードの設計を行いましょう。

基幹システムはDWHとのデータ連携を済ませ、使いやすいインターフェースを設計することは、導入作業の最重要ポイントです。専門知識のない従業員にとっての利用ハードルが下がれば、組織全体にデータドリブンな意思決定を根付かせることにつながるためです。

運用を開始し定期的に改善する

テスト運用が済み次第、既存システムからデータを移行し、本格運用を始めます。運用開始初期には、必要に応じてデータクレンジングなどの改善作業を行うことが重要です。

BIツールのパフォーマンスを維持するためにデータの質を保つ必要があるので、運用方法を定期的に見直しながら、事前に定めた要件を満たす運用方法を探っていってください。

BIツールの選び方

BIツールを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。以下に詳しく解説します。

導入目的・目標を達成するための機能は搭載されているか

BIツール選びを成功させるために、導入目的を果たすための機能が搭載されているかを確認しましょう。

売上分析のためなら帳票出力機能、マーケティング分析ならジオコーディング機能など、企業のニーズに合った機能が提供されているかをチェックすることが大切です。目的に合ったツールを選ぶことで、導入後のデータ分析効果を最大限に引き出すことができます。

PC操作に慣れていない人でも操作できるか

BIツール選びを成功させるためには、操作性の確認も重要です。

とりわけ、PC操作に慣れていない人でも簡単に操作できるかどうかを確認しておきましょう。使いやすいインターフェースや直感的な操作方法が備わったツールであれば、よりスピーディにツール活用が進むはずです。また、操作マニュアルやトレーニングが充実しているツールを選ぶことで、導入後のスムーズな運用が期待できます。

提供形態は自社にあっているか

自社に適した提供形態のツールを選びましょう。

BIツールは大きく2種類に大別され、自社のサーバーにインストールするオンプレミス型と、クラウド上で利用するクラウド型があります。強固なセキュリティ環境の構築を望むのであればオンプレミス型を、導入コストを最小限に抑えたいなら手軽なクラウド型を検討するとよいでしょう。

クラウド型のおすすめBIツールを比較|導入メリットや選定のポイント・オンプレミス型との違い

費用は予算内に収まるか

BIツール選びを成功させるためには、予算に合った製品を選ぶことも大切です。

例えば、オンプレミス型なら初期費用が高くなる半面、長期的にみるとランニングコストを抑えられる傾向があります。一方で、クラウド型は月額課金が一般的なため、長期的にはオンプレミス型よりコストがかかる可能性もあります。初期費用、運用コスト、サポート費用などを総合的に比較検討するようにしましょう。

【無料】おすすめのBIツール10選比較|選ぶポイントや注意点・有料版との違い

サポートは充実しているか

BIツール選びを成功させるためには、サポート体制の充実度も重要なポイントです。

トラブルが発生した際に迅速に対応してもらえるか、定期的なアップデートや機能追加が行われるか、ユーザー教育プログラムが充実しているかなど、開発元にサポートの内容をよく確認しておきましょう。充実したサポート体制があれば、導入後の不安を軽減しつつ、ツールの効果を最大限に発揮することができます。

BIツール導入における失敗事例

BIツールの導入には、一定の失敗パターンが存在します。以下に詳しく解説するので、導入を検討する際の注意点として参考にしてください。

どのデータを分析するかが定義されておらずデータが収集できなかった

BIツールを導入する際には、分析すべきデータを事前に定めておきましょう。例えば、販売データを分析しようと思ったけれど、顧客データや在庫データが収集できておらず、効果的な分析ができなかったという事態が発生する場合があります。

また、基幹システムとの連携が不十分だと、データの一貫性や正確性にも問題が生じます。導入前にどのデータをどのように収集するかを明確に定義することが重要です。

どの現場で利用するかが定義されておらず現場で活用できなかった

BIツールをどの現場でどう利用するかが定義されていないと、現場での活用が見送られてしまうケースがあります。

例えば、営業部門が必要とするデータ分析機能と、製造部門が必要とする機能は異なります。現場ごとのニーズを十分に理解せずに汎用的な要件定義を行ってしまうと、結果としてどの部門にとっても使いづらいツールとなり、上手く活用されない恐れがあります。

現場での利用シナリオを想定したうえで、要件定義を行うことが大切です。

BIツールの導入事例を解説!事例からわかる導入・運用方法や製品を選ぶコツ

BIツール導入における要件定義のポイント

BIツールを効果的に活用できるかどうかは、要件定義の質にかかっています。適切な要件を洗い出すポイントを、以下に解説します。

複数の部署からヒアリングをする

BIツールの要件定義を行う際には、ツールを利用する複数の部署からのヒアリングが不可欠です。

なぜなら、各部署ごとに異なるニーズを持っており、それぞれが必要とするデータや分析機能は異なるためです。例えば、営業部門では売上データのリアルタイムな把握が求められる一方で、経理部門では正確な財務データの集計が重要視されます。これらのニーズを事前に把握したうえで、要件定義に反映させることで、各部署の業務効率化に役立つツールとして整備されるでしょう。

導入時の要件定義は最低限実現すべき点のみを盛り込む

導入時の要件定義は、最低限実現すべき点のみに絞りましょう。最初から完璧な運用を目指すのは難しいため、身の丈に合わない機能を盛り込みすぎると、かえって使いづらくなることがあります。まずは基本的な機能に焦点を当て、運用開始後に必要に応じて機能を追加することが賢明です。

例えば、初期段階では基本的なデータ集計や簡単なレポート作成機能を中心に導入し、運用状況を見ながら、分析の精度を高めるための追加機能を検討していくとよいでしょう。

BIツールはいらない?必要?成果を得られない原因や使いこなすポイント

BIツールの導入を成功させるポイント

BIツールの導入は一朝一夕には成功しないため、長期的な視野を持って取り組むことが必要です。導入を成功に導くポイントを紹介します。

スモールスタートで導入する

BIツールの導入を成功させるポイントは、スモールスタートで着実に進めることです。最初から大規模な導入を試みても、上手く活用しきれずに、大きな損失を被るリスクがあります。

まずは限定的な範囲で活用を始め、自社にあったBIツールの在り方を見極めましょう。その過程で問題点や改善点に気づき、実際に使用する現場社員の声を反映しながら、地道に使い勝手のよいツールへと育てていくことが大切です。

運用ルールを決めておく

BIツールの運用を開始する前に、利用の目的や具体的な手順など、運用ルールを策定し、共有しておくことが重要です。メンバー全員が同じ目線でデータを活用できる体制を事前に整えておくと、その後の運用工程がスムーズになります。

BIツールの導入手順や要件定義の重要性を理解しよう

BIツールの導入手順や要件定義の重要性を理解することで、ツール活用の成功率は大幅に向上します。

要件定義をしっかり行い、段階的に導入を進めることで、無駄のない効果的なツールが構築されます。さらに、運用ルールを明確にして全社で共有することで、BIツールの効果を最大限に引き出すことができるでしょう。これらのポイントを押さえながら、企業の意思決定をサポートする強力なBIツールを使いこなしてください。

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ビズクロ編集部
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