仕事を人生の豊かさへつなぐ、ネットオン流の働き方 「スキル×マッチ度」採用により生まれる一体感

取材日:2023/03/22

株式会社ネットオンは、中小企業向けのクラウド採用業務ソフト「採用係長」や採用Webマーケティング事業を展開する会社です。今回は、中小企業の採用活動をサポートしてきたからこそ感じる、採用や社内コミュニケーションのコツなどをお伺いしました。※本文内、敬称略

お話を伺った人

  • 木嶋 諭さん

    木嶋 諭さん

    株式会社ネットオン

    代表取締役

  • 西川瑛奈さん

    西川瑛奈さん

    株式会社ネットオン

    広報担当

この事例のポイント

  1. 各部署の役員が採用を担当することで適任な人材を発掘
  2. バーチャルオフィスで社内コミュニケーションを活性化

組織にマッチした人材を確保することが大切

御社は「テクノロジーで人と社会を幸せにする」というミッションを掲げていますが、どのような思いが込められているのでしょうか?

木嶋:私が幼少期の頃は、自動車や家電、デジタル機器などの分野で日本企業が世界的に輝く存在として印象的だったことを覚えています。新たな技術によって世界が発展していく姿を目の当たりにし、社会を支える企業に対して尊敬の念も抱いていました。

大学生の頃になるとパソコンやインターネットが急速に発展し、私自身が理系ということもあってテクノロジーに秘められた可能性を感じるようになりました。「これまで日本社会を支えてきた憧れの企業のように、自分もテクノロジーの力でよりよい社会を作りたい」という思いが現在のビジョンにつながっているのだと思います。

自社にマッチした人材を採用するために、御社がおこなっている取り組みはありますか?

木嶋:当社の場合は、採用は人事部ではなく、それぞれの部署の担当役員がおこなっています。

営業部署の採用は営業担当の役員、開発部署の採用は開発担当の役員など、現場をよく知るメンバーがオーナーシップを持って選考に携わることで、部署にふさわしい人材を採用しています。

「現場の人間」による採用活動は、事業や業務へのマッチ度が高い人材が採用できるだけでなく、求職者側も、直属の上司になる人物とのコミュニケーションにより、入社前から業務や入社後の働き方の解像度が上がるため、入社後のギャップが抑えられるといったメリットが得られます。そのため、早期離職の防止にもつながりますし、働くイメージがつかみやすくなり、仕事に対するモチベーションの向上にもつながるのではないでしょうか。

部署ごとに採用するにあたって、注意している点や心掛けている点はありますか?

木嶋:その部署で業務を遂行するためのスキルはもちろんですが、企業理念に共感しているかを必ず確認するようにしています。

特に当社では、「テクノロジーで人と社会を幸せにする」というミッションのほか、「次世代が誇る世界企業となる」というビジョン、そして働く指針を示した7つのバリューを制定しています。会社を成長させていくにあたって、行動指針となる理念への理解は、意思決定のスピード感にもつながってくるので、同じ目標に向かって進んで行ける人材かどうか判断する基準の一つとして共感度は大切なポイントだと思いますね。

ミッションの達成に向けて目標を定期的にチェック

日々の業務の中で、ミッションやビジョン、バリューを浸透させるために心掛けていることはございますか?

西川:木嶋さんによる週1回の全体朝礼でのミッション、ビジョン、バリューの説明と、定期的な上司との1on1による定期面談をおこなっています。

1on1では、目標を達成するために現時点で必要な行動を再確認し、現状の課題のすり合わせなどをしながら日々の業務状況や意見を共有しています。

また、毎週の全体朝礼においてもミッションや当期のスローガンの確認をすることで、ミッションや目標を他人事にしない取り組みなどはおこなっていますが、正直、特別なことをしているわけではありません。

ただ、これからさらに事業を成長させていく上では、必ずある壁だとは思うので、徐々に着手していきたいですね。

それでも、目標やミッションについて、社内でこまめに共有しているのですね。人材育成をする際に心掛けている点はありますか?

木嶋:社員一人ひとりが自分で考える力を持つことが大事だと思っています。したがって、全て指示を出して「この通りやってください」ではなく、できるだけ自分で起案し、考えて行動してもらうようにしていますね。といっても個人プレイを推奨するということではなく、メンバーにもある程度の裁量を持ってもらいつつ、各部署のマネージャーが全体をリードするといったイメージでしょうか。

そうなると、マネージャーの力量が問われてきますね。

木嶋:そうですね。変化が激しい時代において、マネージャーや中間管理職の活躍は企業経営において重要であると考えています。

当社でも、マネージャー同士で施策を考案してもらう場を設けるなど、試行錯誤している最中ですが、会社として、自発的な意識の育成やチャレンジできる機会が提供できるよう心掛けています。

ITツールや週1の出社でテレワークの課題を解消

テレワークの運用状況を教えていただけますか?

木嶋:2019年ごろから徐々にテレワークの準備は進めていましたが、新型コロナウイルスの拡大によって2020年に指示在宅制度として運用をスタートしました。2022年からは許可在宅制度を制定し、開発部署はフルリモート、それ以外の部署ではテレワークと出社を織り交ぜて勤務しています。当社ではコロナ前からWeb商談などをおこなっていたため、テレワークについても比較的問題なく移行できたのではないかと思っています。

社員のみなさんは、具体的にはどのような働き方をしていますか?

西川:私の場合は、週4日は在宅勤務、残りの1日は出社という形で働いています。前職は完全出社制の企業だったのですが、柔軟な働き方に変わったことでプライベートとの両立がしやすくなり、心身ともに良い状態で仕事ができていると実感しています。

また、通勤時間がなくなったのもありがたかったですね。以前は通勤に往復2時間も掛かっていましたが、今はその分の時間を有効活用できるようになりました。

テレワークによる課題はありましたか?

木嶋:どの企業も、生産性の維持や情報共有、新人教育をどうするかなどが課題になっていると思います。当社も同様にそれらが課題となりました。

そこで、Chatworkを活用して社内の情報共有を円滑化したり、オンライン懇親会を開催して社員同士のコミュニケーションを積極的に図るなどの取り組みをおこなってきました。また、新入社員の場合は数週間は出社するなどして社内の雰囲気に慣れてからテレワークに移ってもらうようにしています。フルリモートではなく出社日を設けているのも、社内コミュニケーションの活性化を図るためでもあります。

西川:私が所属するセクションでは毎日、朝礼、昼礼、終礼の3回の定例をおこなうなどの工夫をしています。在宅勤務であっても、進捗状況や相談をこまめに共有することができ、安心して業務にあたれていますね。

木嶋:私たちのバリューの一つである「We are a Team」では、「個人、部署最適ではなく、全体最適。困ったときは助け合う。喜ぶときは、全員で。」という指針を掲げています。社員が一丸となって歩んでいくためには社内コミュニケーションは大切だと思いますし、私自身も気軽に社員と会話をしてよく話を聞くことを心掛けています。

バーチャルオフィスが「クスッ」と笑える息抜きの場に

バーチャルオフィスも活用していると伺いました。

木嶋:やはりテレワークをおこなうようになってから、「仲間に気軽に話しかけられなくなった」という社員からの声が多々あり、バーチャルオフィスの導入を決めました。

実際にバーチャルオフィスを使った感想を教えてください。

西川:初めてバーチャルオフィスを使ったのですが、在宅勤務をしていても仲間とコミュニケーションを取ることができて寂しさを感じません。バーチャルオフィス内には各自アイコンがあり、話しかけた人に近づけると会話ができるのですが、まるで、横のデスクの人に話しかけるような感覚でコミュニケーションがとれます。先日もWBCで日本が優勝した話題でみんな盛り上がっていました(笑)。テレワークでありながら、たまにクスッと笑えるコミュニケーションがあるのは楽しいですね。

また、ちょっとしたショートミーティングをしたいときにも、わざわざミーティング用URLを発行する必要がなく、バーチャルオフィス内で気軽にやり取りができるので重宝しています。

働く楽しさを体現し、次世代が誇れる企業へ

最後に、今後の目標を教えてください。

木嶋:当社のビジョンにもあるように「次世代が誇る世界企業となる」ことです。仕事を通じて関わる人や社会の幸せを創るのはもちろん、我々の子どもや孫の世代が「仕事は人生を豊かにするものなんだ」と感じてもらえるような働き方を体現していきたいです。

そう思ってもらうためにも、より良い働き方構築への試行錯誤を続けつつ、社員には仕事とプライベートどちらも大切にした人生を送って欲しいと思っています。

会社としての目標は、「採用係長」が中小企業で一番使われる採用ツールになることです。そのために、もっと多くの人に認知してもらうための広告や営業活動、使っていただいた方が満足できるようなサービス内容の改善など、事業の成長に関わるあらゆる取り組みを進めていきたい。働き方の面でも事業面でも、「次世代が誇れる企業」を目指して、これからも社員と共に成長していけたらと思います。

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