ECサイトでのチャットボットの活用方法|目的やメリット・導入事例を解説

2024/03/01 2024/03/01

チャットボット

ECサイトのチャットボット

ECサイトの運営において、問い合わせ数が多いために担当者の負担が大きくなるケースも少なくありません。顧客の悩みを迅速に解決し、問い合わせの負担を減らすには、チャットボットの導入が役立ちます。本記事では、ECサイトでのチャットボットの活用方法やメリット、導入事例などを解説します。

ECサイトでチャットボットを活用するメリット・目的

ECサイトにおいて、チャットボットを導入する目的は、顧客サービスの質を高めて運営効率を向上させることにあります。顧客の疑問や問題を即座に解決することで、顧客の購入体験をスムーズにし、最終的には売上の向上に貢献します。

このようなチャットボットの活用は、顧客満足度の向上だけでなく、運営コストの削減にもつながるのです。

ここからは、ECサイトでチャットボットを活用する具体的なメリット・目的を4つ紹介します。

顧客理解を深めるためのデータ収集

ECサイトでのチャットボット活用は、顧客理解を一層深める大きなチャンスです。

問い合わせの内容を分析することで、顧客が何を求めているのか、どのような疑問を持っているのかが明確になります。このデータは、顧客のニーズに合わせた商品開発やサービス改善に直結し、結果として顧客満足度の向上につながります。

また、顧客の声を直接聞くことで、マーケティング戦略の精度も高められる点がメリットです。

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早朝・夜間の問い合わせ対応

ECサイトでは、24時間365日、いつでも顧客からの問い合わせに対応する必要があります。しかし、有人のオペレーターによる対応では、対応が難しい時間帯もあるでしょう。

チャットボットの導入によって、早朝や夜間といった人的対応が難しい時間帯でも、顧客の問い合わせに迅速に対応することが可能です。

これにより、顧客サービスの質や利便性を大幅に向上させることができ、顧客からの信頼を得やすくなります。

コンバージョン率の改善

チャットボットを活用することで、顧客が抱える疑問を即座に解決し、購入までをスムーズにサポートできます。これにより、ECサイトの訪問者が商品購入やサービス申し込みに至るコンバージョン率を改善する効果が期待できます。

顧客の疑問がクリアになることで、購入に対する心理的障壁が低くなり、購入意欲の向上につながるのです。

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問い合わせ業務の負担削減

チャットボットの導入により、簡単な問い合わせは自動で対応することが可能です。そのため、人的対応が必要な複雑な問い合わせのみをオペレーターが対応することになり、問い合わせ対応業務の負担が大幅に軽減されます。

結果として、業務効率の向上やオペレーターのストレス軽減にもつながり、より質の高い顧客対応が可能になります。

チャットボットの主な設置場所とその効果

チャットボットをECサイトの特定のポイントに設置することで、ユーザー体験を向上させ、サイト運営の効率化を図ることが可能です。

ここからは、チャットボットの主な設置場所とその効果を解説します。

トップページ

トップページにチャットボットを設置することで、顧客はECサイトにアクセスした段階からサポートを受けることが可能です。トップページはECサイトの中でも特に目に付く場所であるため、ユーザーの疑問解消に大きく貢献し、サイト全体の利便性を高めます。

また、一目でわかる場所に設置することでチャットボットの利用率が向上し、結果的に有人対応の負担も軽減されます。

商品詳細ページ

商品詳細ページにチャットボットを設置すると、商品に関する疑問や不明点を即座に解消できるため、非常に効果的です。

商品詳細ページでは、「在庫を確認したい」「再入荷の予定を確認したい」「さらに詳細を知りたい」などの疑問を抱きやすくなります。そこで、チャットボットを通して顧客がスムーズに情報を得られることで、購買意欲の向上に直結します。

商品詳細ページのチャットボットは、商品の購入において生じがちな疑問や不安をクリアにし、購入決定へと導く重要な役割を果たすのです。

決済ページ

決済ページにチャットボットを設置することで、決済プロセス中に生じる疑問や問題に対してリアルタイムでサポートを提供できます。

具体的には、ログイン情報がわからない場合の問題や支払い方法、送料に関する質問など、購入を躊躇させる要因を排除し、スムーズな決済をサポートします。このアプローチにより、カート放棄率や離脱率を低減でき、顧客の購入体験を大きく改善することが可能です。

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ECサイトにチャットボットを実装した事例

最近では、多くのECサイトが顧客サービスの向上と業務効率化のためにチャットボットを導入しています。

ここでは、その成功事例を4つ紹介します。

UNIQLO

衣料品を製造・販売するUNIQLOは、顧客の質問にリアルタイムで回答し、ショッピング体験を向上させる目的でチャットボットを導入しています。

ログインや決済方法に関する質問から着こなしの提案まで、まるで店員が接客するようにサポートが受けられる点が最大の特徴です。また、チャットボットでは対応が難しい問い合わせにはオペレーターが対応し、常に精度の高い回答を提供します。

FANCL

化粧品やサプリメントなどを販売するFANCLでは、問い合わせ対応は基本的に電話で行っていましたが、チャットでの問い合わせ希望が増加していることを受けて、より問い合わせしやすい環境づくりを模索していました。

そこで、顧客からの製品に関する質問に迅速に対応するため、チャットボットを導入。

これにより、顧客は製品情報や定期便に関する問い合わせなどに対する回答を瞬時に入手できるようになり、購入決定のサポートを受けることが可能になりました。

MAGASEEK

ファッション通販サイトのMAGASEEKは、顧客が疑問を抱いた際はヘルプページから該当の質問を探すか、問い合わせフォームから問い合わせるしか解決方法がないことが課題でした。そこで、顧客体験の向上とサポート業務の効率化を目的としてチャットボットを導入。

これにより、ヘルプページや問い合わせフォームを活用せず、効率的に疑問を解決できるようになりました。操作性も高く、気軽に利用できる点もメリットです。

花キューピット

花のギフトサービスを展開する花キューピットは、顧客が花束やギフトを選ぶ過程で生じる疑問や要望に対応するために、チャットボットを利用しています。

このチャットボットの導入により、顧客は選択肢やボタンをタップしていくだけで24時間いつでも疑問に対する答えを得られるようになり、購入プロセスがスムーズになりました。

効率的な問い合わせ対応により、新しい購買体験の提供も可能となっています。

ECサイトへのチャットボット導入を成功させるポイント

ECサイトでのチャットボット導入成功の鍵は、ユーザーのニーズに合わせた設計と、柔軟性のある運用にあります。

ここからは、ECサイトへのチャットボット導入を成功させるポイントを詳しく解説します。

チャットボットの種類を把握する

チャットボットには、主にシナリオ型とAI型の2種類があります。

シナリオ型は、あらかじめ設定した質問に対する回答を行うもので、商品詳細ページや決済ページなど回答が定型化しやすい場所に最適です。一方、AI型はユーザーの質問に対して柔軟に回答できるため、より複雑な対話が求められる場合に向いています。

一般的に、ECサイトにおける問い合わせは支払い方法や商品の詳細情報など定型化しやすい傾向があるため、シナリオ型が向いているといえます。自社のECサイトの顧客ニーズに合わせて、適切なタイプを選択することが重要です。

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過去の問い合わせ履歴を参考に設計する

チャットボットの設計においては、過去の問い合わせデータを分析し、よくある質問やユーザーのニーズを理解して、問い合わせのカテゴリーやQ&Aの項目、回答内容などを設定することが重要です。

過去のデータをもとにシナリオを作成することで、ユーザーが求める情報を的確に提供できるチャットボットを構築できます。これにより、ユーザーの満足度を大きく向上させることが可能になります。

有人対応もできるチャットボットを選ぶ

シナリオ型やAI型にかかわらず、すべての問い合わせにチャットボットだけで対応することは難しい場合があります。そのため、チャットボットで解決できなかった問い合わせを、オペレーターにつなげる機能を持つチャットボットを導入しましょう。

簡単に有人対応に切り替えられることで、複雑な問い合わせにも柔軟に対応できるようになり、顧客満足度のさらなる向上が期待できます。

定期的に情報を更新・改善する

チャットボットの効果を最大限に引き出すためには、定期的にシナリオの内容を見直し、最新の情報に更新することが大切です。

例えば、対応する支払い方法や送料などが変更になった場合、古い情報のままチャットボットが回答してしまうとトラブルが発生する恐れがあります。情報の変更があった場合は、迅速に回答内容を更新することで、常に最新の情報を提供できるようになります。

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ECサイトに向いているチャットボット

ここからは、ECサイトでの運用に向いているチャットボットを3つ紹介します。

RICOH Chatbot Service

「RICOH Chatbot Service」は、顧客サポート向けのチャットボットです。

顧客からの問い合わせに対して自動で返答でき、商品情報の提供や問い合わせ対応の効率化が可能。AIによる人工知能技術を活用しており、顧客の質問内容を正確に理解し、柔軟に回答を提供する能力を持っています。

これにより、ECサイトにおけるオペレーターの業務負担を軽減し、顧客満足度の向上に貢献します。導入後も専任担当が定期的なサポートを行うため、運用に不安がある場合でも安心です。

提供元リコージャパン株式会社
初期費用5,500円(税込)
料金プランSTARTER:19,800円(税込)/月

STANDARD:55,000円(税込)/月
ENTERPRISE:要問い合わせ

機能・特徴AIによる自動応答、有人対応/多言語対応、メンテナンス、連携機能など
URL公式サイト

sinclo

「sinclo」は、多機能を備えた顧客対応型チャットボットサービスです。

問い合わせへの自動回答はもちろん、高度な質問にはオペレーターに切り替えるなどハイブリットな運用が可能。オペレーター対応時は、顧客が閲覧しているページを共有して双方向に操作したり、詳しい商品資料やカタログなどの資料を双方向に操作したりできるなど、店頭レベルの接客も実現できます。管理画面はシンプルでわかりやすく、慣れていない方でも直感的に操作できる点が特徴です。

提供元株式会社エフ・コード
初期費用要問い合わせ
料金プランコスト重視プラン:10,000円~/月

成果重視プラン:30,000円~/月

導入実績800社以上
機能・特徴チャットボット、有人チャット、履歴・統計レポート、一括ヒアリング、属性値取得など
URL公式サイト

hitobo

「hitobo」は、高度な自然言語処理技術を活用したAI型チャットボットで、ユーザーからのさまざまな質問に対して自然な形で返答することができます。

問い合わせ履歴やPDFなどからQ&Aの自動生成に対応しており、システムにすぐ反映できるため業務の効率化が可能。複雑な質問の場合は、オペレーターへ誘導できます。ダッシュボード機能を活用することで、問い合わせの内容や件数、解決・未解決数など必要な情報をすぐに確認できる点もメリットです。

提供元アディッシュ株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
機能・特徴Q&A自動生成、生成AI チャットボット、従来AI チャットボット、分析・レポート、デザイン・カスタム、セキュリティ、FAQページ生成など
URL公式サイト

ECサイトの強化にチャットボットを活用しよう

ECサイトにチャットボットを導入することで、顧客の疑問にリアルタイムで答えて顧客満足度を高められます。また、運営側の負担を軽減し、より多くの顧客に効率的に対応できるようになります。

チャットボットはシナリオ型とAI型の2種類があるため、自社のECサイトにおける顧客ニーズを把握して、最適なチャットボットを導入しましょう。

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