チャットボットAPI6選|選び方やAPI連携の仕組み・種類について解説
チャットボット導入手段の1つである「チャットボットAPI」。チャットボットAPIを活用すればチャットボットを簡単に導入できますが、自社に最適な製品はどのように選べばよいのでしょうか。本記事では、チャットボットAPI6選を、API連携の仕組みと併せて解説します。
目次
チャットボットAPIとは?
「チャットボットAPI」とは、ダウンロードして利用できるオープンソースコードで、チャットボットの本体部分を指します。
そのうちの「API」とは、「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の略であり、該当のアプリやソフトウェアなどを、プログラミングを介して任意のプラットフォームに連携させる窓口のことです。
チャットボットとは
チャットボットとは、ロボットがチャット形式でユーザーと自動的に会話を行うプログラムのことです。
たとえば、自社のWebサイト上で顧客の問い合わせに回答したり、スケジュール管理を行ったりといった場面で活用されています。APIに対応したチャットボットであれば、自社にプログラマーがいなくても簡単に導入できる点がメリットです。
▷チャットボットとは?仕組みや種類・使い方、メリットとデメリットをわかりやすく解説
チャットボットAPIの選び方
ここでは、チャットボットAPIを選ぶ際に確認すべき3つのポイントを解説します。
導入する目的に適しているか
チャットボットAPIは、導入目的に適したものを選定することが大切です。目的に合わないミスマッチなチャットボットAPIを導入してしまうと、期待する効果が得られない可能性があります。
チャットボットAPIにはさまざまな種類があり、それぞれ用途やコンセプト、導入できるプラットフォームなどが異なります。まずは自社の導入目的を明確にし、課題解決につながる機能を持ったものを選びましょう。
操作性に優れているか
チャットボットAPIは、操作性に優れているかどうかも重要です。それぞれ操作性が異なるため、複雑なものを選んでしまうと運用に手間がかかったり、ユーザーに使ってもらえなかったりする恐れがあります。
このようなリスクを回避するために、無料プランやトライアル期間がある場合は積極的に活用し、実際に操作性を確認してみるとよいでしょう。
チャットボット以外の機能が充実しているか
導入目的や用途にもよりますが、チャットボット以外の機能もチェックしましょう。備わった機能の中に、運用していくうえで自社にとって便利な機能や、スムーズな運用の助けになる機能があるかもしれません。
たとえば、データ分析機能を備えたチャットボットAPIであれば、より効果的な運用方法を検討・修正するために、収集されたデータが役立ちます。
それぞれのチャットボットAPIによって搭載されている機能は異なるため、選定の際にメイン機能と併せてチェックしてみるとよいでしょう。
▷無料で利用できるおすすめのチャットボット比較!選び方やメリットを解説
【日本語に対応】チャットボットAPI6選
ここでは、日本語に対応しているチャットボットAPIを6つ紹介します。
ほとんどのサービスで無料版やトライアル期間が用意されているため、使用感を確かめる意味でも、積極的に活用するとよいでしょう。また、多くのサービスがメッセージ数などに連動する従量課金制を採用しているため、概算や細かな内訳を知りたい場合は別途問い合わせが必要です。
IBM Watson Assistant
IBM Watson Assistantは、情報システムサービスの世界的企業、IBMが提供しているチャットボットAPIです。
顧客対応の効率化を目的としており、同社によると、投資収益率は370%、自動回答は95%の精度を誇るとのこと。大量の問い合わせにも問題なく対応できると謳っていることから、問い合わせ件数の多い企業でも安心して導入できます。
小売店から銀行、官公庁まで、すでに幅広い業界での導入実績があることも、導入の後押しとなるでしょう。
提供元 | 日本アイ・ビー・エム株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
Messenger for Business
Messenger for Businessは、Facebookを運営するMeta Platforms社が提供しているチャットボットAPIです。
Instagramのメッセージ機能と連携させることで、カスタマーサービスの品質向上を目指すことができます。アンケートテンプレートも作れるため、顧客からフィードバックを得たい場合にも活用できるでしょう。
また、用途に合わせてさまざまなカスタマイズが可能な点も特徴です。マーケティングや顧客対応にSNSを取り入れている、または取り入れることを検討している場合は、チェックしてみるとよいでしょう。
提供元 | Meta Platforms |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
Azure AI Bot Service
Azure AI Bot Serviceは、Microsoft社が提供しているチャットボットAPIです。
テキスト形式のシンプルなボットだけでなく、他のAzureサービスと組み合わせることで音声・言語認識などを備えた高機能なボットを作ることもできます。
また、Facebook・Microsoft Teams・LINE・Skype・Slackなど、さまざまなサービスと連携させることができるため、幅広いシーンや用途で活用できるでしょう。
提供元 | Microsoft Corporation |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
Amazon Lex
Amazon Lexは、Amazon社が提供しているチャットボットAPIです。テキスト形式のボットをメインとしており、以下のような実績を公表しています。
- コンタクトセンター内のIVR抑制率:80%
- セルフサービス率の向上:65%
- 完全に自動化されたエンドツーエンド通話:35%
- エージェント通話量の削減:30%
また、同社が提供する他のサービスと併用することで機能を拡張できるため、幅広いシーンに応用可能です。
提供元 | Amazon.com Services LLC |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
Google Dialogflow
Google Dialogflowは、Google社が提供しているチャットボットAPIです。
チャットボットとボイスボットに対応しており、Google独自開発のAIが自然で正確なやり取りを実現します。ビジュアルビルダーとビルド済みエージェントを活用すれば、開発時間の大幅な削減も可能です。
カスタマイズ性に優れており、小規模から大規模、シンプルな用途からやや複雑な用途まで幅広く活用できます。
提供元 | Google LLC |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
HubSpot
HubSpotは、世界中で19万社以上の企業が導入しているカスタマープラットフォームです。
マーケティング・営業・コンテンツ管理・カスタマーサービスなど、さまざまパッケージが提供されており、自社に必要な製品を選んで基盤となるCRMデータベース上で連携させることができます。
チャットボット機能は製品の1つであるMarketing Hubに含まれており、新規リードの呼び込み、AIによるキャンペーン管理、営業活動の一部代行を実現します。
多機能型のチャットボットAPIを探している場合は間違いなく選択肢に入るでしょう。
提供元 | HubSpot, Inc. |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 【Marketing Hubの場合】
※年払いによる割引あり |
導入実績社数 | 約19万4,000社 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
チャットボットAPIを導入するメリット
チャットボットAPIを導入する主なメリットは以下の5つです。
- 簡単に構築でき低コストで運用できる
- 短期間で導入・利用開始できる
- 業務の効率化が期待できる
- 顧客の利便性が高まる
- コスト削減が期待できる
チャットボット構築には、本来であれば専門知識や開発環境が必要ですが、APIを利用することで比較的簡単にカスタマイズや導入ができ、コストも低く抑えられます。
加えて、システムとしてすでにある程度の形ができあがっているため、導入・利用開始までのプロセスもスムーズです。サービスによってはLINEやGoogleなどはアカウントさえあればすぐに導入可能であり、新規アカウントを作成する必要すらない場合もあります。
チャットボットを導入すれば、利用する従業員や顧客の利便性が高まると同時に、問い合わせ対応といった業務を自動化でき、業務の効率化とコスト削減を両立できるでしょう。
▷チャットボットでできること・できないこと|事例や導入手順を解説
チャットボットAPIを活用する際の注意点
続いて、チャットボットAPIを活用する際の注意点を2つ解説します。
チャットボットに関する知識が必要
チャットボットAPIを導入・運用するには、ある程度の専門知識が必要です。高度なプログラミングの知識やスキルがなくても導入は可能ですが、定期的なメンテナンス時にはそれだけでは足りない場合があります。また、しっかりと使いこなすためにも、知識があるに越したことはないでしょう。
社内で専任の担当者を決めるのが理想ですが、どうしても難しい場合はサポート体制が充実しているサービスを選ぶのも1つの方法です。
導入できるプラットフォームが限られている
各チャットボットAPIは、導入できるプラットフォームが限られています。
利用するプラットフォームを変更・追加したい場合は、改めてそのプラットフォームに対応しているチャットボットを導入する必要があります。状況によっては、旧プラットフォームから新プラットフォームへのデータ移行に手間がかかるかもしれません。
チャットボットAPI選定・導入の際は、現状利用しているプラットフォームに対応しているかだけでなく、将来的な運用計画なども見据えて検討するようにしましょう。
▷【2024年最新】おすすめのチャットボット29選比較|無料ツールや比較ポイント
チャットボットAPIの導入が向いている業務
ここでは、チャットボットAPIと特に相性の良い2つの業務を紹介します。
社内外の問い合わせ業務
社内外の問い合わせ対応は、質問と回答の内容、解決までのシナリオがある程度パターン化できるため、チャットボットAPIにぴったりの業務です。
チャットボットとの対話を提供することで、顧客が自己解決できる範囲を広げることができます。解決できない問題や疑問のみ有人対応に切り替えることで、業務を大幅に効率化できるでしょう。
また、AIを搭載しているチャットボットを利用すれば、データの蓄積によって正確性を向上させたり、設定のブラッシュアップに活かしたりすることもできます。
Web接客・マーケティング業務
チャットボットAPIはWeb接客・マーケティング業務にも適しており、活用する企業が増えています。
ウェブサイトを訪れたユーザーにチャットボットが話しかけたり、疑問点を解消するサポートをしたりすることで、顧客獲得や売上増につながります。
必要な場合のみ顧客の意思で利用するため、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。
▷チャットボットをマーケティングで活用する方法!事例や活用するメリットを解説
チャットボットAPIを活用しよう
高度な知識や技術がなくてもチャットボット機能を手軽に導入できる、チャットボットAPIは、社内外の問い合わせ窓口や新たな顧客獲得のために幅広く活用されています。
導入できるプラットフォームはそれぞれのチャットボットAPIによって異なるため、導入目的や将来的な運用計画に基づいて選定することが大切です。
メンテナンスのためにある程度の専門知識が必要となるものの、業務の効率化や従業員・顧客の利便性向上、コスト削減など、期待できる効果が多いため、積極的に活用していきましょう。
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