【用途別】FAQシステムの導入事例|メリットや得られる効果を解説!
FAQシステムは、顧客サポートや情報提供のために多くの組織で導入されています。実際に企業がFAQシステムを導入した場合、どのような効果を得られるのでしょうか。この記事では、用途別のFAQシステム導入事例を中心に、メリットや効果を紹介します。
目次
【個人顧客向け】FAQシステムの導入事例
最初に個人顧客向けのFAQシステムを導入した企業の2つの事例を紹介します。
株式会社東京スター銀行
株式会社東京スター銀行では、従来のFAQの情報量が多く、顧客が知りたい情報になかなかたどり着けないことが課題でした。また、FAQ内の金融用語や専門用語の使用率が高く、顧客が入力する言葉では検索に引っかかりにくいといった問題もありました。そこで、新たなFAQシステムを導入したのです。
新システムでAIやタグ検索などを活用した結果、顧客が求める情報にたどり着くための導線設計が可能になりました。さらに、現在ではFAQから得られたデータを基に、サイト内検索で表示されるタグのレコメンド機能を活用したマーケティング施策も行っています。
株式会社新川インフォメーションセンター
株式会社新川インフォメーションセンターは、月に300〜400件の電話問い合わせに対応していました。1件あたりの対応時間として30分〜1時間程度必要だったため、社員が膨大な工数を抱えてしまうことが課題でした。
対策として、電話体制の強化を考えたものの、問題を根本から解決する必要があり、FAQシステムの導入を決めたのです。
システム導入後は、写真や図を用いてわかりやすいFAQページを作成し、言葉だけでは伝わりにくい情報を直感的に理解しやすいよう工夫することで、ユーザーによる自己解決を可能にしています。
また、アクセス解析の結果からユーザーが求めている情報や入力された検索キーワードがわかるため、FAQページをよりわかりやすく改善できるようになりました。さらに、ヒット率を上げるための提案など、ベンダーによるサポートも効果的に活用しています。
▷FAQシステムのメリット・デメリット|事例や選び方のポイント
【社内向け】FAQシステムの導入事例
次に、社内向けにFAQシステムを導入した企業の事例を2つ紹介します。
日本航空株式会社
日本航空株式会社では、社内システムのヘルプデスクやサポート業務をグループ会社に集約する体制を敷いています。そのグループ会社では、1日あたり50件の電話問い合わせに3名のオペレーターで対応しており、膨大な業務に追われていました。
また、スプレッドシートで運用していたFAQが読まれていないことも課題でした。そこで、FAQシステムを導入し、従業員が自らFAQを利用しようと思える環境を整えることにしたのです。
導入の結果、FAQシステムへの月間アクセス数は2万件を超え、電話による問い合わせ数の削減に成功しました。また、不具合などの軽微な問い合わせが減ったことで、深刻度が高く個別対応が必要な案件に丁寧に対応できるようになったのもポイントです。
さらに、ベンダーのサポートによって課題が可視化され、より効果的な運用のために活かすことが可能になりました。同社では、月次レポートやキーワードに関するアドバイスなどを基に、FAQの鮮度を維持し続けています。
パーソルテンプスタッフ株式会社
パーソルテンプスタッフ株式会社は、事務業務のサポートを中心としたBPO事業を行っています。
同社では、BPO市場の拡大とともに組織拡大やプロジェクト数が増加した結果、ナレッジの体系的なマネジメントが必要となったことから、FAQシステムを導入しています。
システム導入後には、ナレッジをマニュアル化して展開するだけではなく、個人の持つ知見を気軽に蓄積・共有できる仕組みの確立に成功。合わせて、FAQページへのナレッジを提供した社員にポイントを還元する制度も運用し、ナレッジを「みんなで使い、育てる」社内文化を醸成しています。
【コールセンター向け】FAQシステムの導入事例
最後に、コールセンター向けにFAQシステムを導入している企業の事例も2つ紹介します。
auコマース&ライフ株式会社
auコマース&ライフ株式会社では、コールセンター向けのFAQシステムを複数利用していたため、後処理に多くの時間を要していました。また、1回の問い合わせに対するオペレーターの対応コストの高さや業務負荷の大きさも課題でした。
加えて、情報共有の体制が整っていないことから、必要なナレッジが蓄積されないといった問題も発生していたのです。
FAQシステム導入後は、問い合わせの記録、そして、過去の問い合わせ内容の検索が単一のシステムでできるようにしました。さらに、多くの操作をクリックのみで完結するシステムにより、大幅な工数の軽減も実現。結果として、問い合わせに対する後処理の時間を約40%削減しました。
株式会社アイム
株式会社アイムでは、複数拠点を運営するうえでのナレッジ共有が課題となっていました。特に、新商品情報など、各拠点への迅速な情報共有が求められる場面において、従来のメールやエクセルなどでの共有は、各拠点で扱う製品に合わせた情報の振り分けなど、担当者の負担が大きく、情報発信のタイミングに遅れやバラつきが生じていたのです。
すでに導入していたFAQシステムもあったものの、検索がしにくく、過去の不要な情報が溜まっていたことから活用されていないのが現状でした。そこで、検索性に優れたFAQシステムへと変更しました。
システム導入時は、実際に使用するコミュニケーター(オペレーター)の意見を重視したことも、FAQシステムによる情報共有を成功させられたポイントだといいます。
▷無料のFAQシステム6選|メリットや選び方・導入する際のポイントを解説
FAQシステムの導入事例からわかるメリットや効果
ご紹介した事例から業務改善やコスト削減など、FAQシステムの導入には多くのメリットがあることがおわかりいただけるかと思います。
最後に、FAQシステムのメリットと効果を詳しく解説します。
顧客満足度を向上させられる
FAQシステムでは、検索キーワードの分析やアクセス解析ができるため、ユーザーのニーズを的確に把握するための情報を容易に収集することができます。
収集したユーザーデータは、FAQコンテンツの利便性向上やコンテンツの改善に役立つでしょう。その結果、ユーザーは、必要な時に、自分のタイミングで欲しい情報が得られるようになるなど、自己解決を促進するツールの充実は顧客満足度の向上にもつながります。
効率よく業務を進められる
FAQシステムによって、自己解決できるユーザーが増えれば、相対的に電話やメールでの問い合わせは減ることになります。
よくある問い合わせをFAQに誘導することで、オペレーターは、有人対応が必要な問い合わせに集中できるようにすることも可能です。
ユーザーにとっては、問い合わせ時の待ち時間が減る、企業によっては、業務の軽減によりコスト削減が実現できる、双方にメリットのある高効率なカスタマーサポート体制を構築することができるのです。
計測や分析に活用できる
FAQシステムを活用すれば、ユーザーの検索キーワードや閲覧履歴など、さまざまなデータを収集できます。アクセスの多いコンテンツやよく検索されているキーワードなどを分析すれば顧客が求めている情報がわかるため、FAQの改善や顧客対応の強化に活かすことができるでしょう。
また、よくある問い合わせの内容を計測・分析することで、商品やサービス自体の改善にも役立てられます。FAQシステムの活用は、問題解決だけでなく、顧客の声を活かした商品・サービス開発にもつなげることができるのです。
▷FAQの作り方とは?作る際のポイントやメリット・運用方法についても解説
▷【2024年最新】FAQシステムおすすめ10選比較|導入するメリットや選び方
FAQシステムは用途別にさまざまな利点がある
FAQシステムは、個人顧客向け・社内向け・コールセンター向けなど、用途によってさまざまな場面での活用が可能です。さらに有用なユーザーデータの収集も見込めます。今回の記事を参考に、FAQシステムの導入を検討してみましょう。
FAQシステムの記事をもっと読む
-
ご相談・ご質問は下記ボタンのフォームからお問い合わせください。
お問い合わせはこちら