リスティング広告のマッチタイプとは?種類や優先順位・使い分け方を紹介
リスティング広告で効果的なアプローチを行うには、マッチタイプの理解と適切な設定が重要です。マッチタイプの設定を最適化することで、広告のクリック率やコンバージョン率の向上が見込めます。リスティング広告におけるマッチタイプの基本概念や、優先順位などを把握しておきましょう。
目次
リスティング広告のマッチタイプとは?主な種類は3つ
リスティング広告におけるマッチタイプとは、検索結果画面に広告を表示する範囲をどこまでにするかを指定する登録キーワードの設定分類を指します。
以前は、マッチタイプには部分一致・絞り込み部分一致・フレーズ一致・完全一致の4種類がありました。現在は、インテントマッチ(旧:部分一致)・フレーズ一致・完全一致の3種類に変わっています。
マッチタイプの設定により、広告効果は大きく変わるので、設定時には注意が必要です。
インテントマッチ(旧:部分一致)
インテントマッチとは、登録したキーワードと検索をかけたユーザーの意図(インテント)が関連していれば広告表示がされる設定です。例えば「男性用 帽子」を登録した場合、「メンズ ファッション」で検索がされた際にも表示されるイメージです。
設定したキーワードと言葉が完全に一致していなくても、ユーザーの意図と関連がある語句だとみなされると広告が表示されるので、想定していなかった語句で検索しているターゲットにも訴求できるメリットがあります。
ただし、広告の表示機会が増える分、見込みが薄いユーザーからの広告クリック数も増加する可能性があります。費用対効果が低くなりがちなので、注意が必要です。
フレーズ一致
フレーズ一致とは、設定したキーワードを軸として同じ意味の検索語句に対しても広告が表示されるタイプです。設定したキーワードの前や後に、別の語句が入っている場合でも表示されます。キーワードが「男性用 帽子」だった場合、「帽子 夏用 男性」「安い 帽子 メンズ」といった言葉を入力して情報を収集していても表示されるイメージです。
インテントマッチに比べると広告の表示範囲は限定的なので、狙った層に訴求したいケースに適していると言えるでしょう。
完全一致
完全一致とは、設定したキーワードと寸分違わぬ意味や意図の検索語句に対してのみ広告が表示されるタイプです。もし入力した語句に誤字脱字が含まれていたとしても、意味が同じだと認識されれば広告は表示されます。キーワードを「男性用 帽子」と登録した場合、検索語句が「帽子 男性用」「メンズ 帽子」でも表示がされるイメージです。
広告が表示される範囲が3種類の中で最も狭いため、予算を抑えながら狙った層に訴求できると言えるでしょう。デメリットとしては、想定していない言葉で検索をしているユーザーには訴求できない点が挙げられます。
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リスティング広告におけるマッチタイプの優先度
リスティング広告にはマッチタイプが3種類あるため、複数のキーワードを設定している場合におけるマッチタイプの優先度を把握しておく必要があります。具体例を挙げながら解説しましょう。
1.完全一致のキーワード
完全一致のキーワードは最も優先度が高いと言えるでしょう。リスティング広告における完全一致のキーワードとは、完全一致で登録しているキーワードと一言一句同じキーワードのことです。
例えば、「関西 旅行 安い」で検索をかけた場合を考えてみましょう。設定キーワードが「関西 旅行 安い」(フレーズ一致)と「関西 旅行 安い」(完全一致)だとしたら、優先されるのは後者です。
2.完全一致のスペルミスにあたるキーワード
次に優先順位が高いのは、スペルミスが修正されれば完全一致となるキーワードです。検索エンジンを使ったときに、「次の検索結果を表示しています」というメッセージを見た経験は誰しもあるでしょう。間違ったスペルが修正された場合に、完全一致として設定したキーワードと一致するのであれば、次に優先されます。
3.検索語句と同一のフレーズ一致キーワード
優先順位が完全一致、完全一致のスペルミスにあたるキーワードに次いで高いのは、ユーザーの検索語句と同じフレーズ一致やインテントマッチで登録したキーワードです。フレーズ一致とインテントマッチでは、前者が優先されます。
例えば、「関西 旅行 安い」で検索を行ったケースを見てみましょう。「関西 旅行 安い」(フレーズ一致)と「関西 旅行」(インテントマッチ)では、優先されるのは前者です。
4.スペル修正された検索語句と同一のフレーズ一致・インテントマッチキーワード
優先順位4番目にあたるのは、スペル修正されたユーザーの検索語句がフレーズ一致やインテントマッチで登録されているキーワードと一致する場合です。
例えば、「関西 旅行 安井」で検索をかけた場合を見てみましょう。優先されるのは「関西 旅行 安い」(フレーズ一致)です。
5.複数のフレーズが一致するキーワード
ユーザーの検索語句とまったく同じキーワードがどのマッチタイプにもなく、さらに複数の類似パターンとマッチする可能性がある場合は、広告ランクが高く、関連性が最も高いキーワードが優先されます。
関連性は、検索語句の意味に加え、広告グループ内のすべてのキーワードの意味、ランディングページなどを基に決まります。
リスティング広告の媒体別マッチタイプの設定方法
Google広告とYahoo!広告それぞれの、具体的なマッチタイプの設定方法をお伝えします。リスティング広告を開始する前に、ぜひご一読ください。
Google広告の設定
リスティング広告を出稿する際に、頻繁に利用されるGoogle広告の設定方法を解説します。
はじめに、マッチタイプで使用する記号を覚えましょう。キーワードを、完全一致は[ ]、フレーズ一致は” ”で囲みます。インテントマッチには、記号は必要ありません。
まず、管理画面から設定する方法を説明しましょう。キーワードを追加したい広告グループを選び、「キーワード」の「検索キーワード」をクリックします。入力欄にキーワードを入力しますが、その際、完全一致の場合は[ ]で囲むなど、記号を使ってマッチタイプを指定しましょう。入力し終わったら「保存」を押せば、完了です。
Google Ads Editorの場合、次の手順で設定します。最初にキーワードを追加したい広告グループを選び、画面の左下に表示されている「キーワード」をクリックしましょう。次に上部にある「+キーワードを追加」ボタンを押し、登録するキーワードを打ち込みます。画面の右側にマッチタイプを選べる箇所があるので、そこから希望するマッチタイプを選択して設定し、「送信」を押せば完了です。Google Ads Editorを使えば、記号を入力する必要はありません。
Yahoo!広告の設定
Yahoo!広告でキーワードを設定するには、まず広告管理ツールを開き、左側のメニューにある「キーワード」をクリックします。「+キーワード作成」ボタンをクリックし、キャンペーンと広告グループを選んだら「キーワード作成画面に進む」ボタンを押して次に進みましょう。
入力欄にキーワードを入力してください。画面下部にマッチタイプを選択できる箇所があるので、希望するマッチタイプを選び、「キーワードを追加」ボタンをクリックしてください。「キーワードのみ作成して完了」ボタンを押せば、設定ができます。
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リスティング広告の状況に合わせたマッチタイプ使い分け
リスティング広告で効果を出すには、3種類のマッチタイプを状況に合わせて使い分けるとよいでしょう。各マッチタイプが向いているケースをご紹介します。
インテントマッチが向いている場合
インテントマッチは、検索語句に登録したキーワードが含まれていないときでも意図が合っていると判断されれば表示されるため、多くの人に広告を見てもらいたいケースに向いています。登録したキーワードに関心を持つ層に、幅広く自社の商品やサービスの認知を広げたいときは、インテントマッチを選びましょう。
また、想定していないキーワードで検索しているユーザーに対しても広告を表示するので、広告クリック数を増やしたい企業におすすめです。
フレーズ一致が向いている場合
フレーズ一致は、インテントマッチや完全一致に設定すると広告表示の範囲が自社の広告戦略にそぐわないケースに向いているでしょう。
インテントマッチは幅広い層に訴求する分、意図しない層からの広告クリックが増え、広告費用がかさむ恐れがあります。予算に見合う程度に広告費用を抑えつつ広告クリック数を確保したいときは、フレーズ一致を選ぶのが無難です。
完全一致が向いている場合
完全一致は、できる限り予算を抑えてターゲットに確実に訴求したいケースに適しています。すでにリスティング広告を出稿した経験からコンバージョン率が高い検索語句が分かっている場合、その語句を完全一致のキーワードとして追加すれば、コンバージョン率向上も狙えるでしょう。
固有名詞も完全一致が適しています。自社の商品やサービスなどを含め固有名詞を登録するときは、完全一致がおすすめです。
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リスティング広告で設定するマッチタイプの注意点
ここからは、リスティング広告でキーワードのマッチタイプを設定する際に注意したい点をお伝えします。
指定できない記号がある
マッチタイプを指定するときは、[ ]や” ”を全角で入力しないように気を付けてください。全角で入力すると、エラーが発生してしまいます。不明点があれば、入力前に広告ポリシーなどを事前に確認しておきましょう。
除外キーワードのマッチタイプは動作が異なる
除外キーワードのマッチタイプについては、通常の配信キーワードのマッチタイプと動作が異なる点に注意してください。
除外キーワードのマッチタイプの場合の動作は、次のとおりです。完全一致は登録したキーワードと同一の検索語句を除外しますが、フレーズ一致の場合は登録したキーワードと同一かつ同じ語順である場合に検索語句を除外します。
インテントマッチの場合には、登録したキーワードの語順は問わず、そのキーワードに含まれるすべての検索語句を除外し、広告は表示されません。ただし、一部のキーワードを使って検索が行われた場合は、表示されることがあります。
掲載結果がリセットされる場合もある
広告を配信したあとにマッチタイプを変更すると、それまでのキーワードは削除され新しいキーワードを作成するため、元のキーワードの掲載結果データがリセットされてしまう場合があります。安易に変更せず、変更する場合は掲載結果データを前もって確認しておくなど、蓄積したデータを無駄にしないように注意しましょう。
リスティング広告の成果にはマッチタイプの設定が重要
リスティング広告は低予算でも開始できるので、広告出稿のハードルが低いという特徴があります。しかし、予算に見合った結果を出すには、マッチタイプの特徴や注意点を把握しておく必要があるでしょう。マッチタイプを適切に設定し広告効果を高めるためにも、本記事を役立ててください。
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