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給与計算をExcel(エクセル)で行う方法とは?メリットやテンプレートも紹介

2022/05/22 2022/05/22

給与計算システム

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給与計算は個人情報が含まれるため、細心の注意を払って行わなければならない業務です。エクセルの給与計算テンプレートを使用すれば作業の自動化や効率よく業務を行えます。しかし、エクセルで出来ることには限界があります。不便さを感じたら専用の給与計算ソフトの利用について検討も必要です。

給与計算をエクセルで行うならテンプレートを活用するのがおすすめ

給与計算には専用のソフトを利用することが多いのではないでしょうか。しかし、エクセルを使用して給与計算フォーマットを作成することもできます。

少人数の事業所や雇用形態の違う従業員の給与計算をする際に、エクセルで作成したテンプレートの使用が便利です。

給与計算のエクセルテンプレートダウンロード

エクセルの給与計算テンプレートは、Microsoftのホームページのofficeテンプレートページからダウンロードできます。

お手軽にまずはこちらをダウンロードしてみて使用感を試してみてはいかがでしょうか?

Microsoft_給与管理表(明細書付き)

給与計算をエクセルで行うメリット

エクセルは利用者が自身で作成したり、ダウンロードしたテンプレートのカスタマイズが可能です。利用者自身で使いやすくカスタマイズができるのは、市販のソフトウェアにはない最大のメリットではないでしょうか。

給与計算にエクセルを利用するメリットを簡単に以下3点解説します。

  1. エクセルがあれば無料で給与計算ができる
  2. 計算を間違えない
  3. 工数を削減できる

エクセルがあれば無料で給与計算ができる

給与計算テンプレートはMicrosoftのホームページから無料でダウンロードができます。Officeがインストールされているパソコンを使用しているのならば、エクセルテンプレートを使用する方が便利です。

計算を間違えない

テンプレートには自動計算する数式が設定されています。何件分も手計算をすると計算ミスを起こしがちです。テンプレートならば数値を入力するだけで自動計算するため、手計算による計算ミスを防げます。

工数を削減できる

テンプレートの使用で自動化することで作業の手間を減らし、手書きによる転記ミスや計算ミスを防げます。テンプレートに数値を入力するだけで従業員ごとでの管理や年間の給与を月別に明細作成が可能です。

給与計算をエクセルで行うデメリットや注意点

エクセルは日常的に使用している方であれば、誰でも簡単にデータを操作することが可能になっています。誰でも操作出来るという柔軟さはメリットであると同時にデメリットにもなります。

給与計算をエクセルテンプレートでする際には次のような4つの注意が必要です。

  1. 個人情報の取り扱いに注意が必要
  2. 法改正などアップデートが必要
  3. 関数などエラーに注意が必要
  4. 時間の計算に注意が必要

個人情報の取り扱いに注意が必要

エクセルテンプレートは誰でも利用できるため、何の対策も講じずに使用することは情報漏えいの危険があります。

企業の信用問題にもなるため、セキュリティ対策をしなければなりません。情報漏えいを防ぐために、データの使用者を限られた者のみにし、パスワードを掛ける必要があります。

法改正などアップデートが必要

給与から差し引かれる社会保険料や所得税は、改定されることが度々あります。

改定時にはエクセルテンプレートの該当するセルを手入力で修正しなければならないため、少々手間がかかります。その際に、変更することを忘れたり入力をミスしたりしないよう気を付けなければなりません。

関数などエラーに注意が必要

セルを挿入したり削除したりすると入力されている数式にエラーが発生し、正しい値を返さなくなります。

セルの移動などがあった場合には、必ず数式のチェックが必要になります。変更後のエラーに対処できるように、事前にどのような数式が入力され、どのセルを参照しているか把握しておきましょう。

時間の計算に注意が必要

セルに「8:30」と表示されていてもエクセルはその数値を時間として認識しません。数値を時間と認識させるためには、1日の時間である「24」を時間として入力した数値に乗算する必要があります。

給与計算用エクセルに入力が必要な情報

エクセルテンプレートには、各従業員の給与を算出するための情報の入力が必要です。企業によって入力情報は異なりますが、以下の項目は給与計算するための全社共通の最低限必要な情報になります。

給与の計算期間

給与の計算期間を設け事前に入力しておくことで、何月分の給与なのか一目でわかるようにします。そのまま給与明細へ転記するだけになるため、処理が楽になります。

従業員情報

従業員の氏名や生年月日、連絡先等を登録します。扶養家族がいれば扶養家族も登録します。この項目に入社日を登録しておけば有給の管理も一緒に行えます。

時給や基本給など給与に関する情報

従業員に支払われる基本給や時給、交通費などを登録します。従業員情報と同じシートにこの項目を設けると、昇給などで基本給に変更があった際の管理が楽になります。

手当など

役職手当や住宅手当などを登録します。その際に、割増賃金の単価に含めない住宅手当などは区分を分けて管理します。この項目も従業員情報と同じシートで管理するとよいでしょう。

社会保険料など控除に関する情報

毎月給与から差し引かれる社会保険料の保険料率を登録します。また、年齢に合わせて差し引かれる介護保険料の確認も必要です。

勤怠に関する情報

従業員の出勤や欠勤、勤務時間など給与計算の基本となる情報です。この情報をもとに従業員への給与の総支給額が決まります。

給与計算に役立つエクセル関数

給与計算の作業の効率化を図るために、関数の使用をおすすめします。関数を使用すれば自動で計算されるため、繰り返し行う手計算によるミスを防げます。

日付から曜日を出す「WEEKDAY関数」

曜日を数値に置き換えて表示させる関数です。

数式は「=WEEKDAY(数値,種類)」になります。

[数式への入力条件]

数値:セルA1「日付」

種類:1

曜日番号を表示させる「種類」の内、おもな入力数値はこちらです。

  • 「1」または入力しない場合、日曜日を曜日番号「1」として始まり、土曜日が「7」で終わります。
  • 「2」を入力した場合、月曜日を曜日番号「1」として始まり、日曜日が「7」で終わります。
  • 「3」を入力した場合、月曜日を曜日番号「0」として始まり、日曜日が「6」で終わります。

セルA2に結果である曜日番号を表示します。

数式=WEEKDAY(A1,1)

今回は「種類」に「1」を入力したため、セルA1が月曜日の場合、曜日番号「2」とセルA2に表示されます。

端数を切り捨てる「FLOOR関数」

時間や金額など、数値を任意の単位で切り捨てる関数です。

数式は「=FLOOR(数値,基準値)」になります。

時間を10分単位で切り捨てた場合を例に挙げます。

[数式への入力条件]

数値:セルA1「7:12」

基準値:”0:10”(必ずダブルクォーテーションで囲んでください)

セルA2に結果を表示します。

数式=FLOOR(C1,"0:10")

2分が切り捨てられ、セルA2に表示される時間は「7:10」となります。

次に金額を10円単位以下を切り捨てて表示する例です。

[数式への入力条件]

数値:セルA1「5,370」

基準値:100(ダブルクォーテーションで囲む必要はありません)

セルA2に結果を表示します。

数式=FLOOR(C1,100)

セルA2に表示される金額は「5,300」となります。

端数を切り上げる「CEILING関数」

時間や金額など、数値を任意の単位で切り上げる関数です。

数式は「=CEILING(数値,基準値)」になります。

時間を10分単位で切り上げた場合を例に挙げます。

[数式への入力条件]

数値:セルA1「7:12」

基準値:”0:10”(必ずダブルクォーテーションで囲んでください)

セルA2に結果を表示します。

数式=CEILING(A1,"0:10")

2分が切り上げられ、セルA2に表示される時間は「7:20」となります。

次に金額を10円単位以下で切り上げて表示する例です。

[数式への入力条件]

数値:セルA1「5,370」

基準値:100(ダブルクォーテーションで囲む必要はありません)

セルA2に結果を表示します。

数式=CEILING(A1,100)

セルA2に表示される金額は「5,400」となります。

四捨五入する「MROUND関数」

時間や金額など、数値を任意の単位で四捨五入する関数です。

数式は「=MROUND(数値,倍数)」になります。

「倍数」に指定した数値の一番近い倍数を値として返します。時間を30分単位で表示させる場合を例に挙げます。

[数式への入力条件]

数値:セルA1「8:10」

基準値:”0:30”(必ずダブルクォーテーションで囲んでください)

セルA2に結果を表示します。

数式=MROUND(A1,"0:30")

セルA2には「8:00」と表示されます。時間が「8:20」だった場合は、「8:30」と表示されます。

次に金額を500円単位で表示させる例です。

[数式への入力条件]

数値:セルA1「1,400」

基準値:500(ダブルクォーテーションで囲む必要はありません)

セルA2に結果を表示します。

数式=MROUND(A1,500)

セルA2には「1,500」と表示されます。金額が「1,200」だった場合は、「1,000」と表示されます。

残業の有無を確認する「IF関数」

任意の値や数式の一致、不一致を判定する関数です。残業が発生した場合、その時間を結果に表示させます。

数式は「=IF(論理式,真の場合,偽の場合)」になります。

8時間勤務で、残業が発生した場合に残業時間を表示させる例です。

[数式への入力条件]

※1日の勤務時間が9時間の場合

セルA1に勤務時間「9」を入力

論理式:「セルA1>8」

真の場合:「セルA1-8」差分を表示

偽の場合:「””」空白(記号等表示させる場合はダブルクォーテーションで囲んでください)

セルA2に結果を表示します。

数式=IF(A1>8,A1-8,"")

セルA2に表示される残業時間は「1」になります。残業時間が発生しない場合は何も表示されません。

給与計算ソフト導入も検討する

エクセルテンプレートを使用しての給与計算は、低コストでの導入とカスタマイズしやすさからおすすめしてきました。

しかし、エクセルで出来ることには限度があります。エクセルでの給与計算に不便さを感じたら、給与計算ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

給与計算ソフトとは

給与計算ソフトとは、給与計算をするための専用ソフトウェアです。給与計算に特化しているため、決められたフォーマットに必要項目を入力していくだけです。そのため関数などの知識がなくとも誰でも簡単に給与計算が出来る仕組みになっています。

まとめ

エクセルの給与計算テンプレートは、計算など自動化されるため、とても便利で業務の効率化を図るのに向いています。

しかし、関数などの設定変更ミスや情報漏えいなどの危険な点も存在します。使用する際にはトラブル回避の対策が必要です。また、エクセルテンプレートに不便さを感じた場合は、給与計算ソフトなどの専用のソフトウェアの使用も視野に入れるとよいでしょう。

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