クラウド型の給与計算ソフトを比較!メリット・デメリットや無料版などわかりやすく紹介
給与計算を自動化・効率化したい場合は、クラウド型給与計算ソフトの導入がおすすめです。本記事では、おすすめのクラウド型給与計算ソフト7選を比較して紹介します。選び方や利用するメリット・デメリット、導入事例も紹介しているため、導入する際の参考にしてみてください。
目次
クラウド型給与計算ソフトとは
クラウド型給与計算ソフトとは、給与計算や年末調整、社会保険などの業務をクラウド上で自動化できるソフトウェアです。
複雑な勤怠データとの連携や税の計算、給与明細のデジタル化、マイナンバー管理機能を備えたソフトまでさまざまなものがあります。現在、手作業で給与計算業を行っているならば、給与計算ソフトを導入すると以下の作業や問題を効率化できます。
- 基本給、諸手当、各保険料、各税金の計算
- 時間外労働、それに伴う割増賃金の計算
- 最終的な給与支給額を割り出すまでの工数の多さ
- 雇用形態が異なる給与体系の違い(社員、アルバイト、契約社員など)
- 納税や保険料の納付を伴う算出
- 締め期日や納付期限の厳守と正確さ
これらの細かな業務が、クラウド型給与計算ソフトを導入することで業務の一部を自動化でき、経理業務を効率化できます。給与計算ソフトが自動で給与計算を行うため、人的な計算ミスなどのリスクを軽減できる点が魅力としてあげられます。
▷給与計算を自動化・効率化するには?具体的な方法やメリット・デメリットを徹底解説
クラウド型給与計算ソフトの選び方
クラウド型給与計算ソフトにはさまざまな種類があり、機能や特徴が異なるため、選び方を把握して自社に合ったものを導入することが大切です。
ここからは、選ぶ際の基準となるクラウド型給与計算ソフトの選び方を6つ紹介します。
企業規模に適しているか
企業規模に応じて従業員数が増え、働き方が多様化するため、自社の企業規模に適した給与計算ソフトを選びましょう。
給与計算は、雇用形態や各種手当の有無、勤務時間などによって計算方法が異なります。従業員が多い企業では雇用形態も幅広く、人の手で管理していると給与計算に時間がかかったり、担当者の負担が増えたりしてしまいます。給与計算ソフトによっては、企業規模に応じて機能をカスタマイズできるため、管理工数の負担削減が可能です。
業務フローや体制に適しているか
自社の業務フローや社内体制の中に、スムーズに取り込めるかという点も給与計算ソフトを選ぶうえで重要なポイントです。
どのような業務を効率化したいのかという点は、今一度自社の体制を踏まえて考えてみる必要があり、闇雲にソフトを選ぶと業務改善は見込めません。
例えば、給与計算だけではなく、バックオフィス全般の業務効率改善をしたいと考えているのであれば、他サービスと連携できるソフトがおすすめです。
▷給与計算のミスを防止するには?5つの原因と対策方法を徹底解説
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自社の課題を解決できる機能が搭載されているか
クラウド型給与計算システムは、自社の課題を解決できる機能が搭載されたものを選びましょう。そのためには、事前に自社が抱えている課題を明確にする必要があります。
よくある課題の例は、以下の通りです。
- 毎月の給与計算に時間がかかる
- 従業員データの集計・更新に手間がかかる
- 法改正に対応できない
高機能なものではなく、自社の課題を解決できる機能が搭載されたソフトを優先的に選ぶようにしましょう。高機能であるほどランニングコストは高くなるため、必要最低限の機能で自社の課題をピンポイントで解決することが大切です。
既存システムとの連携がしやすいか
既存システムとの連携のしやすさも、確認しておきたいポイントです。勤怠管理システムや労務管理システムなど、すでに他システムを運用している場合は、給与計算ソフトと連携することで業務を大幅に効率化できます。
特に給与計算は、人事データやマイナンバーなどのデータも必要になるため、既存システムとの連携でデータの取り込みがスムーズに行えます。クラウド型給与計算ソフトの導入前に、既存システムと連携が可能かを確認するようにしましょう。
サポート体制が充実しているか
初めてクラウド型給与計算ソフトを導入する場合は、給与計算担当者も操作の経験が乏しいため、不明点などは導入サポートや運営サポートが受けられると安心です。
特に締日や振り込み日前後などはトラブルが発生しやすく、スピーディーな対応が求められます。そのため、サポートの対応時間や対応方法などを確認し、サポート体制が充実しているソフトを選びましょう。サポートの対応方法は、メールや電話、チャット、画面共有、リモートアクセスなど、ソフトによって異なる点に注意が必要です。
使いやすさ・操作性に優れているか
使いやすさや操作性の高さも重要なポイントです。特に、初めてクラウド型給与計算ソフトを導入する場合は、使いやすいものであればすぐに操作に慣れることが可能です。
ソフトによっては、一定期間無料で利用できるトライアルを設けているところもあります。トライアル期間中に、給与計算が簡単に行えるか、給与明細書などを簡単に作成できるか、画面は見やすいかといった点を確認しましょう。実際にソフトを操作する給与計算担当者の声を参考にしながら、使いやすいものを選んでみてください。
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クラウド型給与計算ソフトは、初期費用の負担を軽減したり法改正に自動対応したりするなど、さまざまなメリットがあります。
ここからは、クラウド型給与計算ソフトを利用する3つのメリットを詳しく紹介します。
専門的な知識がなくても利用できる
クラウド型給与計算ソフトは、どのソフトも基本的に操作性が高いため、画面の指示に従って操作するだけで簡単に給与計算や書類作成を行えます。
そのため、専門的な知識がなくても誰でも利用できる点がメリットです。
専門的な知識が必要なシステムは一部の担当者しか操作できず、不在の場合は業務が滞る恐れがあります。クラウド型給与計算ソフトであれば、基本的に誰でも操作できるためスムーズに給与計算業務を進行できます。
法改正や制度変更に自動対応している
企業は、給与から源泉所得税や住民税、社会保険料などを天引きして、従業員の代わりに納付する必要があります。しかし、税制度や社会保険制度は改正される場合があり、正確な給与計算を行うには法改正や制度変更に都度対応しなければなりません。
クラウド型給与計算ソフトであれば、法改正や制度変更に自動対応しているため、担当者の負担軽減につながります。担当者が自ら知識を身につけたり調べたりする必要はなく、対応漏れやヒューマンエラーの発生も防止可能です。
初期費用の負担を軽減できる
自社のサーバーに設置するオンプレミス型の給与計算ソフトは、サーバーやネットワーク機器などを揃える必要があり、初期費用が高くなりがちです。
しかし、クラウド型給与計算ソフトはインストールが不要なため、初期費用の負担を軽減できます。さらに、オンプレミス型に比べて導入から運用までを短期間で行える点もメリットの一つです。
クラウド型給与計算ソフトを利用するデメリット
さまざまなメリットがあるクラウド型給与計算ソフトですが、クラウド上で情報を管理する以上は、情報漏えいやハッキングなどのセキュリティリスクがある点に注意が必要です。
セキュリティリスクを回避するためには、セキュリティ体制が万全なソフトを選ぶことが大切です。例えば、データの暗号化や定期的なバックアップ、脆弱性診断などが行われているソフトを選びましょう。また、ソフトの導入直後は担当者も操作に慣れていないため、スムーズに活用できるようになるまでに時間がかかる点もデメリットとしてあげられます。
クラウド型給与計算ソフトおすすめ7選比較!
自社に合ったクラウド型給与計算ソフトを利用すれば、給与計算担当者の負担が減ることから、業務の大幅な効率化も可能です。
ここからは、クラウド型給与計算ソフトのおすすめ7選を紹介します。
ジンジャー給与
ジンジャー給与は給与計算の自動化だけではなく、他ジンジャーサービスに登録された人事情報や勤怠情報と連携して、ミスなく給与計算ができるクラウド給与計算ソフトです。
月変算定や年末調整など複雑な業務にも対応でき、自動計算して書類の作成やデータベースへの反映が可能です。また、完全月給制、日給月給制、時給制、日給制などさまざまな給与形態の設定が可能なため、担当者の負担なく効率的に給与計算が行えます。給与計算で発生する書類や明細もすべてクラウド上で管理できるため、ペーパーレス化や紛失の防止にもつながります。
提供元 | jinjer株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 300円/月~ ※1カ月の無料トライアルあり |
導入実績 | 18,000社 ※トライアル登録社数含む |
機能・特徴 | 給与計算、月変算定、賞与計算、年末調整、給与体系、Web明細、支給明細設定、システム連携、充実のサポート体制、最新セキュリティなど |
URL | 公式サイト |
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freee人事労務は、一般的な給与計算だけではなく、勤怠や労務管理まで一括で行えるクラウド型給与計算ソフトです。
クラウド上ですべて管理するため、従業員から勤怠の打刻修正の申請があった場合でも、簡単に修正できます。また、ペーパーレス化が実現できるので書類を紛失する心配もありません。やるべき業務が可視化されるアラート機能も備わっており、作業の抜け漏れを防止可能です。
提供元 | フリー株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | ■5名以内 月払い
年払い
■6名以降1名ごとの料金
※1カ月の無料お試しあり |
機能・特徴 | 勤怠管理、給与計算、給与明細の作成、従業員情報の管理、入退社手続き、年末調整、毎月・毎年の給与事務、労務管理、会計処理の効率化など |
URL | 公式サイト |
マネーフォワード クラウド給与
マネーフォワード クラウド給与は、勤怠のデータ集計や給与計算などを自動化できるクラウド型給与計算ソフトです。
既存の勤怠管理システムや労務管理ソフトと連携が可能で、既存システムからデータを抽出できるため転記作業の負担が軽減されます。また、給与明細書はWeb上で確認できるようになり、印刷代や郵送代などのコストも削減可能。各種税金や保険料なども自動計算できるため、給与計算にかける時間と手間を大幅に削減できます。
提供元 | 株式会社マネーフォワード |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ■個人向け 月額プラン
年額プラン
■法人向け(50名以下) 月額プラン
年額プラン
※別途クラウド会計などの従量課金あり ■法人向け(51名以上):要問い合わせ ※1カ月の無料トライアルあり |
機能・特徴 | 計算式のカスタマイズが自由に設定可、前月の実績と当月の給与計算結果を比較可能、給与・賞与計算、Web給与明細、税・社会保険の自動計算、サービス連携など |
URL | 公式サイト |
ジョブカン給与計算
ジョブカン給与計算は、20万社以上に導入されているクラウド型給与計算ソフトです。給与計算から給与明細書の発行、帳票の作成まで、あらゆる作業を自動化できます。
開発段階から給与計算担当者の声を反映しており、細部まで使いやすさにこだわった設計です。30日間の無料お試し期間があるため、使用感を試しながら自社に合っているかを判断できます。
提供元 | 株式会社DONUTS |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | ■中・小規模の企業
※有料プランは月額最低利用料金2,200円(税込) ■大企業:要問い合わせ |
導入実績 | シリーズ累計20万社 |
機能・特徴 | 給与規定グループ機能、支給・控除項目の計算式適用、通勤手当の自動計算、税率・保険料率の自動アップデート、社会保険料・雇用保険料・所得税の自動計算など |
URL | 公式サイト |
やよいの給与明細Next
やよいの給与明細Nextは、給与計算から年末調整までを効率化できるクラウド型給与計算ソフトです。
従業員の勤怠情報を入力すれば、給与は自動計算されます。必要な業務はソフト上で一覧化されるため、作業の漏れなく業務を進行できます。
従業員情報に変更がある際も、従業員のスマホから手軽に登録申請ができるので、従業員と担当者のどちらの負担も軽減可能。初年度は無料で利用可能で、ランニングコストを抑えたい企業に向いています。
提供元 | 弥生株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
※いずれのプランも契約から1年間は費用無料 |
機能・特徴 | 給与・賞与明細書の作成や配付、マイナンバー管理、給与計算のタスク管理、勤怠管理システム連携 |
URL | 公式サイト |
給与奉行クラウド
給与奉行クラウドは、給与計算や社会保険、年末調整などの業務をデジタル化できるクラウド型給与明細ソフトです。
複雑な給与体系や各種手当てなどに対応し、自動計算が行えます。従業員の情報に変更があった際は、更新対象を自動判定して自動更新するため、更新漏れの防止や手間が省ける点も魅力。導入時は、操作方法や運用方法をインストラクターから丁寧に指導してもらえます。
提供元 | 株式会社オービックビジネスコンサルタント |
初期費用 | ■従業員1~999人
■従業員1,000〜20,000人
■グループ企業向け
※30日間の無料お試しあり |
料金プラン | ■従業員1~999人
■従業員1,000〜20,000人
■グループ企業向け
|
機能・特徴 | 給与処理、賞与処理、明細書配付・振込、社会保険・労働保険、年末調整、マイナンバー管理、管理帳票など |
URL | 公式サイト |
フリーウェイ給与計算
フリーウェイ給与計算は従業員5人までは利用料が一切かからないお得なクラウド型給与計算ソフトです。6人以上の場合は月額2,178円(税込)で利用できるため、安い料金で利用できるソフトを探している企業におすすめです。
5人までは無料ではありますが、保険料率の変更や税制などの改正にも自動対応し、給与計算から年末調整までを自動化できるなど、利用できる機能は豊富。給与明細書や賃金台帳、被保険者報酬月額変更届や年末調整還付金額一覧表など、各種帳票も無料で作成可能です。
提供元 | 株式会社フリーウェイジャパン |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
|
導入実績 | 11万1,522ユーザー(※2024年4月末時点) |
機能・特徴 | 給与・賞与計算、年末調整、社会保険、労働保険、所得税、マイナンバー対応、シリーズ製品との連携など |
URL | 公式サイト |
クラウド型給与計算ソフトの導入事例
クラウド型給与計算ソフトを導入することで、どのような効果が期待できるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこでここからは、クラウド型給与計算ソフトの導入事例を3つ紹介します。
株式会社KOLテクノロジーズ
AIによるマッチングプラットフォームサービスを展開する株式会社KOLテクノロジーズは、企業規模の拡大によりバックオフィス全体の情報管理が煩雑になっていることや、内部統制強化などを課題として抱えていました。
そこで、課題解決のためにクラウド型給与計算ソフトを導入しました。これにより、給与計算だけではなくバックオフィスのあらゆる業務を自動化し、結果的に月次決算にかかる日数を1/2に短縮することに成功しています。またヒューマンエラーの発生リスクも抑えられており、担当者の精神的な負担も軽減されています。
[参照元:株式会社マネーフォワード「マネーフォワード クラウドでバックオフィス業務を完結!」]
スローガン株式会社
スローガン株式会社は、就活プラットフォームや転職エージェントなどのサービスを展開する企業です。
同社ではインストール型の給与計算ソフトを導入していましたが、複数の担当者で操作する際に待ち時間が発生したり、外部へのデータ共有に時間がかかったりすることに不満を抱えていました。年々増加する業務量に対応できなくなることも予測されていたため、クラウド型の給与計算ソフトを導入。
クラウド型に移行したことにより、業務が大幅に効率化され、業務が増加しても必要最小限の人数で対応できるようになりました。また、クラウド型給与計算ソフトは社外でも操作できるため、テレワークの実現にも成功しています。
[参照元:株式会社オービックビジネスコンサルタント「給与奉行クラウドの導入により業務量が増えても最小限の人員で自社が求める業務レベルを実現できる、理想の業務体制に」]
オリオンビール株式会社
オリオンビール株式会社は、酒類清涼飲料事業や観光不動産事業を展開する企業です。
同社の給与計算業務では、紙の給与明細書の発行に毎月10時間かかることや、担当者2名で従業員300人以上分のマイナンバー情報を手書きする必要があることなどが課題でした。
アナログ作業が大半を占め、担当者2名に大きな負担がかかっていたのです。そこで、既存のクラウドサービスとも連携が可能なクラウド型給与計算ソフトを導入しました。
導入の結果、さまざまな業務が自動化・効率化されたことにより、労務体制が1名分縮小した状態でも滞りなく業務を進行できる状態になりました。課題として抱えていた毎月10時間分の紙の給与明細書の発行作業も解消され、従業員がスピーディーに給与明細書を受け取れています。また、負担が大きかった離職票の作成も効率化を実現し、ボタン一つでデータを自動入力して作成できるようになりました。
[参照元:株式会社マネーフォワード「クラウドによるサービス連携で脱・手作業 30%超の業務効率化に成功」]
クラウド型給与計算ソフトを活用して業務効率化を実現しよう
クラウド型給与計算ソフトは利便性が高く、基本的に誰でも利用できるようなシンプルな操作性が特徴です。自動でアップデートされるため法改正や税制の変更にも対応可能で、担当者の負担も軽減されます。
自社の企業規模や体制、業務フローに適したソフトを選択できれば、より負担なく導入が可能です。既存のシステムとの連携性についても確認し、さらに業務を効率化できる環境を実現しましょう。
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