中小企業が給与計算をアウトソーシングするメリットとは?

2022/5/21 2022/05/21

給与計算システム

アウトソーシング業務

中小企業において、給与計算業務に多くの時間や人件費がかかってしまう、あるいは業務が属人化してしまうといった課題が多数発生しています。本記事では、給与計算業務をアウトソーシングするメリットや業者を選定する際の注意点について解説しますのでぜひ参考にしてください。

給与計算のアウトソーシングとは

アウトソーシングは業務の一部を外部に委託することを指します。外部「アウト」と資源利用「ソーシング」という言葉を組み合わせて作った和製英語です。

業務を社外に発注する手法は、1960年代にはアメリカで行われていた経営手法で、もともとは固定費の増加問題を解決するために誕生しました。

アウトソーシングが広まっていく中で、人事業務や総務・経理をアウトソーシングすることをBPO(Business Process Outsourcing)、情報技術・システムなどをアウトソーシングすることをITO(Information Technology Outsourcing)、情報分析や医療開発といった専門性の高い業務を委託することをKPO(Knowledge Process Outsourcing)とい、3種類に分類するようになりました。

給与計算のアウトソーシングはBPOに属し、人事や総務・経理について全てアウトソーシングする業者や、給与計算のみアウトソーシングする業者もいます。

中小企業における給与計算の課題

中小企業の給与計算での課題は以下のような点があげられます。

  • 人件費がかかる
  • 残業の増加
  • 担当者退職・休職時の人材確保
  • 給与計算のミス

中小企業の給与計算の中では、人件費の増加や時間外労働の増加、また効率よく業務ができないといった問題が出てきます。給与計算については、経験がありミスも少なく長く勤めてくれる人材が必要です。

大手企業のように給与計算の専門部署があれば、給与計算業務の引継ぎなど時間と労力をかけてできるのかもしれません。しかし、中小企業では時間をかけて人材を育てる余裕がない場合や費用を極力かけたくないと考えることもあるでしょう。

また、通常業務をこなしながら給与計算を行う時間を作ることも大変です。特に企業の繁忙期ともなると給与計算にも時間を取られ、残業の増加もやむを得なくなります。通常業務に支障をきたしたり、給与計算にもミスが出てしまうのではどうしようもありません。

思い切って費用をかけAIのシステムを取り入れることができても、給与計算には人が判断しなければならない部分があり、全てをAIに依存することは難しいでしょう。

優れた人材を確保しようと思えば人件費がかかり、また内部の人間を育てようと思えば時間もかかりミスが生まれる可能性もあります。誘発されやすい給与計算のミスを未然に防ぐこと、これも中小企業が抱える給与計算の課題といえます。

こうした課題を穴埋めするために注目されているのが、給与計算のアウトソーシングです。

給与計算業務の属人化

給与計算はミスを少なくするためにも、経験と知識がある人材が求められます。大手企業のように経理や財務について専門資格を持った人材を得られれば問題はありません。

しかし、中小企業の場合、人件費を考えると専門資格や知識を持った人材を増やすことは容易ではありません。給与計算ができる人材を1人育てるといっても時間や費用がかかり、属人化してしまう問題も解決できません。

1人が給与計算を抱え込むのではなく、複数人が業務に対応できればいいのですが、給与計算は多くの人が知るような業務ではありません。給与は従業員1人1人、能力によって手当などもあり、また扶養など従業員の個人情報を知ることになります。

そのため、給与計算は他の業務のようにチームを組みグループで対応することは難しく、どうしても属人化しやすくなるのです。1人で給与計算をすることで通常業務の繁忙期には担当者の負担が大きくなり、また退職や休職となった際、対応できる人材がいない状態に陥ることもあるでしょう。

給与計算を企業の業務からアウトソーシングにすることで、給与計算業務にかかる負担の問題もクリアになります。

給与計算はミスが発生しやすい

通常業務をこなしながら給与計算をしなければならない状況では、ミスが発生しやすくなります。ミスが起これば経理上では伝票の訂正、税務上では所得税金額訂正など、1つのミスによっていくつもの訂正が起こり、決算への影響も考慮しなければなりません。

企業の中で給与制度が1つであればまだいいのですが、正社員やパート、契約社員など、給与制度が複数あればさらにミスの可能性が広がります。企業の中では技術的な業務をこなす人もいれば事務的な働きをする人もいて、能力や業務内容、保有資格によっても給与額に違いがあります。1人1人の給与に対して徴収する税金等も変わってくるため、そういった知識と細心の注意が必要です。

こうしたミスを未然に防ぐために、ダブルチェックや自動計算を手計算でチェックするなどの方法もありますが、これによりさらに業務量が増加し、ミスが発生しやすくなるといった悪循環も生まれます。

通常業務をこなしながら給与計算を行い、間違いがないか手計算でチェックし、それでもミスが出てくれば別の人間のチェックも必要となってくるでしょう。そうなると給与計算に関わる人材が複数人必要となり、より一層通常業務に支障をきたすことになるのです。

給与計算をアウトソーシングをするメリット

中小企業などが給与計算をアウトソーシングするメリットは大きく3つに分けられます。「コストを削減できる」「通常業務に注力できる」「最新法令にも対応できる」という3つです。

給与計算をアウトソーシングすることで、給与計算を担当する人件費を削ることができるほか、給与計算ソフトの購入や運用・メンテナンス費用といったコストダウンが期待できます。

給与ソフトもたくさんの種類があるため、企業の業種にあったソフトが必要です。そのソフトを運用するための知識を養う必要も出てきます。

給与計算をアウトソーシングすれば、こうしたコストや時間を削減することもできます。またコストや時間の削減のほか、給与計算をアウトソーシングするメリットについて詳しく解説します。

コア業務に集中できる

中小企業では給与計算を社長が行うことも少なくありません。しかし社長の本来の業務は、「経営」や「営業」といった業務の軸であるはずです。また、社長の家族や親類が給与計算を行う企業もあると思いますが、最終的なチェックを社長が行うようであれば、やはり時間を取られることになります。

給与計算に時間をとられるよりも、給与計算を的確に実行できる外部に依頼すれば、安心して本来の業務に集中できるでしょう。

属人化防止ができる

中小企業で給与計算を担当する場合、特定の担当者が行う傾向にあり属人化が問題となります。大手であれば給与計算を行う人事・労務部門がありますが、中小企業ではこうした部門に人件費をかけることができず、通常業務と並行し給与計算を担当することも少なくありません。

給与計算業務が属人化し、通常業務の繁忙期に残業が増え、その中でミスも出てくることが予想されます。また給与計算のプロセスやシステムを担当者だけが理解していることで、担当者の退職や休職の際、誰も対応できない状況に陥ることもあるのです。こうした従業員の中で他の誰1人として対応できない業務のことを「ブラックボックス化」といいます。

給与計算を担当している人が病気で急に休職した場合や、退職までに次の担当が決まらず引継ぎできないといった給与計算のブラックボックス化も、アウトソーシングすることで防止することができるでしょう。

こうした属人化やブラックボックス化を防止する観点からも給与計算をアウトソーシングすることは大きなメリットがあります。

給与計算のアウトソーシングで成長した企業

給与計算をアウトソーシングすることで、通常業務に支障をきたすこともなく円滑に業務をすすめられるようになった企業はいくつもあります。

給与計算ができる人材を1から育成する労力と費用も必要なく腰を据えて本業に力を注ぐことができれば、新たな業務にチャレンジすることもできるでしょう。

給与計算のアウトソーシングをする際に気を付けること

給与計算をアウトソーシングする際、気を付けるべき点は主に以下の3点です。

  • どこまで委託できるのか
  • 経験や実績はどうか
  • セキュリティは強固か

アウトソーシングを請け負う業者もさまざまで、人事や労務の中で給与計算を引き受けてくれるところもあれば、その他経理業務全般を引き受けてくれるところもあります。

アウトソーシングを依頼する際は、給与計算のみなのかそれとも経理全般・労務全般を依頼するのかによって依頼先も変わってくるでしょう。

また依頼するにあたって大切な従業員の給与計算を任せるため、経験と実績があるかどうかも重要です。経理系の資格者がいる業者なのか、中小企業の給与計算に長けている業者なのか、アウトソーシングを請け負っている業者の公式サイトの確認や過去の実績のチェックなどしっかり行いましょう。

給与計算を外部に発注するということは、従業員の個人データを預けることになります。こうしたデータ類を紛失したりすれば、企業は信頼を失ってしまいます。従業員の個人情報保護の観点から、セキュリティが強固なところに依頼することも重要です。

まとめ

給与計算をアウトソーシングすることで、中小企業にとって直接的な収益につながることはないでしょう。しかし給与計算という重要な業務を、知識と経験を持ったアウトソーシング会社に依頼することで、従業員が本当にすべき業務に注力できます。

また、給与計算をアウトソーシングすれば、人材確保や人件費の捻出に頭を悩ませることもありません。給与計算の属人化やブラックボックス化により、期日に給与計算ができないといったことが起こらないように、通常業務を円滑に行うためにも給与計算のアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょう。

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