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シフト制とは?メリットとデメリット・種類や注意点を解説

2024/04/15 2024/04/15

シフト管理システム

シフト制とは

働く時間や曜日が固定されていない「シフト制」。人手不足の解消や働き方の多様化に貢献する勤務形態として、サービス業や製造業などで採用されています。本記事では、シフト制とはどのような勤務形態なのか、シフト制を採用するメリット・デメリットや注意点について詳しく解説します。

シフト制とは?

シフト制とは、職場における勤務時間や曜日が固定ではなく、あらかじめ定められた期間ごとに変動する勤務体系のことです。従業員は自身のプライベートな予定や体調、そして職場のニーズに合わせて、柔軟に勤務時間を設定できます。

特に、接客業や医療関係、製造業など、24時間体制や休日も稼働する業態で多く採用されている制度です。

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シフト制と固定制・変形労働時間制の違いとは?

シフト制、固定制、変形労働時間制、これらの働き方にはどのような違いがあるのでしょうか?それぞれの特徴と違いを、分かりやすく解説します。

固定制とは?

固定制とは、主にオフィスワークで採用される勤務形態で、従業員は会社が定めた就業時間に従って働きます。つまり、勤務する曜日や時間は、あらかじめ企業によって就業規則で定められた所定労働時間(定時)に従って勤務します。

固定制は、一定の生活リズムやライフスタイルを確保できる点が特徴です。

変形労働時間制とは?

変形労働時間制は、一定の期間、例えば月や年単位で労働時間を平均して管理する勤務形態です。年間を通じて労働時間を調整することで、企業は繁忙期には従業員に長時間働いてもらい、閑散期には短時間での勤務や休みを取らせることができます。

ただし、この制度を実施するには、労使協定の締結と従業員の合意が必須であること、また、1週間当たりの労働時間が、法定労働時間を超えない範囲であることが求められる点に注意が必要です。

変形労働時間制は、仕事の量が季節によって大きく変わる業種に特に適しています。

シフト制の種類

シフト制にはさまざまな種類がありますが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか?3つのシフト制の形態について詳しく見ていきましょう。

完全シフト制

完全シフト制は、早番・遅番・夜勤など複数のシフトパターンが事前に設定されている勤務形態です。

完全シフト制は、特に小売業や医療、介護業界など、24時間体制で人員を配置する必要がある業種で用いられています。多くの場合、1週間などの単位で決まったシフトを、一定期間繰り返しますが、業務の負荷が均等になるよう、一定期間ごとにパターンを入れ替えることがほとんどです。

固定シフト制

固定シフト制、または時間固定、曜日固定シフト制とも呼ばれるこの勤務形態では、事前に勤務する曜日と時間が決められます。例えば、「毎週月・金の9時から17時」といった具体的なスケジュールが設定され、その時間帯にのみ勤務することが特徴です。

この形態は、プライベートの時間を大切にしたい人や、定期的な予定が多い人に適しており、仕事と私生活のバランスを取りやすくする点がメリットです。固定シフト制は、業務量の変動が少ない職場や、人員配置が比較的安定している環境に適しているといわれています。

自由シフト制(希望シフト制)

自由シフト制、別名希望シフト制は、従業員が毎週または毎月、自分の都合に合わせて希望する勤務日や時間を提出し、それを基に職場がシフトを組む勤務形態です。勤務先は集まった希望を考慮してシフトを調整し、次の週や翌々週の勤務スケジュールを確定します。

この勤務形態は、従業員にとっては柔軟性が高い一方で、職場では希望をうまく調整して全員のニーズを満たす必要があり、調整が複雑になりがちです。

シフト制を採用することの多い業種・職種

シフト制は多様な業界で採用されていますが、特にどのような業種や職種で一般的なのでしょうか?シフト制を取り入れる職場の例を詳しくご紹介します。

小売業

小売業、特にコンビニやスーパーマーケットなどは、24時間営業など営業時間が長時間であることが一般的です。早朝から深夜、または終夜を通じて顧客にサービスを提供する必要があるため、シフト制が採用されています。従業員が交代で勤務することで、法定労働時間内の勤務を維持しつつ、店舗の運営をスムーズに行うのです。

飲食業

飲食業界では、レストラン、カフェ、居酒屋、ファストフード店など、多様なタイプの店舗が存在します。多くは、朝から夜遅く、時には24時間営業で顧客を迎えるため、シフト制の勤務体系が最適です。シフト制により、ピークタイム(混雑する時間帯)とアイドルタイム(暇な時間帯)の効率的な人員配置も可能になります。

製造業

製造業では、食品製造や機械製造など、さまざまな製品を生産する工場や、それらを保管する倉庫でシフト制が広く採用されています。この業界では、夜間や休日も含めて24時間連続稼働する生産ラインを持つ企業も少なくありません。

シフト制を採用することにより、工場や倉庫は効率的に人員を配置し、生産性を最大化することが可能になります。

医療従事者・公安系公務員

医療従事者や公安系の公務員は、社会の安全や健康を守るという職務の特性上、24時間体制での業務が求められる職種です。常に人手が必要とされるため、休業時間を設けることが難しく、シフト制を取り入れ従業員が交代で勤務することで、常に必要な体制を維持することが可能になります。

シフト制を採用するメリット

シフト制を採用することには、具体的にはどのような利点があるのでしょうか?シフト制のメリットを詳しく見ていきましょう。

勤務時間を分担することで業務・営業時間を拡大できる

シフト制を取り入れることで、従業員の勤務時間を効果的に分担し、労働基準法の定める法定労働時間の枠内で、業務や営業時間を拡大することが可能になります。

例えば24時間営業や長時間のサービス提供が可能となり、顧客との接点が増えることで、収益獲得の機会も大きく広がるでしょう。また、製造業の場合、人員を適切に配置することで、工場の安定した生産活動を継続し、供給の安定性も保てます。

多様な働き方の尊重によって人材不足を解消できる

シフト制の採用は、主婦、学生、シニアといったさまざまな背景や時間的制約を持つ人材の多様な働き方を尊重できます。結果として、企業はこれまでアクセスが難しかった幅広い人材プールにアプローチでき、人材不足の解消へとつながるのです。

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シフト制を採用するデメリット

シフト制の採用には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。

シフトを管理する手間が増える

シフト制を採用することで、管理する手間が増える側面があります。特に、従業員の労働条件、個々の希望やスキル、そして人件費の管理など、シフトを組む際に多くの要素を考慮する必要が出てくるためです。

これらをバランスよく配慮しながら効果的なシフト計画を立てることは、管理者にとって時間と労力を要する作業となります。

急な欠員により営業が困難になる可能性がある

シフト制では、急な欠席や欠員が発生した際に、迅速に人員を補充することが難しい場合があります。特に、専門的なスキルが必要な職場や、人員が限られている環境では、一人の欠員が大きな影響を及ぼしかねません。

このような状況が発生すると、安全かつスムーズな事業の運営が困難になり、サービスの質の低下や顧客満足度の減少につながる可能性があります。

希望の偏りによってシフトが埋まらない場合がある

シフト制においては、従業員の勤務希望に偏りがある場合、特定のシフトが埋まらない状況が発生することがあります。

例えば、週末や夜間のシフトへの志願者が少ない場合、これらの時間帯の人員確保が困難となり、その結果、従業員の希望に沿わない勤務を依頼することになります。さらに、これが頻繁に発生すると、従業員の不満が高まり、最終的には離職を選択する可能性も出てくるのです。

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シフト制を採用する際の注意点

シフト制を導入する際には、さまざまな点に注意が必要です。どのような注意点があるのか、以下で詳しく解説していきます。

36協定の内容を理解しておく

シフト制を導入する際には、「36協定」の内容を十分に理解し、遵守することが不可欠です。36協定とは、労働基準法の第36条に基づき、時間外労働や休日労働に関する基準を定めた協定のことを指します。

この協定は、使用者と労働者の間で締結されるもので、従業員に時間外労働を要請する場合、この協定が締結されていなければ、その労働は違法とみなされます。したがって、シフト制を採用する際には、時間外労働に関するルールをしっかりと定め、36協定を適切に締結・管理することが重要です。

[参照:厚生労働省「36(サブロク)協定のない残業は違法です!!」]

募集時に労働条件を必ず明示する

シフト制を採用する際には、募集時に労働条件を明示する必要があります。明示が義務とされている労働条件は以下のとおりです。

必ず書面で明示しなければならない事項

  • 契約期間
  • 期間の定めがある契約を更新する場合の基準
  • 就業場所、従事する業務
  • 始業・終業時刻、休憩、休日など
  • 賃金の決定方法、支払い時期など
  • 退職(解雇の事由を含む)

必ず明示しなければならない事項(書面でなくてもよい)

  • 昇給

定めをした場合に明示しなければならない事項

  • 退職手当て
  • 賞与など
  • 食費、作業用品などの負担
  • 安全衛生
  • 職業訓練
  • 災害補償など
  • 表彰や制裁
  • 休職

[出典:厚生労働省「「シフト制」で働くにあたって知っておきたい留意事項」]

シフト変更は従業員に確認してからする

シフト制を採用する際、シフト変更には特に注意が必要です。労働者の同意がないシフト変更は、労働基準法に違反する可能性があります。従業員に予定されていた勤務時間を変更してもらう場合は、必ず事前に確認を取り、同意を得ることが重要です。

シフト制を採用し労働力不足を解消しよう

シフト制は、業務や営業時間の拡大、多様な働き方の尊重により、労働力不足の問題を効果的に解消する手段となり得る勤務形態です。

36協定の遵守、労働条件の明示、シフト変更時の従業員の同意取得など、導入に際してのいくつかの注意点を守り、適切に管理することで、従業員と企業双方にとってプラスの効果をもたらす働き方を実現できるでしょう。

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