サービスプロフィットチェーン(SPC)とは?企業利益につながる好循環の流れ

最終更新日時:2022/08/31

業務効率化・業務改善

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サービスプロフィットチェーン(SPC)とは、「従業員満足」「顧客満足」「企業利益」の3つの関係を示したフレームワークのことです。従業員満足度の改善が、結果的に企業の業績向上につながるとする考え方です。本記事では、SPCについて、効果を発揮する好循環の流れや実現に必要な要素、具体的な事例などを詳しく解説していきます。

サービスプロフィットチェーン(SPC)とは?

サービスプロフィットチェーン(SPC)とは従業員満足度、顧客満足度、企業の利益の3つの関係性を示したフレームワークのことです。1994年にハーバードビジネススクールのヘスケット教授、サッサー教授らによって提唱されました。

SPCでは従業員満足度の向上が顧客満足につながり、さらに企業の利益にも影響することを示してます。そして、利益が出ると従業員への投資(報酬や福利厚生など)が増え、従業員満足度が一層向上して生産性がアップするという一連の好循環を生み出せるのです。

このように従業員満足度、顧客満足度、企業の利益の3つの要素は密接に関わっています。企業が競争力を高め、業績を拡大させていくためにも、従業員満足度を高めることが必要です。

サービスプロフィットチェーン(SPC)が効果を発揮する好循環の流れ

SPCにおいて好循環を生み出す流れは以下の通りです。

  1. 福利厚生や十分な待遇を与えることで従業員満足度を上げる
  2. 従業員のモチベーションや企業への貢献度(ロイヤルティ)が上がる
  3. 従業員のサービスや生産性が向上する
  4. 顧客満足度が高まる
  5. 顧客のサービスの利用度が増える
  6. 企業の利益が増える
  7. 従業員の待遇が向上する
  8. 従業員満足度がさらに高まる

従業員満足度を高めることで顧客満足度、企業の利益に良い影響をもたらし、好循環を生み出します。この流れをループさせることで、企業は持続的な成長を遂げることができると期待されています。

サービスプロフィットチェーン(SPC)の好循環を実現するには?

SPCで好循環を実現するためには従業員満足度を高める必要があることが分かりました。しかし、具体的にはどのように取り組めばいいのでしょうか。

ここではSPCの好循環を実現するために必要なポイントについて解説します。

業務内容を見直す

まずは従業員の業務内容を見直しましょう。チェックすべきポイントは以下の通りです。

  • 今の仕事に働きがいや価値を感じているか
  • 仕事に十分な裁量権があり、自分の発想や長所を活かせているか
  • 仕事に対し明確な目標を持っているか
  • 研修など教育が十分に行われ、業務スキルの向上や人としての成長を感じられているか
  • 自身や周りの評価、待遇に納得しているか

就労環境を改善する

就労環境の改善も大切です。チェックすべきポイントは以下の通りです。

  • 給与水準や雇用保障、福利厚生は適切か
  • 労働時間や残業時間は適切な範囲に収められているか
  • 仕事に必要な機材を揃えるなど不都合なく働ける環境が整っているか
  • 職場内の人間関係や信頼関係は十分に構築されているか
  • 上司や管理職のマネジメントやリーダーシップは適切か

従業員からのロイヤルティを向上させる

従業員からのロイヤルティ(企業への愛着、帰属意識)を向上させるための取り組みも大切です。チェックすべきポイントは以下の通りです。

  • 企業は従業員を信頼し、将来性に期待しているか
  • 企業理念や経営目標に共感でき、従業員自身や所属する部署の目標と連動しているか
  • 経営情報がタイムリーに開示されているか
  • 自社の業績や知名度に満足しているか

サービスプロフィットチェーン(SPC)を活用する方法

SPCを活用するためには、まず、現状把握が必要です。従業員のニーズや課題を把握せずに、闇雲に従業員満足度を上げようとしても、効果は出にくいでしょう。

従業員の業務内容や就労環境、ロイヤルティを把握するには、アンケートの実施が効果的です。アンケートによって自社に足りていないポイントを把握し、改善していくことがSPCの好循環を生み出します。

サービスプロフィットチェーン(SPC)の実現に取り組む企業事例

スターバックスコーヒージャパン株式会社では従業員満足度を高めるための取り組みが充実しています。例えば、2ヶ月(80時間)にわたる従業員研修や、目標設定のための面談制度などがあげられるでしょう。

さらに、コーヒーのスペシャリストを評価する「ブラックエプロン制度」にも取り組んでいます。これにより従業員が知識やスキルを習得する機会を作り出し、やる気の向上にも寄与しています。

また、福利厚生としてコーヒー豆やドリンクの支給制度もあり、従業員が商品知識を深めながら働ける仕組みが整備されています。

こうした取り組みの結果、従業員満足度を高めることに成功し、質の高いサービス提供を可能にしています。

サービスプロフィットチェーン(SPC)の活用で企業利益の向上へ

今回はサービスプロフィットチェーン(SPC)についての解説と活用法について説明しました。SPCが効果を発揮するためには、まず、従業員満足度を高めることが大切です。

しかし、ただ単に給与を上げる、手当を増やすなど、課題の本質を理解しないまま闇雲に取り組んでも効果は出ません。待遇や就労環境だけでなく、業務内容や従業員ロイヤルティを向上させる取り組みについても検討する必要があります。

具体的な施策に移る前に、まずはアンケートなどを通して、現場の実態を知るところから始めましょう。

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