業務効率化の正しい進め方とは?得られる効果や注意すペきポイントを解説

最終更新日時:2023/05/30

業務効率化・業務改善

業務効率化進め方

多くの企業が課題の1つとして取り組んでいる業務効率化。スムーズに業務効率化を実現するためにも、業務効率化の正しい進め方を知っておくことは大切です。そこで本記事では、そんな業務効率化の進め方について、正しい進め方から業務効率化の手法まで徹底解説していきます。

業務効率化の目的とは?

業務効率化の目的とは、業務における「ムリ・ムダ・ムラ」をなくし、より効率的に業務を進められるようにすることです。

業務におけるムリとは、従業員数に対して業務量が膨大で処理しきれない場合など、負担がかかっている状態を指します。

また、業務におけるムダは、業務に必要以上の人員・時間・費用がかかり、社内リソースをロスしている状態のことです。さらに、業務におけるムラとは、チームや時期によって業務量に大きな差が生じていることを指します。

これらの「ムリ・ムダ・ムラ」をなくすことで、企業の組織力強化も期待でき、限られた社内リソースの中でも成果を高められるでしょう。

生産性向上との違い

生産性向上との違いがあります。生産性向上は成果を高めることが目的であるのに対し、業務効率化は業務プロセスの改善が目的です。つまり、業務効率化は生産性向上という目的を達成するための手段の一つと考えられるでしょう。

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業務効率化の正しい進め方

業務効率化の正しい進め方を把握しましょう。業務効率化は闇雲に行っても効果が出ません。正しい進め方を知ることで、スムーズに業務効率化を実現できます。

業務課題の見える化

業務課題の見える化が大切です。まず、業務フロー全体の現状を把握し、課題となっている部分を可視化しましょう。

業務フローを可視化することで、業務における「ムリ・ムダ・ムラ」となっているポイントが明確になり、具体的にどのように改善すべきかが見えてきます。

業務課題の可視化をする際は、誰がどのような業務を行い、どのくらいの時間・工数がかかっているのかに着目しましょう。また、繁忙期・閑散期による業務量の差について考えることも大切です。

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対象業務の優先順位の決定

対象業務の優先順位の決定をします。業務課題が明らかになったら、どの課題から改善していくか優先順位を決めましょう。業務への取り組み方を変える必要があるため、一気にすべての課題に取り組むと現場の混乱を招いたり、中途半端な施策となる恐れがあります。

まずは簡単に効率化できそうな業務や、改善の効果がすぐに出やすい業務から取り組むのがおすすめです。具体的には、工程や関わる人の少ない業務やマニュアル化しやすい業務、発生頻度の高い業務などがあげられるでしょう。

手法やツールの選定

手法やツールの選定をします。対象業務の優先順位を決めた後は、どのような手法やツールで業務効率化を進めるかを考えましょう。

その際は、改善の4原則と呼ばれている「排除・結合・交換・簡略化」の視点を交えながら改善の方向性を模索します。改善の4原則の考え方は以下の通りです。

  • 排除:不要な業務や工程をなくす
  • 結合:まとめられる業務を結合する
  • 交換:工程や担当者を入れ替える
  • 簡略化:より簡単な作業にする

改善の方向性が定まったら、具体的な手法や導入するツールを決めていきます。場合によっては、社内業務の一部を外部に委託するアウトソーシングを活用するのもおすすめです。

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受け入れ態勢の整備

受け入れ態勢の整備に取り掛かります。業務の進め方を変えることになるので、いきなりの導入は現場の混乱を招き、従業員に上手く定着しない恐れがあるでしょう。

したがって、繁忙期を避けるなど導入するタイミングを見計らうことが大切です。さらに、事前に新しいマニュアルや業務フローの周知を行い、ある程度現場に浸透させてから導入するようにしましょう。

効果検証・フィードバック

効果検証・フィードバックを必ず行います。現場にどのくらい浸透しているのか、効果がどのくらい出ているのかなどをチェックし、現場の状況に合わせて細かく改善を重ねることが大切です。

また、効果検証・フィードバックは定期的に行うようにしましょう。検証と改善のPDCAサイクルを回すことで、より業務効率化の効果を高めることができます。

業務効率化の具体的な手法

業務効率化の具体的手法について解説します。

  • 無駄な業務の削減
  • 業務の分業化
  • マニュアルの作成
  • RPAやツールの導入
  • アウトソーシングの活用
  • 情報共有方法の効率化

無駄な業務の削減

無駄な業務の削減を行いましょう。たとえば、形骸化している定例会議の回数を減らす・廃止する・リモート開催にしたり、誰も活用していない資料の作成を廃止するといったことがあげられます。

いきなり完全になくしてしまうのが不安な場合は、簡素化してみる・回数を減らすなど、段階的に削減していくのがおすすめです。また、重複している作業や似たような作業がある場合は思い切ってまとめてしまいましょう。

業務の分業化

業務の分業化をするのもおすすめです。各工程に独立性がある場合、分業することで担当業務がシンプルになり、効率的に進められるようになります。また、それぞれの担当領域に集中でき、習熟スピードも上がるので、早く即戦力を育てたい場合にも有効です。

マニュアルの作成

マニュアルの作成をしましょう。定型化していたり発生頻度の高い業務は、マニュアル化して社内で共有することで、業務内容の標準化ができます。また、担当者が変わっても同じクオリティで業務を進められるようになります。

さらに、マニュアルがあれば上司が付きっ切りで教育せずとも業務を進められるため、社員教育にかかる手間やコストの削減も可能です。

作成したマニュアルは定期的に見直し・改善を行い、常に最新の状態にしましょう。現場の状況に合わせた使いやすいマニュアルにすることが大切です。

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RPAやツールの導入

RPAやツールの導入も検討しましょう。RPA(Robotic Process Automation)とは、ルールエンジンやAI技術などを駆使して、パソコン上の作業を自動化できる技術のことです。具体的には、勤怠・経費の自動集計や日報作成、定期的な資料作成、チェック業務の自動化などがあげられます。

また、業務効率化には、Web会議ツールやチャットツール、クラウドメールなど、ツールの活用も有効です。ツールを使用することにより、社内外のコミュニケーションや情報共有を円滑にし、業務を効率的に進められるようになるしょう。

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アウトソーシングの活用

アウトソーシングの活用もおすすめです。単純な業務やマニュアル化しやすい業務を外部に依頼することで、従業員は重要な業務のみに注力できます。業務効率化につながるだけではなく、業務の質を向上させることも可能です。

アウトソーシングは、経理や事務、人事などのバックオフィス業務や広報業務などに活用されています。必要な時に必要な分だけ発注できるため、上手く活用できれば人件費などのコスト削減にも繋げられるでしょう。

情報共有方法の効率化

情報共有方法の効率化をすることも大切です。チャットツールやWeb会議ツールを導入して社内でのコミュニケーションを取りやすくしたり、データベースを活用して過去事例の共有や社内wikiを作成したりするといいでしょう。

情報共有を容易にできる環境を整えることで、最新情報や優秀な社員の持つノウハウを社内全体に共有できるようになります。また、必要なデータにもすぐにアクセスできるため、会議資料や報告書の作成なども効率的に進められるようになるでしょう。

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業務効率化を進める際に注意すべきポイント

業務効率化を進める際に注意すべきポイントがあります。・スムーズに導入できる体制を整える

  • 導入目的を社内全体で共有する
  • シンプルで使いやすいシステムを活用する
  • 効果検証を行いながら運用していく

スムーズに導入できる体制を整える

スムーズに導入できる体制を整えることが大切です。事前準備を怠ると現場の混乱を招き、かえって非効率的になってしまったり、上手く定着しなかったりする恐れがあります。

そのため、事前にマニュアルを作成・共有し、説明会を開催するなど、従業員の理解を深めるようにしましょう。また、導入する際は繁忙期を避けるなど、スケジュールにも注意することが重要です。

導入目的を社内全体で共有する

導入目的を社内全体で共有するようにしましょう。「なぜ業務効率化を行う必要があるのか」「業務効率化を行うことでどのようなメリットがあるのか」などについて共有することが重要です。

導入目的を従業員に理解してもらうことで、一人ひとりが主体的に業務効率化に取り組めるようになり、定着率を高められます。また、新しい施策の導入自体が目的となることも防げるでしょう。

シンプルで使いやすいシステムを活用する

シンプルで使いやすいシステムを活用することが大切です。業務効率化のためにシステムを導入しても、操作が難しかったり業態と合わなかったりすると定着せず、導入コストが無駄になってしまいます。

システムを選ぶ際は、業務効率化に必要な機能が揃っているか、従業員にとって操作しやすいものであるか確認するようにしましょう。

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効果検証を行いながら運用していく

効果検証を行いながら運用していくことが大切です。想定通りの効果が出ているのか、非効率的になっていないかなど効果検証を行い、必要に応じて改善するようにしましょう。

施策導入前後の業務にかかる工数や時間を比較したり、従業員へのヒアリングを行うことで効果検証ができます。より現場に即した運用ができるように、細かく調整していきましょう。

業務改善プロジェクトの進め方と成功させるためのポイント

業務効率化で得られる効果・メリット

業務効率化で得られる効果・メリットについて解説します。

  • 従業員のモチベーション向上
  • 時間的コストの削減
  • 利益と時間的リソースの創出

従業員のモチベーション向上

業務の効率化を行い、働きやすい環境を整えることで、残業などの時間外労働も削減につながります。その結果、従業員の負担が軽減し、仕事に対する満足度・定着度を向上させられるため、従業員の離職防止にも繋げられます。

時間的コストの削減

業務時間の短縮が可能になり、残業などの時間外労働の削減につながります。また、業務効率化によって人件費の削減にもつながるため、従業員だけではなく企業にとってもメリットがあるといえます。

利益と時間的リソースの創出

利益と時間的リソースの創出ができます。業務効率化を行うことで、同じ業務にかかる時間を短縮でき、人件費などのコスト削減も可能です。

また、同じ時間でこなせる業務量が増えるので、利益も増加するでしょう。その結果、利益や時間的リソースを新たな事業や分野に投資することができ、さらなる利益に繋げられます。

業務効率化に役立つおすすめツール

業務効率化に役立つおすすめツールについて解説します。

  • Web会議ツール
  • チャットツール
  • クラウドストレージ
  • クラウドメール

Web会議ツール

Web会議ツールを活用することで、出社せずともどこからでも会議に参加できるようになります。そのため、移動時間の大幅短縮が可能となり、他の業務により多くの時間をかけられるようになるでしょう。

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チャットツール

チャットツールは、社内の情報共有やコミュニケーションを活性化させます。部署やプロジェクト単位、個人間など必要に応じたグループでのやりとりが簡単にでき、メールよりも素早いやりとりが可能です。

また、やりとりをすべてチャット履歴として残せるので、情報伝達のミスが起こりにくく、確実性の高いコミュニケーションがとれます。コミュニケーション不足に陥りやすいテレワークなどでも社内連携を強化できるでしょう。

クラウドストレージ

クラウドストレージを活用することで、クラウド上でのファイル共有が簡単にできます。また、一度に大量のデータの共有が可能となるため、スピーディーな情報共有が可能です。

さらに、ファイルへのアクセス権限さえあれば、いつでもどこでも書類の確認ができます。必要な時に必要な資料がすぐに取り出せるようになるので、業務効率化につながるでしょう。

クラウドメール

クラウドメールは、インターネットにアクセスできる環境であればいつでもどこでもメールの送受信が可能になるシステムです。

自社の端末やサーバーでメールを管理している場合、オフィス以外での対応が難しく、対応が遅くなってしまいます。

そこで、クラウドメールを利用することによって、取引先や顧客とのメールのやりとりが円滑にでき、さらにサーバーの管理にかかるコストの削減も可能です。

業務効率化の正しい進め方を押さえておこう

業務効率化は業務における「ムリ・ムダ・ムラ」をなくし、効率的に業務を進められるようにするために行います。正しい方法で業務効率化を進めることで、より高い効果を実感できるでしょう。

また、業務効率化を進める上ではツールの活用もおすすめです。自社の課題に沿った最適な施策を導入するようにしましょう。

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