テンション・リダクション効果とは?マーケティングへの活用方法や注意点
日常生活に現れる「テンション・リダクション効果」。緊張から解放された際に見られる心理現象ですが、人の行動にどのような影響を与えるのでしょうか。本記事では、テンション・リダクション効果とは何か、マーケティングへの活用方法をあわせて解説します。
目次
テンション・リダクション効果とは?
テンション・リダクション効果とは、緊張から解放されて注意力が散漫になり、無防備になってしまう状態を活用した心理効果です。主に営業やマーケティング領域で活用されています。
緊張から解放された状態というと、深刻な場面を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、普段の買い物よりも高価な買い物の際に起こる緊張なども含まれます。テンション・リダクション効果は、最初に購入した商品との価格差が大きく、さらに関連性の高いものほど現れやすいのが特徴です。
テンション・リダクション効果の類語
ここでは、テンション・リダクション効果と似た意味を持つ言葉を紹介します。
コンコルド効果
コンコルド効果は、損失が出ると分かっていても過去に投資した時間や労力、資金などを惜しんで投資をやめられなくなる心理効果です。
別名「サンクコストバイアス」と呼ばれることもあります。先入観などによって判断が歪められることを認知バイアスといいますが、コンコルド効果はそのひとつに分類されます。
グルーエン効果
グルーエン効果は、脳が混乱するほど人は衝動買いをしてしまうという心理効果です。大型のショッピングモールなど、ガヤガヤしていて情報量の多い複雑な環境に置かれることで起こります。
この効果は、とくにリテール業界でよく利用され、消費者が店内を巡回し、最終的には予定外の商品を購入するように導きます。
マーケティングでのテンション・リダクション効果の活用例
ここからはマーケティングにおけるテンション・リダクション効果の活用例について紹介していきます。
会計時に追加オプションの購入を促す
テンション・リダクション効果は、とくに販売の最終段階で効果的に活用できます。たとえばファストフード店などでは、注文をした際にサイドメニューとして他の商品を勧めることがあります。慣れているお店であれば、惑わされずに欲しい商品だけ購入することは難しくありません。
しかし、はじめて訪れるお店や高級店だった場合、緊張感を持った状態で購入に至っているため、店員から勧められたままに購入してしまうことがあります。
通販サイトに追加購入を促すアナウンスを表示する
オンラインショッピングでもテンション・リダクション効果を利用した戦略が取られることがあります。悩んだ末に商品の購入を決定し、カートに入れた後の顧客は、すでに一定の満足感を得ています。
この状態で、関連する商品やお買い得商品を提案し、「一緒に購入すると送料無料」などのアナウンスを表示することで、追加の購入を促すことが可能です。
レジの横に商品を陳列する
スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、レジ周辺に小さな商品を陳列することでテンション・リダクション効果を活用します。
これらの商品は、通常必要性が低いか、または衝動的に購入されるものが多いです。しかし、比較的安価で購入しやすい商品を並べることで「ついで買い」を促すことができます。
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テンション・リダクション効果をマーケティングへ活用する際の注意点
テンション・リダクション効果をマーケティングに活用する際には、いくつかの重要な注意点があります。とくに提案する商品の価格や、購入した商品との関連性については、慎重に検討しましょう
テンション・リダクション効果は、最初に購入したものよりも低価格の商品やサービスであるほど効果的です。低価格の商品は購入の際のリスクが低く、衝動的な購入を引き起こしやすいからです。一方、高価な商品を提案した場合は、顧客はより慎重になり、購入の決定を先延ばしにする可能性があります。
また、提案する商品は顧客がすでに購入した商品やサービスと関連性があることが理想的です。関連性のある商品を提案することで、顧客はその商品が自分のニーズや欲求を満たす可能性が高いと感じ、購入する可能性が高まります。一方、関連性のない商品を提案すると、顧客はその商品の必要性を疑問視し、テンション・リダクション効果が薄れてしまいます
これらの注意点を理解し適切な提案を行うことで、テンション・リダクション効果を最大限に活用でき、マーケティングの効果を高められるでしょう。
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テンション・リダクション効果をマーケティングに活用しよう
テンション・リダクション効果は、顧客が購入を決断し、それまでのストレスや緊張から解放されたタイミングで商品やサービスを提案することで、購買行動を促進します。
テンション・リダクション効果を活用する際は、提案する商品の価格や関連性に注意を払うことが重要です。適切に活用すれば、収益の向上だけでなく顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
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