STPDサイクルとは?PDCA・OODAとの違いや活用例を解説

最終更新日時:2023/08/01

業務効率化・業務改善

STPDサイクルとは

マネジメント手法といえばPDCAサイクルを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。しかし、STPDサイクルというマネジメント手法が注目を集めています。本記事では、STPDサイクルとはどのような手法なのかをPDCAやOODAとの違いと合わせて解説します。

福本大一

監修者 福本大一 Chatwork株式会社 DXソリューション推進部|マネージャー 大学卒業後、toC領域のWEBメディア事業で起業。事業グロースに向けたSEO戦略から営業・運用広告に従事し、約2年間の経営を経て事業譲渡。2021年3月からChatworkに入社し、カスタマーマーケティングやアライアンスを経験した後、メディア事業・運用広告事業の責任者としてミッションを遂行する。現在は、DXソリューション推進部のマネージャーとして新規事業領域のセールス・マーケティング・アライアンス・メディア事業を統括。

STPDサイクルとは?

STPDサイクルとは、マネジメントサイクルのひとつで、現状把握から始めて実行まで移していく際のフレームワークです。STPDサイクルはソニーで常務取締役を務めていた小林茂氏によって提唱され、以下4つの頭文字から構成されています。

  • See
  • Think
  • Plan
  • Do

See|現状を見る

Seeでは現状を把握するために、現場調査やアンケート調査などから情報収集を行います。この際、主観や先入観にとらわれず、事実だけに目を向けましょう。なぜなら、必要な情報を見落としたり、情報に偏りが出てしまう可能性もあるためです。

客観的な情報収集を行えば、自然と現状における課題が見えてきます。したがって、Seeでは情報の取捨選択を行わず、必要と思われる情報はすべて集めるように意識しましょう。客観的な立場で行うことがポイントです。

Think|分析する

Thinkでは、Seeで収集した情報をもとに分析を行います。以下のような視点から分析することがおすすめです。

  • 現在どのような状況にあるのか
  • その経緯はどうだったのか
  • 課題とその原因は何なのか

情報分析がうまくいかない場合は、そもそもの情報収集が足りていない可能性があります。こういった場合は一度Seeのプロセスに戻って、足りない情報を集め直しましょう。

Plan|計画する

Planでは、Thinkで導き出した課題を解決するための計画を立てます。目標や期限について具体的な数値を用いて設定することで、次のプロセスであるDoにおける管理や検証がしやすくなります。また、Planのプロセスでは5W1Hを意識することが大切です。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰が)
  • What(何を)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)

5W1Hに沿って検討することで、より具体的かつ効果的な計画を立てられるでしょう。

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Do|実行する

Doでは、Planで立てた計画に沿って実行していきます。目的や目標から方向性がズレないためにも、定期的に進捗状況を確認することが大切です。Planで具体的な数値を設定していれば、計画通りに進んでいるかどうかも把握しやすいといえます。

また、Doで発見した課題は、またSTPDに沿って検討を続けましょう。このように、STPDサイクルを何度も繰り返すことで、最終目標達成に近づいていくのです。

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STPDとPDCA・OODAの違い

STPDサイクルと類似しているフレームワーク「PDCA」「OODA」について、STPDとの違いをそれぞれ解説します。

PDCAとの違い

STPDは、PDCAより小さなサイクルを速く回せるといわれています。

PDCAは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の4つのプロセスから構成されています。しかし、各プロセスは時間をかけて分析する必要があるため、一周するのに長い時間がかかってしまうのです。

また、PDCAが計画するところから始まるのに対し、STPDは計画の前に現状の把握と分析を行います。STPDは現状に対して計画を立てるため、PDCAと比較してより現実的かつスピーディーに課題を解決できるでしょう。

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OODAとの違い

OODAは「観察(Observe)」「理解(Orient)」「決定(Decide)」「行動(Act)」の4プロセスから構成されているフレームワークです。STPDとは異なり、計画をじっくり立てるプロセスがなく、現状を分析し、その後すぐに行動へ移すという特徴があります。

「とりあえず行動してみて現状を観察しよう」という考え方であるため、STPDよりさらにスピード感のあるフレームワークだといえるでしょう。ただし、観察から行動までを迅速に行うため、さらに状況の変化の早い業務に向いています。

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STPDが活用できる場面

STPDは、新しく物事を始める場合や初期段階の活用に適しているといえます。新しく物事を始める際には、計画を立てるために必要な情報が不足していることも多く、計画倒れになることも珍しくありません。

しかし、STPDでははじめに客観的な情報収集を行うため、あらかじめ課題やリスクを把握したうえで、計画を立てられます。現状の課題を洗い出したうえで計画を練るため、施策の精度が高まることも期待できるでしょう。

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STPDサイクルのメリット

ここからはSTPDサイクルのメリットについて紹介していきます。

サイクルを早く回せる

STPDは「Do」「See」を同時に進めることができるため、他のフレームワークと比べると早いスピード感でサイクルを回すことができるのがメリットです。

特にサイクルを早く回す新しい業務に取り組む上ではPTSDのフレームワークが非常に有効な手段となります。

STPDサイクルのデメリット

STPDサイクルにはメリットがある一方でデメリットがあるのも事実です。あらかじめデメリットを理解しておかないと、最大限に活用することができなくなるリスクがあります。ここからはSTPDのデメリットについて紹介していきます。

効果を検証するプロセスがない

STPDでは「Do:実行」のプロセスの後にどのような効果があったのか効果を検証するプロセスがありません。

そのため、行動に対してのFBや振り返りができなくなってしまい、行動が正しかったのか・どの点が良くなかったのかを客観的に把握することができないのです。

行動に対しての振り返りはビジネスシーンにおいて非常に重要な要素となるので、意図的に振り返りの時間を設けるようにしましょう。

STPDにこだわりすぎてしまう

設定したSTPDサイクルのプロセスに囚われすぎてしまい、柔軟な対応ができなくなってしまうリスクがあるのもデメリットです。STPDサイクルはあくまでもフレームワークであり、プロセス通りに行動したからといって必ずしも成果を得られるわけではありません。

そのため、行動にあたっての大枠だと考えて、ケースによっては柔軟に対応する必要があることを理解しておきましょう。

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STPDサイクルとはPDCAに代わる新しい手法

これまでマネジメント手法として代表格であったPDCAですが、現代のマーケティング手法には適していないといわれており、新たに注目されているのがSTPDです。STPDは一度ではなく、何度も繰り返すことで効果がみえてきます。正しい順序で、各プロセスを進めていくとよいでしょう。

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